ITパスポートは総合評価点600点以上でも、分野別評価点が1つでも300点未満なら不合格です。IPAのFAQと試験要綱の原文に加え、令和8年9月の評価点分布で「600点以上の人数」と「合格者数」を突き合わせました。
目次
結論:ITパスポートは、総合評価点が600点以上でも、3分野の分野別評価点のうち1つでも300点未満なら不合格です。ただしIPAの令和8年9月分の数字では、600点以上の人数と合格者数がどちらも8,115人で、この月にこの形で不合格になった人は計算上0人でした。
IPAは、評価点をIRT(項目応答理論)で算出し、配点割合はないとしています。この記事は、IPAの試験要綱・FAQ・統計資料に書かれていることだけを基準にしています。
合格の条件は「総合600点」と「3分野300点」の2つ
合格までの道は、改札が2か所ある通路のようなものです。総合評価点の改札を通っても、分野別評価点の改札で止められれば、先へは進めません。
IPAの「よくある質問」には、次の質問と回答があります。
- 質問:「総合評価点が600点以上でしたが、分野別評価点の一つが300点未満でした。この場合は合格基準を満たしていますか?」
- 回答:「合格基準を満たすには、総合評価点が600点以上であるとともに、すべての分野別評価点が300点以上である必要があります。分野別評価点のうち一つでも300点未満の分野があると、合格基準を満たしません。」
試験要綱の「採点方式・配点・合格基準」にも、ITパスポート試験は「総合評価点及び各分野別評価点(ストラテジ系,マネジメント系,テクノロジ系の三つの分野別評価点)がそれぞれ基準点以上の場合に合格とする」と定められています。
ITパスポート試験の合格基準:総合評価点600点以上(1,000点満点)かつ、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の各分野別評価点300点以上(1,000点満点)。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA 試験要綱 Ver.5.6(PDF)。
| 結果のパターン | 総合評価点600点以上 | 3分野すべて300点以上 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ① 両方を満たす | 満たす | 満たす | 合格基準を満たす |
| ② 総合は足りているが、1分野が300点未満 | 満たす | 満たさない | 不合格 |
| ③ 分野別はそろっているが、総合が600点未満 | 満たさない | 満たす | 不合格 |
| ④ どちらも満たさない | 満たさない | 満たさない | 不合格 |
「600点以上なのに不合格」は②のパターンです。「595点」のように600点にわずかに届かない場合は、③か④です。
次の表は、判定のルールを確かめるための仮の数字です。実際にこの組み合わせの成績が出るかどうかは、IPAは示していません。
| 総合評価点 | 分野別評価点の状況 | 判定 |
|---|---|---|
| 595点 | 3分野とも300点以上 | 不合格(総合が600点に届かない) |
| 600点 | 3分野とも300点以上 | 合格基準を満たす |
| 650点 | 1分野が300点未満 | 不合格(分野別の条件を満たさない) |
| 700点 | 1分野が300点未満 | 不合格(総合がいくつでも、分野別が1つでも300点未満なら不可) |
令和8年9月は、600点以上の人数と合格者数が同じだった
IPAは月ごとに、総合評価点の分布と試験結果を公開しています。令和8年9月分の2つを並べると、次のとおりです。

IPA 評価点分布(総合)令和8年9月分
600点以上の内訳は、IPAの分布表では次の7区分です。
| 総合評価点 | 人数 |
|---|---|
| 900〜1,000点 | 48名 |
| 850〜899点 | 113名 |
| 800〜849点 | 347名 |
| 750〜799点 | 732名 |
| 700〜749点 | 1,483名 |
| 650〜699点 | 2,331名 |
| 600〜649点 | 3,061名 |
| 600点以上の合計 | 8,115名 |
IPAの試験結果では、同じ令和8年9月度の受験者は17,352人、合格者は8,115人(合格率46.8%)です。
合格するには600点以上が必要なので、合格者は「600点以上の人」の一部のはずです。その2つが同数ということは、600点以上で合格しなかった人が、この月は0人だったことになります。
この記事で確かめたのは令和8年9月分だけです。ほかの月に同じ形の不合格者がいないとは言えません。分布表と試験結果は別の資料で、突き合わせたのはこの記事の計算です。
令和8年9月度の試験結果:応募者19,282人・受験者17,352人・合格者8,115人・合格率46.8%。令和8年4〜9月の累計は受験者109,986人・合格者53,815人・合格率48.9%。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA 評価点分布(総合)令和8年9月分(PDF)、IPA 試験結果 令和8年9月度(PDF)、IPA 統計情報。
結果が不合格だったとき、先に確かめたいのは、レポートの総合評価点が本当に600点以上かどうかです。600点に届いていなければ、③か④のパターンです。年度ごとの合格率の推移は難易度と合格率の記事にまとめています。
分野別評価点は、3分野それぞれの1,000点満点
分野別評価点は、ITパスポートの出題を3つの分野に分けて、それぞれ1,000点満点で示した評価点です。
| 分野 | 分野別評価点の合格基準 | 評価対象の問題数(92問のうち) |
|---|---|---|
| ストラテジ系 | 300点以上(1,000点満点) | 32問 |
| マネジメント系 | 300点以上(1,000点満点) | 18問 |
| テクノロジ系 | 300点以上(1,000点満点) | 42問 |
試験は100問で、評価の対象は92問です。残りの8問は、今後出題する問題を評価するために使われます。どの問題が評価の対象かは、IPAの公開資料には示されていません。出典は、IPA 試験要綱 Ver.5.6(PDF)の試験区分の表の注1です。
3分野の問題数には差がありますが、合格基準の300点は3分野で同じです。どの分野で300点を下回りやすいかは、IPAの公開資料に記載がありません。
分野別の問題は、次のページで解けます。
各分野の学び方は、ストラテジ・マネジメント・テクノロジ系の違いと対策法で解説しています。
IRT方式の採点では、正答数を評価点に換算できない
試験要綱には、採点方式について「IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出する」と書かれています。配点の表の注には、「IRTに基づいて解答結果から評価点を算出することから,配点割合はない」とあります。
つまり、「1問何点」という素点を足し上げる方式ではありません。次のことが言えます。
- 「正答率60%=600点」のような換算は、IPAの公開資料では示されていません
- 「何問正解すれば何点」という対応表も、IPAの公開資料には記載がありません
- 過去問や模擬試験の正答数を、そのまま本番の評価点に置き換えることはできません
評価点の計算式の詳細は、IPAの公開資料にありません。「難しい問題ほど点が高い」「全問正解でも1,000点にならない」といった説明も、IPAの資料には書かれていないので、この記事では扱いません。
試験結果レポートの見方と、再受験の前にすること
IPAは、受験後に試験結果レポートを用意しています。
- 総合評価点、分野別評価点など、受験者の成績が記載されています
- 利用者メニューからダウンロードでき、受験日から1年間取得できます
- 試験終了後、ダウンロードできるまでに2〜3時間かかる場合があります
出典:IPA 試験結果レポート。
レポートの分野別評価点を3つとも見て、300点未満の分野があれば、それが不合格の理由です。受験当日の流れは受験当日の持ち物・流れ・注意点にまとめています。
再受験について、IPAのFAQは「何回でも受験できます」としています。新しい申込は、申込済みの試験の受験日の翌日から行えます(IPA CBT方式の試験の説明)。再受験の進め方は再受験の戦略で扱っています。
申込める試験日:最短で翌日、最長で3か月先。2026年9月28日以降に申込む場合は、2026年12月27日までの試験日が選べます。支払い方法と申込時刻によって、選べる試験日は異なります。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA iパスWeb よくある質問。
300点未満だった分野から、問題を解き直す
不合格の原因が分野別評価点なら、次にやることは、レポートで300点に届かなかった分野を特定して、その分野の問題を解き直すことです。
分野ごとの代表的な問題を解いて、自分の弱い分野を確かめられます(いずれもIPAが公開した過去問です)。
- 資本活用の効率性を示す指標(ストラテジ系・令和5年度 問20)
- プロジェクトで作成するWBSに関する記述(マネジメント系・令和4年度 問36)
- CSIRTとして行う活動の例(テクノロジ系・令和7年度 問68)
模擬試験の正答数は、本番の評価点の予測には使えません。時間内に最後まで解き切れるかと、分野別の弱点を見つけることに使うのが向いています。合格に向けた勉強の進め方は、ITパスポートで600点を超える3つの戦略で解説しています。
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よくある質問
QITパスポートで595点だと合格できますか?
合格できません。合格基準は総合評価点600点以上(1,000点満点)に加えて、3分野すべての分野別評価点が300点以上であることです(IPA 試験要綱)。595点は600点に届いていないため、分野別評価点にかかわらず基準を満たしません。
Q総合評価点が650点や700点でも不合格になりますか?
分野別評価点のうち1つでも300点未満なら、総合評価点がいくつでも不合格です。IPAのFAQは「総合評価点が600点以上でしたが、分野別評価点の一つが300点未満」の場合を取り上げ、合格基準を満たさないと回答しています。
Q600点ちょうどは合格ですか?
合格基準は「600点以上」なので、総合評価点が600点ちょうどでも総合評価点の条件は満たします。ただし3分野の分野別評価点がすべて300点以上であることも必要です。
Q600点以上なのに不合格になる人は、実際にいますか?
ルールの上では起こり得ます。IPAの令和8年9月分では、総合評価点600点以上の人数と合格者数がどちらも8,115人で、この月にこの形の不合格者は出ていない計算です。ほかの月は、この記事では確かめていません。
Q不合格だった場合、結果のどこを見れば原因がわかりますか?
試験結果レポートに総合評価点と分野別評価点が記載されます。利用者メニューからダウンロードでき、受験日から1年間取得できます(IPA)。どの分野の評価点が300点を下回ったかで、次に学ぶ分野を決められます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月30日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。


