障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)の目的、対象、自立支援給付と地域生活支援事業、介護給付9種類と訓練等給付7種類、支給決定までの手続きを、e-Gov の条文と試験センターの出題基準で整理します。第39回の試験日は令和9年1月31日です。
目次
結論:障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)は、障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする法律です(1条)。支援は、利用者に支給される「自立支援給付」(6条)と、市町村・都道府県が行う「地域生活支援事業」(77条・78条)に分かれ、自立支援給付のうち介護給付費は9つ、訓練等給付費は7つの障害福祉サービスを対象としています(28条)。障害福祉サービスの支給決定は、市町村が行います(19条)。介護福祉士国家試験の出題基準では、「社会の理解」の中項目「障害者総合支援制度」に当たります。
障害者総合支援法は、利用する立場の人にも、介護の仕事に就く人にも、介護福祉士国家試験を受ける人にも関係する法律です。この記事は、e-Gov 法令検索の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(2026年10月9日時点の現行の版。令和8年10月1日施行の版)と、社会福祉振興・試験センター(以下「センター」)の介護福祉士国家試験 出題基準のページ、厚生労働省の障害福祉サービス等のページをもとに、制度の骨組みを整理します。個人や家族が置かれた具体的な事案(利用できるかどうか、費用がいくらか)への助言はしません。試験の概要は介護福祉士とはの記事と、出題の内訳は出題内訳・合格基準のページで整理しています。
目的と基本理念:1条・1条の2
1条の目的は、冒頭の結論のとおりです。1条の「必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援」に対応して、法律は自立支援給付(6条)と地域生活支援事業(77条・78条)を定めています(当サイトの整理)。
1条の2(基本理念)は、障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、次のことを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない、と定めています。
- 全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること
- どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと
- 障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資すること
対象になる人:4条の定義
4条は、この法律の用語を定義しています。
| 用語 | 条文の定義(要点) |
|---|---|
| 障害者(1項) | 身体障害者福祉法4条に規定する身体障害者、知的障害者福祉法にいう知的障害者のうち18歳以上である者、精神障害者(発達障害者を含み、知的障害者を除く)のうち18歳以上である者、並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病で政令で定めるものによる障害の程度が主務大臣が定める程度である者であって18歳以上のもの |
| 障害児(2項) | 児童福祉法4条2項に規定する障害児 |
| 保護者(3項) | 児童福祉法6条に規定する保護者 |
| 障害支援区分(4項) | 障害者等の障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものとして主務省令で定める区分 |
2条1項1号は、「障害者等」を障害者または障害児と定めています。障害児を対象にした通所や入所の給付(児童福祉法に基づくもの)は、この記事では扱いません。
自立支援給付と地域生活支援事業:6条・77条・78条
6条は、自立支援給付を次の給付の支給と定めています。
- 介護給付費、特例介護給付費
- 訓練等給付費、特例訓練等給付費
- 特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費
- 地域相談支援給付費、特例地域相談支援給付費
- 計画相談支援給付費、特例計画相談支援給付費
- 自立支援医療費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費
- 補装具費
- 高額障害福祉サービス等給付費
地域生活支援事業は、市町村と都道府県がそれぞれ行う事業です。語尾が項ごとに違う点に注意が必要です。
| 条 | 実施主体 | 内容 | 語尾 |
|---|---|---|---|
| 77条1項 | 市町村 | 1号 研修・啓発、2号 自発的活動への支援、3号 相談支援(虐待の防止・早期発見のための連絡調整、権利の擁護のための援助を含む)、4号 成年後見制度の利用に要する費用のうち主務省令で定める費用の支給、5号 後見等の業務を行う人材の育成の研修、6号 意思疎通支援、7号 意思疎通支援を行う者の養成、8号 移動支援事業、9号 地域活動支援センターなどでの創作的活動・生産活動の機会の提供など | 行うものとする |
| 77条2項 | 都道府県 | 市町村の実施体制の整備の状況などを勘案し、関係市町村の意見を聴いて、市町村に代わって1項の事業の一部を行う | 行うことができる |
| 77条3項 | 市町村 | 緊急の事態への対処・備えのための相談・体制の確保、地域生活の体験の機会の提供など(1〜3号) | 行うよう努めるものとする |
| 77条5項 | 市町村 | 福祉ホームでの居室の利用など、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業 | 行うことができる |
| 78条1項 | 都道府県 | 77条1項3号・6号・7号の事業のうち、特に専門性の高い相談支援、特に専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成・派遣、広域的な対応が必要な事業として主務省令で定める事業 | 行うものとする |
障害福祉サービスの種類:5条・28条
5条1項は、障害福祉サービスを「居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助」と定めています。28条は、このうちどれが介護給付費、どれが訓練等給付費の対象かを分けています。
| 区分 | 28条 | 障害福祉サービス |
|---|---|---|
| 介護給付費・特例介護給付費(9つ) | 1項1号〜9号 | 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護(医療に係るものを除く)、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援 |
| 訓練等給付費・特例訓練等給付費(7つ) | 2項1号〜7号 | 自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助 |
5条6項は、「療養介護医療」を、療養介護のうち医療に係るものと定めています。28条1項5号の「(医療に係るものを除く。)」は、この区別と対応しています。就労選択支援は、5条の定義で、就労を希望する障害者または就労の継続を希望する障害者であって、就労移行支援・就労継続支援を受けることや通常の事業所に雇用されることについて、適切な選択のための支援を必要とするものとして主務省令で定める者を対象にしたサービスです。
相談支援は、5条で、基本相談支援、地域相談支援(地域移行支援と地域定着支援)、計画相談支援(サービス利用支援と継続サービス利用支援)に分けられています。障害者総合支援法の条文には、「相談支援専門員」という語の記載がありません(e-Gov 法令検索、2026-10-09 時点)。同法施行規則は、「相談支援専門員」を、指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第28号)3条1項に規定する相談支援専門員としています。出題基準が挙げる「相談支援専門員の役割」は、こうした省令の規定で確認します。
利用の手続き:19〜22条・29条
支給決定までの流れを、条文の順に並べます。
| 順 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 1 | 介護給付費等の支給を受けようとする障害者または障害児の保護者は、市町村の支給決定を受けなければならない | 19条1項 |
| 2 | 支給決定は、原則として障害者または障害児の保護者の居住地の市町村が行う(居住地を有しないときまたは明らかでないときは現在地の市町村)。入所している障害者などについての例外が3項以下にある | 19条2項(3項以下) |
| 3 | 支給決定を受けようとする人は、主務省令で定めるところにより、市町村に申請する | 20条1項 |
| 4 | 市町村は、申請があったとき、職員に面接をさせ、心身の状況、置かれている環境その他主務省令で定める事項について調査をさせる(指定一般相談支援事業者等に委託できる) | 20条2項 |
| 5 | 市町村は、市町村審査会が行う障害支援区分に関する審査及び判定の結果に基づき、障害支援区分の認定を行う | 21条1項 |
| 6 | 市町村は、障害支援区分、介護を行う者の状況、置かれている環境、利用に関する意向などを勘案して、支給の要否の決定(支給要否決定)を行う。必要と認められる場合として主務省令で定める場合には、指定特定相談支援事業者が作成するサービス等利用計画案の提出を求める | 22条1項・4項 |
| 7 | 支給決定を行う場合は、障害福祉サービスの種類ごとに月を単位として主務省令で定める期間において支給する障害福祉サービスの量(支給量)を定める | 22条7項 |
| 8 | 支給決定を行ったときは、支給量などを記載した障害福祉サービス受給者証を交付する | 22条8項 |
| 9 | 支給決定障害者等が、支給決定の有効期間内に、都道府県知事が指定する事業者(指定障害福祉サービス事業者)などから指定障害福祉サービスを受けたとき、市町村は介護給付費または訓練等給付費を支給する。受給者証を事業者等に提示して受けるものとされ、緊急の場合その他やむを得ない事由のある場合は例外 | 29条1項・2項 |
29条3項は、介護給付費または訓練等給付費の額を、1月につき、1号の額(同一の月に受けた指定障害福祉サービス等について、障害福祉サービスの種類ごとに指定障害福祉サービス等に通常要する費用(特定費用を除く)につき主務大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に要した費用(特定費用を除く)の額を超えるときは、現に要した費用の額)を合計した額)から、2号の額(当該支給決定障害者等の家計の負担能力その他の事情をしん酌して政令で定める額。ただし、その額が1号の額の100分の10に相当する額を超えるときは、その相当する額)を控除して得た額とすると定めています。利用者負担の上限などの具体的な金額は、政令で定められており、この記事では扱いません。
市町村の介護給付費等または地域相談支援給付費等に係る処分に不服がある障害者または障害児の保護者は、都道府県知事に審査請求をすることができます(97条1項)。
7条は、自立支援給付について、介護保険法の規定による介護給付などの、政令で定める給付または事業のうち自立支援給付に相当するものを受け、または利用することができるときは、政令で定める限度において、また、その政令で定める給付または事業以外の給付であって国または地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するものが行われたときはその限度において、自立支援給付を行わないと定めています(給付の調整)。どの給付が、どの範囲で調整されるかは、政令で定められており、この記事では扱いません。
実施体制:国・都道府県・市町村と協議会
2条は、この法律の実施についての責務を、市町村(1項)、都道府県(2項)、国(3項)に分けて定めています。
| 主体 | 責務(要点) |
|---|---|
| 市町村(2条1項) | 自立支援給付及び地域生活支援事業を総合的かつ計画的に行うこと。障害者等の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと。意思疎通について支援が必要な障害者等が障害福祉サービスを円滑に利用できるよう必要な便宜を供与すること、虐待の防止・早期発見のために関係機関と連絡調整を行うことその他権利の擁護のために必要な援助を行うこと |
| 都道府県(2項) | 市町村への助言・情報の提供その他の援助。市町村と連携を図りつつ、必要な自立支援医療費の支給及び地域生活支援事業を総合的に行うこと。専門的な知識及び技術を必要とする相談及び指導を行うこと。市町村と協力して権利の擁護のために必要な援助を行うこと |
| 国(3項) | 市町村及び都道府県が行う自立支援給付、地域生活支援事業その他この法律に基づく業務が適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければならない |
2条4項は、国及び地方公共団体は、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に努めなければならない、と定めています。3条は、すべての国民に、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営めるような地域社会の実現に協力するよう努める責務を定めています。
89条の3は、地方公共団体が、関係機関、関係団体、障害者等及びその家族などで構成される協議会を「置くように努めなければならない」(1項)とし、協議会は、情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、地域の実情に応じた体制の整備について協議を行うものとする、と定めています(2項)。
費用については、92条が、介護給付費等の支給に要する費用や、市町村が行う地域生活支援事業に要する費用などを、市町村の支弁とすると定めています。国や都道府県の負担の割合などは、この記事では扱いません。
試験での位置づけ:センターの出題基準
センターの出題基準は、大項目・中項目・小項目の3つの階層で構成されています。センターは、小項目を「中項目に関する事項をわかり易くするために例示した事項」と説明しています。出題は、この出題基準に盛り込まれた事項に限定されず、法律、政省令等に規定されている事項などからも出題される、とも書かれています。
障害者総合支援法は、科目別出題基準(PDF)の「社会の理解」(領域:人間と社会)の次の位置に書かれています。
| 大項目 → 中項目 | 小項目(例示) | この記事で扱う条文 |
|---|---|---|
| 5 障害者福祉と障害者保健福祉制度 → 4)障害者総合支援制度 | 障害者総合支援制度の目的 | 1条・1条の2 |
| 同上 | 障害者総合支援制度の実施体制(国、都道府県、市町村の役割など) | 2条・3条 |
| 同上 | 児童福祉法の実施体制(国、都道府県、市町村の役割など) | 扱いません(児童福祉法の分野) |
| 同上 | 財源と利用者負担 | 29条3項・92条 |
| 同上 | 利用手続き(申請、認定、契約、不服申し立てなど) | 19〜22条・29条・97条 |
| 同上 | 自立支援給付・障害児施設サービスの種類と内容(介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具、障害児通所支援、障害児入所支援など) | 6条・5条・28条(障害児の部分は扱いません) |
| 同上 | サービス事業者、施設 | 29条1項(指定障害福祉サービス事業者) |
| 同上 | 地域生活支援事業 | 77条・78条 |
| 同上 | 地域での実施体制(協議会など) | 89条の3 |
| 同上 | 障害者総合支援制度におけるケアマネジメントと相談支援専門員の役割 | 5条(相談支援) |
第39回介護福祉士国家試験の試験日:令和9年(2027年)1月31日(日曜日)。最終確認日:2026-10-09。出典:社会福祉振興・試験センター 第39回介護福祉士国家試験。
e-Gov には、障害者総合支援法の未施行の改正が載っています。令和9年(2027年)4月1日に施行される改正(令和7年法律第87号・令和8年法律第31号・令和8年法律第51号。それぞれの附則1条の施行日)は、第39回の試験日(令和9年1月31日)より後です。e-Gov の2027年4月1日の版では、2条・6条・19条・77条・89条の3・92条の本文が変わります(この記事が引用した1条・1条の2・3条・4条・5条・7条・20条・21条・22条・28条・29条・78条・97条は、同じです)。このほか、施行日が「政令で定める日」や「民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)の施行の日」とされている改正もあり、e-Gov がこれらを反映した版では、19条・77条の本文も変わります。これらの施行日は、法律の附則では日付で定められていません(2026-10-10 時点)。センターの第39回介護福祉士国家試験の案内ページ、受験の手引(第39回、一部抜粋版)、出題基準のページには、出題の基準とする法令の時点(「○年○月○日現在で施行されている法令」など)の記載がありません(2026-10-09 時点)。出題基準には、出題基準公表後の法改正による制度の重大な変更等、出題基準にない事項であっても、介護福祉士として習得すべき事項については出題することができる、と書かれています。この記事は、2026年10月9日時点の現行の版の条文を扱っています。
試験での問われ方と、間違えやすいポイント
出題の型を、問題文や選択肢は載せずに、条文の言葉で整理します。
- ① 法律の目的・基本理念を問う型(1条・1条の2)
- ② 障害福祉サービスの名称が、介護給付に当たるか、訓練等給付に当たるかを問う型(28条)
- ③ 自立支援給付と地域生活支援事業の区別、市町村と都道府県の役割を問う型(6条・77条・78条)
- ④ 利用手続きの順序と、手続きの主体(市町村)を問う型(19〜22条)
- ⑤ 利用者負担、不服申立てを問う型(29条3項・97条)
- ⑥ 協議会や相談支援を問う型(89条の3・5条)
間違えやすい点は次のとおりです。
- 支給決定を行うのは、原則として、障害者または障害児の保護者の居住地の市町村です(19条2項)。都道府県知事は、事業者を指定し(29条1項)、市町村の処分に不服がある人の審査請求の請求先になります(97条1項)
- 介護給付費の対象は9つ、訓練等給付費の対象は7つです。就労移行支援・就労継続支援・就労選択支援・就労定着支援・自立訓練・自立生活援助・共同生活援助は訓練等給付費、居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・療養介護・生活介護・短期入所・重度障害者等包括支援・施設入所支援は介護給付費です
- 28条1項5号は「療養介護(医療に係るものを除く)」です。医療に係る部分は療養介護医療費(6条)です
- 77条1項は「行うものとする」、3項は「努めるものとする」、5項は「行うことができる」です。語尾の違いは条文を読んで確認します
- 協議会は、地方公共団体が「置くように努めなければならない」と定められています(89条の3第1項)
- 4条の「障害者」は、知的障害者、精神障害者、特殊の疾病による障害の程度が主務大臣が定める程度である者について、それぞれ18歳以上と定め、障害児は児童福祉法4条2項に規定する障害児と定めています
以下は、当サイトが条文をもとに作った例(作例)です。
1. 自分の住んでいる市町村に、障害福祉サービスを申請する場合の手続きは、申請(20条1項)→調査(20条2項)→障害支援区分の認定(21条1項)→支給要否決定(22条1項)→支給量の決定(22条7項)→受給者証の交付(22条8項)の順です
2. 「生活介護」と「就労継続支援」を並べて、どちらが介護給付費か訓練等給付費かを分けるときは、28条1項6号(生活介護)が介護給付費、2項4号(就労継続支援)が訓練等給付費です
この論点の問題を解く
相談先と、法令基準日
個別の利用の可否や費用、手続きについての相談は、この記事ではお答えできません。2条1項2号は、市町村が障害者等の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じる責務を定めています。具体的な申請や相談は、お住まいの市町村の障害福祉の担当窓口にしてください。制度の全体像は、次の厚生労働省のページで確認できます。
この記事が引用した障害者総合支援法の1条・1条の2・2条・3条・4条・5条・6条・7条・19条〜22条・28条・29条・77条・78条・89条の3・92条・97条は、e-Gov 法令検索の2026年4月1日現在の版と、2026年10月9日時点の現行の版で、本文が同じです。当サイトの介護福祉士の問題は、センターが公表した問題に、当サイトが解説をつけたものです。
まとめ
- 障害者総合支援法は、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする(1条)。基本理念は1条の2
- 支援は、自立支援給付(6条)と地域生活支援事業(市町村は77条、都道府県は78条)。77条は項ごとに「行うものとする」「努めるものとする」「行うことができる」と語尾が違う
- 障害福祉サービスは5条1項の16種類。介護給付費は9つ(28条1項)、訓練等給付費は7つ(28条2項。就労選択支援を含む)
- 利用手続きは、市町村に申請(20条)→調査→障害支援区分の認定(21条)→支給要否決定(22条)→支給量の決定・受給者証の交付(22条)。事業者の指定は都道府県知事(29条1項)。審査請求先は都道府県知事(97条)
- 協議会は、地方公共団体が置くように努めなければならない(89条の3)
- 出題基準では、「社会の理解」の中項目「障害者総合支援制度」。第39回の試験日は令和9年1月31日
本サイトは社会福祉振興・試験センターおよび厚生労働省とは関係ありません。条文は e-Gov 法令検索の障害者総合支援法にもとづき、センター・厚生労働省のページの内容は2026年10月9日時点のものです。個別の事情に当てはめた助言は行っていません。
よくある質問
Q障害者総合支援法は、何を目的とした法律ですか?
1条は、障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする、と定めています。障害者基本法の基本的な理念にのっとり、身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・精神保健及び精神障害者福祉に関する法律・児童福祉法その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって行う、とも書かれています。
Q障害福祉サービスには、どんな種類がありますか?介護給付と訓練等給付は何が違いますか?
5条1項は、障害福祉サービスとして16種類を挙げています。28条1項は、介護給付費・特例介護給付費の対象を、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護(医療に係るものを除く)、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援の9つとしています。28条2項は、訓練等給付費・特例訓練等給付費の対象を、自立訓練、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助の7つとしています。9つと7つで、5条1項の16種類になります(当サイトの数え方)。
Q障害福祉サービスを利用するには、どんな手続きが必要ですか?
介護給付費等の支給を受けようとする障害者または障害児の保護者は、市町村の支給決定を受けなければなりません(19条1項)。支給決定を受けようとする人は、主務省令で定めるところにより市町村に申請をします(20条1項)。市町村は、申請があったときは調査を行い(20条2項)、障害支援区分の認定(21条1項)と、支給の要否の決定(22条1項)を行い、支給決定を行うときは支給量を定め(22条7項)、障害福祉サービス受給者証を交付します(22条8項)。具体的な申請は、お住まいの市町村の窓口にしてください。この記事では、個別の利用の可否や費用の判断はできません。
Q自立支援給付と地域生活支援事業は、何が違いますか?
自立支援給付は6条が列挙する給付の支給(介護給付費、訓練等給付費、自立支援医療費、補装具費など)で、利用者が受ける給付です。地域生活支援事業は、市町村については77条、都道府県については78条が定める事業です。77条1項は、市町村が研修・啓発、相談支援、成年後見制度の利用に要する費用の支給、意思疎通支援、移動支援事業、地域活動支援センターなどでの機会の提供など9つの事業を「行うものとする」と定め、3項は別の事業を「行うよう努めるものとする」、5項は福祉ホームなどを「行うことができる」と、語尾を分けています。
Q介護福祉士国家試験では、障害者総合支援法はどこで扱われますか?
社会福祉振興・試験センターの科目別出題基準では、「社会の理解」の大項目「障害者福祉と障害者保健福祉制度」の中項目「障害者総合支援制度」に、目的、実施体制、児童福祉法の実施体制、財源と利用者負担、利用手続き、自立支援給付などの種類と内容、サービス事業者・施設、地域生活支援事業、地域での実施体制(協議会など)、ケアマネジメントと相談支援専門員の役割が小項目として例示されています。出題基準は標準的な出題範囲の例示で、法律・政省令等に規定されている事項からも出題される、とセンターは書いています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月10日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

