問題
一般用医薬品の添付文書における「成分及び分量」および「保管及び取扱い上の注意」に関する次のa〜eの記述について、正しいものの組み合わせはどれか。 a. 「成分及び分量」には、有効成分の名称及び分量が記載され、それらの記載と併せて、添加物として配合されている成分も掲げられている。添加物には「香料」のように用途名で記載されているものや、「その他n成分」として記載されている場合もある。 b. 医薬品の添加物は、それ自体積極的な薬効を期待して配合されるものではないが、アレルギーの原因となり得ることが知られているものもあり、その成分に対するアレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要がある。 c. 錠剤、カプセル剤、散剤等は、品質を保つため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。 d. シロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされている。 e. 医薬品を旅行や勤め先等へ携行する場合には、品質保持のため、別の容器へ移し替えて持ち歩くことが推奨されている。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイ(a・b・d)です。
- a(正): 有効成分の名称及び分量に加え、添加物として配合されている成分も掲げられています。用途名での記載や「その他n成分」としての記載もあります。
- b(正): 添加物にはアレルギーの原因となり得るものもあり、その成分に対するアレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要があります。
- c(誤): 錠剤、カプセル剤、散剤等は、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当です。
- d(正): シロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされています。
- e(誤): 別の容器へ移し替えると、中身が分からなくなって誤用の原因となったり、品質が保持できなくなるおそれがあるため、「他の容器に入れ替えないこと」とされています。
添付文書「成分及び分量」「保管及び取扱い上の注意」の記載内容(第5章Ⅰ-1)⑧⑩):
| 記載項目 | 記載内容 |
|---|---|
| ⑧ 有効成分 | 有効成分の名称(一般的名称のあるものはその一般的名称)及び分量 |
| ⑧ 添加物 | 添加物として配合されている成分も掲げられている(人体に直接使用しない検査薬等を除く)。製薬企業界の自主申し合わせに基づく記載で、用途名での記載や「その他n成分」としての記載もある |
| ⑧ 関連注意 | 尿や便が着色することがある旨の注意など、配合成分に関連した注意事項は、成分及び分量の項目に続けて、これと区別して記載 |
| ⑩(a) 保管条件 | 「直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい場所に(密栓して)保管すること」等。シロップ剤などは開封後冷蔵庫内保管が望ましい/錠剤、カプセル剤、散剤等は冷蔵庫内での保管は不適当 |
| ⑩(b) | 「小児の手の届かないところに保管すること」 |
| ⑩(c) | 「他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる)」 |
| ⑩(d) | その他「他の人と共用しないこと」等 |
各記述の解説:
- a(正): 有効成分の名称及び分量と併せて、添加物として配合されている成分も掲げられています。添加物は「香料」「pH調整剤」「等張化剤」のように用途名で記載されているものもあり、商取引上の機密にあたる添加物については「その他n成分」(nは記載から除いた添加物の成分数)として記載している場合もあります。
- b(正): 医薬品の添加物は、製剤としての品質、有効性及び安全性を高めることを目的として配合されていますが、アレルギーの原因となり得ることが知られているものもあり、その成分に対するアレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要があります。
- c(誤): 錠剤、カプセル剤、散剤等では、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当です。
- d(正): 医薬品は適切な保管がなされないと化学変化や雑菌の繁殖等を生じることがあり、特にシロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましいとされています。
- e(誤): 別の容器へ移し替えると、日時が経過して中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまうことがあり、誤用の原因となるおそれがあります。また、移し替えた容器が湿っていたり汚れていたりした場合、適切な品質が保持できなくなるおそれがあります。
組合せは、正しい記述 a・b・d をすべて含み、誤った記述(c・e)を含まないイだけです。
【「成分及び分量」の添加物情報と「保管及び取扱い上の注意」の理由】
1. 「成分及び分量」(⑧)の読み方
- 有効成分の名称(一般的名称のあるものについては、その一般的名称。有効成分が不明なものにあっては、その本質及び製造方法の要旨)及び分量が記載されている
- 添加物として配合されている成分も掲げられている(人体に直接使用しない検査薬等を除く)。現在のところ、製薬企業界の自主申し合わせに基づいて、添付文書及び外箱への記載がなされている
- 「香料」「pH調整剤」「等張化剤」のように用途名で記載されているものもあり、商取引上の機密にあたる添加物については、「その他n成分」(nは記載から除いた添加物の成分数)として記載している場合もある
- 尿や便が着色することがある旨の注意や、服用後、尿や便の検査値に影響を与えることがある場合の注意等、配合成分(有効成分及び添加物)に関連した使用上の注意事項は、成分及び分量の項目に続けて、これと区別して記載されている
2. 添加物とアレルギー
医薬品の添加物は、それ自体積極的な薬効を期待して配合されるものでなく、製剤としての品質、有効性及び安全性を高めることを目的として配合されています。しかし、アレルギーの原因となり得ることが知られているものもあり、その成分に対するアレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要があります。添加物については、「してはいけないこと」又は「相談すること」への記載に伴う情報提供、相談対応が必要な場合を除き、通常、購入者等への説明が求められることは少ないものの、購入者側から質問等があった場合には、製造販売元の製薬企業に問い合わせる等の適切な対応がなされるべきとされています。
例えば別表5-1では、「本剤又は本剤の成分、牛乳によるアレルギー症状を起こしたことがある人」について、カゼイン、カゼインナトリウム等(添加物)が挙げられています。カゼインは牛乳タンパクの主成分であり、牛乳アレルギーのアレルゲンとなり得るためです。
3. 「保管及び取扱い上の注意」(⑩)の理由
| 記載 | 理由(手引き) |
|---|---|
| (a) 「直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい場所に(密栓して)保管すること」等 | 適切な保管がなされないと化学変化や雑菌の繁殖等を生じることがある。特にシロップ剤などは変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましい(ただし凍結すると変質したり、効力が減弱する場合がある)。錠剤、カプセル剤、散剤等は、取り出したときに室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがあるため、冷蔵庫内での保管は不適当 |
| (b) 「小児の手の届かないところに保管すること」 | 乳・幼児は好奇心が強く、すぐ手を出して口の中に入れることがある。小児が容易に手に取れる場所(病人の枕元など)や、小児の目につくところに医薬品が置かれていた場合に、誤飲事故が多く報告されている |
| (c) 「他の容器に入れ替えないこと。(誤用の原因になったり品質が変わる)」 | 別の容器へ移し替えると、中身がどんな医薬品であったか分からなくなり誤用の原因となるおそれ。移し替えた容器が湿っていたり汚れていたりすると品質が保持できなくなるおそれ |
| (d) 「他の人と共用しないこと」等 | 点眼薬では、複数の使用者間で使い回されると、薬液に細菌汚染があった場合に別の使用者に感染するおそれ |
また、家庭における誤飲事故等を避けるため、医薬品は食品と区別して、誰にも分かるように保管されることも重要とされています。
4. 登録販売者の保管指導
購入者には、添付文書の「保管及び取扱い上の注意」に沿って、保管場所(直射日光・湿気を避ける、小児の手の届かない・目につかない場所)、冷蔵庫保管の可否(シロップ剤などは開封後冷蔵庫内が望ましい一方、錠剤・カプセル剤・散剤等は不適当)、容器の入れ替えや共用をしないことを説明します。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章Ⅰ-1)「添付文書の読み方」(⑧成分及び分量・⑩保管及び取扱い上の注意)(成分及び分量・保管及び取扱い上の注意) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

