問題
四アルキル鉛による健康障害及びその予防に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはエです。四アルキル鉛中毒予防規則第22条第1項は、四アルキル鉛健康診断の項目として「血液中の鉛の量の検査」と「尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査」をはっきり掲げています。「含まれていない」という記述は条文と逆です。
ア(皮膚からの吸収に注意)・イ(中枢神経系の有害性と神経・精神症状の検査)・ウ(6か月以内ごとの健診)・オ(ガソリン添加剤)はいずれも正しい内容です。
四アルキル鉛健康診断(四アルキル鉛則第22条)の要点:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 令第22条第1項第5号の業務(別表第五の四アルキル鉛等業務。遠隔操作による隔離室を除く)に常時従事する労働者 |
| 時期 | 雇入れの際・配置替えの際・その後6か月以内ごとに1回 |
| 必須項目 | 業務の経歴、作業条件の簡易な調査、既往歴、神経症状又は精神症状の検査、血液中の鉛の量、尿中のデルタアミノレブリン酸の量 |
| 医師が必要と認める場合 | 作業条件の調査、貧血検査、赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査、神経学的検査 |
| 記録 | 四アルキル鉛健康診断個人票を作成し5年間保存(第23条) |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): モデルSDS「テトラエチル鉛」は、急性毒性(経皮)区分3・「皮膚に接触すると有毒」とし、日本産業衛生学会の許容濃度 0.075mg/m3(Pbとして)に「経皮吸収」と付記しています。
- イ(正): 同SDSは特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分1(中枢神経系)、(反復ばく露)区分1(中枢神経系、肝臓)としています。第22条第1項第4号は、いらいら・不眠・悪夢・振顫・記憶障害その他の神経症状又は精神症状の検査を掲げています。
- ウ(正): 第22条第1項は「雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後六月以内ごとに一回、定期に」健康診断を行うよう定めています。
- エ(誤): 第22条第1項第5号「血液中の鉛の量の検査」、第6号「尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査」が必須項目です。
- オ(正): 同SDSは推奨用途を「モーターのノッキングを防ぐためのガソリン添加剤」としています。
【理論的背景】
四アルキル鉛は、テトラエチル鉛などの有機鉛化合物で、ガソリンのノッキング防止用の添加剤として使われてきました。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」のモデルSDS(テトラエチル鉛、CAS 78-00-2)では、GHS分類として急性毒性(経口)区分2、急性毒性(経皮)区分3、急性毒性(吸入:蒸気)区分1、生殖毒性区分2、特定標的臓器・全身毒性(単回ばく露)区分1(中枢神経系)、(反復ばく露)区分1(中枢神経系、肝臓)が示されています。ラベルの危険有害性情報は「飲み込むと生命に危険」「皮膚に接触すると有毒」「吸入すると生命に危険」「中枢神経系臓器の障害」などです。
吸入と皮膚の両方に注意する理由:
同SDSでは、日本産業衛生学会の許容濃度(0.075mg/m3、Pbとして)に「経皮吸収」、ACGIHのTWA(0.1mg/m3、as Pb)に「Skin」が付記されています。注意書きにも「適切な保護手袋、保護面、保護衣を着用すること」「呼吸用保護具を着用すること」とあります。管理濃度は0.05mg/m3(Pbとして)です。
【実務・条文構造】
四アルキル鉛健康診断(四アルキル鉛則第22条):
- 第1項(必須項目): ①業務の経歴の調査 ②作業条件の簡易な調査 ③四アルキル鉛による自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無の検査、⑤⑥の既往の検査結果の調査 ④いらいら、不眠、悪夢、食欲不振、顔面蒼白、倦怠感、盗汗、頭痛、振顫、四肢の腱反射亢進、悪心、嘔吐、腹痛、不安、興奮、記憶障害その他の神経症状又は精神症状の自覚症状又は他覚症状の有無の検査 ⑤血液中の鉛の量の検査 ⑥尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査
- 第2項: 定期の健診では、前回⑤⑥を受けた者について医師が必要でないと認めるときは⑤⑥を省略できる
- 第3項: 医師が必要と認める者には、作業条件の調査、貧血検査、赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査、神経学的検査の全部又は一部を追加
- 第4項: 作業方法を変更しておらず、直近の連続した3回の健診で新たな異常所見がなかった労働者は、定期健診を1年以内ごとに1回とすることができる
健診後の手続:
- 個人票の作成・5年間保存(第23条)
- 医師からの意見聴取は健診実施日から3月以内(第23条の2)
- 結果の労働者への通知(第23条の3)
- 定期健診の結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出(第24条)
【試験での位置づけ】
四アルキル鉛の問題では、「健診は6か月以内ごと(一定の場合は1年以内ごと)」「必須項目に血液中の鉛の量と尿中のデルタアミノレブリン酸の量がある」「神経症状・精神症状の検査がある」「個人票は5年保存」がよく問われます。エのように必須項目を「含まれていない」とする記述は誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: モデルSDSの注意書きは、保護手袋・保護面・保護衣と呼吸用保護具の着用を求めています。
- イ: 神経症状・精神症状の検査は必須項目(第22条第1項第4号)、神経学的検査は医師が必要と認める場合の追加項目(同条第3項第4号)です。
- ウ: 健診頻度は第22条第4項の条件を満たせば1年以内ごとに1回とすることができます。
- エ: 血液中の鉛の量と尿中のデルタアミノレブリン酸の量は、前回受けた者について医師が必要でないと認めるときに限り、定期の健診で省略できます(第22条第2項)。
- オ: モデルSDSの「推奨用途及び使用上の制限」欄に、ガソリン添加剤である旨が記載されています。
【根拠】四アルキル鉛中毒予防規則第22条・第23条・第23条の2・第23条の3・第24条、労働安全衛生法施行令第22条第1項第5号、厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS「テトラエチル鉛」(CAS 78-00-2)。
【補足】エ(誤): 血液中の鉛の量・尿中のデルタアミノレブリン酸の量は必須項目(第22条第1項第5号・第6号)。ウ(正): 6か月以内ごと(第22条第1項)。ア・イ・オ(正): モデルSDSの記載どおり。
- 鉛中毒予防規則第22条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第22条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 四アルキル鉛中毒予防規則(四アルキル鉛則)第22条(健康診断。項目に「五 血液中の鉛の量の検査」「六 尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査」)・第23条。厚生労働省 職場のあんぜんサイト モデルSDS「テトラエチル鉛」(CAS 78-00-2)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

