問題
次のアローダイアグラムに基づき作業を行った結果,作業Dが2日遅延し,作業Fが3日前倒しで完了した。作業全体の所要日数は予定と比べてどれくらい変化したか。[アローダイアグラム] 開始の結合点から作業A(2日)と作業B(3日)が始まる。作業Aの後に作業C(4日),作業Bの後に作業D(1日)と作業E(1日)が続く。作業Cと作業Dは同じ結合点に至り,そこから作業F(5日)が始まる。作業Eの後に作業G(5日)が続く。作業Fと作業Gが終了の結合点に至る。
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答え合わせ
- A
- B
- C
- D
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
答えは C「2日前倒し」(試験の記号ではウ)です。
アローダイアグラムでは、スタートからゴールまでの道のうち「いちばん時間がかかる道」が全体の日数を決めます。
予定では、A→C→F が 2+4+5=11日でいちばん長く、全体は11日でした。
実際には、Dが2日遅れて3日に、Fが3日早まって2日になりました。足し算をやり直すと、A→C→F=8日、B→D→F=8日、B→E→G=9日。いちばん長いのは9日の道です。
11日が9日になったので、全体は2日早く終わりました。
👉 覚え方:日数が変わったら、すべての道を足し直して「いちばん長い道」を探す。
なぜこれが正解か
正解は C(2日前倒し)(試験の記号ではウ)。全体の所要日数は、開始から終了までの経路のうち最も長い経路(クリティカルパス)で決まる。図の経路は次の3本。
- 予定:A→C→F=2+4+5=11日/B→D→F=3+1+5=9日/B→E→G=3+1+5=9日 → 全体11日
- 実績(Dは1→3日、Fは5→2日):A→C→F=2+4+2=8日/B→D→F=3+3+2=8日/B→E→G=3+1+5=9日 → 全体9日
11日→9日なので 2日前倒し。
各選択肢の解説
- A 3日遅延:✕ どの経路も予定の11日を超えないので、遅延にはならない。
- B 1日前倒し:✕ 「3日前倒し−2日遅延」と単純に差し引いた値。Dは予定の最長経路上になく、この計算は成り立たない。
- C 2日前倒し:○
- D 3日前倒し:✕ Fの短縮分をそのまま全体に当てはめた値。Fを通らないB→E→G(9日)が新たな最長経路になるため、全体は9日までしか縮まない。
覚え方・ひっかけ注意
作業日数が変わったら全経路を計算し直す。短縮すると、最長経路が別の経路に移ることがある。
理論的背景
アローダイアグラムは、作業を矢印、作業の区切りを結合点(〇)で表し、作業の順序関係と所要日数を示す図である。ITパスポート試験のシラバス(Ver.6.5)では、プロジェクトマネジメントの用語例にアローダイアグラムが、業務分析の用語例に「PERT(アローダイアグラム)」と「クリティカルパス分析」が挙げられている。
結合点から出る作業は、その結合点に入る作業がすべて終わるまで始められない。本問では、作業Fの前の結合点に作業Cと作業Dが入っているため、FはCとDの両方が終わってから始まる。このため全体の所要日数は、開始から終了までの各経路の合計日数のうち最大のもの、すなわちクリティカルパスの長さになる。
本問の計算
予定の各経路は、A→C→F=2+4+5=11日、B→D→F=3+1+5=9日、B→E→G=3+1+5=9日で、クリティカルパスはA→C→F(11日)である。実績では、Dが1+2=3日、Fが5−3=2日になる。
- A→C→F=2+4+2=8日
- B→D→F=3+3+2=8日
- B→E→G=3+1+5=9日
最長は9日で、クリティカルパスはB→E→Gに移った。予定の11日との差は2日の前倒しである。
二つの変化を分けて見ると理解しやすい。Dを通る経路は予定で9日と、最長の11日に対して2日の余裕があった。Dの2日遅延はこの余裕をちょうど使い切る大きさで、これだけなら全体は11日のまま変わらない。一方、Fの3日短縮はA→C→FとB→D→Fの両方を縮めるが、Fを通らないB→E→G(9日)が残るため、全体は9日より短くならない。
実務での使われ方
工程を短縮する手を打つと、それまで余裕のあった別の経路が新たなクリティカルパスになることがある。そのため、短縮や遅延が起きたら、特定の経路だけでなく全経路を見直し、最長経路と各作業の余裕を更新して管理し直す。余裕のある作業の遅れは全体に響かないが、余裕を使い切るとその経路も最長経路と並び、以後は少しの遅れでも全体が遅れる。
選択肢の発展補足
- A(3日遅延):遅れた作業はDだけで、Dを通る経路は最大でも予定の11日に並ぶだけなので、遅延にはならない。
- B(1日前倒し):前倒し3日と遅延2日を差し引いた値。Dは予定の最長経路上になかったので、差し引きの考え方自体が成り立たない。
- D(3日前倒し):Fの短縮分がそのまま全体に効くと考えた値。Fを通らない経路の存在を見落としている。
変化を問う問題は、全経路を書き出し、変化後の値で足し直す手順を守れば確実に解ける。
出典と作り方
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問41/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビ独自の3段階の解説(初級・標準・上級)です。

