測量士補

測量士補 多角測量 問10出典: 令和6年度 問3

問題

測量士補 | 多角測量 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の a 及び b の各問の答えとして最も近いものの組合せはどれか。次の 1 〜 5 の中から選べ。 ただし,円周率 π = 3.14 とする。 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。 a. 84°15′36″をラジアンに換算すると幾らか。 b. 三角形ABCで辺AC = 8.0 m,∠BCA = 70°,∠ABC = 30° としたとき,辺BCの長さは幾らか。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

角度のラジアン換算と正弦定理の応用問題です。正答は 4「1.47ラジアン,15.8 m」です。

a のラジアン換算

まず度分秒を度(10進法)に変換します。

84°15′36″ = 84 + 15/60 + 36/3600 = 84 + 0.25 + 0.01 = 84.26°

次にラジアンに換算します(180° = π rad)。

84.26 × 3.14 ÷ 180 = 264.58 ÷ 180 ≒ 1.47 rad

b の辺BCの長さ

三角形ABCの3角の和は180°なので,∠BAC = 180° - 70° - 30° = 80°。

正弦定理より:BC / sin(∠BAC) = AC / sin(∠ABC)

BC = AC × sin(80°) / sin(30°) = 8.0 × 0.985 / 0.500 = 7.88 / 0.500 ≒ 15.8 m

【ラジアン換算と正弦定理の計算手順】

a. 度分秒 → ラジアン変換

Step1: 度分秒を10進度に変換

84°15′36″ = 84° + 15′ + 36″

= 84 + 15/60 + 36/3600

= 84 + 0.2500 + 0.0100

= 84.26°(厳密には 84.26°)

Step2: 度 → ラジアン(π/180 を乗じる)

84.26° × (π/180) = 84.26 × 3.14 / 180

= 264.5764 / 180

= 1.4699 ≒ 1.47 rad

よって選択肢の a = 1.47 ラジアン が正しい。

(0.73は約42°,4.83は277°に相当するため不適)

b. 正弦定理による辺BCの計算

Step1: 第3角の算出

∠BAC = 180° - ∠BCA - ∠ABC = 180° - 70° - 30° = 80°

Step2: 正弦定理の適用

正弦定理:a/sinA = b/sinB = c/sinC

(辺と対角の対応)

  • 辺BC の対角 = ∠BAC = 80°
  • 辺AC の対角 = ∠ABC = 30°

BC / sin(80°) = AC / sin(30°)

BC = AC × sin(80°) / sin(30°)

= 8.0 × 0.9848 / 0.5000

= 7.878 / 0.5000

= 15.76 ≒ 15.8 m

(巻末関数表: sin80° ≒ 0.985,sin30° = 0.500 を使用)

【角度換算と三角形計算の体系的理解と測量への応用】

ラジアンと度の変換の重要性

測量計算では,三角関数の引数にラジアン(SI単位)を用いる場面と度(°)を用いる場面が混在する。特に弧度法(ラジアン)は以下の計算で不可欠:

  • 弧長計算: l = r × θ(θはラジアン)→ 路線の曲線長計算(応用測量)
  • テーラー展開・級数展開(測量精度計算での微小角近似: sinθ ≒ θ, cosθ ≒ 1 - θ²/2)
  • 測量プログラム(Python/C++等)での三角関数入力

度分秒(DMS)形式の精密換算

本問は 84°15′36″ ≒ 84.26° と近似しているが,精密計算では:

84°15′36″ = 84 + 15/60 + 36/3600 = 84 + 0.25000 + 0.01000 = 84.26000°(本問では誤差なし)

1秒 = 1/3600° ≒ 4.848 × 10⁻⁶ rad(角秒 → ラジアン: ×π/648000)

正弦定理の測量への応用

本問の三角形計算は,三角測量・トラバース計算の基礎である。正弦定理を用いる主な場面:

①三角測量(三辺・三角形構成)

  • 既知辺と2つの角から未知辺を求める(本問形式)
  • 三角形の内部点の座標計算

②前方交会法(交会法測量)

A・B から目標点 P を観測し,∠PAB と ∠PBA からPまでの距離を正弦定理で算出:

AP = AB × sin(∠PBA) / sin(∠APB)

③余弦定理との使い分け

  • 2辺1角 → 余弦定理
  • 2角1辺 → 正弦定理(本問形式)
  • 3辺既知 → 余弦定理(角度算出)

精密な sin80° の値(関数表読み取り)

sin80° = sin(90° - 10°) = cos10°

cos10° = 0.9848(4桁関数表)

本問計算: 8.0 × 0.9848 / 0.5000 = 15.757 ≒ 15.8 m

上位資格(測量士)への接続

測量士試験では,球面三角法(大地測量・GPS解析での球面上の三角形)・正弦定理の精密版・測地線長の計算など,より複雑な幾何計算が求められる。また,最小二乗法による観測値の調整計算(間接観測法)では,行列演算・ラジアン単位の偏微分が不可欠となる。

この問題の根拠出典: 令和6年度 測量士補試験 問3(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用
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出典と作り方

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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。