問題
図は,あるプロジェクトの作業(A~I)とその作業日数を表している。このプロジェクトが終了するまでに必要な最短日数は何日か。 (図:アローダイアグラム。→ は作業(作業名と作業日数),⇢ はダミー作業) 開始 →A(3)→ 結合点1 結合点1 →B(6)→ 結合点2 結合点1 →E(5)→ 結合点3 ⇢ 結合点2 結合点1 →F(14)→ 結合点5 結合点2 →G(11)→ 結合点4 ⇢ 結合点5 結合点2 →C(8)→ 結合点5 結合点2 →H(15)→ 結合点6 結合点5 →D(6)→ 結合点6 結合点6 →I(5)→ 終了
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答え合わせ
- A
- B
- C
- D
自信の3択
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解説
答えは d「31」 です。
アローダイアグラムでは、開始から終了までのいちばん長い経路(クリティカルパス)の日数が、プロジェクトの最短日数になります。並行してできる作業があっても、いちばん時間のかかる流れが終わるまでは終われないからです。
主な経路の日数:
- A→B→G→(ダミー)→D→I = 3+6+11+6+5 = 31
- A→E→(ダミー)→G→D→I = 3+5+11+6+5 = 30
- A→B→H→I = 3+6+15+5 = 29
- A→B→C→D→I = 28,A→F→D→I = 28
いちばん長いのは31日です。
👉 覚え方:最短日数=いちばん長い経路の日数。
ほかの選択肢:a 27・b 28・c 29 は、より短い経路の日数や計算違いの値。
なぜこれが正解か
正解は d。プロジェクトの最短所要日数は,開始から終了までの全経路のうち所要日数が最長の経路(クリティカルパス)の日数で決まる。ダミー作業(点線)は所要日数0で,作業の順序関係だけを表す。各経路の日数は次のとおり。
- A→B→G→(ダミー)→D→I:3+6+11+0+6+5 = 31
- A→E→(ダミー)→G→(ダミー)→D→I:3+5+0+11+0+6+5 = 30
- A→B→H→I:3+6+15+5 = 29
- A→E→(ダミー)→H→I:3+5+0+15+5 = 28
- A→B→C→D→I:3+6+8+6+5 = 28
- A→F→D→I:3+14+6+5 = 28
最長は31日(A→B→G→D→I)であり,これがクリティカルパスとなる。
各選択肢の解説
- a 27:どの経路の合計とも一致しない計算違いの値。
- b 28:A→B→C→D→I や A→F→D→I など,最長ではない経路の日数。
- c 29:A→B→H→I の日数。G を経由する経路を見落とすとこの値になる。
- d 31:クリティカルパスの日数(正解)。
覚え方・ひっかけ注意
「最短日数=最長経路」。結合点ごとに最早結合点時刻(そこまでの最長日数)を前から順に求めると漏れなく計算できる。ダミー作業は日数0だが,依存関係を伝えるので経路に含めて考える。
理論的背景
アローダイアグラムはPERT(Program Evaluation and Review Technique)で用いる図法で,作業を矢線,作業の開始・終了の時点を結合点(○)で表す。各結合点について,開始からその結合点に到達できる最も早い時刻(最早結合点時刻)を前から順に,「入ってくる矢線の始点の最早時刻+作業日数」の最大値として求める。終了結合点の最早時刻がプロジェクトの最短所要日数になる。続いて終了から逆向きに,遅れが許される最も遅い時刻(最遅結合点時刻)を求め,両者が一致する結合点を結ぶ経路がクリティカルパスである。クリティカルパス上の作業が1日遅れると,プロジェクト全体が1日遅れる。
実務での使われ方
本問の図で最早結合点時刻を計算すると,A の後が3,B(3+6=9)と E→ダミー(3+5=8)が合流する点が9,G の後が20,C(9+8=17),F(3+14=17),G→ダミー(20)が合流する D の前の点が20,D の後が26,H(9+15=24)と合流して26,I の後が31となる。クリティカルパス A→B→G→D→I の作業を重点的に管理し,余裕(フロート)のある C・E・F・H の作業から人員を振り向けることで,工期短縮(クラッシング)を検討する。プロジェクト管理ツールのガントチャートでも,クリティカルパスの表示機能が備わっている。
試験での位置づけ
基本情報では,アローダイアグラムからの最短日数の計算,クリティカルパスの特定,作業短縮による日数変化が毎回のように出題される。応用情報やプロジェクトマネージャ試験では,最遅開始日,トータルフロート・フリーフロートの計算,資源の平準化まで問われる。
選択肢の発展補足
c の29は H を通る経路の日数で,H(15日)が単独では最も長い作業であるために選びやすい。しかし B の後に G(11日)と D(6日)を続ける経路のほうが長い。b の28は複数の経路が同じ値になる。このように,作業単体の長さではなく経路全体の合計で比べること,ダミー作業によって G から D へ進める経路があることを見落とさないことが,この種の問題の要点である。
出典と作り方
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成27年度 春期 問54/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。


