第二種電工

グロースタータとは?蛍光灯の点灯方式の違い第二種電気工事士

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この記事でわかること

グロースタータ(点灯管)の役割と、グロースタータ式・ラピッドスタート式・インバータ式の蛍光灯の点灯方式の違いを、表で整理します。電気設備の技術基準の解釈(第155条・第185条)の蛍光灯まわりの条文と、電気技術者試験センターが公表した過去問5回分で照明器具が関わる問題を、回と問番号で確かめます。

目次
  1. 蛍光灯が点灯するしくみと、安定器の役割
  2. グロースタータ式の点灯の流れ
  3. ラピッドスタート式・インバータ式との違い
  4. 条文に出てくる蛍光灯まわりのこと
  5. 試験での使われ方:蛍光灯・放電灯が関わる出題
  6. 間違えやすいポイント
  7. まとめ
結論:グロースタータ(点灯管)は、蛍光灯の点灯の最初だけ働く小さなスイッチで、管の両端のフィラメントを温めてから回路を切り、安定器に高い電圧を出させて放電を始めさせます(当サイトの整理)。点灯管を使うのがグロースタータ式で、点灯管を使わない方式に、ラピッドスタート式とインバータ式があります。第二種電気工事士の学科では、照明器具に関わる機器が、器具の用途を選ぶ問題や、組み合わせて使用する機器を問う問題の選択肢に出てきます。

蛍光灯の「点灯方式」は、照明器具のしくみを知るうえでの基本の言葉です。この記事は、まず3つの方式の違いを一般的な仕組みで整理し、次に電気設備の技術基準の解釈の条文と、電気技術者試験センターが公表した過去問での出方を、回と問番号で確認します。仕組みの説明は一般的な内容で、解釈にある方式の定義ではありません。その部分は「当サイトの整理」と書いています。

試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。試験の出題・資料は、出典を示して内容を紹介しています。製品名やメーカーは扱いません。
解釈の版:電気設備の技術基準の解釈は、令和7年11月20日改正の版が経済産業省のページに掲載されています。条文の番号や数値は改正で変わることがあります。最終確認日:2026-10-08。出典:経済産業省 電気事業法 告示・内規等、電気設備の技術基準の解釈(PDF)。

蛍光灯が点灯するしくみと、安定器の役割

蛍光灯は、ガラス管の両端にあるフィラメント(電極)の間で放電を起こし、その放電で出る紫外線を、管の内側に塗った蛍光物質で可視光に変えて光らせる照明です(一般的な説明)。放電を始めるには、そのままの電源電圧より高い電圧が瞬間的に必要で、放電が始まったあとは、電流が増え続けないように制限する必要があります。

この2つの役目を受け持つのが安定器です(当サイトの整理)。グロースタータ式やラピッドスタート式の安定器は、コイルを使った機器(誘導性の機器)で、放電の開始時に高い電圧を出し、点灯中は電流を一定の範囲に保ちます。インバータ式では、電子回路の安定器がこの役目を受け持ちます。コイルを使う安定器をつなぐと、回路の力率は遅れ力率になり、力率を改善するために進相コンデンサを加えることがあります。力率の計算は電気の基礎理論の攻略にあります。

電気設備の技術基準の解釈は、放電灯を次のように定義しています。

用語解釈の定義出典
放電灯「放電管、放電灯用安定器、放電灯用変圧器及び放電管の点灯に必要な附属品」と管灯回路の配線をいい、電気スタンドその他これに類する放電灯器具を除く解釈第142条第十三号
管灯回路「放電灯用安定器又は放電灯用変圧器から放電管までの電路」解釈第1条第十四号

蛍光灯の安定器は、解釈の言葉では放電灯用安定器です。

グロースタータ式の点灯の流れ

グロースタータ式は、安定器を蛍光管と直列につなぎ、点灯管を蛍光管の両端のフィラメントの間に(蛍光管と並列に)つなぐ方式です。点灯の前にフィラメントを予熱する「予熱始動式」の一つです。点灯までの一般的な流れは次のとおりです(当サイトの整理)。

順動き起きること
1スイッチを入れる電源電圧が点灯管にかかり、点灯管の中で小さな放電が起きる
2点灯管が接点を閉じる放電の熱で点灯管の接点が閉じ、安定器・フィラメントに電流が流れて、フィラメントが温まる(予熱)
3点灯管が接点を開く接点が閉じると点灯管の放電が止まり、接点が冷えて開く。電流が急に切れるため、安定器に高い電圧が出る
4蛍光管で放電が始まる高い電圧が蛍光管の両端に加わり、予熱されたフィラメントの間で放電が始まる
5点灯放電が始まると、蛍光管の両端の電圧は電源電圧より低くなり、点灯管は放電を始める電圧に達しないため動作しない。安定器が電流を制限する

つまり、グロースタータは「予熱して、切る」動作を受け持ちます。解釈第155条の「予熱始動式」「グローランプ」という言葉は、この方式にあてはまります(当サイトの整理)。

ラピッドスタート式・インバータ式との違い

3つの方式を、点灯管の有無と点灯の始まり方で比べると、次のようになります(当サイトの整理。細かい部分は機種によって異なります)。

方式点灯管(グロースタータ)安定器点灯の始まり方
グロースタータ式使う使う(コイルを使った安定器)点灯管が予熱と回路の遮断を行い、安定器の高い電圧で放電が始まる
ラピッドスタート式使わない使う(フィラメントを温める巻線を備えた専用の安定器)専用の安定器がフィラメントを温めながら、管に電圧を加えて放電を始める
インバータ式使わない使う(電子回路の安定器)電子回路の安定器で点灯させる

見分けるときの手がかりは、「点灯管を使うか」「安定器がコイルか電子回路か」の2点です。点灯管という部品がある方式は、グロースタータ式だけです。

条文に出てくる蛍光灯まわりのこと

蛍光灯・放電灯が関わる条文のうち、第二種電気工事士の学習で読む機会のあるものを挙げます(出典:電気設備の技術基準の解釈)。

条内容(当サイトの要約。数値・かっこ書・ただし書は条文に沿って記載)
第155条第1項第一号イ電気機械器具が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼす高周波電流を発生するおそれがある場合に、これを防止するため、けい光放電灯には、適当な箇所に静電容量が0.006μF以上0.5μF以下(予熱始動式のものであって、グローランプに並列に接続する場合は、0.006μF以上0.01μF以下)のコンデンサを設けること
第185条第一号管灯回路の使用電圧が1,000V以下の放電灯(ネオン放電管を使用するものを除く)に電気を供給する電路の対地電圧は、150V以下であること。ただし、住宅以外の場所で、放電灯とこれに附属する電線に接触防護措置を施し、放電灯用安定器(放電灯用変圧器を含む)を配線と直接接続して施設する場合は、300V以下とすることができる
第185条第五号放電灯用安定器の外箱と放電灯用電灯器具の金属製部分には、185-1表の接地工事を施す(ただし書の場合を除く)

第155条のコンデンサは、無線設備への高周波障害を防ぐためのもので、安定器の力率を改善するコンデンサとは目的が違います。接地工事の種類は接地工事の種類と抵抗値にまとめています。

試験での使われ方:蛍光灯・放電灯が関わる出題

電気技術者試験センターが公表した直近5回(令和6年度上期〜令和8年度上期)の学科試験問題のうち、照明器具に関わる機器が選択肢や前提条件に出てくるものを、回と問番号で示します。問題文の引用ではなく、当サイトの要約です。答えの記号は書いていません。

回・問番号問いの内容(要約)照明器具との関係
令和6年度上期 問15組み合わせて使用する機器で、その組合せが明らかに誤っているものを選ぶ選択肢に、照明器具や電動機などと、それと組み合わせて使う機器が並ぶ
令和7年度上期 問15同上同上
令和7年度下期 問17写真に示す器具の用途を選ぶ選択肢の用途の1つに、蛍光灯に関わるものがある
令和8年度上期 問題2(配線図)注意書き5配線図の前提条件図記号で示す一般用照明を、LED照明器具とする前提が示されている

これらの問いでは、照明器具と組み合わせて使う機器や、器具の用途の知識が関わります(当サイトの整理)。令和8年度上期の配線図問題は、一般用照明をLED照明器具として扱う前提で出題されました。

試験の範囲は、電気技術者試験センターの「学科試験のポイント」が、区分「電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」に「電気機器及び配線器具の構造及び性能」を挙げています。点灯方式のしくみは、照明器具の構造を理解するための背景知識として読めます。出典:電気技術者試験センター 学科試験のポイント。

蛍光灯の力率については、電気の基礎理論の攻略の力率の章に、計算の基本があります。

間違えやすいポイント

  • グロースタータは、点灯中ずっと働く部品ではありません。 最初の予熱と回路の遮断を受け持ち、点灯したあとは動作しません。
  • 安定器は、電流を制限する機器です。 放電が始まるときの高い電圧を出す役目と、点灯中の電流を制限する役目の2つがあります。
  • 蛍光灯につけるコンデンサは、目的が2種類あります。 力率を改善するコンデンサと、高周波障害を防ぐコンデンサ(解釈第155条)は、別のものです。
  • 「予熱始動式」は、点灯の前にフィラメントを予熱する方式の呼び方です。 グロースタータ式はその一つで、解釈第155条の条文ではグローランプという言葉が使われます。

まとめ

  • グロースタータ(点灯管)は、蛍光灯の点灯の最初だけ働くスイッチ。予熱してから回路を切り、安定器の高い電圧で放電を始めさせる
  • 点灯管を使う方式がグロースタータ式(予熱始動式の一つ)。ラピッドスタート式は専用の安定器が予熱し、インバータ式は電子回路の安定器で点灯し、どちらも点灯管を使わない(当サイトの整理)
  • 安定器は、放電の開始時に高い電圧を出し、点灯中は電流を制限する。解釈では放電灯用安定器と呼ぶ
  • 解釈第155条のコンデンサは、高周波障害を防ぐためのもの。力率改善のコンデンサとは別
  • 直近5回の学科試験では、組み合わせて使用する機器の問い(令和6年度上期 問15、令和7年度上期 問15)、写真の器具の用途の問い(令和7年度下期 問17)、配線図の照明の注意書き(令和8年度上期)に照明器具が関わる

関連:電気の基礎理論の攻略・配線図問題の読み方・遮断器と開閉器の違い・接地工事の種類と抵抗値。第二種電気工事士の試験全体は第二種電気工事士の学習ページから確認できます。

よくある質問

Qグロースタータと点灯管とグローランプは、同じものですか?

同じ部品を指して使われる呼び名です(当サイトの整理)。蛍光灯をつけるとき、最初に電流を流して管の両端のフィラメントを温め、その直後に回路を切って安定器に高い電圧を出させる役目のスイッチです。電気設備の技術基準の解釈第155条第1項第一号イは、「予熱始動式のものであって、グローランプに並列に接続する場合」の静電容量を定めており、条文では「グローランプ」という言葉が使われています。出典:電気設備の技術基準の解釈第155条第1項第一号イ。

Qラピッドスタート式とインバータ式の蛍光灯にも、グロースタータは必要ですか?

必要ありません(当サイトの整理)。グロースタータは、グロースタータ式で、点灯の最初にフィラメントを温めて放電を始めさせる部品です。ラピッドスタート式は、専用の安定器がフィラメントを温めながら点灯させる方式、インバータ式は、電子回路の安定器で点灯させる方式で、どちらも点灯管を使いません。違いは、本文の比較表に整理しています。

Q蛍光灯の点灯方式(グロースタータ式・ラピッドスタート式・インバータ式)は、第二種電気工事士の学科で問われますか?

電気技術者試験センターの「学科試験のポイント」は、区分「電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」に「電気機器及び配線器具の構造及び性能」を挙げています。センターが公表した直近5回(令和6年度上期〜令和8年度上期)の学科試験問題では、照明器具に関わる機器が、写真に示す器具の用途を選ぶ問題(令和7年度下期 問17)や、組み合わせて使用する機器の組合せの正誤を問う問題(令和6年度上期 問15、令和7年度上期 問15)の選択肢に出てきます。令和8年度上期の配線図問題の注意書きは、図記号で示す一般用照明をLED照明器具とする前提を示しています。出典:電気技術者試験センター 学科試験のポイント、電気技術者試験センター公表の学科試験問題(令和6年度上期、令和7年度上期、令和7年度下期、令和8年度上期)。

Q蛍光灯に付けるコンデンサは、力率改善のためのものですか?

目的の違う2種類があります。1つは、安定器を使う蛍光灯の力率を改善するためのコンデンサ(進相コンデンサ)です。もう1つは、電気設備の技術基準の解釈第155条が、電気機械器具が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼす高周波電流を発生するおそれがある場合に、これを防止するため設けるよう定めているコンデンサで、けい光放電灯には「適当な箇所に静電容量が0.006μF以上0.5μF以下(予熱始動式のものであって、グローランプに並列に接続する場合は、0.006μF以上0.01μF以下)のコンデンサを設けること」とされています。出典:電気設備の技術基準の解釈第155条第1項第一号イ。

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