行政書士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

行政書士 民法 問92|法人・一般社団法人の基本規律

問題

行政書士 | 民法

民法上の法人に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

ウが誤りです。民法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しており、法人の代表者として職務を行っていたことを理由に個人の責任を免除する規定は民法にありません。アは正しく(民34条・目的の範囲内で権利義務)、イは正しく(民33条1項・法律の規定によらなければ法人は成立しない)、エは正しく(民99条1項・代理行為の効果)、オは正しい(民33条2項)記述です。

ウが誤りです。民法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。主語は「侵害した者」であり、その者が法人の代表者として職務を行っていたかどうかで区別していません。民法には、代表者であることを理由に個人の不法行為責任を免除する規定はなく、「代表者個人は709条の責任を負うことはない」とする記述は誤りです。

アは正しいです。民34条は「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う」と規定しています。

イは正しいです。民33条1項は「法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない」と規定しています(法人法定主義)。

エは正しいです。民99条1項は「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる」と規定しており、本人が法人であっても同様です。

オは正しいです。民33条2項は「学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる」と規定しています。

【理論的背景】

法人とは、自然人以外で法律上の権利能力が与えられた組織体です。民法33条1項は「法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない」と定め(法人法定主義)、法律の根拠なく私人が任意に法人格を創設することはできません。同条2項は、公益目的・営利目的その他の法人の設立、組織、運営及び管理を「この法律その他の法律の定めるところによる」としており、法人の具体的な仕組みは民法以外の個別の法律に委ねられています。現行民法の法人の章は33条から37条までで、38条から84条までは削除されています。

法人自身は意思表示を自ら行うことができないため、代理人(代表者)が法人のためにすることを示して行為し、その効果が法人に帰属します(民99条1項)。他方、代表者が他人に損害を与えた場合、その代表者個人も一人の行為者として、故意又は過失があれば709条の責任を負います。法人という仕組みは、行為者個人の不法行為責任を消す制度ではありません。

【条文構造】

民法の法人規定(民33条〜37条。38条〜84条は削除)の核心を整理します。

民33条1項(法人の成立):法律の規定によらなければ法人は成立しない(法人法定主義)。

民33条2項:公益目的・営利目的その他の法人の設立、組織、運営及び管理は、民法その他の法律の定めるところによる。

民34条(法人の能力):法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

民99条1項(代理行為の要件及び効果):代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接に効力を生ずる。

民709条(不法行為による損害賠償):故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、生じた損害を賠償する責任を負う。

【試験での位置づけ】

行政書士試験の民法総則「法人」から出題される典型論点は、①法人法定主義(民33条1項)、②法人の設立・組織等は民法その他の法律による(同条2項)、③目的の範囲による能力の制限(民34条)、④代表者の行為の効果帰属(民99条)と代表者個人の不法行為責任(民709条)です。「代表者として行動していれば個人の責任は消える」という誤りパターンは典型的な引っかけです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 正しい。民34条の明文規定どおり。法人の権利能力は「法令の規定に従い」「定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内」に限られる。
  • イ: 正しい。民33条1項「法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない」という法人法定主義。
  • ウ: 誤り(正答)。民709条は「侵害した者」に責任を負わせており、代表者であることを理由とする免責規定は民法にない。代表者個人も、故意又は過失によって他人の権利を侵害すれば709条の責任を負う。
  • エ: 正しい。民99条1項の文言どおり。代理人が「その権限内において」「本人のためにすることを示して」した意思表示であれば、本人である法人に直接効力を生ずる。
  • オ: 正しい。民33条2項の文言どおり。法人の設立、組織、運営及び管理の具体的内容は、民法だけでなく「その他の法律」にも委ねられている。

【根拠条文】

民法 第33条第1項・第2項(法人の成立等)、第34条(法人の能力)、第99条第1項(代理行為の要件及び効果)、第709条(不法行為による損害賠償)

【補足】

法人法定主義(民33条1項)、法人の設立・組織等は民法その他の法律による(同条2項)、目的の範囲(民34条)。代表者の行為の効果は99条で法人に帰属するが、代表者個人の709条責任は免除されない。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法 第33条(法人の成立等)、第34条(法人の能力)、第99条(代理行為の要件及び効果)、第709条(不法行為による損害賠償) 現行法(2026年度基準)に準拠し、根拠条文・判例を明記しています。

この問題の関連トピック

  • 法人・一般社団法人の基本規律
  • 頻出度B

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