ITパスポート

ITパスポートと基本情報技術者の違い科目B・出題範囲の差と受ける順番

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

ITパスポートと基本情報技術者試験の違いを、IPAの試験要綱・シラバス・推移表で比べます。基本情報にだけある科目B、想定している人、合格率、ITパスポートから進むときに共通の知識と新しく要る知識の表、目的別の受ける順番をまとめます。

目次
  1. 違いは、基本情報にだけある「技能を問う」科目B
  2. 想定している人の違い:ITを使う側か、作る側か
  3. どちらを先に受けるか:目的別の選び方
  4. ITパスから基本情報へつなげる学習:共通の知識と新しく要る知識
  5. 科目Bのアルゴリズムは、ITパスの流れ図の問題から
  6. 迷ったら、ITパスポートの流れ図を解いて決めよう
結論:ITパスポートと基本情報技術者の一番の違いは、基本情報にだけ技能を問う科目B(20問・100分)があることです。ITパスポートは、知識を問う100問の試験です。ITの基礎を広く固めるならITパスポート、ITを作る側に進むなら基本情報が合います。

違いは、基本情報にだけある「技能を問う」科目B

2つの試験の形を、IPAの試験要綱で並べます。

項目ITパスポート基本情報技術者
試験の形100問・120分(四肢択一)科目A 60問・90分、科目B 20問・100分(同じ日に続けて受ける)
問うもの知識科目Aは知識、科目Bは技能
評価する問題92問(ストラテジ系32・マネジメント系18・テクノロジ系42)科目A 56問、科目B 19問
合格基準(各1,000点満点)総合600点以上、かつ3分野それぞれ300点以上科目A・科目Bそれぞれ600点以上
実施方式・受験手数料CBT(随時)・7,500円(税込)CBT(随時)・7,500円(税込)

出典:IPA『情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.5.6』、IPA『スケジュール、手数料など』(2026-10-30確認)

科目Bは、アルゴリズムとプログラミングが16問、情報セキュリティが4問です。擬似言語で書かれたプログラムを読み、動きを追って答えます。

科目Aは単語のテスト、科目Bは長文の読解のようなものです。用語を知っているだけでは、科目Bの問題は解けません。

合格率の推移(令和5〜7年度・単位:%)
合格率はITパスポートが令和5年度50.3%、令和6年度49.1%、令和7年度48.6%。基本情報技術者が令和5年度47.1%、令和6年度40.8%、令和7年度38.3%

出典:IPA「推移表(平成21年度春期以降)」令和8年4月21日現在

基本情報の合格率は、令和5年度から令和7年度で8.8ポイント下がりました。ITパスポートは48〜50%台で推移しています。

合格率・受験手数料・実施の休止:合格率はITパスポートが令和5年度50.3%・令和6年度49.1%・令和7年度48.6%、基本情報技術者が47.1%・40.8%・38.3%(推移表 令和8年4月21日現在)。受験手数料はどちらも7,500円(税込)。IPAは2026年12月28日以降、CBT試験の実施を休止する予定で、申込みで選べる試験日は2026年12月27日までです(試験会場によっては、それより前に休止する場合があります)。2027年1月以降の実施は、2026年秋頃に案内するとしています。最終確認日:2026-10-30。出典:IPA 推移表・IPA スケジュール、手数料など・IPA 2026年5月以降の試験実施について(CBT方式)。

想定している人の違い:ITを使う側か、作る側か

IPAの試験要綱は、2つの試験の対象者像を次のように書いています。

試験対象者像(試験要綱 Ver.5.6)
ITパスポート職業人及びこれから職業人となる者が備えておくべき,IT に関する共通的な基礎知識をもち,IT に携わる業務に就くか,担当業務に対してIT を活用していこうとする者
基本情報技術者IT を活用したサービス,製品,システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者

出典:IPA『試験要綱 Ver.5.6』(2026-07-06公開)

IPAの試験区分の一覧では、ITパスポートは「全ての社会人」が対象の位置にあります。基本情報技術者は、ITを作る人材の入口です。試験要綱では、基本情報技術者試験は共通キャリア・スキルフレームワークのレベル2に相当するとされています。

どちらを先に受けるか:目的別の選び方

ITパスポートの合格は、基本情報を受ける条件ではありません。どちらから受けてもかまいません。目的ごとの目安は次のとおりです(合格ナビの考え方です)。

目的先に受ける試験理由
ITを使う仕事で、基礎を固めたいITパスポート知識の試験で、目的に合う範囲
文系の学生で、IT職を目指すITパスポート→基本情報用語を固めてから、科目Bに時間を回せる
情報系の学生・プログラミング経験者基本情報科目Aの多くを授業や実務で学んでいる
IT未経験から、IT職に転職したいITパスポート→基本情報用語と擬似言語に、2段階で慣れられる
エンジニアとして働いている基本情報実務の知識が、科目Bの読解に生きる

基本情報から始めるか迷うときは、次の3つで決められます。

  • 変数・繰り返し・条件分岐の意味を、説明できるか
  • TCP/IP・DHCPなどのネットワークの用語を、知っているか
  • ITパスポートの流れ図の問題を、時間内に読み解けるか

3つとも当てはまれば、基本情報から始める選択肢があります。1つでも不安なら、ITパスポートで用語を固めてから進めます。

ITパスから基本情報へつなげる学習:共通の知識と新しく要る知識

ITパスポートの知識は、基本情報の科目Aの土台になります。2つのシラバスを読み比べ、共通の知識と新しく要る知識を分けました。

分野共通の知識(両方のシラバスにある)基本情報で新しく要る知識
データベース正規化の必要性、データ操作、トランザクション、ACID特性、デッドロック正規化の目的と手順、SQL文の基本(ITパスポートでは正規化の詳細とSQLの文法は問わない)
ネットワークOSI基本参照モデル(7層)、TCP/IPの4層、IPv4・IPv6、DHCPサブネットマスク、ルーティング、CIDR、ARP
OSOSの機能(仮想記憶は活用例として)タスクのスケジューリング方式(ラウンドロビンなど)、仮想記憶方式、ページング、ページ置換え(LRU・FIFO)
アルゴリズム擬似言語での表現、線形探索・2分探索、選択・バブル・クイックソート、リスト・キュー・スタック・2分木再帰、グラフの深さ優先探索、計算量(オーダー記法)。科目Bで技能として問われる
プロジェクト管理とセキュリティWBS、アローダイアグラム、ガントチャート。共通鍵・公開鍵暗号、ハッシュ関数、PKIEVM、三点見積り、クラッシング、ファストトラッキング。RSA暗号、AES、SHA-256

出典:IPA『ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5』『基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2』を、合格ナビが読み比べ(2026-10-30)

OSI基本参照モデルとPKIは、ITパスポートのシラバスにも入っています。基本情報だけの範囲ではありません。

進め方は、次の3段階が目安です。

1. 科目Aの問題を20問ほど解き、表の右の列のどこで止まるかを確かめる

2. 科目Bの擬似言語を、ITパスポートの流れ図の問題から読み始める

3. 科目Aと科目Bを、本番と同じ時間で通して解く

科目Bの進め方は科目Bのアルゴリズムの記事に、合格後の進路は合格後のキャリアの記事にあります。

科目Bのアルゴリズムは、ITパスの流れ図の問題から

ITパスポートにも、流れ図・擬似言語・探索の問題が出ます。科目Bへの橋渡しに使えます。合格ナビの問題データ(ITパスポート・令和3〜8年度のIPA公開問題600問。集計日 2026-10-30)から選びました。

ITパスポート 令和3年度 問74(流れ図で変数の値の変化を読む)

ITパスポート 令和4年度 問79(流れ図の処理を終えたときの値)

ITパスポート 令和5年度 問69(探索アルゴリズムの特徴)

ITパスポート 令和8年度 問85(関数isPrimeの擬似言語)

基本情報では、同じ考え方が再帰やスタックに広がります。

基本情報 科目Aサンプル問題 問8(再帰的に定義された関数)

基本情報 平成21年度秋期 問5(スタックのpushとpop)

出典:IPA「ITパスポート試験 公開問題」「基本情報技術者試験 サンプル問題・過去問題」

迷ったら、ITパスポートの流れ図を解いて決めよう

ITパスポートと基本情報技術者の一番の違いは、技能を問う科目B(20問・100分)があるかどうかです。ITを作る側に進むなら基本情報、ITの基礎を広く固めたいならITパスポートを先に受けましょう。

迷ったら上のITパスポートの流れ図の問題を解き、時間内に読めれば基本情報から、つまずけばITパスポートから始めます。

一次ソース

(2026-10-30 時点)

最終確認 2026-10-30出典: IPA 情報処理推進機構 — iパス試験情報。受験料・合格率・試験日程・申込締切などの変動する値は、IPAの公式発表で最新情報を必ずご確認ください。

よくある質問

QITパスポートに合格すると、基本情報技術者試験の科目Aは免除されますか?

免除されません。科目Aの免除制度は、IPAに認定された講座を受講し、修了試験に合格する(修了認定の基準を満たす)ことで、科目A試験が免除される制度です。ITパスポートの合格で科目Aが免除される制度ではありません。また、ITパスポートの合格は、基本情報技術者試験を受けるための条件でもありません(確認日:2026-10-30)。出典:IPA 科目A試験免除制度 基本情報技術者試験(FE)。

Q2027年度から試験が変わると聞きました。今の勉強は無駄になりますか?

IPAは、2027年度から新しい試験制度に移る予定です。ITパスポートと基本情報技術者試験のシラバス案(Ver.0.1)も公開しています。案のため、今後変わることがあります。いまの試験を受けるなら、現行のシラバス(ITパスポートVer.6.5、基本情報技術者Ver.9.2)で学びます。出典:IPA 試験制度の見直しについて・IPA 新試験制度のシラバス案について(2026-10-30確認)。

Q2つとも持っている意味はありますか?

2つの試験は、想定している人と問う力が違います。ITパスポートはITの共通的な知識、基本情報技術者は作る人材に必要な知識と技能です。履歴書に両方を書くかどうかに決まりはありません。ITパスポートから受けた人は、基本情報の科目Aの一部を復習から始められます。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月30日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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