登録販売者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問74|刺激性瀉下生薬

問題

登録販売者 | 第3章 主な医薬品とその作用 | (手引き令和8年4月版・令和8年5月施行改正反映)

ケンゴシ(牽牛子)・ジュウヤク(十薬)・ケツメイシ(決明子)・アロエの基原、作用および使用上の注意に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウです。

ジュウヤク(十薬)は、ドクダミ科のドクダミの花期の地上部を基原とする生薬で、手引きでは、大腸刺激による瀉下作用を期待して配合されている場合がある生薬の一つに挙げられています。ウが正しい記述です。

アは誤り:ケンゴシは大腸刺激による瀉下作用を期待して配合される生薬です(小腸刺激性はヒマシ油)。イは誤り:キダチアロエやアロエ・ベラは、生薬のアロエの基原植物とは別種です。エは誤り:ケツメイシは整腸作用を期待して配合される生薬で、峻下作用を示すのはヒマシ油です。オは誤り:刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は一般に、流産・早産を誘発するおそれがあります。

4つの生薬の基原と位置づけ(手引き):

生薬名基原手引きでの位置づけ
アロエユリ科の Aloe ferox 等の葉から得た液汁を乾燥したものセンノシドに類似の物質を含み、大腸刺激による瀉下作用を期待
ジュウヤク(十薬)ドクダミ科のドクダミの花期の地上部大腸刺激による瀉下作用を期待
ケンゴシ(牽牛子)ヒルガオ科のアサガオの種子大腸刺激による瀉下作用を期待
ケツメイシ(決明子)マメ科のエビスグサ又は Cassia tora の種子整腸成分。日本薬局方収載品は煎薬として整腸(便通を整える)、腹部膨満感等に用いる

各選択肢の解説:

  • ア(誤): ケンゴシの基原(ヒルガオ科のアサガオの種子)は正しいですが、手引きでは大腸刺激性瀉下成分の項で「大腸刺激による瀉下作用を期待して」配合される生薬とされています。小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が小腸を刺激するのはヒマシ油です。
  • イ(誤): 手引きでは「観葉植物として栽培されるキダチアロエや食用に用いられるアロエ・ベラは、生薬であるアロエの基原植物とは別種である」とされています。生薬のアロエは、ユリ科の Aloe ferox 等の葉から得た液汁を乾燥したものです。
  • ウ(正): 手引きの記載どおりです。ジュウヤクは、アロエ、ケンゴシ等とともに、大腸刺激による瀉下作用を期待して配合されている場合がある生薬成分です。
  • エ(誤): 日本薬局方収載のケツメイシは、煎薬として整腸(便通を整える)、腹部膨満感等に用いられます。急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示し、誤食・誤飲等による中毒の場合に用いられるのはヒマシ油です。
  • オ(誤): 手引きでは「刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は一般に、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがある」とされています。アロエ、ジュウヤク、ケンゴシは大腸刺激性瀉下成分の項に挙げられる生薬であり、この注意から外れるわけではありません。

【瀉下成分の分類と、4つの生薬の位置】

手引きの瀉下成分は、作用する部位と仕組みで整理されています:

分類主な成分仕組み(手引き)
小腸刺激性瀉下成分ヒマシ油小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が小腸を刺激
大腸刺激性瀉下成分センナ、センノシド、ダイオウ、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム等。生薬ではアロエ、ジュウヤク、ケンゴシ等大腸を刺激して排便を促す
(整腸成分)生菌成分、ケツメイシ、ゲンノショウコ、アセンヤク等腸内細菌のバランスを整える/整腸作用を期待

ケツメイシは瀉下成分ではなく整腸成分の項に登場する点が、ア〜オの判断の鍵になります。日本薬局方収載のケツメイシ、ゲンノショウコは、煎薬として整腸(便通を整える)、腹部膨満感等に用いられます。

【センノシドの作用の仕組み(大腸刺激性の代表)】

センナ中に存在するセンノシドは、胃や小腸で消化されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が大腸を刺激して瀉下作用をもたらすと考えられています。アロエはセンノシドに類似の物質を含む生薬として、同じ大腸刺激性の項に挙げられています。

【ヒマシ油(峻下)との違い】

ヒマシ油は急激で強い瀉下作用(峻下作用)を示すため、激しい腹痛又は悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦又は妊娠していると思われる女性、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされています。主に誤食・誤飲等による中毒の場合など、腸管内の物質をすみやかに体外に排除させなければならない場合に用いられますが、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要があります。エの記述は、このヒマシ油の説明をケツメイシにすり替えたものです。

【妊婦・授乳婦への注意(手引きの書き分け)】

対象手引きの記載
刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬全般腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがある
センナ及びセンノシドが配合された瀉下薬妊婦又は妊娠していると思われる女性では、使用を避けるべき
瀉下薬(カルボキシメチルセルロースカルシウム等のみからなる場合を除く)妊婦又は妊娠していると思われる人は「相談すること」
センナ、センノシド、ダイオウ吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られ、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける
構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤同様に、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける

アロエ、ジュウヤク、ケンゴシは「生薬だから穏やか」なのではなく、大腸刺激性瀉下成分の項に挙げられる生薬です。したがって「刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は一般に流産・早産を誘発するおそれがある」という注意の対象であり、オは誤りです。

【アロエの基原の注意】

生薬のアロエは、ユリ科の Aloe ferox Miller 又はこれと Aloe africana Miller 又は Aloe spicata Baker との種間雑種の葉から得た液汁を乾燥したものを基原とします。観葉植物として栽培されるキダチアロエや食用に用いられるアロエ・ベラは別種です(イの誤り)。

【医薬部外品の瀉下薬との違い】

瀉下薬では医薬部外品として製造販売されている製品もありますが、配合できる成分は糞便のかさや水分量を増すことにより作用する成分に限られ、その上限量も定められています。また、下痢・便秘の繰り返し等の場合における整腸については、医薬品においてのみ認められています。

この問題の根拠根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅲ-2-2)「代表的な配合成分等、主な副作用」(腸の薬)、第5章 別表5-2「相談すること」(妊婦又は妊娠していると思われる人)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅲ-2-2)「代表的な配合成分等、主な副作用」(腸の薬)、第5章 別表5-2「相談すること」(妊婦又は妊娠していると思われる人) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。