問題
国会の地位及び立法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
ウが誤りです。衆議院の再可決は、両院協議会を開かなくても行うことができます。憲法59条3項は「前項(衆議院の再議決)の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない」と定めるにとどまり、両院協議会を再可決の要件とする規定ではありません。アは正しく(唯一の立法機関の原則と例外)、イは正しく(憲法59条4項の60日みなし否決)、エは正しく(62条の国政調査権)、オは正しい(硬性憲法の原則)。
「国会の唯一の立法機関(憲法41条)」の例外について整理します。国会中心立法の原則(実質的意味の立法は国会のみ)の例外は以下の通りです。①議院規則(憲法58条2項)、②最高裁判所規則(憲法77条)、③地方公共団体の条例(憲法94条)、④内閣の政令(憲法73条6号・但し法律の委任が必要な場合の独立命令は不可とされる)です。なおアで言及される「条約」は立法行為ではなく国際合意であり、正確には「唯一の立法機関の例外」とは別に論じるべき点はありますが、選択肢ア全体として「例外が存在する」という命題は正しいです。ウの両院協議会について:法律案の場合、衆議院が両院協議会を求めることは「妨げない」(任意的)と規定されており(憲法59条3項)、衆議院の再可決(59条2項)に両院協議会の開催は要件とされていません。「両院協議会を開いた後でなければ再可決できない」という表現は誤りです(予算・条約の場合は両院協議会を必ず求めなければならない(国会法85条)点との区別も重要)。
【理論的背景】
憲法41条が国会を「国の唯一の立法機関」とする趣旨は、①国会中心立法の原則(実質的意味の立法=国民の権利義務に関わるルールは国会のみが制定できる)と、②国会単独立法の原則(国会の意思のみで立法でき、他機関の参与が不要)の二つから成ります。民主主義・権力分立の観点から、立法権の帰属を国民代表機関たる国会に集中させる趣旨です。
【実務・条文構造】
両院協議会(憲法59条3項)の論点を詳細に分析します。
- 予算・条約の場合: 国会法85条により、両院協議会を必ず求めなければならない(必要的開催)。
- 法律案の場合: 衆議院が参議院に両院協議会を求めることは「できる」(任意的)。衆議院の再可決(59条2項)に両院協議会の開催は要件とされていない。
- 衆議院の再議決(59条2項): 参議院が否決した場合、衆議院が出席議員の3分の2以上で再可決すれば成立する。
憲法96条(改正手続)について:各議院の総議員の3分の2以上の賛成による発議→国民投票(過半数の賛成)という手続きが必要です。通常の法律と異なる厳格な手続きを要求する「硬性憲法」の性格(オが正しい理由)。
【試験での位置づけ】
行政書士試験の統治機構問題では、衆議院の優越の場面(法律案・予算・条約・内閣総理大臣の指名)とその手続きの細部(日数・多数決要件)が問われます。典型的な引っかけは「両院協議会は常に必須」「両院協議会を経なければ再可決できない」という誤記述です。また「法律と同じ手続きで憲法を改正できる」(硬性憲法の否定)も頻出の誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 正しい。国会中心立法の原則の例外(議院規則・最高裁判所規則・地方議会条例)は定番論点。「条約」を例外として挙げる点については議論があるが(条約は立法行為でなく国際合意であるため「例外」概念に馴染まないとも言える)、選択肢全体の趣旨は正しい。
- イ: 正しい。憲法59条4項。「国会休会中の期間を除いて60日以内」「みなすことができる」という文言を正確に把握することが重要。「必ず否決とみなす」ではなく「みなすことができる(衆議院の権能として)」であることに注意。
- ウ: 誤り(正答)。法律案の場合の両院協議会開催は任意的であり(59条3項)、衆議院の再可決(59条2項)は両院協議会を経なくても行うことができる。
- エ: 正しい。憲法62条「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」。国政調査権の内容(証人喚問・記録提出要求)をそのまま表現している。
- オ: 正しい。憲法96条の硬性憲法条項。通常立法より厳格な手続き(各院総議員3分の2以上の発議+国民投票)が必要。「同一の手続き・多数決では改正できない」は96条の趣旨に合致。
【根拠条文】
日本国憲法 第41条(国会の地位)、第59条(法律案の議決・両院協議会・再議決)、第62条(国政調査権)、第96条(憲法改正の発議)
【補足】
両院協議会が必須(予算・条約)と任意(法律案)の場合を区別して整理することが試験頻出。数字(60日・3分の2)も正確に暗記すること。
- 日本国憲法第41条・第59条・第58条・第77条・第94条・第73条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 日本国憲法 第41条(国会の地位)、第59条(法律案の議決)、第62条(国政調査権)、第96条(憲法改正手続) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

