第二種電気工事士の技能試験で出る3路スイッチ・4路スイッチ・パイロットランプの複線図を、結線表と全スイッチ状態の動作表で整理。端子0・1・3の意味、間違えやすい接点、令和8年度の候補問題での出方まで確認できます。
結論:3路スイッチは「0」端子を電源側かランプ側につなぎ、2つのスイッチの「1」どうし・「3」どうしを渡り線でつなぎます。これで2か所から点滅できます。3か所なら、間に4路スイッチを入れて3路・4路・3路の順につなぎます。パイロットランプは、つなぐ場所で動きが決まります。電源の間なら常時点灯、ランプと並列なら同時点滅、スイッチと並列なら異時点滅です。この記事の結線表は、全スイッチ状態で電灯が点灯・消灯するかを当サイトで検算しています。
| 回路 | 使う器具 | 点滅のしかた | 複線図の要点 |
|---|---|---|---|
| 3路スイッチ(2か所点滅) | 3路スイッチ2個、ランプ1個 | 2か所のどちらからでも点灯・消灯できる | 0は電源側とランプ側、1どうし・3どうしを渡り線でつなぐ |
| 4路スイッチ(3か所点滅) | 3路スイッチ2個、4路スイッチ1個、ランプ1個 | 3か所のどこからでも点灯・消灯できる | 3路の渡り線2本を、4路の1・3の側と2・4の側に分けてつなぐ |
| パイロットランプ(常時点灯) | 点滅器、ランプ、パイロットランプ | スイッチに関係なく常に点灯 | 電源の両線の間につなぐ |
| パイロットランプ(同時点滅) | 点滅器、ランプ、パイロットランプ | ランプと同時に点灯・消灯 | ランプと並列につなぐ |
| パイロットランプ(異時点滅) | 点滅器、ランプ、パイロットランプ | ランプが消えているときに点灯 | スイッチと並列につなぐ |
パイロットランプは、技能試験の候補問題では「確認表示灯(パイロットランプ)」と書かれます(電気技術者試験センター 令和8年度候補問題)。複線図の共通の書き方(白線・黒線を先に決める手順)は、第二種電気工事士の複線図の書き方にまとめています。この記事は、回路ごとの結線と動作に絞ります。
合格ナビの第二種電工の学科問題382問のうち、問題文に「図記号」が出てくる問題は22問あります(2026-10-02 時点の当サイトの問題データを集計)。複線図は技能試験の内容で、当サイトの問題は学科試験だけです。
3路スイッチの複線図(2か所点滅)
3路スイッチには端子が3つあります。パナソニックの公式FAQは、JIS C 8304に基づく端子表示として、「0」は電源または負荷へ接続する端子、「1」と「3」はスイッチ間配線に接続する端子と説明しています(3路スイッチおよび4路スイッチの端子の表示について)。0が「共通」で、スイッチを切り替えると0が1と3のどちらかにつながります。
単相100Vの回路で、3路スイッチ2個でランプ1個を点滅させる結線は次のとおりです。
| 順 | 接続元 | 接続先 |
|---|---|---|
| ① | 電源の接地側 | ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子 |
| ② | 電源の非接地側 | 3路スイッチ①の端子0 |
| ③ | 3路スイッチ①の端子1 | 3路スイッチ②の端子1(渡り線) |
| ④ | 3路スイッチ①の端子3 | 3路スイッチ②の端子3(渡り線) |
| ⑤ | 3路スイッチ②の端子0 | ランプレセプタクルのもう一方の端子 |
電線の色は、課題の施工条件で決まります。センターの資料は例として、「電源からの接地側電線は,すべて白色を使用する」「電源から点滅器までの非接地側電線は,すべて黒色を使用する」「ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子」に白色、を挙げています(技能試験の概要と注意すべきポイント・一例)。①は接地側なので白、②は非接地側から点滅器までなので黒、になります。
動作の検算(4状態)
3路スイッチは、0が1側か3側のどちらにつながっているかで状態が決まります。上の結線で、全4状態を調べた結果です。
| スイッチ①(0と接続) | スイッチ②(0と接続) | 電灯 |
|---|---|---|
| 1側 | 1側 | 点灯 |
| 1側 | 3側 | 消灯 |
| 3側 | 1側 | 消灯 |
| 3側 | 3側 | 点灯 |
①と②が同じ番号の渡り線を選んだときだけ、電源からランプまでの経路がつながります。どちらか1個を切り替えると、点灯と消灯が入れ替わるので、2か所のどちらからでも点滅できます。1と3の渡り線を交差させて(①の1と②の3、①の3と②の1)つないでも、点滅の仕組みは成り立ちます。施工条件に指定があれば、それに従います。
4路スイッチの複線図(3か所点滅)
4路スイッチは、3か所以上から点滅させるときに、3路スイッチの間に入れます。パナソニックの公式FAQは、3か所から入切する配線を「3路スイッチ-4路スイッチ-3路スイッチの順で、配線してください。」としています(照明を3箇所から入切できるようにする配線方法)。
4路スイッチの端子は1・2・3・4で、すべてスイッチ間配線に接続する端子です。同じFAQの端子表示のページは、「1と3、2と4は、それぞれ接触しない端子である」としています。この記述から、当サイトは4路スイッチの中を次のように整理しました。
- 一方の位置では「1と2」「3と4」がつながる
- もう一方の位置では「1と4」「3と2」がつながる(渡り線が入れ替わる)
- どちらの位置でも、1と3、2と4はつながらない
結線は次のとおりです。
| 順 | 接続元 | 接続先 |
|---|---|---|
| ① | 電源の接地側 | ランプレセプタクルの受金ねじ部の端子 |
| ② | 電源の非接地側 | 3路スイッチ①の端子0 |
| ③ | 3路スイッチ①の端子1 | 4路スイッチの端子1 |
| ④ | 3路スイッチ①の端子3 | 4路スイッチの端子3 |
| ⑤ | 4路スイッチの端子2 | 3路スイッチ②の端子1 |
| ⑥ | 4路スイッチの端子4 | 3路スイッチ②の端子3 |
| ⑦ | 3路スイッチ②の端子0 | ランプレセプタクルのもう一方の端子 |
動作の検算(8状態)
3路スイッチ①は0が1側か3側、4路スイッチは「1-2・3-4」の側(A)か「1-4・3-2」の側(B)、3路スイッチ②は0が1側か3側です。全8状態を調べました。
| ① | 4路 | ② | 電灯 |
|---|---|---|---|
| 1側 | A | 1側 | 点灯 |
| 1側 | A | 3側 | 消灯 |
| 1側 | B | 1側 | 消灯 |
| 1側 | B | 3側 | 点灯 |
| 3側 | A | 1側 | 消灯 |
| 3側 | A | 3側 | 点灯 |
| 3側 | B | 1側 | 点灯 |
| 3側 | B | 3側 | 消灯 |
8状態のうち4状態で点灯します。3個のうちどれを切り替えても、点灯と消灯が入れ替わります。3か所のどこからでも点滅できる回路になっています。
4路スイッチの渡り線を間違えるとどうなるか
3路スイッチ①の渡り線2本を、4路スイッチの「1と2」につないでしまった場合を調べました(正しくは1と3、または2と4)。このつなぎ方では、8状態のうち点灯するのは2状態だけです。点灯と消灯が入れ替わらない組合せが出て、3か所から点滅できません。4路スイッチの1と3、2と4は接触しない組になっているので、一方のスイッチから出る2本の渡り線は、その組の2端子につなぎます。
パイロットランプ(常時点灯・同時点滅・異時点滅)の複線図
パイロットランプは、スイッチの状態を表示するための小さなランプです。技能試験の候補問題では、特記で点灯のしかたが指定されます。令和8年度の候補問題は、No.2が「常時点灯」、No.10が「同時点滅」です(令和8年度第二種電気工事士技能試験候補問題の公表について)。
スイッチ(点滅器)を非接地側の電線に入れ、ランプ(L)とパイロットランプ(P)をつなぐ場所を変えると、3つの回路になります。
| 種類 | Pのつなぎ方 | 結線表の要点 |
|---|---|---|
| 常時点灯 | 電源の非接地側と接地側の間(スイッチを通さない) | 非接地側の電線をスイッチの手前から分け、Pを通して接地側へつなぐ |
| 同時点滅 | ランプと並列 | スイッチの先の電線を分け、LとPの両方につなぎ、LとPのもう一方を接地側へつなぐ |
| 異時点滅 | スイッチと並列 | Pの2つの端子を、スイッチの2つの端子(電源側とランプ側)にそれぞれつなぐ |
| スイッチ | 常時点灯 | 同時点滅 | 異時点滅 |
|---|---|---|---|
| 入 | ランプ点灯・P点灯 | ランプ点灯・P点灯 | ランプ点灯・P消灯 |
| 切 | ランプ消灯・P点灯 | ランプ消灯・P消灯 | ランプ消灯・P点灯 |
異時点滅は、スイッチが切のとき、PとランプLが直列につながります。Pの抵抗がLに比べて大きいので、電圧のほとんどがPにかかってPが光り、Lは点灯しません。スイッチを入れるとPがスイッチで短絡されて消え、Lに全電圧がかかります。
令和8年度の候補問題の特記には、異時点滅は出てきません。ほかの年度の特記は、候補問題の公表時に確認します。
この論点の学科問題は次のとおりです。
令和8年度 第二種電気工事士 技能試験候補問題の特記:No.2は確認表示灯(パイロットランプ)を常時点灯とする、No.10は同時点滅とする。配線図で点滅器の記号に「3」「4」が添えられているのは、No.6(「3」が2個)とNo.7(「3」「4」「3」)。候補問題は毎年公開される。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 令和8年度第二種電気工事士技能試験候補問題の公表について(PDF)。
配線方法ごとの使用器具と接続の違い
3つの回路を、使う器具と電源の入れ方で比べます。
| 回路 | 電源の非接地側の入り先 | ランプへの経路 | 渡り線の数 |
|---|---|---|---|
| 3路2個 | 3路①の端子0 | 3路②の端子0からランプへ | 2本(①と②の間) |
| 3路・4路・3路 | 3路①の端子0 | 3路②の端子0からランプへ | 4本(①と4路の間に2本、4路と②の間に2本) |
| 点滅器とパイロットランプ | 点滅器の電源側端子 | 点滅器の負荷側端子からランプへ | なし(Pのつなぎ方で3種類) |
配線図の図記号は、センターの候補問題の注記にあるとおり、原則としてJIS C 0303:2000に準拠しています。令和8年度の候補問題では、No.6とNo.7の配線図で、点滅器の記号に「3」や「4」が添えられています(No.7は「3」「4」「3」の順で、メーカーが示す3路・4路・3路の配線順と並びが一致します)。候補問題の配線図は単線図の形式で、実際の電線の本数は複線図に直して初めて分かります。複線図は、問題用紙の余白か、配付される保護板に書きます(センター よくあるご質問(69))。
間違えやすい接点の見分け方
- 3路スイッチの0には、渡り線をつながない。0は電源側かランプ側、1と3は渡り線です。電源を端子1につなぐ誤りを調べると、4状態のうち点灯するのは1状態だけで、2か所から点滅できません
- 4路スイッチは、1と3、2と4が接触しない組です。一方の3路スイッチから出る2本は、同じ組の2端子につなぎます
- 4路スイッチは、3路スイッチ2個の間に入れます。4路スイッチを電源側やランプ側の端に置く回路ではありません
- パイロットランプの3種類は、「どこと並列か」で区別します。電源の間は常時、ランプと並列は同時、スイッチと並列は異時です
- 電線の色は、課題の施工条件で決まります。センターの資料は、電気回路が正しく構成されていない例(スイッチを入れてもランプが点灯しない、短絡など)を誤接続としています。欠陥の判断基準の3(誤接続・誤結線)と4(電線の色別、配線器具の極性が施工条件に相違したもの)に当たらないか、完成後に見直します(欠陥の判断基準)
複線図から作品を作る練習の進め方と、欠陥の判断基準の全体は、電気工事士の実技試験にまとめています。
まとめ
- 3路スイッチは、0を電源側・ランプ側に、1と3を渡り線につなぐ(端子表示はJIS C 8304)
- 3か所点滅は、3路・4路・3路の順。4路の1と3、2と4は接触しない組
- パイロットランプは、電源の間(常時)・ランプと並列(同時)・スイッチと並列(異時)で動きが決まる
- 結線表は、全スイッチ状態で点灯・消灯を確かめてから使う
よくある質問
Q3路スイッチの端子「0」には、何をつなぎますか。
電源側、またはランプ(負荷)側の電線をつなぎます。パナソニックの公式FAQは、JIS C 8304に基づく3路スイッチの端子表示として、「0」は電源または負荷へ接続する端子、「1」と「3」はスイッチ間配線に接続する端子としています。2個の3路スイッチでは、1・3どうしを渡り線でつなぎ、0は電源とランプにつなぎます。
Q4路スイッチだけで、2か所から点滅できますか。
できません。4路スイッチは、3路スイッチの間に入れて3か所以上から点滅させるために使います。メーカーの公式FAQは、3か所から入切するときの配線順を「3路スイッチ-4路スイッチ-3路スイッチ」としています。2か所なら3路スイッチ2個で足ります。
Qパイロットランプの「同時点滅」と「異時点滅」は何が違いますか。
同時点滅は、ランプが点灯するときにパイロットランプも点灯します(ランプと並列につなぐ)。異時点滅は、ランプが消灯しているときにパイロットランプが点灯します(スイッチと並列につなぐ)。令和8年度の候補問題の特記に出てくるのは、常時点灯(No.2)と同時点滅(No.10)です。
Q技能試験の当日に、複線図はどこへ書けばよいですか。
電気技術者試験センターのよくあるご質問は、メモ用紙は使用できず、複線図等の記入は問題用紙の余白を使うこと、配付される保護板(厚紙)に書き込んでも構わないことを示しています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

