問題
労働安全衛生規則(安衛則)に定める食堂・炊事場に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはオです。安衛則第632条は「1回100食以上又は1日250食以上の給食を行うときは、栄養士又は管理栄養士を置くように努めなければならない」(努力義務)と定めており、「必ず管理栄養士または栄養士を配置しなければならない」という配置義務は規定されていません。
ア(床面積1m²/人以上・第630条第2号)・イ(食堂と炊事場の区別・炊事従業員専用の休憩室及び便所・第630条第1号・第11号)・ウ(採光・換気・防虫防鼠の設備・第630条第1号・第7号)・エ(便所及び廃物だめから適当な距離・第630条第4号)はすべて安衛則に規定された正しい内容です。
各選択肢の正誤と根拠(安衛則第629条〜第632条):
- ア(正): 安衛則第630条第2号により、食堂の床面積は「食事の際の一人について、一平方メートル以上」としなければなりません。
- イ(正): 安衛則第630条第1号により、食堂と炊事場とは区別して設けなければなりません。また同条第11号で「炊事従業員専用の休憩室及び便所を設けること」が定められています。
- ウ(正): 安衛則第630条第1号は採光及び換気が十分であってそうじに便利な構造とすることを、第7号は「はえその他のこん虫、ねずみ、犬、猫等の害を防ぐための設備を設けること」を定めています。
- エ(正): 安衛則第630条第4号により、食堂及び炊事場は便所及び廃物だめから適当な距離のある場所に設けなければなりません。
- オ(誤): 安衛則第632条第1項は、1回100食以上又は1日250食以上の給食を行うときに栄養士又は管理栄養士を置くように「努めなければならない」と定める努力義務です。「必ず配置して栄養指導を行わなければならない」という義務規定ではありません。
【理論的背景】
職場の食堂・炊事場に関する衛生基準は、労働安全衛生規則第629条〜第632条に規定されています(事務所則ではなく安衛則に置かれている点に注意)。食堂・炊事場の構造や設備、炊事従業員の取扱いを定めることで、事業場内で提供される食事の衛生を確保するとともに、給食を行う場合の栄養の確保・向上を事業者に求めています。
【実務・条文構造】
安衛則の食堂・炊事場関連規定の全体:
| 条文 | 規定内容 |
|---|---|
| 第629条 | 第614条本文の作業場(有害な作業場)では、作業場外に適当な食事の設備を設ける(労働者が事業場内で食事をしないときを除く) |
| 第630条 | 事業場に附属する食堂・炊事場の構造・衛生基準(第1号〜第15号) |
| 第631条 | 給食を行うときは、栄養の確保及び向上に必要な措置を講ずるよう努める |
| 第632条 | 1回100食以上又は1日250食以上の給食を行うときは栄養士又は管理栄養士を置くよう努める(第1項)。栄養士等に献立の作成・栄養価の算定・栄養指導等を衛生管理者及び給食関係者と協力して行わせる(第2項) |
安衛則第630条の各号(食堂・炊事場の基準):
| 号 | 規定内容 |
|---|---|
| 第1号 | 食堂と炊事場とは区別して設け、採光及び換気が十分であってそうじに便利な構造とする |
| 第2号 | 食堂の床面積は、食事の際の1人について1m²以上 |
| 第3号 | 食堂には食卓及びいす(坐食の場合を除く)を設ける |
| 第4号 | 便所及び廃物だめから適当な距離のある場所に設ける |
| 第5号・第6号 | 食器・食品材料等の消毒の設備、食器・食品材料・調味料の保存のための適切な設備 |
| 第7号 | はえその他のこん虫、ねずみ、犬、猫等の害を防ぐための設備 |
| 第8号 | 飲用及び洗浄のために清浄な水を十分に備える |
| 第9号・第10号 | 炊事場の床は不浸透性の材料で洗浄・排水に便利な構造、汚水・廃物は炊事場外で露出しないよう処理 |
| 第11号 | 炊事従業員専用の休憩室及び便所 |
| 第12号 | 炊事に不適当な伝染性の疾病にかかっている者を炊事に従事させない |
| 第13号〜第15号 | 炊事専用の清潔な作業衣、炊事従業員以外の者をみだりに出入りさせない、炊事場専用の履物を備え土足で立ち入らせない |
【試験での位置づけ】
食堂・炊事場の問題では「食堂の床面積1m²/人以上」「食堂と炊事場の区別」「炊事従業員専用の休憩室及び便所」「採光・換気・防虫防鼠」「便所及び廃物だめから適当な距離」「栄養士又は管理栄養士は1回100食以上又は1日250食以上で置くよう努める=努力義務(安衛則第632条)」が頻出です。オのような「必ず栄養士を配置しなければならない(義務)」という誤りは、努力義務を絶対的義務に格上げした典型的な引っかけです。数値(1m²・100食・250食)と義務の強さ(しなければならない/努めなければならない)をセットで覚えます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 第630条第2号の床面積は「食事の際の一人について」の基準です。あわせて第3号で食卓及びいすの設置も求められています。
- イ: 第630条第11号の対象は「休憩室及び便所」であり、「更衣室」ではない点に注意します。炊事従業員には炊事専用の清潔な作業衣を使用させ(第13号)、炊事に不適当な伝染性の疾病にかかっている者を従事させてはなりません(第12号)。
- ウ: 第630条第7号の対象は「はえその他のこん虫、ねずみ、犬、猫等」です。採光及び換気が十分であることは第1号に定められています。
- エ: 位置の基準は「便所及び廃物だめから適当な距離のある場所」です。有害な作業場について作業場外に食事の設備を設けることを求める第629条とは別の規定です。
- オ: 第632条第1項は努力義務ですが、栄養士又は管理栄養士を置いた場合には、第2項により献立の作成・栄養価の算定・栄養指導等を衛生管理者及び給食関係者と協力して行うようにさせなければなりません。
【根拠法令】労働安全衛生規則(安衛則)第629条〜第632条(食堂及び炊事場)。
【補足】食堂の床面積=1人あたり1m²以上(安衛則第630条第2号)。食堂と炊事場は区別して設け、炊事従業員専用の休憩室及び便所を設ける。食堂・炊事場は便所及び廃物だめから適当な距離に設ける。栄養士又は管理栄養士は1回100食以上又は1日250食以上で「置くよう努める」=努力義務(安衛則第632条)であり配置義務ではない。
- 労働安全衛生規則第632条・第629条・第630条e-Govで原文を読む
- 事務所衛生基準規則e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生規則(安衛則)第629条〜第632条(食堂及び炊事場)。栄養士又は管理栄養士は安衛則第632条で「1回100食以上又は1日250食以上の給食を行うときは、栄養士又は管理栄養士を置くように努めなければならない」=努力義務であり、「必ず配置しなければならない」という義務規定ではない。なお食堂・炊事場の規定は事務所則ではなく安衛則に置かれている。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

