電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 電力 問33送電(地中ケーブル)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

次の文章は,マーレーループ法に関する記述である。 マーレーループ法はケーブル線路の故障点位置を標定するための方法である。この基本原理は (ア) ブリッジに基づいている。図に示すように,ケーブルA の一箇所においてその導体と遮へい層の間に地絡故障を生じているとする。この場合に故障点の位置標定を行うためには,マーレーループ装置を接続する箇所の逆側端部において,絶縁破壊を起こしたケーブルA と,これに並行する絶縁破壊を起こしていないケーブルB の (イ) どうしを接続して,ブリッジの平衡条件を求める。ケーブル線路長をL,マーレーループ装置を接続した端部側から故障点までの距離をx,ブリッジの全目盛を1 000,ブリッジが平衡したときのケーブルA に接続されたブリッジ端子までの目盛の読みをa としたときに,故障点までの距離x は (ウ) で示される。 なお,この原理上,故障点の地絡抵抗が (エ) ことがよい位置標定精度を得るうえで必要である。 ただし,ケーブルA,B は同一仕様,かつ,同一長とし,また,マーレーループ装置とケーブルの接続線,及びケーブルどうしの接続線のインピーダンスは無視するものとする。 (図:マーレーループ装置(目盛0〜1 000のすべり抵抗・検流計・電源)の目盛0側をケーブルA,目盛1 000側をケーブルBに接続。ケーブルA,Bは長さL で,装置と逆側の端部を接続線で結ぶ。ケーブルAは装置側の端部から距離x の点で地絡している。電源の一端は接地。) 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力 問10/電気技術者試験センター)

図の出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力 問10

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解説

電験三種「電力」の「送電(地中ケーブル)」に関する問題(令和6年度上期 問10)。正答は(4)です。

マーレーループ法は(ア)ホイートストンブリッジの原理でケーブルの地絡故障点を標定します。健全なケーブルBと故障ケーブルAの逆側端部で(イ)導体どうしを接続してループを作り、ブリッジが平衡したときの目盛aから故障点までの距離はx=(ウ)aL/500で求まります。精度を上げるには地絡抵抗が(エ)十分低いことが必要です。よって正答は(4)「ホイートストン 導体 500 aL 十分低い」です。

【マーレーループ法の空欄補充の解き方】(令和6年度上期 問10)

(ア) マーレーループ法の基本原理は「ホイートストン」ブリッジである(シェーリングブリッジは誘電体の損失角測定に使う別の装置で本問には当たらない)。

(イ) ループを作るには、逆側端部で健全ケーブルBと故障ケーブルAの「導体」どうしを接続する(遮へい層ではなく導体を接続してブリッジの一辺を形成する)。

(ウ) ケーブルの抵抗は長さに比例するので長さで考える。故障点から見て、ケーブルA側の辺は長さx、ケーブルB側の辺は(ケーブルAの残りL-x)+(ケーブルBのL)=2L-x。これに目盛a(A側)と1000-a(B側)が向かい合うので、平衡条件は a×(2L-x)=(1000-a)×x。展開すると2aL=1000x となり、x=2aL/1000=aL/500。

(エ) 地絡抵抗が大きいとブリッジの平衡点の検出が不明瞭になりやすいため、よい位置標定精度を得るには地絡抵抗が「十分低い」ことが必要。

組合せは「ホイートストン・導体・aL/500・十分低い」で正答は(4)。

【マーレーループ法によるケーブル故障点標定の原理】(令和6年度上期 問10)

マーレーループ法は、地絡故障を起こしたケーブルAと、これに並行する健全なケーブルBを使い、両者の導体を測定端と反対側の端部で接続してループ(ブリッジ回路)を作ることで、ホイートストンブリッジの原理により故障点までの距離を求める手法である。ケーブルA・Bは同一仕様・同一長であることが前提で、電線の抵抗は長さに比例するため、ブリッジの平衡条件から故障点までの距離を電気的に(線路を掘削せずに)標定できる。

回路を見ると、ケーブルAの測定端→遠端→接続線→ケーブルBの遠端→ケーブルBの測定端という長さ2Lのループができ、故障点はこのループをx(A側)と2L-x(B側)に分ける。電源は故障点(大地)とすべり接点の間に入り、検流計はループの両端の間に入るので、すべり抵抗の目盛a・1000-aとループの2辺x・2L-xでホイートストンブリッジが組まれる。平衡条件 a(2L-x)=(1000-a)x から x=aL/500 が得られる。読みaはループ全長2Lのうち故障点までの割合を1000分率で表しているとみることもできる。選択肢(2)(3)の「2L-aL/500」は、ループの反対側(B側)の長さ2L-xであり、故障点までの距離ではない。

精度に関わる地絡抵抗の条件については、地絡点の抵抗が高い(接触が不完全など)と、ブリッジに流れる検出電流が小さくなり、検流計のゼロ点(平衡点)の読み取りが不鋭敏になって誤差が大きくなりやすい。したがって、よい位置標定精度を得るには地絡抵抗が十分低いことが望ましい。実務では、地絡抵抗が高い場合に別途他の方法で抵抗を下げてから測定する手法も併用される。

なお、選択肢に登場する「シェーリングブリッジ」は、ケーブルの絶縁体の誘電損失角(tanδ)を測定する別の装置であり、故障点標定には使われない。両者の用途の違い(故障点標定か、絶縁劣化診断か)を区別して覚えておくことが、本問のような用語の取り違えを防ぐポイントになる。

この問題の根拠出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

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