行政書士試験の憲法で、司法権(76条)・裁判所の規則制定権(77条)・裁判官の身分保障(78条〜80条)・最高裁判所裁判官の国民審査(79条2項〜4項と最高裁判所裁判官国民審査法)・違憲審査権(81条)・裁判の公開(82条)を、e-Govの条文どおりに表で整理します。
目次
結論:行政書士試験の憲法で「司法」の章(76条〜82条)は、誰が・どの機関に・どんな条件でを条文の言葉で整理すると、言い換えに対応できます。司法権は最高裁判所と下級裁判所に属し(76条1項)、特別裁判所は置けず、行政機関は終審として裁判を行えません(同条2項)。最高裁判所の裁判官は、任命後初めての衆議院議員総選挙の際と、その後10年を経過した後初めての総選挙の際に国民の審査に付され(79条2項)、投票者の多数が罷免を可とすれば罷免されます(同条3項)。
この記事は、日本国憲法・最高裁判所裁判官国民審査法・裁判所法の条文(e-Gov法令検索)と、最高裁判所の判決1件(裁判所の裁判例検索)だけをもとに、司法の章を行政書士試験の受験者向けに整理したものです。内閣と天皇は行政書士の憲法|内閣不信任・総辞職・衆議院解散を条文で整理、国会は行政書士の憲法|衆議院の優越・両院協議会・国会の会期を整理、判例の一覧は行政書士の憲法判例で扱うため、ここでは司法の章の条文に絞ります。
司法権と裁判所(76条・77条)
憲法76条は、司法権の帰属、特別裁判所の禁止、行政機関の終審裁判の禁止、裁判官の独立をまとめて定めています。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 76条1項 | すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する |
| 76条2項前段 | 特別裁判所は、これを設置することができない |
| 76条2項後段 | 行政機関は、終審として裁判を行うことができない |
| 76条3項 | すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される |
2項後段の「終審として」という限定が条文の要点です。裁判所法3条1項は、裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて「一切の法律上の争訟」を裁判し、その他法律において特に定める権限を有すると定めています。同条2項は、この1項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げないとしています。審査請求のように、行政機関が先に判断し、その後に裁判所で争える仕組みは、「終審」でなければよい、という条文の言葉と対応します。審査請求の手続は行政不服審査法の記事で整理しています。
77条は、最高裁判所の規則制定権です。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 77条1項 | 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する |
| 77条2項 | 検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない |
| 77条3項 | 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる |
規則を定める機関は最高裁判所、従う義務があるのは検察官、委任できるのは「下級裁判所に関する規則」を定める権限、という3点が条文の言葉です。
裁判官の身分保障(78条・79条・80条)
裁判官の独立を支えるため、憲法は、罷免・懲戒・報酬について定めています。
| 項目 | 条文の内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 罷免 | 裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない | 78条前段 |
| 懲戒 | 裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできない | 78条後段 |
| 弾劾裁判所 | 国会が、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。弾劾に関する事項は法律で定める | 64条 |
| 報酬(最高裁判所) | すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない | 79条6項 |
| 報酬(下級裁判所) | 同上 | 80条2項 |
| 退官(最高裁判所) | 法律の定める年齢に達した時に退官する | 79条5項 |
| 退官(下級裁判所) | 任期は10年で再任されることができる。ただし、法律の定める年齢に達した時には退官する | 80条1項 |
「在任中、これを減額することができない」は、報酬の減額を禁じる言葉です。罷免には2つの入口があり、心身の故障の裁判(78条前段)と、公の弾劾です。最高裁判所の裁判官には、国民審査による罷免(79条3項)という別の入口もあります。
法律の定める員数と年齢は、裁判所法に書かれています。
裁判所法5条3項の最高裁判所判事の員数:14人。最高裁判所の裁判官は、その長たる裁判官を最高裁判所長官とし、その他の裁判官を最高裁判所判事とする(同条1項)。最終確認日:2026-10-08。出典:e-Gov法令検索 裁判所法。
裁判所法50条の定年:最高裁判所の裁判官は年齢70年、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所の裁判官は年齢65年、簡易裁判所の裁判官は年齢70年に達した時に退官する。最終確認日:2026-10-08。出典:e-Gov法令検索 裁判所法。
当サイトの計算:最高裁判所長官1人に最高裁判所判事14人を足すと、最高裁判所の裁判官は合わせて15人です。
最高裁判所の構成と任命(79条1項・80条1項・6条2項)
任命は、誰が指名し、誰が任命するかで整理します。
| 対象 | 任命の仕組み | 条文 |
|---|---|---|
| 最高裁判所の長たる裁判官 | 内閣の指名に基いて、天皇が任命する | 6条2項 |
| 最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官 | 内閣が任命する | 79条1項 |
| 下級裁判所の裁判官 | 最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する | 80条1項 |
最高裁判所は、その長たる裁判官と、法律の定める員数のその他の裁判官で構成されます(79条1項)。長たる裁判官を任命するのは天皇で、そのための指名をするのは内閣です。長たる裁判官以外の裁判官は、内閣が任命します(その任免は天皇が認証します。裁判所法39条3項)。下級裁判所では、内閣が任命する前に、最高裁判所が名簿を作る段階があります。
最高裁判所裁判官の国民審査(79条2項〜4項、国民審査法)
憲法79条が決めていること
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 2項 | 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする |
| 3項 | 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される |
| 4項 | 審査に関する事項は、法律でこれを定める |
4項を受けて、手続の細部を定めているのが最高裁判所裁判官国民審査法です。憲法が書いているのは、審査の時期(衆議院議員総選挙の際)、間隔(初回の後は10年を経過した後の最初の総選挙)、結果(投票者の多数が罷免を可とすれば罷免)で、細部は法律に委ねられている、という構造を押さえます。
国民審査法の主な条文
| 項目 | 条文の内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 審査の期日 | 各裁判官につき、任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に行う | 2条1項 |
| 再審査 | 最初の審査の期日から10年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の期日に更に審査を行い、その後も同様 | 2条2項 |
| 審査を行う区域 | 全都道府県の区域を通じて行う | 3条 |
| 審査権 | 衆議院議員の選挙権を有する者は、審査権を有する | 4条 |
| 告示 | 中央選挙管理会が、衆議院議員総選挙の期日の公示の日に、審査の期日と審査に付される裁判官の氏名などを官報で告示する | 5条1項 |
| 審査の方法 | 投票により行い、投票は一人一票に限る | 6条 |
| 事務の管理 | 審査に関する事務は、中央選挙管理会が管理する | 9条 |
| 投票の場所 | 衆議院小選挙区選出議員の選挙の投票所において、その投票と同時に行う | 13条 |
| 投票の方式 | 罷免を可とする裁判官については自ら×の記号を記載し、罷免を可としない裁判官については何らの記載をしないで投票箱に入れる | 15条1項 |
投票用紙の書き方に注意します。国民審査法15条1項は、罷免を可とするときに×を記載する方式で、罷免を可としないときは何も記載しないことを定めています。
罷免の決まり方と、その後(32条・35条・36条・38条)
| 項目 | 条文の内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 罷免を可とされた裁判官 | 罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官。ただし、投票の総数が、審査の期日の直前の登録日現在で選挙人名簿に登録されている者と、審査の告示の日現在で在外選挙人名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでない | 32条 |
| 罷免の効果 | 罷免を可とされた裁判官は、審査無効・罷免無効の訴えを提起すべき期間が経過した日(訴えの提起があったときは、その訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は裁判の確定した日)に罷免される | 35条1項 |
| 罷免後の制限 | 審査の結果罷免された裁判官は、罷免の日から5年間は、裁判官に任命されることができない | 35条2項 |
| 審査無効の訴訟 | 審査の効力に関し異議があるときは、審査人又は罷免を可とされた裁判官は、中央選挙管理会を被告として、審査の結果の告示(33条2項)のあった日から30日内に東京高等裁判所に訴えを提起できる | 36条 |
| 罷免無効の訴訟 | 審査の結果罷免を可とされた裁判官は、罷免の効力に関し異議があるときは、中央選挙管理会を被告として、同じ告示のあった日から30日内に東京高等裁判所に訴えを提起できる | 38条 |
32条のただし書は、見落としやすい条件です。「多数が罷免を可とした」という言い方だけでは、百分の一の条件が抜け落ちます。罷免の効果も、罷免を可とされた日ではなく、訴えを提起すべき期間が経過した日(訴えがあったときは訴訟が係属しなくなった日又は裁判の確定した日)である点が条文の言葉です。
在外国民の審査権:最高裁判所大法廷の判決
国民審査法4条は審査権を衆議院議員の選挙権を有する者に与えており、8条は審査に衆議院議員総選挙について用いられる選挙人名簿及び在外選挙人名簿を用いると定めています。次の判決は、裁判所の裁判例検索で、事件番号・裁判年月日・判例集の巻号頁と裁判要旨を確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事件名 | 在外日本人国民審査権確認等、国家賠償請求上告、同附帯上告事件 |
| 裁判年月日・法廷 | 令和4年5月25日・最高裁判所大法廷(判決) |
| 事件番号 | 令和2(行ツ)255 |
| 判例集 | 民集76巻4号711頁 |
| 裁判要旨1 | 最高裁判所裁判官国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反する |
| 裁判要旨2 | 国が在外国民に対して国外に住所を有することをもって次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが、憲法15条1項、79条2項、3項等に違反して違法であることの確認を求める訴えは、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして適法である |
| 裁判要旨3 | 国会において在外国民に審査権の行使を認める制度を創設する立法措置がとられなかったことは、判示の事情の下では、平成29年10月22日に施行された審査の当時において、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける |
出典:裁判所 裁判例結果詳細 令和2(行ツ)255。上の表は、裁判所のページに載っている裁判要旨を短くまとめたもので、判決の理由づけの全体ではありません。令和7年度の試験問題の問43(多肢選択式)は、この事件を題材にした文章でした(出典:行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題)。
違憲審査権(81条)と裁判の公開(82条)
81条と82条は、短い条文に言葉の限定が詰まっています。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 81条 | 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である |
| 82条1項 | 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う |
| 82条2項本文 | 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行うことができる |
| 82条2項ただし書 | 政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、常にこれを公開しなければならない |
81条の対象は、「法律、命令、規則又は処分」の4つです。権限を持つ裁判所は最高裁判所と書かれていますが、「終審裁判所」という言葉が付いています。違憲審査権の性質と法令違憲の判決は、行政書士の憲法|違憲審査権(81条)と法令違憲の主な判決で整理しています。82条2項は、公開しないでできるのが「対審」だけで、決める条件は「裁判官の全員一致」です。条文には「判決」を公開しないでよいという書き方はありません。
試験での問われ方:内容の型
実際の問題文は掲載しませんが、この分野の問い方には次のような型があります。
- 機関の入れ替え:任命する者(天皇・内閣)、指名する者(内閣・最高裁判所)を取り違える。長たる裁判官は「内閣の指名に基いて天皇が任命」、その他の最高裁判所の裁判官は「内閣が任命」
- 数字の入れ替え:国民審査の間隔(10年を経過した後初めての総選挙)、下級裁判所の裁判官の任期(10年)、罷免後の任命制限(5年)、訴訟の期間(30日)を別の数字にする
- 対象の入れ替え:国民審査の対象を最高裁判所の裁判官から下級裁判所の裁判官に広げる
- 条件の書き落とし:32条の百分の一のただし書や、82条2項本文の「全員一致」、同項ただし書の「常に公開」を落とす
- 範囲の拡大:82条2項が認める「対審」の非公開を、「判決」にまで広げる。76条2項の「終審として」を落として、行政機関が裁判を行うことを一切禁じる文にする
- 主体の取り違え:裁判官の懲戒処分を行えない主体(行政機関)や、規則に従う義務がある者(検察官)を取り違える
判例の整理は行政書士の憲法判例の表を確認します。
間違えやすいポイント
| 誤りやすい記述 | 条文に照らすと |
|---|---|
| 最高裁判所の裁判官は全員、天皇が任命する | 天皇が任命するのは長たる裁判官で、内閣の指名に基く(6条2項)。その他は内閣が任命(79条1項) |
| 下級裁判所の裁判官も国民審査を受ける | 国民の審査は最高裁判所の裁判官(79条2項)。下級裁判所の裁判官の任期は10年で再任可(80条1項) |
| 国民審査は、衆議院議員総選挙とは別の日に行う | 衆議院議員総選挙の期日に、その投票所で、同時に行う(国民審査法2条・13条) |
| 国民審査で、罷免を可とする票が多ければ、必ず罷免される | 投票の総数が名簿登録者総数の百分の一に達しないときは、罷免を可とされたものにならない(国民審査法32条ただし書) |
| 罷免を可とするときは○を、可としないときは×を書く | 罷免を可とするときに×を記載し、可としないときは何も記載しない(国民審査法15条1項) |
| 裁判官の懲戒は、行政機関が行える | 行政機関は懲戒処分を行えない(78条後段) |
| 行政機関は、裁判のような判断を一切できない | 禁じられているのは「終審として」の裁判(76条2項後段)。前審としての審判は妨げられない(裁判所法3条2項) |
| 裁判は、判決も対審も、裁判官の全員一致があれば非公開にできる | 非公開にできるのは対審だけで、一定の事件の対審は常に公開(82条2項) |
| 裁判官の報酬は、在任中でも法律で減額できる | 在任中、減額することができない(79条6項・80条2項) |
まとめ
- 司法権は、最高裁判所と法律で定める下級裁判所に属する。特別裁判所は設置できず、行政機関は終審として裁判を行えない(76条)
- 最高裁判所は、訴訟手続・弁護士・裁判所の内部規律・司法事務処理について規則を定める権限を持ち、検察官は従う義務がある(77条)
- 裁判官の罷免は、心身の故障の裁判と公の弾劾に限られ、懲戒は行政機関が行えない(78条)。報酬は在任中、減額できない(79条6項・80条2項)
- 最高裁判所の長たる裁判官は内閣の指名に基いて天皇が任命し、その他の裁判官は内閣が任命する。下級裁判所の裁判官は最高裁判所の名簿によって内閣が任命し、任期は10年(6条2項・79条1項・80条1項)
- 国民審査は、任命後初めての衆議院議員総選挙の際と、その後10年を経過した後初めての総選挙の際に行う。罷免を可とする票が多くても、投票総数が百分の一に達しなければ罷免を可とされたものにならない(79条2項・3項、国民審査法2条・32条)
- 裁判の対審と判決は公開法廷で行う。対審を公開しないことができるのは裁判官の全員一致のときで、政治犯罪などの対審は常に公開(82条)
学習全体の計画は行政書士の学習スケジュールで、科目ごとの配点と優先順位は行政書士の点数配分で整理しています。
参照した一次ソース
- e-Gov法令検索 日本国憲法(6条、64条、76条〜82条)
- e-Gov法令検索 最高裁判所裁判官国民審査法(2条〜6条、8条、9条、13条、15条、32条、33条、35条、36条、38条)
- e-Gov法令検索 裁判所法(3条、5条、39条、50条)
- 裁判所 裁判例検索 令和2(行ツ)255
- 行政書士試験研究センター 令和7年度試験問題(問43)
よくある質問
Q国民審査で罷免されるのは、どんなときですか?
憲法79条3項は、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は罷免されると定めています。最高裁判所裁判官国民審査法32条は、罷免を可とする投票の数が罷免を可としない投票の数より多い裁判官を「罷免を可とされたもの」としますが、ただし書で、投票の総数が名簿に登録されている者の総数の百分の一に達しないときは、この限りでないとしています。罷免を可とされた裁判官は、同法35条1項により、訴えを提起すべき期間が経過した日(訴えの提起があったときは、その訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は裁判の確定した日)に罷免されます。
Q下級裁判所の裁判官も、国民審査を受けますか?
受けません。憲法79条2項が国民の審査に付すと定めているのは「最高裁判所の裁判官の任命」で、下級裁判所の裁判官について定める80条1項には、国民の審査の規定がありません。下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命し、任期は10年で、再任されることができます(ただし、法律の定める年齢に達した時には退官します)。
Q裁判官は、どんな場合に辞めさせられますか?
憲法78条は、裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されないと定めています。弾劾裁判所の設置は64条1項です。最高裁判所の裁判官にはこれに加えて、国民審査による罷免の道があります(79条3項)。また、裁判官の懲戒処分は、行政機関が行うことはできません(78条後段)。
Q裁判は、必ず公開の法廷で行われるのですか?
憲法82条1項は、裁判の対審及び判決は公開法廷で行うと定めています。2項は、裁判所が裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は公開しないで行うことができるとしています。ただし書で、政治犯罪、出版に関する犯罪、又は憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、常に公開しなければならないとされています。2項が公開しないことを認めているのは「対審」で、判決については書かれていません。
Q行政機関が、裁判のような判断をすることはできますか?
憲法76条2項後段は、行政機関は、終審として裁判を行うことができないと定めています。終審でなければ、できる余地があります。裁判所法3条2項も、一切の法律上の争訟を裁判するという同条1項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げないと定めています。行政不服審査の仕組みは、この条文と結びついて理解します。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

