認定介護福祉士は、認定介護福祉士認証・認定機構が認定する、介護福祉士のキャリアアップの仕組みです。受講要件、養成研修22科目(Ⅰ類13科目・Ⅱ類9科目)、認定から登録・5年ごとの更新までを、機構の公式ページで整理します。
目次
結論:認定介護福祉士は、認定介護福祉士養成研修(全22科目)を修了した介護福祉士が、認定介護福祉士認証・認定機構(日本介護福祉士会内)に認定を申請し、登録を受けて名乗る仕組みです。機構は、これを「介護福祉士のキャリアアップのための仕組み」と説明しています。介護福祉士の国家試験とは別の手続きで、前提は介護福祉士の資格を持っていることです。
この記事は、認定介護福祉士認証・認定機構(以下「機構」)の公式ページ(認定介護福祉士 認証・認定機構)の2026年10月7日時点の内容でまとめています。機構は日本介護福祉士会の中に設置されており、日本介護福祉士会のトップページにも機構のページへのリンクがあります。当サイトは機構・日本介護福祉士会・社会福祉振興・試験センターとは関係のない、独立したサイトです。認定・登録・更新の申請にかかる金額は、機構のページで認定介護福祉士認定規則施行細則を確認するよう案内されているため、この記事では扱いません。
認定介護福祉士とは:介護福祉士の「次」の仕組み
機構の「認定介護福祉士の役割と実践力」のページは、認定介護福祉士を、認定介護福祉士養成研修で修得した介護福祉士のことと説明しています。居住・施設系サービスを問わず、多様な利用者・生活環境に対応して、質の高い介護実践や介護サービスマネジメント、介護と医療の連携強化、地域包括ケアに対応するための考え方や知識、技術を身につけた人です。
介護福祉士との違いを、機構の説明と法令で整理すると次のとおりです。
| 項目 | 介護福祉士 | 認定介護福祉士 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 社会福祉士及び介護福祉士法に定められた国家資格(名称独占) | 機構が認定する、介護福祉士のキャリアアップのための仕組み |
| 得るための手続き | 国家試験に合格などして、登録を受ける | 養成研修の修了後、機構に認定申請し、登録を受ける |
| 運営・認定する機関 | 国家試験の実施と登録の事務は、社会福祉振興・試験センターが厚生労働大臣に代わって行う(センター 資格制度の概要) | 認定介護福祉士認証・認定機構(日本介護福祉士会内) |
| 前提 | - | 介護福祉士の資格を有していること |
| 更新 | 個人の登録に更新の定めはない(詳しくは介護福祉士とは) | 5年ごとに更新の手続きが必要 |
社会福祉士及び介護福祉士法に「認定介護福祉士」という語は出てきません(2026年10月7日、e-Gov法令検索の同法の全文で確認:社会福祉士及び介護福祉士法)。機構は、認定介護福祉士を「介護福祉士のキャリアアップのための仕組み」と説明しています。機構のページで「国家資格」という語が出てくるのは、機構の「設立経緯」のページが引く厚生労働省の告示の中で、介護福祉士などの国家資格の有資格者について、さらに高い専門性を認証する仕組みを設けるとしている部分です。認定介護福祉士は、国家資格である介護福祉士の資格を前提に、機構の認定を受ける仕組みという位置づけです。
認定介護福祉士の役割(機構の説明)
機構のページには、認定介護福祉士の役割が3つ書かれています。
- 事業所や施設の介護サービスマネージャーとして:どのような利用者にも最善の個別ケアを提供するとともに、介護職によるサービス提供チームへの教育、指導、介護サービスマネジメントを行い、サービスの質を向上させる
- 介護サービス提供における連携の中核を担う立場として:医療職、リハビリテーション職などの多職種との連携、協働を強化する
- 地域における介護力向上のための助言・支援者として:家族介護者への支援のほか、地域の施設・事業所、ボランティア、介護福祉士などの介護力を引き出す
機構は、認定介護福祉士の効果として、利用者のQOLの向上、介護と医療の連携強化と適切な役割分担の促進、地域包括ケアの推進を挙げています。
認定介護福祉士になるまでの流れ
機構の「認定介護福祉士になるには」のページは、認定介護福祉士になる流れを6つのステップで示しています。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 | 前提条件(受講要件)を満たす |
| 2 | 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類(13科目)・Ⅱ類(9科目)を受講し、全22科目を修了する |
| 3 | 認定申請書を機構に提出する(介護福祉士登録証の写しと、養成研修修了証の写しを添える) |
| 4 | 機構による審査を経て、認定証の交付を受ける |
| 5 | 認定証を受け取り、登録申請をする(認定証の写しを添える) |
| 6 | 登録証の交付と、認定介護福祉士登録名簿への掲載を受ける。以後は5年ごとに認定更新申請が必要 |
機構の「認定介護福祉士の認定」のページには、養成研修の全過程を修了した介護福祉士は、要件確認(認定申請・認定証の発行)のうえ登録手続き(登録申請)をし、「認定介護福祉士 登録証」が発行され、登録名簿への掲載により、認定介護福祉士となると書かれています。認定証をもらっただけでは、登録が済んだことにはなりません。
認定介護福祉士養成研修の受講要件
認定介護福祉士養成研修の受講要件:介護福祉士の資格を有していること、介護福祉士資格取得後の実務経験5年以上、介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴を有していること、研修実施団体の課すレポート課題または受講試験において一定の水準の成績を修めていること(免除の場合あり)。受講要件のない項目もある。最終確認日:2026-10-07。出典:認定介護福祉士認証・認定機構 認定介護福祉士になるには。
機構のページには、次のことも書かれています。
- 申し込みには、研修実施団体によって、「介護福祉士基本研修」「ファーストステップ研修」の受講が求められることがあります
- そのほか、介護職の小チームのリーダーとしての実務経験があること、居宅と居住(施設系)サービスの両方で生活支援の経験があることが挙げられています
- Ⅰ類は介護福祉士としての実務経験が5年以上、ただし科目によっては実務経験を問わない場合があります
- Ⅱ類は、Ⅰ類を修了していることが要件です
細かい要件は研修実施団体によって扱いが分かれる場合があるため、申し込む団体に直接確認します。介護福祉士の受験資格にある「実務経験3年以上」や実務者研修とは別の話です。実務者研修は介護福祉士の実務者研修で、受験資格は介護福祉士の受験資格で整理しています。
養成研修の中身:Ⅰ類13科目・Ⅱ類9科目
認定介護福祉士養成研修の科目数と時間:Ⅰ類13科目・345時間、Ⅱ類9科目・255時間、合計37単位・600時間(うち課題学習を可とする時間は264時間)。最終確認日:2026-10-07。出典:認定介護福祉士認証・認定機構 認定介護福祉士養成研修について。
機構の「認定介護福祉士養成研修について」のカリキュラム表の領域と科目は、次のとおりです。
| 類 | 領域 | 科目 |
|---|---|---|
| Ⅰ類 | 認定介護福祉士養成研修導入 | 認定介護福祉士概論 |
| Ⅰ類 | 医療に関する領域 | 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅰ、Ⅱ |
| Ⅰ類 | リハビリテーションに関する領域 | 生活支援のための運動学、生活支援のためのリハビリテーションの知識、自立に向けた生活をするための支援の実践 |
| Ⅰ類 | 福祉用具と住環境に関する領域 | 福祉用具と住環境 |
| Ⅰ類 | 認知症に関する領域 | 認知症のある人への生活支援・連携 |
| Ⅰ類 | 心理・社会的支援の領域 | 心理的支援の知識技術、地域生活の継続と家族支援 |
| Ⅰ類 | 生活支援・介護過程に関する領域 | 認定介護福祉士としての介護実践の視点、個別介護計画作成と記録の演習、自職場事例を用いた演習 |
| Ⅱ類 | 医療に関する領域 | 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ |
| Ⅱ類 | 心理・社会的支援の領域 | 地域に対するプログラムの企画 |
| Ⅱ類 | マネジメントに関する領域 | 介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理/チームマネジメント/介護業務の標準化と質の管理/法令理解と組織運営/介護分野の人材育成と学習支援 |
| Ⅱ類 | 自立に向けた介護実践の指導領域 | 応用的生活支援の展開と指導、地域における介護実践の展開 |
機構は、Ⅰ類を、介護福祉士養成課程では学ばない新たな知識(医療、リハビリ、福祉用具と住環境、認知症、心理・社会的支援など)を修得し、他職種との連携・協働を含めた介護実践力を完成させるものとしています。Ⅱ類は、Ⅰ類で学んだ知識をもとに、根拠に基づく自立に向けた介護実践の指導をする力や、チーム、サービス、人材のマネジメントを実践する力を身につけるものとされています。
研修を受けられる場所:研修実施団体
養成研修は、機構が直接開講するのではなく、機構が認証した研修を実施する団体が行います。機構の「研修案内」のページには、認定介護福祉士養成研修を行っている介護福祉士会と、団体ごとの2026年度開講予定の科目が載っています。受講を希望する人は、研修実施団体(介護福祉士会)に問い合わせるよう書かれています。
機構のトップページのニュースには、2026年3月から7月の日付で、研修の受講生募集のお知らせが並んでいます(日本介護福祉士会主催の「認定介護福祉士概論」、静岡県介護福祉士会主催など)。開講する団体・科目・時期は年度ごとに変わるため、この記事には書き写さず、機構のページで最新のものを確認します。
認定後の登録と、5年ごとの更新
認定介護福祉士の更新要件:5年ごとの更新。認定の有効期間中に、実務経験の従業期間が2年間以上かつ従事日数180日以上あること、現任研修や講師等の活動で取得できるポイントを20ポイント以上取得すること。最終確認日:2026-10-07。出典:認定介護福祉士認証・認定機構 認定介護福祉士の更新。
機構の「認定介護福祉士の更新」のページの内容は、次のとおりです。
- 認定介護福祉士として登録されている人は、5年ごとに更新の手続きが必要とされています
- 更新要件の概要は、上の2つ(実務経験の従業期間2年間以上かつ従事日数180日以上、ポイント20ポイント以上)です
- 産休・育休など、やむを得ない事情による長期休業は、従業期間に算入しないことができます
- 必要書類は、認定更新書、更新ポイント集計表、論文、実践レポート抄録用紙などです
- 認定介護福祉士更新研修の修了は、更新申請の要件にもなっています(機構のトップページの説明)
更新研修の開催回数と日程は、機構の「認定介護福祉士の更新」のページで確認します。研修内容が決まり次第、機構から認定介護福祉士へ案内が送られるとされています。
制度ができた経緯
機構の「設立経緯」のページには、次の流れが書かれています。
| 年 | 出来事(機構のページの記載) |
|---|---|
| 2007年 | 法律案に対する附帯決議で、専門社会福祉士・専門介護福祉士の仕組みの検討が求められた。同年8月の厚生労働省の告示(社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針)には、国家資格等の有資格者についてさらに高い専門性を認証する仕組みの構築が盛り込まれた |
| 2011年 | 厚生労働省の検討会の報告書が、職能団体が主役となって認定する仕組み(認定介護福祉士(仮称))を設けることが適当と整理した |
| 2011〜2013年 | 厚生労働省の補助を受け、日本介護福祉士会が事務局となって、検討会の設置とモデル研修を実施した |
| 2015年12月1日 | 一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が設立された |
| 2016年 | 養成研修に係る認証・認定の仕組みの運用を開始した |
| 2022年 | 一般社団法人を解散し、日本介護福祉士会内に認定介護福祉士認証・認定機構を設置した |
機構は、介護福祉士に資質向上の責務が課せられていること、利用者ニーズの多様化や地域包括ケアの推進の中で、介護福祉士のキャリアパスが重要になることを、設立の趣旨として挙げています。介護福祉士の資質向上の責務は、社会福祉士及び介護福祉士法第47条の2に定められています(詳しくは介護福祉士とは)。
介護福祉士の国家試験・登録とのつながり
認定介護福祉士を目指す人の出発点は、介護福祉士の資格を取ることです。国家試験の日程・合格発表・登録は、介護福祉士国家試験 第39回の日程・申込・合格発表にまとめています。
まとめ
- 認定介護福祉士は、機構が認定する、介護福祉士のキャリアアップのための仕組みです。社会福祉士及び介護福祉士法に、この語は出てきません
- 受講要件の最初は、介護福祉士の資格を持っていることです。実務経験5年以上などの要件があり、細かい扱いは研修実施団体で確認します
- 養成研修は、Ⅰ類13科目・Ⅱ類9科目の全22科目(合計37単位・600時間)です。申し込みは、研修を実施する介護福祉士会などへします
- 修了後に機構へ認定申請し、認定証を受け、登録申請をして、登録名簿への掲載で認定介護福祉士となります
- 認定後は、5年ごとの更新が必要です。実務経験の期間・日数と、ポイント20ポイント以上が要件の概要です
本サイトは認定介護福祉士認証・認定機構、日本介護福祉士会、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは関係ありません。掲載している問題は、センターが公表した過去の試験問題に合格ナビが解説をつけたものです。要件・手続・日程は、必ず機構と研修実施団体の発表で確認してください。
よくある質問
Q認定介護福祉士の養成研修は、介護福祉士の資格を持っていなくても受けられますか。
受けられません。認定介護福祉士認証・認定機構の「認定介護福祉士になるには」のページでは、受講要件の最初に「介護福祉士の資格を有していること」が挙げられています。そのほか、介護福祉士資格取得後の実務経験5年以上、介護職員を対象とした現任研修の100時間以上の研修歴、研修実施団体が課すレポート課題または受講試験で一定の水準の成績を修めていること(免除の場合あり)も載っています。受講要件のない項目もあるとされているため、申し込み前に研修を実施する団体へ確認します。
Q認定介護福祉士の養成研修は、全部で何時間ですか。
機構の「認定介護福祉士養成研修について」のページのカリキュラム表では、Ⅰ類(13科目)が345時間、Ⅱ類(9科目)が255時間で、合計は37単位・600時間です。そのうち、課題学習を可とする時間は264時間と表に載っています。認定申請には、Ⅰ類とⅡ類の全22科目を修了する必要があります。
Q認定介護福祉士の認定を受けたあと、更新は必要ですか。
必要です。機構の「認定介護福祉士の更新」のページには、認定介護福祉士として登録されている人は5年ごとの更新の手続が必要とあります。更新要件の概要は、認定の有効期間中に実務経験の従業期間が2年間以上かつ従事日数が180日以上あること、現任研修や講師等の活動で取得できるポイントを20ポイント以上取得することの2つです。産休や育休などやむを得ない事情による長期休業は、従業期間に算入しないことができるとされています。
Q認定介護福祉士の養成研修は、どこに申し込みますか。
機構ではなく、研修を実施している団体(都道府県の介護福祉士会など)に申し込みます。機構の「研修案内」のページには、研修を行っている介護福祉士会の一覧と、団体ごとの2026年度開講予定の科目が載っており、受講を希望する人は研修実施団体へ問い合わせるよう書かれています。開講する科目と時期は団体ごとに違うため、ページの内容を直接確認します。
Q認定介護福祉士の認定申請には、どんな書類が要りますか。
機構の「認定介護福祉士になるには」のページでは、認定申請書、介護福祉士登録証の写し、認定介護福祉士養成研修修了証の写し、認定申請書の別添(金額の記載があるもの)が必要書類として挙げられています。認定証の交付を受けたあとに登録申請を行い、登録証の交付と登録名簿への掲載を受けて、認定介護福祉士となります。申請書の様式と金額は、機構のページと規則で確認します。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

