問題
以下の業務のうち、作業主任者の選任が不要なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
作業主任者の選任が不要なのはイです。特定化学物質作業主任者が必要な作業は安衛令第6条第18号で「別表第三に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業」とされていますが、試験研究のため取り扱う作業は除かれています。アンモニアなどの第3類物質も別表第三に入っているので、試験研究以外で製造・取扱いをするなら選任が必要です。
ア(有機溶剤作業主任者)・ウ(ずい道等の掘削等作業主任者)・エ(酸素欠乏危険作業主任者)・オ(特定化学物質作業主任者)はいずれも選任が必要です。
主要な有害業務と作業主任者の選任義務:
| 業務の種類 | 必要な作業主任者 | 根拠 |
|---|---|---|
| 有機溶剤業務(有機則第19条第1項の業務) | 有機溶剤作業主任者 | 安衛令第6条第22号 |
| 特定化学物質(第1類・第2類・第3類)の製造・取扱い | 特定化学物質作業主任者 | 安衛令第6条第18号 |
| 特定化学物質を試験研究のため取り扱う作業 | 不要 | 安衛令第6条第18号の括弧書き |
| 鉛業務 | 鉛作業主任者 | 安衛令第6条第19号 |
| 第1種酸素欠乏危険作業 | 酸素欠乏危険作業主任者(酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者) | 安衛令第6条第21号・酸欠則第11条 |
| 第2種酸素欠乏危険作業 | 酸素欠乏危険作業主任者(酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者) | 安衛令第6条第21号・酸欠則第11条 |
| ずい道等の掘削の作業 | ずい道等の掘削等作業主任者 | 安衛令第6条第10号の2 |
| エックス線装置を使用する放射線業務等 | エックス線作業主任者(免許) | 安衛令第6条第5号・電離則第46条 |
※粉じん作業そのものは安衛令第6条に列挙されていません。
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(選任が必要): 屋内作業場での第2種有機溶剤による洗浄は有機溶剤業務で、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者から有機溶剤作業主任者を選任します(安衛令第6条第22号・有機則第19条第2項)。
- イ(選任不要=正答): 安衛令第6条第18号は、特定化学物質を「試験研究のため取り扱う作業」を作業主任者の選任が必要な作業から除いています。
- ウ(選任が必要): ずい道等の掘削の作業は安衛令第6条第10号の2の作業で、ずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者から選任します(安衛則第383条の2)。
- エ(選任が必要): 第1種酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者から酸素欠乏危険作業主任者を選任します(酸欠則第11条)。
- オ(選任が必要): クロム酸及びその塩は令別表第三第2号(第2類物質)の物で、その製造・取扱いには特定化学物質作業主任者の選任が必要です(安衛令第6条第18号・特化則第27条)。
【理論的背景】
安衛法第14条は、労働災害を防止するための管理を必要とする作業で政令で定めるものについて、「都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから…作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない」と定めています。どの作業に作業主任者が必要かは安衛令第6条に列挙されています。
特定化学物質の作業(安衛令第6条第18号):
対象は「別表第三に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業」です。別表第三には第1類物質・第2類物質に加えて第3類物質(アンモニア・一酸化炭素・塩化水素・硝酸・二酸化硫黄・フエノール・ホスゲン・硫酸等)も掲げられているため、第3類物質だけを扱う作業でも選任が必要です。一方、括弧書きで「試験研究のため取り扱う作業」と、特別有機溶剤等の一部の物で厚生労働省令で定める作業が除かれています。イはこの「試験研究のため取り扱う作業」に当たります。
有機溶剤業務(安衛令第6条第22号):
有機則第19条第1項は、作業主任者が必要な業務を「有機溶剤業務…のうち次に掲げる業務以外の業務」とし、「第二条第一項の場合における同項の業務」と「第三条第一項の場合における同項の業務」を除いています。
【実務・条文構造】
主な作業主任者の資格と職務:
特定化学物質作業主任者:
- 資格: 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者(特別有機溶剤業務に係る作業は有機溶剤作業主任者技能講習)(特化則第27条)
- 職務: 作業の方法を決定し労働者を指揮すること、局所排気装置等を1月を超えない期間ごとに点検すること、保護具の使用状況を監視すること等(特化則第28条)
有機溶剤作業主任者:
- 資格: 有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者(有機則第19条第2項)
- 職務: 作業の方法を決定し労働者を指揮すること、局所排気装置・プッシュプル型換気装置・全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること、保護具の使用状況を監視すること等(有機則第19条の2)
酸素欠乏危険作業主任者(酸欠則第11条):
- 第1種酸素欠乏危険作業: 酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者
- 第2種酸素欠乏危険作業: 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者
- どちらも選任されるのは「酸素欠乏危険作業主任者」で、講習の種類が異なります。
免許が必要な作業主任者:
エックス線作業主任者は「エツクス線作業主任者免許を受けた者のうちから、管理区域ごとに」選任します(電離則第46条)。安衛則第69条の免許試験の区分には、エックス線作業主任者のほか、高圧室内作業主任者・ガス溶接作業主任者・林業架線作業主任者・ガンマ線透過写真撮影作業主任者の免許試験も掲げられており、免許が必要な作業主任者は一つではありません。
【試験での位置づけ】
作業主任者の問題では、「第3類物質も安衛令第6条第18号の対象(試験研究のための取扱いは除く)」「第1種・第2種酸素欠乏危険作業はどちらも酸素欠乏危険作業主任者を選任し、修了すべき講習が異なる」「エックス線作業主任者は免許」「粉じん作業そのものは安衛令第6条に列挙されていない」の各点がよく問われます。「第3類物質なら作業主任者は不要」という覚え方は誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 有機溶剤作業主任者の職務には、局所排気装置等の1月以内ごとの点検や保護具の使用状況の監視が含まれます(有機則第19条の2)。
- イ: アンモニアは令別表第三第3号1に掲げられた第3類物質です。試験研究以外の目的で製造し、又は取り扱う作業であれば、特定化学物質作業主任者の選任が必要になります。
- ウ: ずい道等の掘削の作業は安衛令第6条第10号の2の作業で、ずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者から選任します(安衛則第383条の2)。ただし、掘削用機械を用いて行う掘削の作業のうち労働者が切羽に近接することなく行うものは除かれます。
- エ: 第1種酸素欠乏危険作業は、酸素欠乏危険作業主任者技能講習と酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習のどちらの修了者からでも選任できます(酸欠則第11条)。
- オ: クロム酸及びその塩は令別表第三第2号11に掲げられた第2類物質です。
【根拠】労働安全衛生法第14条、安衛令第6条第5号・第10号の2・第18号・第19号・第21号・第22号、労働安全衛生規則第69条・第383条の2、特化則第27条・第28条、有機則第19条・第19条の2、酸欠則第11条、電離則第46条、安衛令別表第三。
【補足】イ(正答=選任不要): 特定化学物質を試験研究のため取り扱う作業は安衛令第6条第18号から除かれている(第3類物質でも試験研究以外なら選任が必要)。ア(必要): 第2種有機溶剤の屋内業務=有機溶剤作業主任者。ウ(必要): ずい道等の掘削=ずい道等の掘削等作業主任者。エ(必要): 第1種酸欠=酸素欠乏危険作業主任者。オ(必要): 第2類クロム酸=特定化学物質作業主任者。
- 労働安全衛生法施行令第6条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則第19条・第19条の2e-Govで原文を読む
- 酸素欠乏症等防止規則第11条e-Govで原文を読む
- 電離放射線障害防止規則第46条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第383条の2・第69条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第27条・第28条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第14条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 安衛法第14条・安衛令第6条第18号(「別表第三に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業(試験研究のため取り扱う作業…を除く。)」)。第3類物質(アンモニア等)も別表第三に含まれるが、試験研究のため取り扱う作業は除かれる。有機溶剤業務(安衛令第6条第22号・有機則第19条)、ずい道等の掘削の作業(安衛令第6条第10号の2・安衛則第383条の2)、酸素欠乏危険作業(安衛令第6条第21号・酸欠則第11条)、第2類物質の製造・取扱い(安衛令第6条第18号・特化則第27条)はいずれも作業主任者の選任が必要。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

