行政書士試験の憲法で、国会の地位(41条)、衆議院の優越(59条・60条・61条・67条)、両院協議会(国会法84条〜92条)、常会・臨時会・特別会と会期、議員の特権(49条〜51条)、定足数と議決の数字(55条〜58条)を、e-Govの条文どおりに表で整理します。
目次
結論:行政書士試験の憲法で国会を整理するコツは、数字の表を作ることです。衆議院の優越は、法律案の再可決=出席議員の3分の2以上(59条2項)、法律案で参議院が議決しないとき=60日(59条4項・衆議院が否決とみなす「ことができる」)、予算・条約=30日(60条2項・61条)、内閣総理大臣の指名=10日(67条2項)です(60日・30日・10日は、いずれも国会休会中の期間を除いて数えます)。両院協議会は、案件によって「求めることができる」か「求めなければならない」かが分かれます。
この記事は、日本国憲法・国会法(e-Gov法令検索)の条文だけをもとに、国会に関する条文を行政書士試験の受験者向けに整理したものです。内閣不信任・解散・天皇の国事行為は行政書士の憲法|内閣不信任・総辞職・衆議院解散、人権のうち精神的自由は行政書士の憲法|精神的自由・表現の自由・検閲で扱うため、ここでは国会に絞ります。判例の整理は行政書士の憲法判例にあります。
国会の地位と構成(41条〜48条)
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 41条 | 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である |
| 42条 | 国会は、衆議院及び参議院の両議院で構成する |
| 43条1項 | 両議院は、全国民を代表する選挙された議員で組織する |
| 43条2項 | 両議院の議員の定数は、法律で定める |
| 44条 | 議員及び選挙人の資格は、法律で定める。ただし、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない |
| 45条 | 衆議院議員の任期は4年。ただし、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する |
| 46条 | 参議院議員の任期は6年で、3年ごとに議員の半数を改選する |
| 47条 | 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律で定める |
| 48条 | 何人も、同時に両議院の議員たることはできない |
この表は、任期(4年・解散で終了/6年・半数改選)と、法律に委ねられる事項(定数・資格・選挙区など)を見分けるのに使います。44条は、資格を法律で定めるとしたうえで、ただし書で差別してはならない事由を挙げている点まで、条文の言葉で覚えます。
常会・臨時会・特別会と会期(52条・53条・54条・国会法)
国会の種類は、憲法と国会法に分けて書かれています。憲法の条文に「常会」と書かれているのは52条で、「臨時会」は53条です。「特別会」という言葉は、国会法1条3項が「日本国憲法第五十四条により召集された国会」と説明しています。
| 種類 | 召集の根拠 | 条文の内容 |
|---|---|---|
| 常会 | 憲法52条・国会法2条 | 毎年1回召集する(憲法52条)。毎年1月中に召集するのを常例とする(国会法2条) |
| 臨時会 | 憲法53条 | 内閣が召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなければならない |
| 特別会 | 憲法54条1項 | 衆議院が解散されたとき、解散の日から40日以内に総選挙を行い、選挙の日から30日以内に国会を召集する |
国会法は、会期について次のように定めています。
国会法の会期と延長:常会の会期は150日間(ただし、会期中に議員の任期が満限に達する場合は、その満限の日をもって会期は終了)。臨時会及び特別会の会期は両議院一致の議決で定める。会期の延長は両議院一致の議決で、常会は1回、特別会及び臨時会は2回を超えてはならない。臨時会・特別会の会期の決定と会期の延長について、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。最終確認日:2026-10-07。出典:e-Gov法令検索 国会法10条〜13条。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 国会法1条2項 | 常会の召集詔書は、少なくとも10日前に公布しなければならない |
| 国会法1条3項 | 臨時会及び特別会の召集詔書の公布は、1条2項によることを要しない |
| 国会法2条の2 | 特別会は、常会と併せて召集することができる |
| 国会法3条 | 臨時会の召集の決定を要求するには、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出する |
| 国会法14条 | 国会の会期は、召集の当日から起算する |
| 国会法15条1項 | 国会の休会は、両議院一致の議決を必要とする |
| 国会法68条 | 会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しない。ただし、47条2項により閉会中審査した議案及び懲罰事犯の件は、後会に継続する |
国会法68条は、「会期中に議決に至らなかつた案件は、後会に継続しない」と書いています。ただし書の例外(閉会中審査した議案と懲罰事犯の件)まで読んで、初めて正確な記述になります。
衆議院の優越を一覧表で整理する(59条・60条・61条・67条・69条)
衆議院の優越は、議決の効力の優越と、権限そのものが衆議院だけにあるものに分けると整理しやすくなります。
| 事項 | 条文 | 衆議院の優越の内容 |
|---|---|---|
| 法律案の再可決 | 59条2項 | 衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる |
| 両院協議会 | 59条3項 | 2項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない |
| 参議院が議決しないとき(法律案) | 59条4項 | 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる |
| 予算の先議 | 60条1項 | 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない |
| 予算の議決 | 60条2項 | 参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする |
| 条約の承認 | 61条 | 条約の締結に必要な国会の承認については、60条2項を準用する |
| 内閣総理大臣の指名 | 67条2項 | 衆参で異なった指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする |
| 内閣不信任 | 69条 | 内閣に対する不信任・信任の決議は、衆議院の権限(衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したとき) |
| 任期の終了 | 45条ただし書 | 衆議院議員の任期は、解散の場合には、その期間満了前に終了する |
表で押さえる3つのポイント
1. 「みなすことができる」と「とする」の違い:法律案で参議院が60日以内に議決しないときは、衆議院が否決とみなす「ことができる」と書かれ、衆議院の判断が入ります(59条4項)。予算・条約・内閣総理大臣の指名は、協議会で一致しないとき、又は期間内に議決しないときに、衆議院の議決を国会の議決と「する」と書かれ、衆議院の議決が自動的に国会の議決になります(60条2項・61条・67条2項)
2. 協議会が入る場面:59条3項は、法律案について、衆議院が協議会を求めることを妨げないと書いています。予算(60条2項)と内閣総理大臣の指名(67条2項)は、「両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき」が優越の条件の一つです
3. 数字の基準が違う:法律案の再可決は「出席議員の3分の2以上」(59条2項)です。憲法改正の発議は「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」(96条1項)で、基準が総議員です
憲法96条1項は、憲法改正について、「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し」と書いています。衆議院の議決を優先する書き方にはなっていません。
両院協議会(憲法59条3項・60条2項・67条2項と国会法84条〜92条)
両院協議会の手続は、国会法に書かれています。誰が・求めることができるのか(または求めなければならないのか)が、案件ごとに違います。
| 案件 | 協議会を求める者 | 条文 |
|---|---|---|
| 法律案 | 衆議院が、求めることができる(衆議院において参議院の回付案に同意しなかったとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決し及び衆議院の回付案に同意しなかったとき) | 国会法84条1項 |
| 法律案 | 参議院は、衆議院の回付案に同意しなかったときに限り、その通知と同時に求めることができる。ただし、衆議院は、この請求を拒むことができる | 国会法84条2項 |
| 予算・衆議院先議の条約 | 衆議院が、求めなければならない(衆議院において参議院の回付案に同意しなかったとき、又は参議院において衆議院の送付案を否決したとき) | 国会法85条1項 |
| 参議院先議の条約 | 参議院が、求めなければならない(参議院において衆議院の回付案に同意しなかったとき、又は衆議院において参議院の送付案を否決したとき) | 国会法85条2項 |
| 内閣総理大臣の指名 | 両議院の議決が一致しないときは、参議院が、求めなければならない | 国会法86条2項 |
国会法88条は、84条2項ただし書の場合を除いて、一の議院から両院協議会を求められたときは、他の議院は、これを拒むことができないと定めています。
両院協議会の組織と議決は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 組織 | 各議院において選挙された各々10人の委員で組織する | 国会法89条 |
| 定足数 | 各議院の協議委員の各々3分の2以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない | 国会法91条 |
| 成案 | 協議案が出席協議委員の3分の2以上の多数で議決されたとき成案となる | 国会法92条1項 |
| その他の議事 | 出席協議委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる | 国会法92条2項 |
数字の組み合わせに注意します。両院協議会の定足数は「各議院の協議委員の各々3分の2以上の出席」、成案は「出席協議委員の3分の2以上の多数」です。どちらも3分の2ですが、前者は出席、後者は議決の基準です。
国会議員の特権と議院の自律(49条〜51条・55条・58条)
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 49条 | 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける |
| 50条 | 法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない |
| 51条 | 議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない |
| 55条 | 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。ただし、議員の議席を失わせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする |
| 58条1項 | 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する |
| 58条2項 | 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、また、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする |
国会法33条は、「院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない」と書いています。51条の免責は、「院外で」責任を問われないことで、「議院で行つた演説、討論又は表決について」という範囲が条文の言葉です。
議事・議決の数字を早見表にする(53条・55条〜59条・96条)
国会の数字は、分母が「総議員」か「出席議員」かで区別します。
| 場面 | 基準 | 割合 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 臨時会の召集の要求 | いずれかの議院の総議員 | 4分の1以上 | 53条 |
| 議事を開き議決する(定足数) | 各々その総議員 | 3分の1以上の出席 | 56条1項 |
| 通常の議事の議決 | 出席議員 | 過半数(可否同数のときは議長) | 56条2項 |
| 秘密会を開く | 出席議員 | 3分の2以上 | 57条1項ただし書 |
| 表決を会議録に記載する要求 | 出席議員 | 5分の1以上の要求 | 57条3項 |
| 議員の議席を失わせる(資格争訟) | 出席議員 | 3分の2以上 | 55条ただし書 |
| 議員の除名 | 出席議員 | 3分の2以上 | 58条2項ただし書 |
| 法律案の衆議院の再可決 | 衆議院の出席議員 | 3分の2以上 | 59条2項 |
| 憲法改正の発議 | 各議院の総議員 | 3分の2以上の賛成 | 96条1項 |
56条2項は、「この憲法に特別の定のある場合を除いては」過半数で議事を決する、という書き方です。上の表の3分の2などは、その特別の定めにあたります。
57条1項は、両議院の会議を公開とし、ただし書で、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは秘密会を開くことができると定めています。同条2項は、会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、公表して一般に頒布しなければならないとします。
国政調査権・国務大臣の出席・弾劾裁判所(62条〜64条)と委員会の公聴会
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 62条 | 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる |
| 63条 | 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。また、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない |
| 64条1項 | 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける |
| 64条2項 | 弾劾に関する事項は、法律で定める |
| 国会法51条1項 | 委員会は、一般的関心及び目的を有する重要な案件について、公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験者等から意見を聴くことができる |
| 国会法51条2項 | 総予算及び重要な歳入法案については、公聴会を開かなければならない。ただし、すでに公聴会を開いた案件と同一の内容のものについては、この限りでない |
62条の国政調査権は、「両議院は、各々」と書かれ、各議院がそれぞれ行う権限として定められています。公聴会は、憲法ではなく国会法に書かれた委員会の手続です。開くことができる(51条1項)のが原則で、総予算と重要な歳入法案は開かなければならない(51条2項)という違いが、条文の言葉の差になっています。国政調査権の範囲や限界は、条文に書かれていない論点で、学説の考え方によります。弾劾裁判所と並ぶ裁判官の身分保障(78条)や最高裁判所裁判官の国民審査(79条)は、行政書士の憲法|司法権・最高裁判所裁判官・国民審査を条文で整理で整理しています。
試験での問われ方:内容の型
実際の問題文は掲載しませんが、国会の分野には次のような型があります。
- 日数・割合の入れ替え:30日(予算)・60日(法律案)・10日(内閣総理大臣の指名)、出席議員の3分の2と総議員の3分の2、定足数の3分の1などを入れ替える
- 「できる」と「しなければならない」の取り違え:両院協議会、臨時会の召集(53条)、公聴会(国会法51条)の書き分け
- 「みなすことができる」と「とする」の取り違え:法律案(59条4項)と、予算・条約・内閣総理大臣の指名(60条2項・61条・67条2項)
- 衆議院の優越が及ぶか:法律案・予算・条約・内閣総理大臣の指名には優越の規定があり、憲法改正の発議(96条1項)には書かれていない
- 特権の範囲:歳費(49条)、不逮捕(50条)、免責(51条)の範囲と例外
国政調査権の限界や議院の自律の範囲など、条文に書かれていない論点は、判例や学説の考え方によります。この記事は条文に絞っています。
間違えやすいポイント
| 誤りやすい記述 | 条文に照らすと |
|---|---|
| 法律案の再可決は、総議員の3分の2以上が必要 | 衆議院で出席議員の3分の2以上(59条2項) |
| 参議院が法律案を60日以内に議決しないと、自動的に法律になる | 衆議院が否決したものとみなすことが「できる」(59条4項) |
| 予算の議決で、参議院は30日以内に必ず議決しなければならない | 30日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる(60条2項) |
| 内閣総理大臣の指名は、参議院が60日以内に議決しなければ衆議院の議決になる | 衆議院が指名の議決をした後、10日以内(67条2項) |
| 衆議院が予算を先に審議するのは慣例にすぎない | 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない(60条1項) |
| 両院協議会は、法律案でも衆議院が必ず求めなければならない | 法律案では、衆議院が求めることができる(国会法84条1項)。予算・衆議院先議の条約は求めなければならない(85条1項) |
| 不逮捕特権は会期中ならどんな場合も逮捕されない | 「法律の定める場合を除いては」(50条)。国会法33条は、院外における現行犯罪の場合を除いている |
| 議員の除名は出席議員の過半数で足りる | 出席議員の3分の2以上(58条2項ただし書) |
まとめ
- 衆議院の優越は、法律案の再可決(出席議員の3分の2以上)・法律案で参議院が議決しないとき(60日・みなすことができる)・予算と条約(30日・衆議院の議決が国会の議決)・内閣総理大臣の指名(10日・衆議院の議決が国会の議決)に分けて、数字と書き方を表にする
- 両院協議会は、法律案では衆議院が求めることができる。予算・衆議院先議の条約は衆議院が、参議院先議の条約と内閣総理大臣の指名は参議院が、求めなければならない
- 常会は毎年1回(憲法52条)、会期は150日間で、会期中に議員の任期が満限に達する場合はその満限の日に終了(国会法10条)。臨時会はいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求で、内閣は召集を決定しなければならない(憲法53条)
- 議事の数字は、「総議員」と「出席議員」の分母の違いで整理する。定足数は総議員の3分の1以上の出席(56条1項)
- 議員の特権は、歳費(49条)、不逮捕(50条・法律の定める場合を除く)、免責(51条・議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない)
科目ごとの配点と学習の優先順位は行政書士の点数配分、試験センターが公開している過去の試験問題の入手先は試験問題の公開ページの記事で整理しています。
参照した一次ソース
- e-Gov法令検索 日本国憲法(41条〜64条、67条、69条、96条)
- e-Gov法令検索 国会法(1条〜3条、10条〜15条、33条、51条、68条、84条〜92条)
よくある質問
Q法律案で衆議院が参議院の議決を覆すには、どれだけの賛成が必要ですか?
憲法59条2項は、衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で「出席議員の三分の二以上の多数」で再び可決したときは、法律となると定めています。基準は総議員ではなく出席議員で、割合は3分の2以上です。
Q予算・条約・内閣総理大臣の指名で、参議院が議決しないときは何日で衆議院の議決になりますか?
日数は条文ごとに違います。予算は、参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないとき(60条2項)、条約の承認も60条2項を準用します(61条)。内閣総理大臣の指名は、衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が議決しないとき(67条2項)です。法律案は、参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に議決しないとき、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなす「ことができる」と書かれています(59条4項)。
Q両院協議会は、衆議院と参議院の議決が食い違ったら必ず開かれますか?
案件によって違います。国会法は、法律案では衆議院が求めることができると定め(84条1項)、予算と衆議院先議の条約では衆議院が求めなければならず、参議院先議の条約では参議院が求めなければならないと定めています(85条)。内閣総理大臣の指名では、参議院が求めなければなりません(86条2項)。
Q国会の常会の会期は何日で、延長は何回できますか?
国会法10条は、常会の会期を150日間とし、ただし書で、会期中に議員の任期が満限に達する場合は、その満限の日をもって会期は終了すると定めています。会期の延長は両議院一致の議決ででき、常会は1回、特別会と臨時会は2回を超えてはならないとされています(12条)。日数や回数は法律の改正で変わることがあるため、e-Gov法令検索の国会法で最新の条文を確かめてください。
Q国会議員の不逮捕特権は、会期中ならどんなときも認められますか?
憲法50条は、「法律の定める場合を除いては」会期中逮捕されないと書いています。国会法33条は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されないと定めています。また、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければなりません(憲法50条)。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

