登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問67|苦味健胃生薬・オウレン/オウバクの基原と収斂作用

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

オウレン(黄連)とオウバク(黄柏)の基原および主な作用に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエです。

「オウバクは内服薬としてのみ使用される」という記述が誤りです。日本薬局方収載のオウバク末は、外用では水で練って患部に貼り、打ち身、捻挫に用いられることがあります。内服専用ではありません。

オウレン(黄連)はキンポウゲ科・根茎、オウバクはミカン科(キハダ等)・樹皮という基原の違いを覚えましょう。両者とも苦味成分(ベルベリン等)を含み、唾液・胃液の分泌を促す苦味健胃薬として機能します。

暗記ポイント: 「オウレン→キンポウゲ科・根茎」「オウバク→ミカン科・樹皮(キハダの黄色い内皮)」。「現地で爆練」の語呂で黄連(オウレン)・黄柏(オウバク)を苦味グループとして束ねて覚えると効果的です。

苦味健胃生薬の基原・作用まとめ:

生薬名基原植物(科名)薬用部位主な作用主な用途(手引き)
オウレン(黄連)キンポウゲ科オウレン等根をほとんど除いた根茎苦味健胃・収斂・抗菌・抗炎症健胃薬・止瀉薬(オウレン末)
オウバク(黄柏)ミカン科キハダ等周皮を除いた樹皮苦味健胃・収斂・抗菌・抗炎症健胃薬・止瀉薬(オウバク末)・外用(水で練って患部に貼る)

各選択肢の解説:

  • ア(正): オウレン(黄連)の基原は、キンポウゲ科植物オウレン(Coptis japonica)等の根茎です。主成分ベルベリン(berberine)が苦みの中心で、胃液分泌促進(苦味健胃)・消化管の収斂・抗菌作用を示します。
  • イ(正): オウバク(黄柏)の基原は、ミカン科のキハダ等の周皮を除いた樹皮です。ベルベリンを含み、苦味による健胃作用のほか、止瀉薬として収斂・抗菌・抗炎症作用も期待して用いられます。
  • ウ(正): 苦味健胃薬は「苦みを感じること」で反射的に唾液・胃液分泌を促す仕組みです。オウレン・オウバクともにこの機序で健胃作用を発揮します。オブラートで包むと苦みが遮断されて効果が弱まるため、苦味健胃薬はオブラートに包まないことが原則です。
  • エ(誤・正答): 日本薬局方収載のオウバク末は、健胃又は止瀉の作用を期待して内服で用いられるが、外用では水で練って患部に貼り、打ち身、捻挫に用いられることがある(手引き)。外皮用薬の抗炎症成分として配合される場合もあります。「内服薬としてのみ」という限定が誤りです。
  • オ(正): 手引きでは「日本薬局方収載のオウバク末、オウレン末は、止瀉薬としても用いられる」とされています。オウバク、オウレンは止瀉薬では、収斂作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられます。

【ベルベリンの薬理作用と苦味健胃の機序】

オウレン・オウバクに共通する主成分ベルベリン(berberine)は、イソキノリンアルカロイドの一種で、以下の複数の薬理作用が確認されています。

1. 苦味健胃作用(反射的胃液分泌促進)

苦味物質が舌の苦味受容体(T2R ファミリー:G タンパク共役型受容体)を刺激すると、迷走神経を介した反射により胃液(塩酸・ペプシン)および唾液の分泌が促進されます。この「苦味→迷走神経→胃液分泌」の反射弧が苦味健胃薬の本質的な機序です。

重要な臨床的意義として、この反射はオブラート包装によって遮断されるため、「苦味健胃薬はオブラートに包まずに服用する」という指導が必要です。

2. 収斂作用(止瀉薬としての利用)

手引きでは、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより腸粘膜を保護する目的で、タンニン酸アルブミン等のほか、タンニン酸やその類似の物質を含む生薬成分としてゴバイシ、オウバク、オウレン等も用いられるとされています。オウバク、オウレンは、収斂作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられます。

収斂成分を主体とする止瀉薬は、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがあります。急性の激しい下痢又は腹痛・腹部膨満・吐きけ等の症状を伴う人では、安易な使用を避けることが望ましいとされています。

3. 抗菌・抗炎症作用(ベルベリン)

ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンに含まれるベルベリンは、生薬のオウバクやオウレンの中に存在する物質のひとつであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされます。腸内殺菌成分は通常の腸内細菌にも抗菌作用を示しますが、ブドウ球菌や大腸菌などに対する抗菌作用の方が優位とされます。オウバクのエキス製剤は、苦味による健胃作用よりも、ベルベリンによる止瀉作用を期待して、消化不良による下痢、食あたり、吐き下し、水あたり、下り腹、軟便等の症状に用いられます。

【オウバクの外用での利用】

手引きでは、日本薬局方収載のオウバク末は、健胃又は止瀉の作用を期待して内服で用いられるが、外用では水で練って患部に貼り、打ち身、捻挫に用いられることがあるとされています。また、外皮用薬では抗炎症、血行促進等の作用を期待して、アルニカ、サンシシ、オウバク、セイヨウトチノミ等の生薬成分が配合されている場合があります。

「オウバクは内服専用」という誤解は、苦味健胃薬としてのイメージが先行するためです。登録販売者として、同じ生薬が健胃薬・止瀉薬・外用薬と複数の用途を持つケースを正確に把握することが重要です。

【試験での整理】

生薬・製剤健胃薬(内服)止瀉薬(内服)外用
オウバク末○(苦味健胃)○(収斂・抗菌・抗炎症)○(水で練って患部に貼り、打ち身・捻挫)
オウレン末○(苦味健胃)○(収斂・抗菌・抗炎症)手引きに記載なし
この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅲ-1-2)「代表的な配合成分等、主な副作用、相互作用、受診勧奨」(胃の薬)、Ⅲ-2-2)(腸の薬)、Ⅹ-2)(皮膚に用いる薬)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅲ-1-2)「代表的な配合成分等、主な副作用、相互作用、受診勧奨」(胃の薬)、Ⅲ-2-2)(腸の薬)、Ⅹ-2)(皮膚に用いる薬) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。