問題
男女雇用機会均等法および労働関連制度に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはエです。労働基準法32条1項は、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならないと定めています(同条2項で1日8時間)。「48時間」とする点が誤りです。ア(正):男女雇用機会均等法は性別差別の禁止(5条〜10条)とセクハラ防止措置義務(11条)を定めています。イ(正):育児・介護休業法は男性の育児休業を認めており(5条等)、近年「産後パパ育休」制度も導入されました。ウ(正):労働組合法1条2項・8条で正当な争議行為の刑事・民事免責が規定されています。オ(正):最低賃金法4条2項で最低賃金額に達しない賃金の定めはその部分について無効となり、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされます。
エが誤りです。労働基準法32条1項は「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」と定め、同条2項は1日について8時間を上限とします。法定労働時間は「週40時間・1日8時間」であり、「48時間」とするエは誤りです。これを超えて働かせるには、労使協定の締結・届出など36条の手続が必要になります。ア(正):均等法は性別を理由とする差別的取扱いを禁止し、11条でセクシュアルハラスメント防止のための雇用管理上の措置(相談窓口設置等)を事業主に義務付けています。イ(正):育児休業は男女を問わず取得できます。ウ(正):労組法8条「使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない」(民事免責)。刑事免責は1条2項(刑法35条の適用)。オ(正):最低賃金法4条1項は最低賃金額以上の賃金の支払義務を、同条2項は最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約はその部分について無効とし、最低賃金と同様の定めをしたものとみなすことを定めています。
【法定労働時間の規制】
労働基準法32条は、1項で「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」、2項で「一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない」と定めます。この「週40時間・1日8時間」が法定労働時間であり、エの「48時間」はこの数字を取り違えた誤りです。法定労働時間を超えて、または法定休日に労働させるには、事業場の過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)との書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、行政官庁に届け出るなど36条の要件を満たす必要があります。法定労働時間は、当事者の合意でも下回る保護に変えることができない最低基準として機能しており、この点で最低賃金法の「最低額」と同じ発想に立つ規制です。
【男女雇用機会均等の法的構造】
男女雇用機会均等法(1985年制定・1999年・2006年・2016年等改正)は、①採用・配置・昇進・降格・教育訓練・福利厚生・定年・解雇等における性差別の禁止(5〜10条)、②セクシュアルハラスメント防止措置義務(11条)、③妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止とこれに関するハラスメントの防止措置、④間接差別の禁止(7条)を主要内容とします。「間接差別」とは、性別以外の要件を設定しながら事実上一方の性に不均衡な影響を与える措置です(例:転居転勤を昇進の要件とすること等)。
【争議行為の免責の理論】
労働組合法1条2項(刑事免責)・8条(民事免責)は、正当な争議行為に対する免責を定めています。争議行為の「正当性」判断については、目的の正当性(組合活動・経済的利益の向上)・手段・方法の正当性(暴力の行使を伴わないこと)・手続の適法性の観点から判断されます。争議権(ストライキ権)は憲法28条(労働基本権)によっても保障されており、私企業労働者については幅広く認められています。公務員については法律による制約があります(全農林事件・最大判昭和48年4月25日等)。組合活動の免責の範囲(使用者の施設内活動等の限界)は判例上の重要論点です。
【最低賃金の法的性格】
最低賃金法4条1項は、使用者は最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないと定め、同条2項は、最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約は「その部分については無効とする」とし、無効となった部分は最低賃金と同様の定めをしたものとみなすと規定します(オの根拠)。なお同条3項は、最低賃金額との比較において算入しない賃金を定める規定です。最低賃金には全国各地域について決定される「地域別最低賃金」(9条1項)と特定の産業に適用される「特定最低賃金」があります。地域別最低賃金は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて決定します(10条1項)。具体的な金額は変動するため試験では制度・根拠・法的効果を問います。
【根拠条文】
男女雇用機会均等法 第5条〜第11条(差別禁止・セクシュアルハラスメント防止措置)
育児・介護休業法 第5条(育児休業の権利)
労働組合法 第1条第2項(刑事免責)、第8条(民事免責)
労働基準法 第32条(法定労働時間:週40時間・1日8時間)
最低賃金法 第4条第1項・第2項(最低賃金の効力・無効)
【補足】
エは法定労働時間の数字(週40時間・1日8時間)を問う肢。「48時間」は誤り。最低賃金の無効規定は4条2項(3項は算入しない賃金)である点もあわせて押さえる。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第5条e-Govで原文を読む
- 労働組合法第1条・第8条e-Govで原文を読む
- 労働基準法第32条e-Govで原文を読む
- 最低賃金法第4条e-Govで原文を読む
- 刑法第35条e-Govで原文を読む
- 日本国憲法第28条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 男女雇用機会均等法 第5〜12条・第11条、育児・介護休業法 第5条、労働組合法 第1条第2項・第8条、労働基準法 第32条、最低賃金法 第4条第2項 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

