問題
次の a 及び b の各問の答えとして最も近いものの組合せはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 ただし,円周率 π = 3.14 とする。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 a. 84°15′36″をラジアンに換算すると幾らか。 b. 三角形ABCで辺AC = 8.0 m,∠BCA = 70°,∠ABC = 30° としたとき,辺BCの長さは幾らか。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
角度のラジアン換算と正弦定理の応用問題です。正答は 4「1.47ラジアン,15.8 m」です。
a のラジアン換算
まず度分秒を度(10進法)に変換します。
84°15′36″ = 84 + 15/60 + 36/3600 = 84 + 0.25 + 0.01 = 84.26°
次にラジアンに換算します(180° = π rad)。
84.26 × 3.14 ÷ 180 = 264.58 ÷ 180 ≒ 1.47 rad
b の辺BCの長さ
三角形ABCの3角の和は180°なので,∠BAC = 180° - 70° - 30° = 80°。
正弦定理より:BC / sin(∠BAC) = AC / sin(∠ABC)
BC = AC × sin(80°) / sin(30°) = 8.0 × 0.985 / 0.500 = 7.88 / 0.500 ≒ 15.8 m
【ラジアン換算と正弦定理の計算手順】
a. 度分秒 → ラジアン変換
Step1: 度分秒を10進度に変換
84°15′36″ = 84° + 15′ + 36″
= 84 + 15/60 + 36/3600
= 84 + 0.2500 + 0.0100
= 84.26°(厳密には 84.26°)
Step2: 度 → ラジアン(π/180 を乗じる)
84.26° × (π/180) = 84.26 × 3.14 / 180
= 264.5764 / 180
= 1.4699 ≒ 1.47 rad
よって選択肢の a = 1.47 ラジアン が正しい。
(0.73は約42°,4.83は277°に相当するため不適)
b. 正弦定理による辺BCの計算
Step1: 第3角の算出
∠BAC = 180° - ∠BCA - ∠ABC = 180° - 70° - 30° = 80°
Step2: 正弦定理の適用
正弦定理:a/sinA = b/sinB = c/sinC
(辺と対角の対応)
- 辺BC の対角 = ∠BAC = 80°
- 辺AC の対角 = ∠ABC = 30°
BC / sin(80°) = AC / sin(30°)
BC = AC × sin(80°) / sin(30°)
= 8.0 × 0.9848 / 0.5000
= 7.878 / 0.5000
= 15.76 ≒ 15.8 m
(巻末関数表: sin80° ≒ 0.985,sin30° = 0.500 を使用)
【角度換算と三角形計算の体系的理解と測量への応用】
ラジアンと度の変換の重要性
測量計算では,三角関数の引数にラジアン(SI単位)を用いる場面と度(°)を用いる場面が混在する。特に弧度法(ラジアン)は以下の計算で不可欠:
- 弧長計算: l = r × θ(θはラジアン)→ 路線の曲線長計算(応用測量)
- テーラー展開・級数展開(測量精度計算での微小角近似: sinθ ≒ θ, cosθ ≒ 1 - θ²/2)
- 測量プログラム(Python/C++等)での三角関数入力
度分秒(DMS)形式の精密換算
本問は 84°15′36″ ≒ 84.26° と近似しているが,精密計算では:
84°15′36″ = 84 + 15/60 + 36/3600 = 84 + 0.25000 + 0.01000 = 84.26000°(本問では誤差なし)
1秒 = 1/3600° ≒ 4.848 × 10⁻⁶ rad(角秒 → ラジアン: ×π/648000)
正弦定理の測量への応用
本問の三角形計算は,三角測量・トラバース計算の基礎である。正弦定理を用いる主な場面:
①三角測量(三辺・三角形構成)
- 既知辺と2つの角から未知辺を求める(本問形式)
- 三角形の内部点の座標計算
②前方交会法(交会法測量)
A・B から目標点 P を観測し,∠PAB と ∠PBA からPまでの距離を正弦定理で算出:
AP = AB × sin(∠PBA) / sin(∠APB)
③余弦定理との使い分け
- 2辺1角 → 余弦定理
- 2角1辺 → 正弦定理(本問形式)
- 3辺既知 → 余弦定理(角度算出)
精密な sin80° の値(関数表読み取り)
sin80° = sin(90° - 10°) = cos10°
cos10° = 0.9848(4桁関数表)
本問計算: 8.0 × 0.9848 / 0.5000 = 15.757 ≒ 15.8 m
上位資格(測量士)への接続
測量士試験では,球面三角法(大地測量・GPS解析での球面上の三角形)・正弦定理の精密版・測地線長の計算など,より複雑な幾何計算が求められる。また,最小二乗法による観測値の調整計算(間接観測法)では,行列演算・ラジアン単位の偏微分が不可欠となる。
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和6年度 測量士補試験 問3(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

