問題
行政書士が作成する書類と職印に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はウです。施行規則9条2項は「行政書士は、作成した書類に記名して職印を押さなければならない」と定めており、依頼者の希望で省略できるという規定はありません。ア(誤):同項は記名だけでなく職印の押印も求めています。イ(誤):懲戒の種類は戒告・2年以内の業務の停止・業務の禁止で(法14条)、事案に応じて選ばれます。違反すれば必ず業務停止になるわけではありません。エ(誤):領収証の正本は記名し職印を押して依頼人に交付します(施行規則10条)。オ(誤):100万円以下の罰金(法23条1項)の対象は法9条・11条の違反で、記名・押印の義務違反は含まれません。
ウが正答です。施行規則9条2項は「行政書士は、作成した書類に記名して職印を押さなければならない」と定めており、依頼者の希望による省略を認める規定はありません。紙の書類については依頼者が押印を望まなくても省略できません。ア(誤):9条2項は「記名して職印を押さなければならない」としており、記名だけでは足りません。イ(誤):施行規則11条は、行政書士は日本行政書士会連合会の会則の定めるところにより業務上使用する職印を定めなければならないとしています。法令やこれに基づく命令に違反したとき、都道府県知事がすることができる懲戒は戒告・2年以内の業務の停止・業務の禁止で(法14条)、違反があれば当然に業務停止となるものではありません。エ(誤):施行規則10条は、報酬を受けたときは日本行政書士会連合会の定める様式で正副二通の領収証を作成し、正本は記名し職印を押して依頼人に交付し、副本は作成の日から5年間保存するとしています。オ(誤):法23条1項は「第九条又は第十一条の規定に違反した者は、百万円以下の罰金に処する」と定めており、対象は法9条(帳簿の備付け・保存)と法11条(依頼に応ずる義務)です。施行規則9条2項の違反は法14条の懲戒の対象になります。
【施行規則9条の構造】
施行規則9条は「書類等の作成」という見出しのもと、1項で「法令又は依頼の趣旨に反する書類を作成してはならない」と定め、2項で「作成した書類に記名して職印を押さなければならない」と定めています。記名と職印の押印の両方が求められ、依頼者の意向で省略できる旨の規定はありません。記名と職印により、その書類を作成した行政書士が書類上明らかになります。
【電磁的記録の扱い】
行政書士法1条の3第1項は、官公署に提出する書類に「その作成に代えて電磁的記録…を作成する場合における当該電磁的記録を含む」としていますが、この括弧書は「この条及び次条において同じ」とされています。施行規則でも、3条2項の括弧書は書類に電磁的記録を含める扱いを「第九条第一項において同じ」として9条1項にだけ及ぼしており、9条2項の記名・職印の義務については電磁的記録に関する定めがありません。施行規則には電子署名に関する規定もありません。ウが「電磁的記録を除く」と限定しているのはこの構造に沿ったものです。
【職印・領収証に関する関連規定】
施行規則11条により、行政書士は日本行政書士会連合会の会則の定めるところにより業務上使用する職印を定めなければなりません。施行規則10条は、報酬を受けたときに日本行政書士会連合会の定める様式により正副二通の領収証を作成し、正本は記名し職印を押して依頼人に交付し、副本は作成の日から5年間保存することを求めています。職印の押印は、9条2項の作成書類だけでなく、10条の領収証の正本にも求められています。
【義務違反の効果:懲戒と罰則の区別】
行政書士が「この法律若しくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したとき」または行政書士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、都道府県知事は戒告・2年以内の業務の停止・業務の禁止の処分をすることができます(法14条)。施行規則9条2項の記名・押印義務の違反はこの懲戒の対象です。一方、法23条1項の100万円以下の罰金は法9条(帳簿の備付け・保存)・法11条(依頼に応ずる義務)の違反を対象とするもので、記名・押印義務の違反は含まれません。懲戒(行政処分)と罰則(刑事罰)の対象条文を分けて押さえることが得点のポイントです。
【デジタル化と職責】
行政書士法1条の2第2項は、行政書士はその業務を行うに当たり、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて国民の利便の向上及び業務の改善進歩を図るよう努めなければならないと定めています。この努力義務があっても、紙で作成した書類についての施行規則9条2項の記名・職印の義務は現行規定上そのまま適用されます。
【根拠条文】
行政書士法施行規則 第9条第2項(作成した書類への記名・職印押印義務)・第3条第2項括弧書(電磁的記録を含める扱いは9条1項まで)・第10条(領収証)・第11条(業務上使用する職印を定める義務)/行政書士法 第14条(懲戒)・第23条第1項(法9条・11条違反の罰金)・第1条の2第2項
【補足】
施行規則9条2項:作成した書類には記名し職印を押す義務。依頼者の希望でも省略不可。同項には電磁的記録に関する定めはない(規則3条2項括弧書は9条1項まで)。領収証の正本にも記名・職印(規則10条)。記名・押印義務違反は懲戒(法14条)の対象で、法23条の罰金の対象ではない。
- 行政書士法第1条の3・第1条の2・第14条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 行政書士法施行規則 第9条第2項(作成した書類への記名・職印の押印義務)・第10条(領収証)・第11条(職印を定める義務)・行政書士法 第14条(懲戒)・第23条(罰則)・第1条の2(職責) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

