電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和6年度上期 電力 問12|送電(架空送電線路)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように高低差のない支持点A,Bで,径間長 S の架空送電線において,架線の水平張力 T を調整してたるみ D を10 %小さくし,電線地上高を高くしたい。この場合の水平張力の値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,両側の鉄塔は十分な強度があるものとする。

問題の図(出典: 令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力 問12/電気技術者試験センター)

図の出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力 問12

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

電験三種「電力」の「送電(架空送電線路)」に関する問題(令和6年度上期 問12)。正答は(4)です。

たるみ(弛度)の公式は D = WS²/(8T) です(W:電線1 m 当たりの重量、S:径間長、T:水平張力)。同じ電線・同じ径間なら W と S は変わらないので、D は T に反比例します。たるみを10 %小さくして 0.9D にするには、張力を 1/0.9 倍にすればよいので、新しい張力は T/0.9(約1.11T)です。張力を強く引くほどたるみが小さくなる、と覚えておきましょう。

【論点】たるみの公式 D = WS²/(8T) を使った比例計算(令和6年度上期 問12)

【計算】

調整前:D = WS²/(8T)

調整後の張力を T' とすると:D' = WS²/(8T')

W と S は変わらないので、D'/D = T/T'

題意より D' = 0.9D なので 0.9 = T/T'

→ T' = T/0.9 ≒ 1.11T

よって正答は(4)。

【各選択肢の検討】

(1) 0.9²T、(2) 0.9T:張力を下げているので、たるみはかえって大きくなる。

(3) T/√0.9:たるみが張力の2乗に反比例すると誤った場合の値。

(5) T/0.9²:たるみが張力の平方根に反比例すると誤った場合の値。

D は T の1乗に反比例するので、正しいのは T/0.9 だけである。

【関連公式】

電線の実長 L = S + 8D²/(3S)。たるみを小さくすると電線の実長も短くなるので、実際の工事では電線を引き締めて長さを詰めることになる。

【核心論点】D = WS²/(8T) の「何が何に比例・反比例するか」を正確に押さえる(令和6年度上期 問12)。正答は(4)です。

【公式の成り立ち】

高低差のない径間で、電線の最低点(径間中央)から片側の支持点までの半径間を考える。この部分には、最低点で水平張力 T、支持点で張力、そして半径間分の電線の重量 W·S/2 が働く。重量の作用点は半径間の中央(最低点から S/4)にあると近似し、支持点まわりのモーメントのつり合いをとると

T × D = (WS/2) × (S/4)

→ D = WS²/(8T)

となる。たるみは径間の2乗と重量に比例し、水平張力に反比例する。

【本問の計算】

W・S 一定で D' = 0.9D とすると、T' = T × (D/D') = T/0.9 ≒ 1.111T。張力を約11 %増やせば、たるみを10 %小さくできる。

【誤りの選択肢との関係】

・0.9T、0.9²T は張力を減らしており、たるみは増える方向になる。

・T/√0.9(≒1.054T)は D ∝ 1/T² と誤った場合、T/0.9²(≒1.235T)は D ∝ 1/√T と誤った場合に出てくる値。反比例の次数を取り違えると、もっともらしい数値の選択肢に誘導される。

【設計上の考え方】

「両側の鉄塔は十分な強度がある」という条件は、張力を約11 %増やしても支持物が耐えられることを前提にするためのもの。実際の設計では、電線の引張強さに対して安全率(低圧・高圧架空電線では、電技解釈で硬銅線・耐熱銅合金線2.2以上、その他の電線2.5以上)を確保できる範囲でしか張力を上げられない。また、電線の温度が上がると電線が伸びてたるみが増えるため、最高温度時でも地上高を確保できるようにたるみを決める必要がある。

【実長との関係】

電線の実長は L = S + 8D²/(3S)。たるみを小さくするには電線の実長を短くする(引き締める)必要があり、張力の増加はその結果として現れる。逆に、温度上昇などで実長がわずかに伸びるだけでも、たるみは大きく増える。実長の式を変形すると D = √{3S(L − S)/8} となり、D は「実長と径間長の差(L − S)」の平方根に比例するので、L − S がもともと小さい値であるほど、わずかな伸びでも D が大きく変わるためで、送電線の弛度計算ではこの点がよく問われる。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。