電気工事士2種の実技(技能試験)の練習に何を揃えるかを、センターが公表した13問の材料表を集計して整理。ケーブルの合計長さ、器具・スリーブの種類、練習キットを選ぶときの確認点、練習なしで受けるとどうなるかまで解説します(本文では商品を推奨しません)。
目次
結論:実技の練習は、材料と工具を揃えて、候補問題を40分で作る練習を繰り返すのが基本です。電気技術者試験センターの資料も、「試験時間内で作品を完成できるよう,繰り返し練習を行ってください」としています。当サイトがセンター公表の13問(令和8年度上期の公表問題No.1〜No.13)の材料表を集計すると、ケーブルと電線の「長さ約」の合計は1問分で1,400〜2,900mm、13問を1周するぶんで合計31.2mでした。リングスリーブ(小)は13問すべて、(中)は3問、ジョイントボックスは4問で使います。練習キットを選ぶときは、「何問ぶんの材料か」と「この表の種類が入っているか」を確認します。
実技(技能試験)の練習は、器具・電線・工具をどこまで揃えれば足りるのかが分かりにくい部分です。本記事では、センターが公表している材料表だけを使って、必要な材料の種類と量を整理します。本文には商品名・価格・おすすめの順位を載せません(センターが製品を指定・推奨していないためです)。ページ内の「PR」の枠は広告で、本文の集計とは別です(編集方針 5.)。
試験センター非提携:本サイトは一般財団法人 電気技術者試験センターと一切関係ありません。令和8年度の候補問題・材料表は、センターの第二種電気工事士試験の問題と解答で確認できます。
| 練習で揃えるもの | 本記事での扱い |
|---|---|
| 工具(指定工具6点など) | 第二種電気工事士の工具で解説(本記事は繰り返さない) |
| 材料(電線・器具・スリーブ・コネクタ) | 公表問題13問の材料表を集計(次の節以降) |
| 複線図・点検の練習 | 複線図の書き方・落ちた原因の探し方 |
| 候補問題・欠陥の判断基準 | 実技(技能試験)対策 |
練習キットを選ぶときの確認表
販売されているセットを自分で比べるときは、商品の説明を次の表に当てはめてください。右の列は、令和8年度上期の公表問題13問の材料表を集計した結果です(集計の中身は後の節)。
| 確かめる点 | 13問の材料表では | セットの説明で見るところ |
|---|---|---|
| 何問ぶんの材料か | 公表問題は13問 | 「13問対応」か、一部の問題だけか |
| 1.6mm・2.0mm のケーブル | 13問すべてで使う | 何周ぶんの長さが入っているか |
| 丸形ケーブル | 2問(No.8・No.13) | 入っているか |
| リングスリーブ(中) | 3問(No.9〜No.11) | (小)だけでなく(中)も入っているか |
| 差込形コネクタ | 2本用9問・3本用10問・4本用5問 | 3種類とも入っているか |
| 3路・4路スイッチ | 3路は No.6・No.7、4路は No.7 | 入っているか |
| ジョイントボックス(ゴムブッシング付き) | 4問(No.7・8・11・12) | 入っているか |
| 電線の長さ | 13問を1周で約31.2m | やり直しの分の余りがあるか |
練習なしで受けるとどうなるか
「練習なしで受験できるか」を調べる人も多い試験です。センターの資料と数字から、確かめられることは次のとおりです。
- センターは、技能試験の合格基準を「作品に欠陥がないこと」としています(令和8年度下期受験案内)
- センターの技能試験のポイント資料は、よくある欠陥の事例の冒頭で、「基準の趣旨をよく理解し,繰り返し練習をして,本番の試験では,完成した作品の見直しを忘れずに行いましょう。」としています。「1.未完成のもの」には「試験時間内で作品を完成できるよう,繰り返し練習を行ってください。」、「6-1.リングスリーブ用圧着工具の使用方法が適切でないもの」には「十分練習してください」とあります(技能試験の概要と注意すべきポイント 冊子45頁)
- 令和7年度の技能試験は、受験者99,610人のうち71,471人(71.8%)が合格し、28,139人(28.2%)は合格していません(受験者数から合格者数を引いた当サイトの計算。第二種電気工事士試験の試験結果と推移)
- センターの結果ページに、練習した量や受験回数ごとの数字はありません。「練習なしで受けた人の合格率」は、公式には存在しません
欠陥の判断基準は、数値のあるものが多くあります(たとえば、器具への結線で心線の露出が何mm以上か、などです。欠陥の判断基準)。技能試験では、40分の中で、複線図を描き、電線を切ってむき、接続し、器具につなぐ作業を、欠陥のない状態で終える必要があります。作業を1回も通しで作らないまま受験することは、センターの資料が前提としている準備とは異なるため、お勧めしません。
紙だけでできる練習(複線図、リングスリーブの選択、欠陥の判断基準を読むこと)は、材料がなくても始められます。作る練習は、材料が必要です。次の節から、その材料を整理します。
13問の材料表を集計すると(令和8年度上期の公表問題)
センターは、技能試験のあとに、実際に出題された問題(公表問題)を公開しています。令和8年度上期は、2026年7月19日に出題された13種類(公表問題No.1〜No.13)の問題PDFに、材料表が載っています。まず、1問分の材料表の例です(出典:令和8年度上期 第二種電気工事士 技能試験 公表問題No.1。試験問題PDF)。
| 番号 | 材料(原文のとおり) | 数量 |
|---|---|---|
| 1 | 600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形,2.0mm,2心,長さ約250mm | 1本 |
| 2 | 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形,1.6mm,2心,長さ約900mm | 2本 |
| 3 | 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形,1.6mm,3心,長さ約350mm | 1本 |
| 4 | ランプレセプタクル(カバーなし) | 1個 |
| 5 | 引掛シーリングローゼット(ボディ(角形)のみ) | 1個 |
| 6 | 埋込連用タンブラスイッチ | 2個 |
| 7 | 埋込連用タンブラスイッチ(位置表示灯内蔵) | 1個 |
| 8 | 埋込連用取付枠 | 1枚 |
| 9 | リングスリーブ(小)(予備品を含む) | 8個 |
| 10 | 差込形コネクタ(2本用) | 2個 |
| 11 | 差込形コネクタ(3本用) | 1個 |
このほかに、受験番号札とビニル袋(切り屑入れ)が1枚ずつ配られます。
13問の材料表を、種類ごとに集計した結果は次のとおりです(当サイトの集計。13問の材料表の全項目を読み、No.1・No.7・No.8は画像でも確認しました)。
| 材料 | 使う問題の数(13問中) | 使う問題 |
|---|---|---|
| 1.6mm の平形ケーブル | 13問 | すべて |
| 2.0mm のケーブル | 13問 | すべて(No.8 は丸形) |
| リングスリーブ(小) | 13問 | すべて |
| ランプレセプタクル | 12問 | No.6 以外 |
| 埋込連用タンブラスイッチ | 12問 | No.8 以外(3路は No.6・7、4路は No.7) |
| 埋込連用取付枠 | 12問 | No.8 以外(No.6 は2枚) |
| 埋込コンセント類(連用・2口・接地極付・露出形) | 10問 | No.2〜6、9〜13 |
| 差込形コネクタ(3本用) | 10問 | No.1〜4、6、7、9、10、12、13 |
| 引掛シーリングローゼット | 9問 | No.1、3、4、6、8〜12 |
| 差込形コネクタ(2本用) | 9問 | No.1、3、4、6、7、9、11〜13 |
| 端子台で代用されうる器具(当サイトの整理。端子台で代用するかは公表資料に記載なし) | 3問 | No.3(タイムスイッチ)、8(リモコンリレー・リモコンセレクタスイッチ)、13(自動点滅器) |
| 差込形コネクタ(4本用) | 5問 | No.2、3、5、8、13 |
| ジョイントボックス(ゴムブッシング付き) | 4問 | No.7、8、11、12 |
| パイロットランプ・位置表示灯内蔵スイッチ | 3問 | No.1、2、10 |
| リングスリーブ(中) | 3問 | No.9、10、11 |
| 緑色のビニル絶縁電線(1.6mm) | 3問 | No.3、9、13 |
| 丸形ケーブル | 2問 | No.8、13 |
| 黒・白・赤のビニル絶縁電線(1.6mm) | 2問 | No.11、12 |
| ねじなし電線管とボックスコネクタ(金属管工事) | 1問 | No.11 |
| 合成樹脂製可とう電線管(PF16)とボックスコネクタ | 1問 | No.12 |
| 配線用遮断器(実物) | 1問 | No.10 |
「端子台で代用されうる器具」の行は、配線図にタイムスイッチ・リモコンリレー・自動点滅器などの器具が描かれている問題を当サイトが拾ったもので、材料表の集計ではありません。候補問題の注には「器具においては,端子台で代用する場合がある。」とあることによるものです。どの器具を端子台で代用するかは、この公表資料には書かれていません(2026-10-09 時点)(出典:令和8年度技能試験候補問題の公表について)。
練習キットの選び方|セット内容の確認ポイント
練習用のセットは、販売している会社によって内容が違います。センターは、特定の製品やセットを指定・推奨していません(2026-10-03 時点。受験案内・技能試験のポイント・候補問題・試験概要のいずれにも該当する記載がありません)。本文では製品の比較・推奨はせず、前の節の集計から、確認する点を7つにまとめます。
- 何問ぶんの材料か:13問すべてを作れるセットか、一部の問題ぶんだけのセットかを確認します。ジョイントボックス(4問)、金属管・合成樹脂管(各1問)、配線用遮断器(1問)は、特定の問題でしか使わないため、セットに含まれているかを確認します
- 電線の種類と本数:1.6mm の平形ケーブルと 2.0mm のケーブルは13問すべてで使います。丸形ケーブル(2問)や、色つきの単線(黒・白・赤の2問、緑の3問)が必要な問題を作る場合は、それも入っているかを見ます
- リングスリーブの種類と数:(小)は13問、(中)は3問で使います。(小)は1問あたり2〜8個(予備品を含む)支給されています。(中)が入っていないセットでは、No.9〜11 を作れません
- 差込形コネクタの本数の種類:2本用・3本用・4本用の3種類が使われています。1種類だけのセットだと、足りない問題が出ます
- 器具の種類:タンブラスイッチ(片切のほか3路・4路)、パイロットランプ、コンセント(連用・2口・接地極付・露出形)、ランプレセプタクル、引掛シーリングローゼットです。試験では端子台で代用される器具もあります
- 取付枠・ゴムブッシング・ねじなしコネクタなどの小物:取付枠は12問、ゴムブッシングは4問で必要です。欠陥の判断基準にも、取付枠(区分11)やゴムブッシング(区分12-4)の項目があります
- 圧着工具との組み合わせ:リングスリーブの圧着工具は、JIS C 9711 適合品で、握りの部分が黄色のものとされています(令和8年度下期受験案内)。工具のほうの確認点は工具の記事にあります
当日は、試験開始後の支給材料の交換には応じてもらえず(公表問題の注意書き)、不足したリングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじ(ランプレセプタクル、露出形コンセント等)は、申し出れば追加支給されます(追加支給しても欠陥の対象とはなりません。令和8年度下期受験案内)。練習では、この3つの消耗品は、使い切る前提で多めに用意します。
リングスリーブの選択(小か中か、刻印をどれにするか)は、学科の問題にも出ます。
- リングスリーブの種類と圧着マークの問題(令和7年度下期 学科 問19)(工事の方法 問21)
- リングスリーブの種類と圧着マークの問題(令和5年度上期(午後) 学科 問19)(工事の方法 問26)
- VVF用ジョイントボックスの図記号の問題(令和7年度下期 学科 問36)(工事の方法 問75)
- 電線相互の終端接続部分の絶縁処理の問題(工事の方法 問15)
練習に必要な電線の長さと、周回の見積もり
材料表の「長さ約」を、問題ごとに合計した結果です(ケーブルと電線の合計。電線管は含みません)。
| 区分 | 1問分の長さ(合計) |
|---|---|
| 最も短い問題 | 1,400mm(No.10) |
| 最も長い問題 | 2,900mm(No.11・No.12) |
| 13問の合計(1周分) | 31,200mm(31.2m) |
練習で2周するなら、単純に2倍の62.4mです。切りすぎ・むき間違い・やり直しで電線が短くなった分は、ここに含まれていません。1周分ぴったりの量では足りなくなるため、セットを選ぶときは、1周分を超える量が入っているかを確認してください。
時間は、本番が40分です(全問題で40分の予定)。13問を本番どおりの40分で作る練習だけなら、13問×40分=520分(約8.7時間)です。当サイトの勉強時間の記事では、複線図と点検の20分を足した1回60分を前提にしており、13問×60分=780分(13.0時間)を1周分としています(電気工事士2種の勉強時間)。センターは練習の回数や期間の目安を示していません。何周するかは、本番と同じ時間で、欠陥のない作品を作れるかで決めます。
練習の記録と、欠陥チェックのやり方
練習を重ねても同じ欠陥を繰り返すのは、どこで間違えたかを残していないためです。1回の練習ごとに、次の項目を記録します。
| 項目 | 書くこと(例) |
|---|---|
| 日付・課題 | 〇月〇日・No.7 |
| 作業時間 | 38分(40分以内か) |
| 欠陥の判断基準の区分 | 6-1(リングスリーブの刻印)・8-9(ねじなし端子の心線の露出)など |
| 直すこと | 刻印を確認してから圧着する、むき長さを定規で測ってから切る、など |
| 次に作る課題 | 同じ区分を含む課題(たとえば、リングスリーブを多く使う No.1) |
区分の番号と内容は、センターの欠陥の判断基準(1 未完成/2 配置・寸法・接続方法等の相違/3 誤接続・誤結線/4 電線の色別・極性/5 電線の損傷/6 リングスリーブ/7 差込形コネクタ/8 器具への結線/9 金属管工事/10 合成樹脂製可とう電線管工事/11 取付枠/12 その他)のとおりです(欠陥の判断基準)。表の全体と、数値のある項目の読み方は、実技(技能試験)対策にまとめています。落ちたあとの点検の続け方は技能試験に落ちた原因の探し方を参照してください。
まとめ
- センターは、技能試験について「繰り返し練習」を呼びかけており、練習なしの合格率は公表されていない
- 令和8年度上期の公表問題13問の材料表を集計すると、ケーブル・電線の長さは1問あたり1,400〜2,900mm、13問で合計31.2m
- リングスリーブ(小)は13問、(中)は3問、ジョイントボックスは4問、端子台の代用は5問で使う
- 練習キットは、何問ぶんか、(中)や差込形コネクタ3種類が入っているか、1周分を超える電線があるかを確認する(本文では製品を推奨しません)
- 練習ごとに、作業時間と、欠陥の判断基準の区分番号を記録する
関連記事:第二種電気工事士の工具 / 実技(技能試験)対策 / 複線図の書き方 / 電気工事士2種の勉強時間
よくある質問
Q練習キットを買う必要はありますか?
センターの受験案内・技能試験のポイント・候補問題の資料には、練習キットや材料セットの指定・推奨の記載がありません(2026-10-03 時点)。技能試験は、持参した工具で、試験会場で支給される材料を使って作る試験です。練習用の材料をどこで揃えるかは受験者が決めるため、本記事の材料表の集計と照らして、必要な種類と量が足りるかを確認してください。出典:令和8年度下期受験案内。
Q練習なしで技能試験を受けても合格できますか?
練習の有無ごとの合格率は、公式には公表されていません。令和7年度の技能試験は、受験者99,610人のうち71,471人(71.8%)が合格し、28,139人(28.2%)は合格していません(受験者数から合格者数を引いた当サイトの計算)。合格基準は「作品に欠陥がないこと」で、センターの技能試験のポイント資料は「繰り返し練習」を呼びかけています。出典:第二種電気工事士試験の試験結果と推移、技能試験の概要と注意すべきポイント。
Q練習で、試験の支給材料以外のものを使ってもよいですか?
練習で使うのは自由です。ただし、試験当日は、受験案内が「支給された材料以外の材料」を使用できないものに挙げており、判断基準でも「支給品以外の材料を使用したもの」は欠陥(区分12)です。練習の段階から、支給される種類の材料で作ることをお勧めします。出典:令和8年度下期受験案内、欠陥の判断基準。
Q候補問題の材料は、毎年同じですか?
同じとは限りません。センターは、令和8年度の技能試験問題を候補問題No.1〜No.13の配線図の中から出題するとしたうえで、「配線図,施工条件等の詳細については,試験問題に明記します」としています。本記事の集計は令和8年度上期(2026年7月19日実施分)の公表問題の材料表です。最新の候補問題は、その年度の公表資料で確認してください。出典:令和8年度技能試験候補問題の公表について。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月28日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

