D種接地工事とは、300V以下の低圧機器の金属製外箱などに施す接地工事で、接地抵抗値は100Ω以下(0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下)です。A種・B種・C種との違い、接地線の太さ、省略できる条件を「電気設備の技術基準の解釈」の条文で表にまとめ、第二種電気工事士の過去問で確かめます。
目次
結論:D種接地工事とは、使用電圧300V以下の低圧の機械器具の金属製の台や外箱などに施す接地工事で、接地抵抗値は100Ω以下です。地絡を生じたときに0.5秒以内に電路を自動的に遮断する装置があれば500Ω以下まで緩和されます。接地工事はA種・B種・C種・D種の4種類で、300Vを超える低圧機器はC種(10Ω以下)、高圧・特別高圧の機器はA種(10Ω以下)、高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側はB種(150÷IgΩ以下など)です。乾燥した場所の対地電圧150V以下の機器や、長さ4m以下の金属管を乾燥した場所に施設する場合などは、D種接地工事を省略できます。
合格ナビに収録している第二種電気工事士の学科試験の過去問326問(令和4年度上期〜令和7年度下期のうち、令和5年度下期を除く10回分から収録した問題)のうち、接地工事を扱う問題は25問でした。問題文で種類・抵抗値・接地線・省略を直接問うものが18問、工事方法の問題で選択肢の1つとしてD種接地の省略などが出るものが7問です。「D種接地工事を省略できないものは」と問う同じ形の問題は、令和4年度下期(午後)・令和6年度下期・令和7年度下期の3回出ています(2026-10-02 集計。ほかに接地抵抗計の使い方の問題が5問)。
この記事の条文と数値は、経済産業省が公表している電気設備の技術基準の解釈(最終改正 令和7年11月20日)と、同省電力安全課の電気設備の技術基準の解釈の解説を2026-10-02に確認して書いています。
接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)一覧
経済産業省の解説は、接地工事の原則を「A種、B種、C種及びD種の4種類」としています。どこに施すかは解釈 第29条(機械器具の金属製外箱等)と第24条(変圧器)、抵抗値と接地線は第17条に書かれています。
| 種類 | 主に施す場所 | 接地抵抗値 | 接地線(軟銅線の場合) | 条文 |
|---|---|---|---|---|
| A種 | 高圧・特別高圧の機械器具の金属製外箱等 | 10Ω以下 | 直径2.6mm以上 | 第17条第1項・第29条 |
| B種 | 高圧(特別高圧)と低圧を結合する変圧器の低圧側の中性点など | 150÷IgΩ以下(自動遮断装置の遮断時間により300÷Ig・600÷Ig) | 直径2.6mm以上(高圧電路と結合する変圧器の場合) | 第17条第2項・第24条 |
| C種 | 300Vを超える低圧の機械器具の金属製外箱等 | 10Ω以下(0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下) | 直径1.6mm以上 | 第17条第3項・第29条 |
| D種 | 300V以下の低圧の機械器具の金属製外箱等 | 100Ω以下(0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下) | 直径1.6mm以上 | 第17条第4項・第29条 |
接地線は、軟銅線のほかに「容易に腐食し難い金属線」で引張強さの条件を満たすもの(A種1.04kN以上、C種・D種0.39kN以上)も使えます。Igは変圧器の高圧側の電路の1線地絡電流(単位A)です。
当サイトが収録している第二種電気工事士の過去問326問では、接地の問題はほとんどがD種とC種で、A種は配線図の問題の選択肢に1回(令和5年度上期(午後) 問37の「A 種接地工事」)出てくるだけ、B種は出ていませんでした。A種とB種は「どこに施すか」と「数値の決まり方」から押さえるのが効率的です。
この論点の問題を解く:
D種接地工事とは(抵抗値100Ω・500Ωの条件・接地線)
D種接地工事は、解釈 第29条第1項の表(29-1表)で「低圧 300V以下」の機械器具に施すと定められた接地工事です。使用電圧100Vや200Vの電動機・電気機器の金属製の台や外箱に施すアース(接地)は、この区分に入ります。同表では、300Vを超える低圧はC種、高圧・特別高圧はA種です。また、高圧計器用変成器の2次側電路にもD種接地工事を施します(第28条)。
抵抗値は第17条第4項第一号のとおりです。
接地抵抗値は、100Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω)以下であること。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第17条第4項第一号
括弧書きの「0.5秒以内に…自動的に遮断する装置」は、実際には漏電遮断器などの地絡遮断装置です。解説によると、500Ωまでの緩和は昭和47年の基準で入ったもので、「一般に使用される漏電遮断器の定格感度電流が100mA以下であると考え、その場合の接触電圧を50V以下に抑えることができる最大の抵抗値」という考え方です(500Ω×0.1A=50V)。ただし、解釈の条文が求めているのは「0.5秒以内の自動遮断」で、100mAは条件として書かれていません。
接地線は第17条第3項第二号に準じ(第4項第二号)、「引張強さ0.39kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径1.6mm以上の軟銅線」です。移動して使う機器で可とう性が必要な部分は、多心コードなどの1心で断面積0.75mm2以上のものが使えます。
第3種接地工事との関係
古い名称では、D種接地工事は「第3種接地工事」でした。解説は「H9解釈で第1種、第2種、第3種及び特別第3種接地工事の表現をそれぞれ、A種、B種、D種及びC種接地工事に変更した」としています。特別第3種がC種、第3種がD種です。
D種接地工事を施したものとみなす場合
第17条第6項は「D種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が100Ω以下である場合は、D種接地工事を施したものとみなす。」としています(C種は第5項で10Ω以下)。解説は、鉄骨や鉄筋コンクリート造りの建物の中の機械器具などは「鉄骨に電気的に接続しておけば低い抵抗値に保たれ、工事を簡素にできる場合が多い」ためにこの規定がある、と説明しています。
この論点の問題を解く:
- 配線図の⑥で示す部分の接地工事の種類と抵抗の最大値(令和6年度上期 問36)
- 配線図の⑩で示す部分の接地工事の種類と抵抗の最大値(令和7年度下期 問40)
- 機械器具の金属製外箱に施すD種接地工事で不適切なもの(令和5年度上期(午後) 問22)
C種接地工事とは(D種との違い)
C種接地工事は、29-1表で「300V超過」の低圧の機械器具に施す接地工事です。例えば三相400Vの電動機の鉄台が該当します。D種との違いは、施す対象の電圧と抵抗値です。
| 比べる点 | C種接地工事 | D種接地工事 |
|---|---|---|
| 対象(第29条) | 300Vを超える低圧の機械器具 | 300V以下の低圧の機械器具 |
| 接地抵抗値(第17条) | 10Ω以下 | 100Ω以下 |
| 0.5秒以内に自動遮断する装置があるとき | 500Ω以下 | 500Ω以下 |
| 接地線 | 直径1.6mm以上の軟銅線など | C種に準じる(同じ) |
解説によると、300Vを超える低圧機器は危険度が高いので抵抗値を10Ω以下に厳しくし、工事方法はD種並みにしたのがC種です。遮断装置があれば両方とも500Ωまで緩和されるので、「500Ω」だけを見てC種とD種を区別することはできません。試験では「装置なし」の値(C種10Ω・D種100Ω)と、対象の電圧(300V)で見分けます。
金属管工事の管も同じ考え方で、使用電圧が300V以下ならD種、300Vを超えるならC種です(第159条第3項第四号・第五号)。300Vを超える場合でも、接触防護措置を施せばD種でよいとされています。
B種接地工事とは(150÷Igの意味)
B種接地工事は、高圧電路(または特別高圧電路)と低圧電路を結合する変圧器に施す接地工事です(第24条)。施す場所は低圧側の中性点で、低圧電路の使用電圧が300V以下で中性点に施しにくいときは低圧側の1端子です。
解説は目的を「混触の際に、接地線に高圧又は特別高圧電路の地絡電流が流れた場合の電位上昇による低圧機器の絶縁破壊を防止するため、接地点の電位が150V…を超えないようにしたもの」と説明しています。地絡電流Igが流れたときの接地点の電位は抵抗値×Igなので、抵抗値を150÷Ig以下にすれば電位は150V以下に収まります。
| 混触時に高圧側を自動遮断する装置 | 接地抵抗値(17-1表) | 接地点の電位の上限(解説) |
|---|---|---|
| なし(下記以外) | 150÷IgΩ以下 | 150V |
| あり・遮断時間が1秒を超え2秒以下 | 300÷IgΩ以下 | 300V |
| あり・遮断時間が1秒以下 | 600÷IgΩ以下 | 600V |
300÷Igと600÷Igは、高圧または35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合する変圧器の場合です。
自作の例(Ig=5A):装置なしなら 150÷5=30Ω以下、1秒以下で遮断する装置があれば 600÷5=120Ω以下。
検算1(逆算):30Ω×5A=150V、120Ω×5A=600Vで、解説の電位の上限と一致します。
検算2(大小関係):遮断が速いほど許される電位が大きいので、抵抗値の上限も大きくなるはずです。30Ω<60Ω(300÷5)<120Ωの順になっていて、向きが合っています。
高圧電路でIgを計算で求める場合、解釈は「計算結果は、小数点以下を切り上げ、2A未満となる場合は2Aとする。」としています(第17条第2項第二号ロ)。例えば計算値が1.3Aなら2Aとして、150÷2=75Ω以下になります。計算式そのものは解釈の17-2表にあります(ここでは扱いません)。B種の接地線は、変圧器が高圧電路(または解釈 第108条の特別高圧架空電線路の電路)と低圧電路を結合するものなら直径2.6mm以上の軟銅線など、それ以外の場合は直径4mm以上の軟銅線などです(17-3表。可とう性が必要な部分は別の規定)。
同じ論点は第一種電気工事士でも出ています。
A種接地工事とは(高圧の機器と接地極の埋設)
A種接地工事は、29-1表で「高圧又は特別高圧」の機械器具の金属製外箱等に施す接地工事です。外箱のない変圧器や計器用変成器では鉄心に施します(第29条第1項)。抵抗値は10Ω以下、接地線は直径2.6mm以上の軟銅線などです(第17条第1項)。
A種には、接地極と接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合の決まりがあります(第17条第1項第三号)。
- 接地極は、地下75cm以上の深さに埋設する
- 接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く。)などで覆う
B種接地工事もこの決まりに準じます(第17条第2項第四号)。地表上2mまでを「金属管」で覆うのは、この規定に合いません。
D種接地工事を省略できる条件(機械器具と金属管)
省略の決まりは、機械器具(第29条第2項)と金属管(第159条第3項第四号)で条文が分かれています。解説は「金属管工事の金属管等は、配線材料と考え機械器具に含めない」としているので、問題を読むときは、まず対象が機械器具か管かを見分けます。
機械器具の金属製外箱等(第29条第2項)
第29条第2項は、次のいずれかに当たる場合は第1項(接地工事を施すこと)によらないことができる、としています(小規模発電設備である燃料電池発電設備を除く)。第二種電気工事士の試験でよく問われる号を抜き出します。
| 号 | 省略できる場合(条文の要旨) | 試験での読み方 |
|---|---|---|
| 一号 | 交流の対地電圧が150V以下(直流は使用電圧300V以下)の機械器具を、乾燥した場所に施設する | 対地電圧200Vの三相200Vは当てはまらない |
| 二号 | 低圧用の機械器具を、乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する | 解説は「コンクリートの床は含まれない」 |
| 三号 | 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する | 「二重絶縁ではない」機器は当てはまらない |
| 四号 | 電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧300V以下・容量3kVA以下)を施設し、負荷側の電路を接地しない | 3kV・Aの絶縁変圧器(二次側非接地)は当てはまる |
| 五号 | 水気のある場所以外の場所で、電路に漏電遮断器(定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型)を施設する | 30mAの漏電遮断器や、水気のある場所は当てはまらない |
| 六号 | 金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける | — |
このほか、外箱のない計器用変成器を絶縁物で被覆した場合(七号)、木柱などの上で人が触れるおそれがない高さに施設する場合(八号)があります。
五号の15mAという値について、解説は「規格上、漏電遮断器は定格感度電流の1/2では動作しないことになっており、この不動作電流値と可随電流とを一致させるため」と説明しています。また、水気のある場所では人体を通して遮断器を動作させることになるため、「水気のある場所に施設するものについての接地は省略できない」としています。
金属管(第159条第3項第四号)
使用電圧300V以下の低圧屋内配線の金属管には、D種接地工事を施します。ただし、次のどちらかなら省略できます。
| 条文 | 省略できる場合 |
|---|---|
| 第四号イ | 管の長さ(2本以上をつないだときは全長)が4m以下のものを乾燥した場所に施設する |
| 第四号ロ | 直流300Vまたは交流の対地電圧150V以下の配線で、管の長さが8m以下のものに簡易接触防護措置を施すとき、または乾燥した場所に施設するとき |
使用電圧300V以下の管であれば、「4m以下・乾燥」は対地電圧を問いませんが、「8m以下」は対地電圧150V以下(直流は300V)の配線に限られます。使用電圧が300Vを超える管(第五号)には、省略の規定がありません。単相3線式100/200Vの配線は対地電圧が100Vなので、8m以下の管を乾燥した場所に施設すれば省略できます。
この論点の問題を解く:
- D種接地工事を省略できないもの(令和6年度下期 問22)
- D種接地工事を省略できないもの(令和4年度下期(午後) 問22)
- 機械器具の金属製外箱に施すD種接地工事で不適切なもの(令和4年度上期(午前) 問22)
過去問で確認:D種接地工事を省略できないもの(令和7年度下期 問22)
D 種接地工事を省略できないものは。
ただし,電路には定格感度電流30 mA,動作時間が0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器が取り付けられているものとする。
イ.乾燥したコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台
ロ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200 V(対地電圧200 V)空気圧縮機の金属製外箱部分
ハ.乾燥した場所に施設する単相3 線式100/200 V(対地電圧100 V)配線の電線を収めた長さ7 m の金属管
ニ.乾燥した場所に施設する三相200 V(対地電圧200 V)動力配線の電線を収めた長さ3 m の金属管
出典:令和7年度下期 第二種電気工事士 学科試験 問22(一般財団法人電気技術者試験センター)
問題は公式の問題PDF(令和7年度下期)の9ページにあります。上の表に当てはめます。
| 選択肢 | 対象 | 当てはめ | 省略 |
|---|---|---|---|
| イ | 機械器具(鉄台) | 対地電圧200Vなので一号は不可。コンクリートの床は二号の「絶縁性のもの」に含まれない。漏電遮断器は30mAなので五号も不可 | できない |
| ロ | 機械器具(外箱) | 乾燥した木製の床の上で取り扱う → 二号 | できる |
| ハ | 金属管 | 対地電圧100V・長さ7m(8m以下)・乾燥した場所 → 第159条第3項第四号ロ | できる |
| ニ | 金属管 | 長さ3m(4m以下)・乾燥した場所 → 第159条第3項第四号イ | できる |
答えはイ。公式の解答(令和7年度下期の解答PDF)も問22はイです。
確かめ方:漏電遮断器を「15mA・0.1秒以下」に変え、場所を水気のない所のままにすると、イは五号で省略できるようになります。条件の数値を1つ変えると答えが動くので、問題文の「ただし書き」は必ず読みます。令和6年度下期 問22は、同じ形で漏電遮断器が15mA・0.1秒以下になっており、正答は「水気のある場所のコンクリートの床に施設する」誘導電動機の鉄台でした(五号は水気のある場所を除くため)。
D種接地の500Ωと漏電遮断器(令和6年度上期 問26)
使用電圧100 V の低圧電路に,地絡が生じた場合0.1 秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。この電路の屋外にD 種接地工事が必要な自動販売機がある。その接地抵抗値a[Ω]と電路の絶縁抵抗値 b[MΩ]の組合せとして,「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。
イ.a 600 b 2.0
ロ.a 500 b 1.0
ハ.a 100 b 0.2
ニ.a 10 b 0.1
出典:令和6年度上期 第二種電気工事士 学科試験 問26(一般財団法人電気技術者試験センター)
問題は公式の問題PDF(令和6年度上期)の10ページにあります。地絡を生じたときに0.1秒で遮断する装置があるので、「0.5秒以内に自動的に遮断する装置」の条件を満たし、D種接地の抵抗値は500Ω以下でよくなります。aが600Ωのイは500Ωを超えるので、bの値にかかわらず適合しません。答えはイで、公式の解答も問26はイです。
確かめ方:装置の動作時間が0.5秒を超える設定だったら、上限は100Ωに戻ります。その場合はロ(500Ω)も適合しなくなり、「適合していないもの」が2つになって問題が成り立ちません。動作時間0.1秒という条件が、500Ωを使うための鍵になっています。bの絶縁抵抗値は、使用電圧100Vの電路なので「電気設備に関する技術基準を定める省令」第58条により0.1MΩ以上が必要で、選択肢のbはどれもこれを満たしています。条文の表と測り方は絶縁抵抗測定をわかりやすくで解説しています。
この論点の問題を解く:
接地工事のやり方と接地抵抗の測り方(試験で問われる範囲)
D種接地工事の作業は、接地極を大地に埋め、接地線で機器の外箱や金属管とつなぎ、接地抵抗を測って規定値以下であることを確かめる、という流れです。電気技術者試験センターの令和8年度第二種電気工事士下期試験受験案内の「科目と範囲」でも、学科試験の「電気工事の施工方法」に「接地工事の方法」、「一般用電気工作物等の検査方法」に「接地抵抗測定の方法」が、技能試験の事項に「接地工事」が挙げられています。
試験に出た範囲では、次の点が問われています。
- 直読式接地抵抗計(アーステスタ)では、被測定接地極を端とし、一直線上に2か所の補助接地極を順次10m程度離して配置する(令和7年度下期 問26 の正答)
- 測定の前に、接地抵抗計の電池が有効であること、接地極の地電圧が許容値以下であることを確認する(令和8年度上期 問26 は「地電圧」が正答)
- 接地線の太さと抵抗値の組合せは、床に固定した機器なら直径1.6mm以上の軟銅線、移動して使う機器の可とう部分なら多心コードの1心0.75mm2以上
接地抵抗は、測定時の大地の湿り具合や温度で変わります。解説も「測定時の大地の湿潤の程度や温度等によって異なるが、本条に規定されている値以下にする必要がある」としています。
この論点の問題を解く:
まとめ
- 接地工事はA種・B種・C種・D種の4種類。300V以下の低圧機器はD種、300Vを超える低圧機器はC種、高圧・特別高圧の機器はA種、高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側はB種
- 抵抗値はA種・C種が10Ω以下、D種が100Ω以下。C種・D種は0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下。B種は150÷Ig(遮断時間により300÷Ig・600÷Ig)
- D種の省略は、機械器具は解釈 第29条第2項(対地150V以下・乾燥、木製の床、2重絶縁、絶縁変圧器、15mA・0.1秒の漏電遮断器など)、金属管は解釈 第159条第3項(4m以下・乾燥、対地150V以下で8m以下)
- コンクリートの床は「絶縁性のもの」ではない。水気のある場所は漏電遮断器による省略ができない
よくある質問
QB種接地工事の接地抵抗値は何Ω以下ですか?
決まった数値ではなく、変圧器の高圧側(または特別高圧側)の電路の1線地絡電流Igで決まります。基本は150÷IgΩ以下で、混触したときに高圧側を自動的に遮断する装置があり、その遮断時間が1秒を超え2秒以下なら300÷Ig、1秒以下なら600÷Igです(300÷Ig・600÷Igは、高圧または35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合する変圧器の場合。電気設備の技術基準の解釈 第17条第2項・17-1表)。例えばIgが5Aなら、遮断装置がない場合は150÷5=30Ω以下です。
Q第3種接地工事とD種接地工事は同じものですか?
同じ区分です。経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈の解説」によると、平成9年の解釈で名称が変わり、第1種がA種、第2種がB種、第3種がD種、特別第3種がC種になりました。第3種がC種ではなくD種になった点に注意してください。
QD種接地の抵抗値を500Ωにするには、漏電遮断器の定格感度電流に条件がありますか?
解釈 第17条第4項の条件は「地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置」を施設することで、感度電流の値は書かれていません。一方、D種接地工事そのものを省略する条件(第29条第2項第五号)では、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型の漏電遮断器で、しかも水気のある場所以外に限られます。500Ωへの緩和と省略とで条件が違うので、取り違えないようにしましょう。
Q移動して使う電気機器の接地線には何を使えますか?
C種・D種接地工事で可とう性が必要な部分には、多心コードまたは多心キャブタイヤケーブルの1心で断面積0.75mm2以上のもの、または可とう性のある軟銅より線で断面積1.25mm2以上のものが使えます(解釈 第17条第3項第二号ハ、D種は第4項第二号で準用)。床に固定した機器の接地線は、直径1.6mm以上の軟銅線などを使います。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

