ITパスポート試験に公式の偏差値はありません。IPA公表の合格率の推移・試験形式・合格基準をもとに、ITパスポートの難易度の見方と、基本情報技術者試験など次の資格との違いを整理します。
目次
結論:ITパスポートにIPA公式の偏差値はありません。難易度の目安になるのはIPAが公表する合格率で、令和3〜7年度は48.6〜52.7%と50%前後です。ITパスポートの合格には、総合評価点600点以上と、3分野それぞれ300点以上の両方が必要です。
この記事でわかること(30秒サマリ)
- ITパスポートに公式の偏差値はないこと
- IPAが公表している合格率の推移(令和3〜7年度)
- 試験形式・合格基準から見た難易度の見方
- 偏差値だけで難易度を判断してはいけない理由
- ITパスポート合格後の「次の資格」を選ぶ考え方
資格の難易度を比較するとき、合格率だけではわからないことがあります。受験者層・試験範囲の広さ・学習にかけられる時間で、体感の難しさは変わるからです。この記事では、偏差値という切り口から、公式に確認できる数字でITパスポートの位置を整理します。
ITパスポートに公式の偏差値はない
IPA(情報処理推進機構)の公開資料には、ITパスポート試験の偏差値は掲載されていません。 民間サイトが示す偏差値は、算出方法や対象の資格が統一されていないため、この記事では「偏差値はいくつ」という数値は示しません。
偏差値の代わりに、公式に確認できる次の情報で難易度を見ていきます。
合格率の推移(IPA公表)
ITパスポート試験の合格率は、IPAのウェブサイトで年度ごとに公表されています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和3年度 | 211,145人 | 111,241人 | 52.7% |
| 令和4年度 | 231,526人 | 119,495人 | 51.6% |
| 令和5年度 | 265,040人 | 133,292人 | 50.3% |
| 令和6年度 | 273,905人 | 134,617人 | 49.1% |
| 令和7年度 | 271,352人 | 132,012人 | 48.6% |
ITパスポート試験の合格率:令和7年度 48.6%(受験者271,352人・合格者132,012人)。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA ITパスポート試験ウェブサイト 統計情報。
合格率は、令和3年度から令和7年度まで、50%前後で推移しています。受験者の約半数が合格している一方で、残りの約半数は合格していません。「誰でも合格できる試験」とは言えない数字です。
試験形式と合格基準(IPA)
- 出題形式:四肢択一。100問、120分(CBT方式)。うち評価の対象は92問で、8問は今後の出題のための問題です。
- 合格基準:総合評価点600点以上(1,000点満点)かつ、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の各分野で300点以上(1,000点満点)。
- 評価点の算出:IRT(項目応答理論)。IPAの試験要綱は「配点割合はない」としています。
記述式や実技はありませんが、合格には「総合600点以上」と「各分野300点以上」の両方が必要です。特定の分野だけ苦手でも、そこで300点を下回ると不合格になります。
他の資格との比較はどう見るか
「FP3級」「簿記3級」「宅建」「行政書士」などとの難易度比較は、民間サイトで多く見かけます。ただし、次の理由で、この記事では他資格の偏差値・合格率・学習時間は並べません。
- 試験の実施団体が異なり、公表している指標(合格率の定義・受験者層)が統一されていない
- 合格率は年度や試験回で変わる。比較するには、それぞれの公式サイトで最新の数字を確認する必要がある
- 受験者層が違うと、同じ合格率でも難しさの意味が変わる
他の資格と比べるときは、それぞれの試験団体の公式サイトで、最新の合格率・試験時間・受験料を確認してください。
基本情報技術者試験との違い(IPA)
同じIPAの試験で比較しやすいのは、基本情報技術者試験(FE)です。
| 項目 | ITパスポート | 基本情報技術者試験 |
|---|---|---|
| 試験形式 | 四肢択一100問・120分 | 科目A:四肢択一60問・90分、科目B:多肢選択式20問・100分 |
| 合格基準 | 総合600点以上かつ各分野300点以上 | 科目A・科目Bともに600点以上 |
| 対象者像(IPA) | ITに関する共通的な基礎知識をもち、担当業務にITを活用していこうとする者 | ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもつ者 |
出典:IPA ITパスポート試験、IPA 基本情報技術者試験。
基本情報技術者試験の科目Bには、アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティの分野の問題があります。プログラムを読む練習が必要になる点が、ITパスポートとの大きな違いです。詳細な比較はITパスポートと基本情報技術者の違いで解説しています。
ITパスポートが「最初の国家資格」に向く理由
理由1:受験手数料と受験のしやすさ
ITパスポートの受験手数料は7,500円(税込)です。
受験手数料:7,500円(税込)。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA スケジュール、手数料など。
試験はCBT方式で、受験者が日程と会場を選んで申し込みます。年に1回だけの試験ではないため、不合格だった場合も再受験の機会があります(再申込は受験日の翌日から可能です)。
なお、IPAは2026年12月28日からCBT試験を休止する予定です。
ITパスポート試験の休止予定:2026年12月28日からCBT試験を休止する予定。2026年9月28日以降の申込では、12月27日までの日程のみ選べる。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA CBT方式の試験の休止について。
理由2:学習内容がビジネス全般に使える
試験範囲は、ストラテジ系(経営・マーケティング・法務)、マネジメント系(プロジェクト管理・サービスマネジメント)、テクノロジ系(情報技術)の3分野です。IT技術だけでなく、経営や法務の基礎も含まれます。
偏差値だけで判断してはいけない理由
理由1:出題範囲が広い
ITパスポートは3分野に複数の小分野があり、経営・IT・法務・セキュリティ・会計などを幅広く問います。「なんとなく知っている」だけでは対応しにくく、体系的な学習が必要です。出題範囲の詳細はITパスポート シラバスVer.6.5の変更点【中小受託取引適正化法の追加と生成AI関連用語】を参照してください。
理由2:シラバスが改訂される
出題範囲を定めるシラバスは改訂されます。現行はVer.6.5(令和8年1月公表)です。古い教材だけで対策すると、新しく追加された用語を学べない場合があります。生成AIに関する用語の扱いはITパスポートの生成AI(公開問題600問で出た5問)で解説しています。
理由3:実務での使い方は偏差値と別の話
偏差値が低い資格だから実務で役立たない、ということはありません。ITの基礎用語を共通言語として、エンジニアと非エンジニアが話す場面などで使えます。資格の「偏差値」と「実務での価値」は別の軸です。
次の資格を選ぶ考え方
ITパスポートに合格した後にどの資格を目指すかは、キャリア目標によって異なります。
- IT系をさらに深めたい:IPAの基本情報技術者試験が自然な次のステップです。科目Bのプログラミングに備える学習が必要です。
- ITと経営・法務を組み合わせたい:IPAの応用情報技術者試験が、基本情報技術者試験の上位区分としてあります。
- 業務で使う分野の資格を取りたい:業界や職種ごとに資格があります。それぞれの試験団体の公式サイトで、試験内容と受験条件を確認してください。
詳しいキャリア展開の考え方はITパスポート取得後のキャリアパス【業界別活用事例と次の資格】で解説しています。
まとめ:偏差値より、公式の数字と自分の目標で選ぶ
ITパスポートに公式の偏差値はありません。IPAが公表している合格率は、令和3〜7年度で50%前後(48.6〜52.7%)です。合格には総合600点以上と各分野300点以上が必要なので、苦手分野を作らない学習計画が大切です。
まずは自分の現在地を把握するために、過去問に挑んでみてください。
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よくある質問
QITパスポートの偏差値はいくつですか?
IPA(情報処理推進機構)の公開資料には、偏差値は掲載されていません。民間サイトの偏差値は算出方法が統一されていないため、この記事では数値を示しません。難易度の目安としては、IPAが公表している合格率(令和7年度は48.6%、受験者271,352人・合格者132,012人)を参照できます。
QITパスポートと基本情報技術者試験はどちらが難しいですか?
IPAは基本情報技術者試験を、ITパスポートより上のレベルの試験区分として位置づけています。試験形式も異なり、基本情報技術者試験は科目A(60問・90分)と科目B(20問・100分)で、科目Bではアルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティの問題が出ます。ITパスポートで学ぶ用語や概念は、科目Aの基礎になります。
QITパスポートは国家資格ですか?
ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の一試験区分で、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。合格者には、経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が交付されます(IPA ITパスポート試験ウェブサイト)。
QITパスポートに合格したら次はどの資格を目指すべきですか?
IT系を深めるなら、IPAの上位区分である基本情報技術者試験が自然な次のステップです。それ以外は、目標とするキャリアや業務で使う分野によって異なります。考え方は、この記事の「次の資格を選ぶ考え方」を参考にしてください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月2日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

