高校生・中学生のITパスポート受験を、IPAの案内に沿って解説。受験資格・受験手数料・本人確認書類(学校生徒在籍証明書)・大学入試での扱いの確認方法・情報Iとの関連・学校生活と両立する学習計画の例をまとめます。
目次
結論:高校生・中学生でも、ITパスポートは受験できます。IPAのFAQでは受験資格は特段なく、受験手数料は7,500円(税込)です。顔写真付きの本人確認書類を用意できない場合は学校生徒在籍証明書を使う方法があり、入試での扱いは大学・学部・選考方式で異なるため、志望大学の募集要項で確認してください。
この記事でわかること(30秒サマリ)
- ITパスポートの受験資格と、本人確認書類(学校生徒在籍証明書)
- 大学の推薦・AO入試での扱いを確認する方法
- 高校の情報Iとの関連
- 部活・学校の勉強と両立する3か月の学習プラン例(週6時間モデル)
- 保護者が把握しておくべき費用・当日の注意点
1. 高校生・中学生でもITパスポートは受けられる?
受験資格は特段ない
IPAのFAQでは、ITパスポート試験の受験資格は特段ありません(IPA ITパスポート試験 よくある質問)。申し込みは、iパスWebサイトで利用者IDを登録し、試験日時と会場を選んで行います。
本人確認書類について
試験当日は、有効期限内の顔写真付き本人確認書類(原本)が必要です。パスポート、運転免許証、マイナンバー個人番号カード(顔写真付き)などのほか、中学校・高等学校・大学などが発行した顔写真付きの学生証も使えます。
小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍していて、これらの書類を用意できない場合は、「ITパスポート試験受験用 学校生徒在籍証明書」と、顔写真なしの学生証・生徒手帳・健康保険資格確認書のうち1点を提示する方法があります。詳細は、受験を申し込む前にIPAの案内で確認してください(IPA 試験当日(CBT試験))。
試験の形式と合格率
試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、四肢択一100問・120分です。合格基準は、総合評価点600点以上(1,000点満点)かつ、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の各分野300点以上です。
IPA公表の年度別の合格率は、令和3〜7年度で48.6〜52.7%です。属性別の統計もあり、令和8年度の4〜9月の累計では、高校生の合格率は26.1%(受験者7,877人・合格者2,052人)でした。
令和8年度の高校生の合格率・4〜9月累計:26.1%。最終確認日:2026-10-29。出典:IPA ITパスポート試験ウェブサイト 統計情報。
全体の合格率と比べると、高校生の合格率は低くなっています。学習計画を立てて、過去問で慣れておくことが大切です。差の理由は、公表資料からはわかりません。詳しい合格率はITパスポートの難易度と合格率【文系・初心者でも合格できる理由】で確認できます。
2. 高校生・中学生が取るメリット
大学の推薦入試・AO入試での扱いを確認する
ITパスポートは、IPAが実施する国家試験で、合格すると履歴書や出願書類に記載できます。一方、入試で資格がどう扱われるかは、大学・学部・選考方式によって異なります。この記事では、一律の結論は示しません。
確認のポイントは次の3点です。
- 公募推薦・学校推薦の出願資格に、資格の保有が含まれるか
- AO入試・総合型選抜の評価基準に、資格や活動実績が含まれるか
- 不明な場合は、大学の入試担当に直接問い合わせる
IPAは、大学や高校等での活用事例を公開しています(IPA 大学等における活用事例)。
就職活動・インターンでの実績
高校在学中に国家試験の合格実績があると、学習への取り組みを説明する材料になります。進学後の就職活動やインターンの場面で、「なぜ取ったのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくと伝わりやすくなります。
学校の情報科目との関連
次の節で、情報Iとの関連を説明します。
3. 高校の情報科目(情報I)との関連
共通テストの「情報Ⅰ」
大学入試センターによると、大学入学共通テストでは、令和7年度(2025年1月)から、新教科として「情報Ⅰ」が出題されています(大学入試センター 令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等)。「情報Ⅰ」は、次の4つの領域の内容を踏まえた出題です。
- 情報社会の問題解決
- コミュニケーションと情報デザイン
- コンピュータとプログラミング
- 情報通信ネットワークとデータの活用
ITパスポートとの重なり
ITパスポートのシラバスには、ネットワーク、情報セキュリティ、情報倫理、アルゴリズムと擬似言語などがあります(IPA ITパスポート試験 シラバス)。情報Iの領域と関連する内容があるため、授業の復習に使える場面があります。
ネットワークや擬似言語の出題例には、DNSサーバの役割を選ぶ問題や関数isPrimeを読み取る擬似言語の問題があります。
一方で、ITパスポートには、経営戦略・マーケティング・財務などのストラテジ系や、プロジェクトマネジメントなどのマネジメント系の内容もあります。出題範囲は同じではなく、情報Iの学習だけでITパスポートに合格できるとは言えません。また、ITパスポートの学習が共通テストの得点にどれだけつながるかは、この記事では示しません。
4. 学校生活と両立する3か月の学習プラン例(週6時間×12週)
部活・定期テスト・学校行事がある高校生が、毎日大量の勉強時間を確保するのは現実的ではありません。以下は、週6時間のペースで3か月(合計72時間)取り組む場合の、プランの一例です。学習時間は人によって異なります。
学習タイミングの例
- 通学の電車・バスの中(20〜30分)
- 昼休み・空き時間(10〜15分)
- 帰宅後・入浴前(30〜60分)
- 土日のまとまった時間(2〜3時間)
定期テストの直前は学習を一時停止して、テスト終了後に再開する進め方もあります。夏休み・冬休みは、1日の学習量を増やしやすい時期です。
第1フェーズ(1〜4週目):全体把握と苦手の発見
最初の1か月は、どの分野が得意で、どこが苦手かを知ることが目標です。テキストを最初から読む必要はありません。過去問を解いて、正答率が低い分野を見つけます。
ストラテジ系(経営・財務・マーケティングなど)は、学校で習わない用語が多く登場するため、解説を読む時間を多めに取ります。
第2フェーズ(5〜9週目):分野別の集中学習
苦手な分野を中心に、過去問演習を繰り返します。間違えた問題にしるしをつけて、数日後にもう一度解く「間違い直し」をします。
第3フェーズ(10〜12週目):模擬試験と最終調整
本番と同じ形式(100問・120分)で解く練習をします。IPAは、CBT方式の操作に慣れるための「CBT疑似体験ソフトウェア」を公開しています。時間配分と、わからない問題を飛ばして戻る練習をします。ITパスポートの勉強時間は何時間?期間別の計画も参考にしてください。
5. 保護者が知っておくべき注意点
受験手数料は7,500円(税込)
受験手数料:7,500円(税込)。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA スケジュール、手数料など。
支払い方法は、クレジットカード、コンビニ支払い、バウチャーです。補助制度は、学校や自治体によって異なります。申込み後のキャンセル(手数料の返還)はできません。不合格の場合の再受験は、受験日の翌日から、改めて申し込めます。
ITパスポート試験の休止予定:2026年12月28日からCBT試験を休止する予定。2026年9月28日以降の申込では、12月27日までの日程のみ選べる。最終確認日:2026-10-02。出典:IPA CBT方式の試験の休止について。
試験会場と当日
試験は、全国のCBT会場で実施されます。会場や日程は、IPAの「試験開催状況一覧」で確認できます。会場までの交通手段と所要時間は、事前に一緒に確認しておくと安心です。
試験中の付添い者の試験室への入室はできません(IPA 受験要領)。
合格後の証明書
合格者には、経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が交付されます。合格証書は再発行できません。IPAは、有料で「合格証明書」を発行しています(IPA ITパスポート試験 よくある質問)。
その先のステップとして、基本情報技術者試験(FE)を目指す道もあります。ITパスポートと基本情報技術者の違いも参考にしてください。
まとめ
高校生・中学生がITパスポートを受験する際のポイントは、次の3点です。
- 受験資格は特段ないが、本人確認書類の準備が必要(学校生徒在籍証明書の方法もある)
- 入試での扱いは、志望大学の募集要項で確認する
- 令和8年度(4〜9月累計)の高校生の合格率は26.1%。学習計画を立てて過去問で慣れておく
まずは過去問を解いて、現在の実力と苦手分野を確認するところから始めてみてください。
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よくある質問
Q高校生・中学生でもITパスポートを受験できますか?
IPAのFAQでは、受験資格は特段ありません。小学校・中学校・高等学校などに在籍していて、顔写真付きの本人確認書類(パスポート、運転免許証、マイナンバー個人番号カード、学生証など)を用意できない場合は、「ITパスポート試験受験用 学校生徒在籍証明書」と、顔写真なしの学生証・生徒手帳・健康保険資格確認書のいずれか1点を使う方法があります。詳細は、受験を申し込む前にIPAの案内で確認してください。
QITパスポートは大学受験の推薦・AO入試で有利になりますか?
大学・学部・選考方式によって、資格の扱いは異なります。この記事では、一律の結論は示しません。志望大学の募集要項で、出願資格や評価の対象に資格が含まれるかを確認してください。IPAは、大学・高校等での試験の活用事例を公開しています。
Q高校の情報Iの授業と学習内容は重なりますか?
重なる分野があります。大学入試センターによると、令和7年度(2025年1月)の大学入学共通テストから、新教科として「情報Ⅰ」が出題されています。「情報Ⅰ」は「情報社会の問題解決」「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」の4領域です。ITパスポートのシラバスにも、ネットワーク、情報セキュリティ、情報倫理、アルゴリズムと擬似言語などがあります。ただし出題範囲は同じではありません。
Q部活や学校の勉強と両立してITパスポートに合格できますか?
必要な学習時間は人によって異なります。学校生活と両立するための一例として、週6時間を12週続けるプラン(合計72時間)を、この記事で紹介しています。定期テスト期間は学習量を減らし、夏休みや冬休みにまとめて進める進め方もあります。
Q受験手数料7,500円を自分で払わないといけませんか?
受験手数料は7,500円(税込)です。支払い方法は、クレジットカード、コンビニ支払い(別途の手数料あり)、バウチャーです。受験手数料の補助制度があるかは、学校や自治体によって異なります。担任・進路指導の先生に確認してみてください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

