第二種電気工事士の技能試験に必要な工具を、電気技術者試験センターの受験案内で整理。必ず持参する指定工具6点、持ち込めない工具(電動・改造・自作・テスター)、圧着工具の条件、当日の持ち物チェックリストまで一次情報で解説します(本文では商品を推奨しません)。
目次
結論:第二種電気工事士の技能試験では、電気技術者試験センターが「作業に最低限必要と考えられますので、必ず持参してください」とする指定工具が6点あります。ペンチ、ドライバー(プラス・マイナス)、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)です。電動工具(電動機能をOFFにしても不可)、改造した工具、自作した工具、テスターは使えず、貸出もありません。当サイトは工具を販売せず、商品の推奨もしません。
| 知りたいこと | センターの案内(令和8年度下期 受験案内) |
|---|---|
| 必ず持参する工具 | ペンチ/ドライバー(プラス・マイナス)/電工ナイフ/スケール/ウォーターポンププライヤー/リングスリーブ用圧着工具 |
| 使える工具 | 電動工具以外のすべての工具(改造・自作は不可) |
| 使えないもの | 電動工具(充電式を含む)、改造した工具、自作した工具、テスター等の計測機器、デジタル表示機能付工具 ほか |
| 貸出 | なし(試験中の貸借も不可) |
| 数 | 制限なし(ただし机が狭いので配慮が必要) |
当サイトの学科の問題382問のうち、問題文か選択肢に「工具」を含む問題は19問です(電気機器・配線器具・配線13問、工事の方法6問、すべてセンター公表の過去問・2026-10-02集計)。工具を問う学科問題と、技能試験で実際に使う工具は別のものですが、名前と用途を覚える入口になります。
センターが「必ず持参」とする指定工具6点
令和8年度下期の受験案内(冊子44頁)は、技能試験の作業用工具について、次のように案内しています。
- 「貸出ではありませんのでご自身でご用意ください」
- 「技能試験では、電動工具以外のすべての工具を使用することができます。」
- 「下記の指定工具は、作業に最低限必要と考えられますので、必ず持参してください。」
指定工具は、次の6点です。
| 番号 | 指定工具 | 備考(受験案内の記載) |
|---|---|---|
| ① | ペンチ | |
| ② | ドライバー(プラス・マイナス) | |
| ③ | 電工ナイフ | カッターナイフは「使用は自粛してください」(怪我をする人がいるため) |
| ④ | スケール | |
| ⑤ | ウォーターポンププライヤー | |
| ⑥ | リングスリーブ用圧着工具 | JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品 |
ストリッパ(被覆をはぎ取る工具)は、この6点に入っていません。センターの資料「技能試験の概要と注意すべきポイント」には、被覆のはぎ取りは「電工ナイフやストリッパなどの専用の工具が用いられます」と書かれており、使うこと自体は禁じられていません。電動工具でなく、改造や自作でなければ使えます。
技能試験の指定工具:令和8年度下期の受験案内では、指定工具は6点(ペンチ、ドライバー(プラス・マイナス)、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具)。令和8年度下期の技能試験は2026年12月12日(土)または12月13日(日)。最終確認日:2026-10-04。出典:センター 令和8年度下期 受験案内(技能試験・作業用工具)・センター 第二種電気工事士試験。受験案内は回ごとに出るため、受験する回のものを確認してください。
工具と技能試験の作業の対応(センターの資料から)
指定工具を、センターの資料に出てくる作業に結びつけると、次のとおりです。「何のために持つか」が分かると、練習で工具の使い方を確かめやすくなります(資料の頁は、「技能試験の概要と注意すべきポイント」の冊子頁です)。
| 工具 | 資料に出てくる作業 | 資料の頁・基準 |
|---|---|---|
| 電工ナイフ | ケーブルのシースや絶縁被覆のはぎ取り。エコケーブル(EM-EEF)やVVRは、VVF用ストリッパでは適切にはぎ取れないことがあり、電工ナイフを用いるなどの方法が必要 | p.19。欠陥の判断基準 5-1(ケーブル外装を損傷したもの)・5-2(絶縁被覆の損傷) |
| ペンチ | 輪作りの手順の例で使用工具に挙がる(電工ナイフ・ストリッパ・ペンチ・プラスドライバー) | p.43 |
| ドライバー | ねじ締め端子への結線。ねじなし端子から電線を外すときは、電線外し穴に「薄いドライバーや専用の工具等」を適切に差し込む。適切に差し込まないと、電線を引き外せない場合や器具を破損させる場合がある | p.39 |
| スケール | 寸法の確認。欠陥の判断基準 2-2は、寸法が配線図に示された寸法の50%以下のもの。机に貼って机を傷めると受験者負担の弁償になるため、試験開始後に保護板(厚紙)に貼り付ける | 欠陥の判断基準 2-2・p.46(よくある問合せ Q6) |
| ウォーターポンププライヤー | 金属管工事で、ロックナットをしっかり締め付ける。ねじなしボックスコネクタの止めねじは、頭部がねじ切れるまで締め付ける | p.35。欠陥の判断基準 9-3 |
| リングスリーブ用圧着工具 | リングスリーブによる電線相互の接続。刻印(○・小・中・大)が明確に出る黄色い握りの工具 | p.22。欠陥の判断基準 6-1 |
令和8年度の候補問題(令和8年度第二種電気工事士技能試験候補問題の公表について、令和8年1月16日公表)は、No.1〜No.13の配線図の中から出題されます。図には、EM-EEF や VVR のケーブルの表記もあり、No.11 に「E19」、No.12 に「PF16」の表記があります。センターの資料は、電線管工事(金属管、または合成樹脂製可とう電線管)が出題される場合があるとしています。候補問題ごとの作業と欠陥の判断基準は電気工事士の実技試験にまとめています。
圧着工具は「JIS C 9711 適合・握りが黄色」を使う
指定工具のうち、受験者が間違えやすいのが⑥の圧着工具です。受験案内は次のように書いています。
- リングスリーブの圧着では、JIS C 9711に適合する圧着マークが刻印されることが求められる
- 「握りの部分の色が黄色のもの」を使えば、この圧着マークが刻印される。「〇・小・中・大の刻印が明確にでるもの」を用意する
- 上記以外のリングスリーブ用圧着工具で圧着し、圧着マークが刻印されない場合は、欠陥の対象となる(1982年より前のJIS規格の工具を含む)
センターの資料は、「使い古した工具を使用したために刻印が明確に見えない」「リングスリーブ用の圧着工具ではなく圧着端子用の工具を使用したために刻印が数字であった」といった場合も、正しい工具が使われたとは認められず、欠陥と判断すると説明しています(p.22)。刻印が数字になる工具は、ここで言う⑥の工具ではない、という点を押さえておけば足ります。
リングスリーブの種類は、電線の径と本数で決まります。たとえば、センターの資料の表(JIS C 2806 準拠)では、直径1.6mmの同じ太さの電線2本は小スリーブ・刻印は「〇」、1.6mm 3〜4本は小スリーブ・刻印は「小」、直径2.0mm 2本も小スリーブ・刻印は「小」です。表の全体は電気工事士の実技試験でも確かめられます。
この論点を、学科の問題で確かめます。2問とも、リングスリーブの種類と圧着マーク(刻印)の組合せで不適切なものを選ぶ問題です。
使えない工具・持ち込めないもの
受験案内の「使用を禁止しているもの」には、技能試験で使えないものが次のように挙げられています(冊子42頁)。
- 電動工具(充電式を含む)
- 改造した工具(持ち手を延伸する、工具に書き込みをしているなど)
- 自作した工具
- 配布される「保護板」以外の「下敷き」や「作業用シート類」
- ネジやリングスリーブなどを仮置きするための小箱や皿類
- 支給された材料以外の材料
- 「その他、工具として一般に販売されていないもの」
このほか、冊子44頁の「工具における注意事項」には、テスター等の計測機器、デジタル表示機能付工具(電子ノギス等)は使用できないこと、技能試験では支給材料以外の材料の使用ができないことが書かれています。
特に重い扱いなのが電動工具です。センターの資料は、小型充電式電動ドライバ・家庭用電気ドライバ・ペン型インパクトドライバ・インパクトドライバを例に、「電動機能をOFFにして利用する場合でも、使用できません。」とし、使った場合は不正行為となり失格になると警告しています。受験できない場合の項目にも、「電動工具など使用を禁止としているものを使用した場合」が入っています(受験案内 冊子40頁)。
改造した工具についても、センターの資料の「技能試験でよくある問合せ」(p.46)は「改造の大小に関わらず,改造後の工具は使用できません。」と答えています。
持ち込んでよいものと、机の上の使い方
次のものは、センターの資料や受験案内で、使えることが示されています。
- 手袋、工具を入れるための腰ベルト等(受験案内 冊子44頁)
- 工具箱や工具袋を机に置くこと。ただしスペースに限りがあるので、他の受験者の迷惑にならないようにする(資料 p.46 Q4)
- 電線を一時的に束ねるクリップ等。ただし試験終了までに必ず外す(受験案内・資料 p.4)
- ケーブルにペンで印をつけること(資料 p.46 Q5)
- 持参する工具の数。制限はないが、机が狭いので、机上に置く工具は他の受験者に配慮する(受験案内 冊子44頁)
試験の作業は椅子に座って行います(受験案内 冊子42頁)。工具は、座った姿勢で手の届く範囲に置くことになります。練習のときから、同じ机の広さを意識して工具を並べておくと、本番で戸惑いません。
持ち込み可否は、受験する回の受験案内で確認する
「この工具は持ち込めるのか」という疑問は、次の順で確かめると迷いません。
- ① 受験する回の受験案内(PDF)の「技能試験」の頁で、指定工具6点と「使用を禁止しているもの」を読む(令和8年度下期は冊子42頁・44頁)
- ② 工具の説明書に「電動」「充電式」「デジタル表示」の機能がないかを見る。センターの資料は、電動機能をOFFにして使う場合でも電動工具は使用できないとしています
- ③ 改造(持ち手の延長、工具への書き込みなど)をしていないか確かめる。改造の大小に関わらず、改造後の工具は使用できません(資料 p.46)
- ④ 判断がつかないときは、受験案内の「問い合わせ先」に載っている受験総合支援センター(平日の受付)に、試験の前に問い合わせる(連絡先は電気技術者試験センターの第二種電気工事士試験のページから入る受験案内で確認)。試験当日の問い合わせ先は、試験実施本部・コールセンターとされています
受験案内は回ごとに出され、持参工具の規定が変わる可能性があります。ここに書いた内容は令和8年度下期のものです(確認日2026-10-04)。
「おすすめ」を探す前に確認する5つの条件(商品は勧めません)
「工具セット」「おすすめ」「100円ショップ」「腰道具」などの語で検索する人が多いのですが、センターの受験案内・資料には、特定の製品名やセットの指定・推奨の記載がありません(2026-10-04 時点)。この記事も、製品や店の名前は挙げず、アフィリエイトのリンクも付けていません。工具を揃える前の確認点は、次の5つです。
- 指定工具6点が揃っているか(ストリッパを足す場合も、6点は別に必要)
- 電動の機能が付いていないか(充電式・電池式で、電動機能をOFFにできる工具も使えない)
- 改造していないか(持ち手の延長、目盛りの書き込みなど)
- 圧着工具が、JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品で、握りが黄色、刻印○・小・中・大が明確に出るか
- 工具として一般に販売されているものか(受験案内は、一般に販売されていないものを使用禁止に挙げています。自作や、改造した市販品も不可)
購入した店や価格は、条件に入っていません。どの工具が使いやすいかは、人によって違い、センターは判断を示していません。練習の段階で、候補問題の13題を、この工具で作ってみて、使い勝手を確かめてください。
練習用の材料(電線・器具・スリーブ)の揃え方は、センターが公表した13問の材料表を集計した電気工事士2種の実技練習キットの選び方にまとめています。工具は試験で自分で持参するもの、材料は試験で支給されるものです。練習では、工具と材料の両方を自分で用意することになります。
試験当日の工具・持ち物チェックリスト
令和8年度下期の受験案内(冊子43頁・44頁)の「持参するもの」「使用できるもの」「技能試験の作業用工具」から、当日の持ち物を整理しました。
| 区分 | 持ち物・確認点 | 受験案内の記載 |
|---|---|---|
| 工具(必須) | ペンチ/ドライバー(プラス・マイナス)/電工ナイフ/スケール/ウォーターポンププライヤー/リングスリーブ用圧着工具 | 「必ず持参してください」 |
| 圧着工具の確認 | JIS C 9711 適合、握りが黄色、○・小・中・大の刻印が明確に出る | 刻印されない場合は欠陥の対象 |
| 持ち込まないもの | 電動工具、改造・自作の工具、テスター等の計測機器、デジタル表示機能付工具、仮置き用の小箱や皿、配布以外の下敷き・作業用シート | 使用を禁止 |
| 使ってよいもの | 手袋、工具を入れる腰ベルト等、電線を一時的に束ねるクリップ等(試験終了までに外す) | 使用できる |
| 筆記方式・技能試験の持参品 | 持参するもの:筆記用具、時計(電卓機能・通信機能・アラーム音のあるものは不可)、受験票、顔写真付きの公的証明書。使用できるもの:ストップウォッチ(音が出ないもの)、眼鏡・ルーペ | 「持参するもの」「使用できるもの」 |
| 貸借 | 試験中の工具の貸し借りはできない | 他の受験者から借りると受験できない場合に該当 |
当日の持ち物は、前日までに机の上に並べて、上の表と1つずつ照らしてください。スマートフォンや携帯電話は、時計として使えません。着席後に電源を切って、カバン等にしまう指示があります(受験案内 冊子40頁)。
学科試験に出る工具の問題
工具は、技能試験だけでなく学科試験にも出ます。当サイトには、問題文か選択肢に「工具」を含む学科の問題が19問あります(電気機器・配線器具・配線13問、工事の方法6問)。そのうち、写真を見て工具の名前や用途を答える問題は7問です。同じ問題文が別の回にも出題されたもの(例:令和4年度上期(午前)・令和4年度下期(午前)・令和4年度下期(午後)の「工事の種類と工具の組合せ」)は、回ごとに数えています。
- 電気工事の種類と使う工具の組合せ(令和4年度上期(午前) 問13)
- 電気工事の作業と使う工具の組合せで誤っているもの(令和4年度上期(午後) 問13)
- 硬質ポリ塩化ビニル電線管の切断・曲げに使う工具(令和6年度上期 問13)
- ねじなし電線管の曲げ加工に使う工具(令和7年度下期 問13)
学科の問題で出る工具(パイプベンダ、トーチランプなど)は、技能試験の指定工具とは別のものが多いので、混同しないようにしてください。技能試験の指定工具は、先に挙げた6点です。
技能試験の準備は、工具のあとに候補問題から
工具が決まったら、次は候補問題の練習です。センターの資料(p.4)は「「候補問題」を確認し,作業に必要な工具はご自身でご用意ください。」としています。候補問題の作業、欠陥の判断基準、複線図の書き方は電気工事士の実技試験に、試験全体の流れは第二種電気工事士の試験内容にあります。当サイトの問題は学科試験のみで、技能試験の問題は扱っていません。
よくある質問
Q技能試験の工具は、試験会場で貸してもらえますか?
貸出はありません。電気技術者試験センターの令和8年度下期の受験案内は、作業用工具について「貸出ではありませんのでご自身でご用意ください」と案内し、「試験中の工具の貸借はできません。」とも書いています。試験中に工具を他の受験者から借りた場合は、受験できない場合の1つに挙げられています(確認日2026-10-02)。
Qテスター(回路計)は持ち込めますか?
持ち込んで使うことはできません。令和8年度下期の受験案内は「回路計(テスター)等の計測機器」を、使用できないものとして挙げています。センターの資料「技能試験の概要と注意すべきポイント」も、「工具以外の物,例えば,テスタなどの計測器等の使用は禁止です。」としています。
Qストリッパは指定工具に入っていないのに、使ってもいいのですか?
電動工具でなく、改造や自作でなければ使えます。受験案内は「電動工具以外のすべての工具を使用することができます。」とし、指定工具の6点を「作業に最低限必要と考えられる」ものと位置づけています。センターの資料には、電工ナイフやストリッパで外装をはぎ取る説明があり、エコケーブル(EM-EEF)やVVRはVVF用ストリッパでは適切にはぎ取れないことがあるため、電工ナイフを使うなどケーブルに合わせた方法を勧めています。
Q技能試験の工具で「おすすめ」はありますか?
電気技術者試験センターの受験案内・資料には、特定の製品名やセットの指定・推奨の記載がありません(2026-10-04 時点)。当サイトも商品は勧めません。センターが示しているのは、必ず持参する指定工具6点と、使えない工具の条件です。この条件を満たす工具であれば、どの店・どの価格帯のものでも受験できます。選ぶときの確認点は、本記事「「おすすめ」を探す前に確認する5つの条件」にまとめています。
Q工具は全部で何個まで持ち込めますか?
受験案内は「持参する工具の数量に制限はありません」と案内しています。ただし作業用の机が狭いので、机の上に置く工具は他の受験者に迷惑がかからないよう配慮するよう求めています(令和8年度下期 受験案内 冊子44頁)。
Q100円ショップなどで買った工具でも受験できますか?
受験案内に、工具を買う店や価格の基準は書かれていません。条件として書かれているのは、電動工具でないこと、改造や自作でないこと、工具として一般に販売されていないものではないこと、そしてリングスリーブ用圧着工具はJIS C 9711:1982・1990・1997 適合品であることです。使えるかどうかは、買った店ではなく、この条件に当てはまるかで決まります。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月28日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

