第二種電気工事士の学科試験は、配線図問題が20問(40点分)です。電気技術者試験センターが公表した直近3回60問の問われ方、図記号と傍記の読み方、本数・個数を数える問題、配線図を後回しにしたときの得点の計算を、公式の問題と解答で整理します。
目次
結論:第二種電気工事士の学科試験は50問のうち20問(40点分)が配線図問題で、1問2点です。合格基準点は60点です。電気技術者試験センターが公表した直近3回(令和7年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期)の60問を問いの文言で分けると、図記号の名称や器具を選ぶ問題が19問、接続箇所のスリーブ・コネクタを選ぶ問題が9問、使われている・いない器具や工事方法を選ぶ問題が10問などです。図記号はJIS C 0303:2000によるため、記号の名前と傍記(記号に添える文字)を、図の中で見分けられるようにしておく必要があります。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 配線図問題の数と配点 | 20問、1問2点(40点分) | 令和8年度上期 学科試験問題(問題2) |
| 一般問題の数と配点 | 30問、1問2点(60点分) | 同(問題1) |
| 合格基準点 | 60点 | 令和8年度下期 受験案内 |
| 使う図記号の規格 | 構内電気設備用図記号 JIS C 0303:2000、電気用図記号 JIS C 0617 シリーズ | センター 学科試験のページ |
合格ナビの第二種電気工事士の学科問題382問のうち、問題文に配線図の指示番号(①〜⑳)か「この配線図」を含む問題は56問です(工事の方法49問・検査・法令6問・電気機器・配線器具・配線1問、2026-10-02 集計)。配線図の図は、センターの公表問題の図を出典つきで載せています。写真から器具を選ぶ問題や、リングスリーブ・差込形コネクタの組合せを選ぶ問題は、問題集に収録されている範囲が一部です。
配線図問題は20問・40点:学科の4割を占める
センターの学科試験のページは、出題数を「50問」とし、内訳を「一般問題 30問程度」「配線図問題 20問程度」と案内しています(試験時間と出題数は変更される場合がある、との注記つき)。直近3回の問題は、どれも配線図が20問でした。
- 令和8年度上期の学科試験問題:「問題2.配線図(問題数20,配点は1問当たり2 点)」。問31〜問50
- 令和7年度下期の学科試験問題:同じ書き方で問31〜問50
- 令和7年度上期の学科試験問題:同じ書き方で問31〜問50
配線図問題の数を「10問」とする解説がありますが(第一種の学科試験は配線図10問です)、第二種については、上の3回の問題は20問と書いています。受験する回の問題の冒頭に書かれた数を確かめてください。
学科試験の出題数・配点・合格基準点:50問(一般問題30問・配線図問題20問、いずれも1問2点)、合格基準点60点。最終確認日:2026-10-03。出典:センター 令和8年度上期 学科試験問題・令和8年度下期 受験案内(「学科試験における合格基準点は、60点とする。」)。出題数や配点は変更される場合があります。
配線図の読み方:指示番号・図記号・傍記・単線図
センターは、配線図の例題のページ(配線図の例題)で、配線図を「機器・器具などが使用場所上のどこに設置され、それらに電気を供給する配線がどのように施設されるかを示す「電気工事の設計図」」と説明しています。配線図からの出題について、センターは次のようにも書いています。
- 「配線図からの出題では、図記号の名称だけではなく、記号の意味を理解したうえで用途や指示部分の工事についても問われます。」
問題の読み方は、次の3つを押さえれば足ります。
① 指示番号は、問いと図をつなぐ印
配線図には①②③…の番号が振られ、問いは「③で示す図記号の器具の種類は」のように、その番号の箇所について聞きます。図の中で、その番号を探すところから始まります。
② 問題の冒頭の【注意】を、毎回読む
配線図問題の冒頭には、共通の注意事項が書かれています。令和8年度上期の問題には、次のような項目があります。
- 屋内配線の工事は、特記のある場合を除き、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)を用いたケーブル工事である
- 電線の本数・太さなど、問いに直接関係のない部分は省略又は簡略化してある
- 漏電遮断器は、定格感度電流30mA、動作時間0.1秒以内のものを使用している
- 選択肢の写真にある点滅器は、特記のある場合を除き「JIS C 0303:2000 構内電気設備の配線用図記号」で示す「一般形」である
- ジョイントボックスを経由する電線は、すべて接続箇所を設けている
- 3路スイッチの記号「0」の端子には、電源側又は負荷側の電線を結線する
この条件は、本数や個数を数える問題、接地抵抗や絶縁抵抗の問題の前提になります。回ごとに項目が違う(建物の種類、分電盤の外箱が金属製か合成樹脂製か、など)ので、受験する回の問題で確かめます。分電盤の中身と、条文での読み方は分電盤の記事にまとめています。
③ 配線図は単線で描かれ、傍記が添えられる
センターの例題のページは、配線図が「電線の条数に関係なく1回路の配線を1本の線で表す、いわゆる単線結線図」で示されていること、実際の配線を考えるときは「実際の配線・接続状態をイメージした複線図を作成するのが早道」であることを説明しています。また、図記号には傍記(記号に添える文字)が添えられる場合があり、例として「屋外灯の自動点滅器には,図記号●にA及び容量を傍記します」と書いています。自動点滅器・熱線式自動スイッチ・タイムスイッチ・リモコンスイッチの違いは、自動点滅器の記事にまとめています。
引込線や引込口まわりの言葉と単線結線図の関係は責任分界点とは?単線結線図の見方に整理しています。複線図の書き方は第二種電気工事士の複線図の書き方に、3路・4路スイッチの回路は3路・4路スイッチとパイロットランプの複線図にまとめています。
直近3回60問の出題パターン(当サイトの集計)
センターが公表した、令和7年度上期(2025-05-25 実施)、令和7年度下期(2025-10-26 実施)、令和8年度上期(2026-05-24 実施)の配線図問題(各問31〜問50)を、問いの文言で次のように分けました。この区分は当サイトが付けたもので、センターの区分ではありません。1問は1つの区分にだけ数えています。
| 問いの型(当サイトの区分) | 令和7年度上期 | 令和7年度下期 | 令和8年度上期 | 3回計 |
|---|---|---|---|---|
| 図記号の名称・器具の種類・機器を選ぶ(写真から選ぶ問題を含む) | 5問 | 7問 | 7問 | 19問 |
| 傍記・極配置・電線や管の記号の読み | 2問 | 1問 | 3問 | 6問 |
| 最少電線本数・必要なケーブルを選ぶ | 2問 | 2問 | 2問 | 6問 |
| 接続箇所のリングスリーブ・差込形コネクタの種類と個数 | 3問 | 3問 | 3問 | 9問 |
| 数値・基準(電圧・抵抗・高さ・定格電流) | 3問 | 3問 | 2問 | 8問 |
| 使われている・いないものを選ぶ、工事方法を選ぶ | 5問 | 4問 | 1問 | 10問 |
| その他(図記号でなく、指示部分に取り付ける機器や負荷電流の測定器を選ぶ) | 0問 | 0問 | 2問 | 2問 |
| 合計 | 20問 | 20問 | 20問 | 60問 |
数え方の根拠は、各回の問題の問31〜問50です。たとえば令和8年度上期の「図記号を選ぶ」7問は、問33・34・35・40・45・46・48、「傍記・極配置」3問は問36・37・38、「接続箇所のスリーブ・コネクタ」3問は問41・47・49です。この集計は、3回60問での割合を示すもので、次の回の出題を予想するものではありません。
直近3回の配線図問題の問いの型:上の表は令和7年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期の問題による集計。最終確認日:2026-10-03。出典:令和8年度上期・令和7年度下期・令和7年度上期の学科試験問題。新しい回の問題が公表されたら、その回の問31〜問50で数え直してください。
図記号の名称と傍記:センター公表の問題で正解になったもの
図記号の問題は、3回で19問と最も多い型です。当サイトは、記号の絵を転載せず、公表された問題の正解を名称と傍記で整理します(図記号は、図の中で実物を見て覚えます。記号の絵は、各問題のページに出典つきの図があります)。
| 出題 | 問い | 正解(センターの解答) |
|---|---|---|
| 令和7年度上期 問33 | ③で示す図記号の器具の種類 | 位置表示灯を内蔵する点滅器 |
| 令和8年度上期 問33 | ③で示す図記号の器具の種類 | 確認表示灯を内蔵する点滅器 |
| 令和7年度上期 問34 | ④で示す図記号の名称 | 確認表示灯付電磁開閉器用押しボタン |
| 令和7年度上期 問35 | ⑤で示す図記号の機器 | 制御配線の信号により動作する開閉器(電磁開閉器) |
| 令和7年度上期 問38 | ⑧で示す図記号の器具の名称 | フロートレススイッチ電極 |
| 令和7年度下期 問36 | ⑥で示す図記号の名称 | VVF用ジョイントボックス |
| 令和7年度下期 問38 | ⑧で示す図記号の名称 | ワイドハンドル形点滅器 |
| 令和8年度上期 問40 | ⑩で示す図記号の器具の種類 | 埋込器具 |
| 令和7年度上期 問40 | 引掛形のコンセントの傍記表示 | T |
| 令和8年度上期 問38 | 抜け止め形の防雨形コンセントの傍記表示 | LK |
| 令和8年度上期 問36 | ルームエアコンの屋内ユニットの傍記表示 | I |
出典:電気技術者試験センターの学科試験の問題と解答(令和8年度上期の問題・解答、令和7年度下期の問題・解答、令和7年度上期の問題・解答)。
同じ「③で示す図記号の器具の種類」でも、令和7年度上期は位置表示灯を内蔵する点滅器、令和8年度上期は確認表示灯を内蔵する点滅器が正解でした。似た名称の記号を取り違えないように、選択肢の名称を最後まで読むことが大切です。センターの例題は、傍記の例として、屋外灯の自動点滅器の「A」と容量(例題では3A)も挙げています(配線図の例題 例題6-④)。
この論点の問題を解く
本数・個数を数える問題の解き方
配線図問題では、図記号を読んだうえで、電線の本数やスリーブの個数を数える問題が、3回で15問ありました(最少電線本数・必要なケーブルが6問、リングスリーブ・差込形コネクタが9問)。
最少電線本数は、複線図にして数える
「⑦で示す部分の最少電線本数(心線数)は」という問いは、配線図の単線の線に、何本の電線が通るかを聞いています。センターの例題(例題6-③)は、指示部分を複線図にして、最少の心線数を答える形で、答えを「2本」としています。配線図の記号と、【注意】の項目(ジョイントボックスを経由する電線はすべて接続箇所を設けている、3路スイッチの記号「0」の端子には電源側又は負荷側の電線を結線する)から、実際の接続を頭の中の複線図にしてから数えます。複線図の描き方は、複線図の書き方にあります。
リングスリーブの種類は、電線の径と本数で決まる
接続箇所のリングスリーブの種類と個数を選ぶ問題は、接続する電線の径と本数から、スリーブの種類(小・中)と刻印を決める手順の上に成り立っています。令和7年度下期の問19(一般問題)の選択肢が、組合せの例を示しています。センターの正解は「ハ」(不適切なもの)です。
| 選択肢(令和7年度下期 問19) | 電線 | スリーブと刻印 | 適否 |
|---|---|---|---|
| イ | 直径2.0mm 3本 | 中スリーブ・中 | 適切 |
| ロ | 直径1.6mm 3本 | 小スリーブ・小 | 適切 |
| ハ | 直径2.0mm 2本 | 中スリーブ・中 | 不適切 |
| ニ | 直径1.6mm 1本と直径2.0mm 2本 | 中スリーブ・中 | 適切 |
出典:令和7年度下期 学科試験問題の問19と解答。センターの資料「技能試験の概要と注意すべきポイント」(冊子22頁、JIS C 2806 準拠の表)では、直径2.0mmの電線2本は小スリーブで、刻印は「小」です。直径2.0mm 3〜4本、直径2.0mm 2本と直径1.6mm 1〜3本の組合せは、中スリーブで刻印は「中」です。
数値・基準を問う問題:配線図でも法令・基準の知識が要る
配線図の中の指示部分について、電圧・抵抗・高さなどの数値を聞く問題もあります。たとえば、絶縁抵抗の基準は、電気設備に関する技術基準を定める省令58条が、使用電圧の区分ごとに最小値を定めています。
| 使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 |
|---|---|
| 300V以下で、対地電圧が150V以下 | 0.1MΩ以上 |
| 300V以下で、その他 | 0.2MΩ以上 |
| 300Vを超えるもの | 0.4MΩ以上 |
低圧の電路の絶縁性能:電気使用場所の使用電圧が低圧の電路は、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、300V以下で対地電圧150V以下なら0.1MΩ以上、300V以下でそれ以外なら0.2MΩ以上、300V超なら0.4MΩ以上(省令58条)。最終確認日:2026-10-03。出典:e-Gov 電気設備に関する技術基準を定める省令(2026-10-03 取得、施行 2023-03-20)。
令和8年度上期の問39(⑨で示す部分の電路と大地間の絶縁抵抗として許容される最小値)の正解は「0.1」でした。配線図に示された回路の電圧(対地電圧)を読んで、表のどの行に当たるかを判断します。同じ回の問31(小勢力回路で使用できる電圧の最大値)の正解は「60」V、センターの例題6-①は、接地工事の種類を使用電圧が300V以下であることからD種とし、動作時間0.1秒以内の漏電遮断器があるため、接地抵抗の許容される最大値を「500Ω」としています。
配線図を後回しにしたとき、得点はどうなるか
配線図は20問・40点分です。合格基準点は60点、一般問題は30問で60点分なので、配線図の正解数と、一般問題で必要な正解数の間には、次の関係があります。
| 配線図の正解数 | 配線図の得点 | 60点に必要な一般問題の正解数 |
|---|---|---|
| 0問 | 0点 | 30問(全問) |
| 5問 | 10点 | 25問 |
| 10問 | 20点 | 20問 |
| 15問 | 30点 | 15問 |
| 20問 | 40点 | 10問 |
計算:必要な一般問題の正解数は、30−(配線図の正解数)です。配線図10問正解なら20問で、合計30問=60点です。逆算では、50問中30問の正解が60点(30×2点)にあたり、配線図の正解数が10問のとき、30−10=20問が一般問題の必要数になります。配線図を全問落とすと、一般問題の30問すべてを正解しなければなりません。どの範囲に時間をかけるかは、当サイトは推奨しません。この表は、配分を決めるときの得点の計算として使ってください。
当サイトの問題で練習する
学科全体の勉強時間の見積りは電気工事士2種の勉強時間、合格率の読み方は第二種電気工事士の合格率の分析にあります。
当サイトの第二種電気工事士の学科問題には、配線図の指示番号を使う問題が56問あります。内訳の一部は、最少電線本数を問う問題が6問(問66・76・87・103・109・130)、小勢力回路を問う問題が4問(問72・108・111・132)、接地工事の種類と接地抵抗の最大値を問う問題が4問(問78・85・107・129)、(VE28)や(PF22)の意味を問う問題が3問(問73・84・131)です。いずれも、図つきで、3段階の解説を読めます。
技能試験で使う工具は第二種電気工事士の工具に、学科と技能の全体は第二種電気工事士の試験内容にまとめています。
よくある質問
Q配線図問題は何問出ますか?
20問です。電気技術者試験センターの令和7年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期の学科試験問題は、いずれも「問題2.配線図(問題数20,配点は1問当たり2 点)」としています。一般問題30問(1問2点)とあわせて50問・100点で、合格基準点は60点です。
Q配線図の問題で、図記号はどの規格で出ますか?
センターの学科試験のページは、試験問題に使用する図記号は原則として次のJIS規格によるとし、構内電気設備用図記号は「JIS C 0303:2000」、電気用図記号は「JIS C 0617 シリーズ」としています。JISに規定されない記号を使うときは、問題文の中で説明するとも書いています。
Q配線図問題を全部間違えると、合格できませんか?
一般問題30問をすべて正解すれば60点で、合格基準点と同じ点数になります(1問2点)。配線図を全問間違えた場合は、一般問題を1問でも間違えると60点に届きません。配線図の正解数が減るほど、一般問題で必要な正解数が増える関係です。
Q配線図は、技能試験の複線図とどう違いますか?
学科の配線図は、住宅やマンションの電気設備全体を単線で示した図で、記号の名称や本数などを答えます。技能試験の複線図は、候補問題の単線図をもとに、受験者が電線の接続を1本ずつ書き表すものです。複線図の書き方は、別の記事にまとめています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

