問題
医薬品の血中濃度の推移と薬効に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオです。
手引きでは、全身作用を目的とする医薬品の多くは、血中濃度が最小有効濃度と毒性が現れる濃度域(危険域、中毒域)の間の範囲(有効域、治療域)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められているとされています。
誤りを整理します。アは誤りで、ある濃度以上では薬効は頭打ちとなり、副作用や毒性はかえって現れやすくなります。イは逆で、ピークの後に血中濃度が下がるのは、代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るためです。ウも逆で、腎機能が低下した人では排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなります。エは誤りで、最小有効濃度を下回ると薬効は消失します。
各選択肢の詳細解説:
- ア(誤): 手引きでは、一度に大量に摂取したり十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、「ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなり、薬効は頭打ちとなるが、一方、有害な作用(副作用や毒性)は現れやすくなる」とされています。「薬効が強くなり続ける」「副作用が現れにくくなる」の両方が誤りです。
- イ(誤): 血中濃度はある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していきますが、これは「代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るため」です。選択肢は速度の関係を逆にしています。
- ウ(誤): 循環血液中の有効成分の多くは腎臓から尿中に排泄されるため、腎機能が低下した人では、正常の人よりも尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくくなります。その結果、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりします。
- エ(誤): 手引きでは「血中濃度が最小有効濃度を下回ると、薬効は消失する」とされています。薬効が現れるのは血中濃度が最小有効濃度(閾値)を超えている間です。
- オ(正): 手引きの記述どおりです。全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、血中濃度が有効域(治療域)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められています。
血中濃度の推移(手引きの記述):
| 段階 | 手引きの記述 |
|---|---|
| 上昇 | 成分が吸収されるにつれて血中濃度は上昇する |
| 薬効の発現 | 最小有効濃度(閾値)を超えたときに薬効が現れる |
| ピーク | 最高血中濃度に達した後は低下(代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回る) |
| 薬効の消失 | 最小有効濃度を下回ると薬効は消失する |
| 過量 | ある濃度以上で薬効は頭打ち、副作用や毒性は現れやすくなる |
【手引き第2章Ⅱ-2)「薬の体内での働き」の流れ】
- 循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれ、多くの場合、標的となる細胞の受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す
- そのため、有効成分が作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液中に、一定以上の濃度で分布する必要がある。器官や組織中の成分量を直接調べることは容易でないため、通常は血中濃度を目安とする
- 成分が吸収されるにつれて血中濃度は上昇し、最小有効濃度(閾値)を超えたときに薬効が現れる
- 血中濃度はある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していく。これは代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るため
- やがて血中濃度が最小有効濃度を下回ると、薬効は消失する
【有効域(治療域)と使用量・使用間隔】
```
血中濃度
↑
│- - - - - - - - - - - - - - 危険域(中毒域)=毒性が現れる濃度域
│
│ 最高血中濃度
│ / ̄ ̄ ̄\ ← この間が有効域(治療域)
│- - - - /- - - - -\- - - - 最小有効濃度(閾値)
│ / \
│ / \____
└──────────────────────→ 時間
上昇:吸収・分布が優位 / 低下:代謝・排泄が優位
```
全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、血中濃度が最小有効濃度と危険域(中毒域)の間の有効域(治療域)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められています。手引きの脚注では、年齢や体格等による個人差も考慮されているとされています。
一度に大量に摂取したり、十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、ある濃度以上では薬効は頭打ちとなり、副作用や毒性が現れやすくなります。定められた使用量・使用間隔を守る意味はここにあります。
【血中濃度の下がり方に影響する要因(手引き第2章Ⅱ-1)(b))】
- 肝初回通過効果: 内服して消化管で吸収された有効成分は、門脈を経由して肝臓を通過するため、全身循環に移行する量は肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなる。肝機能が低下した人では、全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目が過剰に現れたり副作用を生じやすくなったりする
- 腎機能: 有効成分の多くは未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄されるため、腎機能が低下した人では排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい
- 血漿タンパク質との複合体: 複合体を形成している有効成分は薬物代謝酵素の作用で代謝されず、血中濃度の低下は徐々に起こる。また複合体は腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まり、作用が持続する原因となる
【試験での押さえ方】
この論点は「向きを逆にした誤肢」が作りやすい箇所です。「頭打ち/副作用は現れやすくなる」「代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回る」「最小有効濃度を下回ると消失」「腎機能低下で排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい」を、手引きの言い回しのまま覚えておくと判断が速くなります。
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第2章Ⅱ-1)「薬の生体内運命」(b)「薬の代謝、排泄」・Ⅱ-2)「薬の体内での働き」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

