介護福祉士の勉強方法を、センターが公表した第36〜38回375問の集計から整理。11科目群ごとの対策、0点の科目群を作らない配分、問題演習にかかる時間の計算、直前期の進め方、無料Webアプリとしての使い方までを、試験センターの一次情報をもとに順に解説します。
目次
結論:介護福祉士国家試験は125問で、合格には「総得点が合格基準点以上」であることに加えて、11の科目群すべてで得点があること(0点の科目群がないこと)が条件です。勉強方法の軸は、①センターが公表した過去問で出題の形に慣れる、②11科目群ごとに得点を数えて弱点を見つける、③間違えた問題を解説で潰す、の3つです。勉強時間は、センターの受験の手引きなどに目安が載っていないため、当サイトで「問題演習に何時間かかるか」を計算して示します(375問を1周すると約31時間・1問5分という仮定つき)。
介護福祉士の試験の形と、科目群ごとの問題数
試験は筆記のみで、第37回(令和6年度)から実技試験は廃止されました。問題は125問、五肢択一を基本とする多肢選択形式です。科目は3パート4領域12科目と総合問題1科目の計13科目で、合否の判定では次の11の科目群にまとめられます(第38回の合格基準及び正答)。
当サイトの介護福祉士の問題は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センター(以下「センター」)が公表した第36〜38回の各125問、計375問です(2026-10-05 集計。科目群ごとの問題数は3回とも同じでした)。当サイトはセンターとは関係がなく、センターが公表した問題に、合格ナビ独自の3段階の解説をつけて掲載しています。
| 科目群(合否判定の単位) | パート | 1回の問題数 | 3回分の問題数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| ①人間の尊厳と自立、介護の基本 | A | 12問 | 36問 | 9.6% |
| ②社会の理解 | A | 12問 | 36問 | 9.6% |
| ③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術 | A | 10問 | 30問 | 8.0% |
| ④生活支援技術 | A | 26問 | 78問 | 20.8% |
| ⑤こころとからだのしくみ | B | 12問 | 36問 | 9.6% |
| ⑥発達と老化の理解 | B | 8問 | 24問 | 6.4% |
| ⑦認知症の理解 | B | 10問 | 30問 | 8.0% |
| ⑧障害の理解 | B | 10問 | 30問 | 8.0% |
| ⑨医療的ケア | B | 5問 | 15問 | 4.0% |
| ⑩介護過程 | C | 8問 | 24問 | 6.4% |
| ⑪総合問題 | C | 12問 | 36問 | 9.6% |
| 合計 | 125問 | 375問 | 100% |
パート別の配点は、Aパート60点・Bパート45点・Cパート20点の125点満点(1問1点)で、上の表のパート別の問題数と一致します。
試験の形・第39回:出題数125問、13科目。試験日は令和9年1月31日(日)、全パートを受験する場合の試験時間は午前(Aパート)10時00分〜11時45分、午後(B・Cパート)13時40分〜15時35分。最終確認日:2026-10-05。出典:社会福祉振興・試験センター 第39回介護福祉士国家試験『受験の手引』。
勉強時間の目安:問題演習にかかる時間を計算する
センターの受験の手引きや合格発表のページには、勉強時間の目安は載っていません。そこで当サイトでは、公的な統計ではなく、「センターが公表した375問を解いて解説を読むと何時間かかるか」を、仮定を明示して計算します。
- 仮定:1問につき「解く+答え合わせ+解説を読む」で平均5分(間違えた問題は長く、自信をもって正解した問題は短くなります。この5分は当サイトの仮定です)
- 1回分(125問):125問×5分=625分、約10.4時間
- 375問(3回分)を1周:375問×5分=1,875分、約31.25時間(1回分の約10.4時間を3倍しても同じ値になります)
試験日までの日数も、同じように計算できます。第39回の試験日(2027-01-31)まで、2026-10-05 時点で118日です(118÷7=約16.9週。以下は17週で割ります)。
| 演習の回し方(例) | 時間の合計 | 17週で割った週あたり |
|---|---|---|
| 375問を1周 | 約31時間 | 約1.8時間 |
| 375問を2周 | 約63時間 | 約3.7時間 |
| 375問を3周 | 約94時間 | 約5.5時間 |
この表は「問題演習だけでかかる時間」です。テキストなどでの知識の確認、受験資格に必要な研修の時間は含まれていません。また、合格に必要な時間は、もともとの知識や実務経験によって人それぞれで、この計算から「何時間で合格できる」とは言えません。計画を立てるための目安としてお使いください。合格基準点の決まり方は介護福祉士の合格点、受験資格は介護福祉士の受験資格で確認できます。
科目群ごとの1周の演習時間(3回分の問題数×5分)は次のとおりです。
| 科目群 | 3回分の問題数 | 1周の演習時間(仮定どおり) |
|---|---|---|
| ①人間の尊厳と自立、介護の基本 | 36問 | 3.0時間 |
| ②社会の理解 | 36問 | 3.0時間 |
| ③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術 | 30問 | 2.5時間 |
| ④生活支援技術 | 78問 | 6.5時間 |
| ⑤こころとからだのしくみ | 36問 | 3.0時間 |
| ⑥発達と老化の理解 | 24問 | 2.0時間 |
| ⑦認知症の理解 | 30問 | 2.5時間 |
| ⑧障害の理解 | 30問 | 2.5時間 |
| ⑨医療的ケア | 15問 | 約1.3時間 |
| ⑩介護過程 | 24問 | 2.0時間 |
| ⑪総合問題 | 36問 | 3.0時間 |
| 合計 | 375問 | 約31.3時間 |
勉強の進め方:4つのステップ
- ①まず直近の1回分(第38回など)を、本番と同じ時間配分で解きます。午前は105分、午後は115分です。
- ②科目群ごとに正答数を数えます。センターも、合否の通知に総得点と各科目群の得点、無得点の科目群を含めています(第38回 合格発表について)。同じ見方を、自分で先に作っておきます。
- ③正答数が少ない科目群と、問題数の多い生活支援技術から、解説を読みながら解き直します。間違えた問題だけでなく、「たまたま正解した」問題も復習の対象にします。
- ④残りの回(第37回・第36回)で、同じ手順をもう一度行い、最後に本番形式で通して解きます。
科目群ごとの対策
ここからは、11科目群ごとの勉強の進め方です。各科目群の下に、当サイトの問題ページ(センターが公表した問題)を3問ほど挙げます。出題される内容の予想ではなく、その科目群がどんな問題かを確かめる入口として使ってください。
①人間の尊厳と自立、介護の基本(1回12問)
介護福祉の土台となる考え方(アドボカシー、ICFの視点など)や、社会福祉士及び介護福祉士法に定められた介護福祉士の義務が問われます。用語は、「その場面で介護福祉職が何をするか」と結びつけて覚えると、選択肢を比べやすくなります。法律の問題は、選択肢が「〜しなければならない」「〜してはならない」と言い切っているかどうかに注意して読みます。
②社会の理解(1回12問)
社会福祉法人、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、保健所、地域包括支援センターなど、制度や機関の役割を問う問題が並びます。「制度の名前→誰が行うか→何をするか」の3点を自分で表にまとめると整理できます。制度は改正されるため、解説の「出題当時の制度に基づく」という注意書きも確認します。障害者総合支援制度の条文は障害者総合支援法の記事で整理しています。
③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術(1回10問)
利用者や家族への関わり方を、場面ごとに選ぶ問題が中心です。要約などの技法の名前と、「具体的にどう言葉を返すか」を対にして覚えます。構音障害など、障害や症状に応じた関わり方も出題されるため、③の問題は⑧障害の理解の知識とも行き来しながら解きます。
④生活支援技術(1回26問)
最も問題数が多く、全体の20.8%を占めます。住まいや室内環境、移乗などの介助の場面で、どの方法が適切かを問われます。文章だけでは動作を思い浮かべにくいので、手順を声に出して順に言えるようにし、間違えた問題は「どの場面の、どの動作か」をメモに残します。勉強時間の配分も、ほかの科目群より厚くするのが自然です。
⑤こころとからだのしくみ(1回12問)
感情、脳、循環器、筋肉、目の構造と働きなど、からだとこころの基本が問われます。暗記になりやすい科目群ですが、「からだのどこが、どう働くか」を日常の動作(立つ、食べる、見る)に結びつけて覚えると、③や④の問題にも役立ちます。
⑥発達と老化の理解(1回8問)
発達課題の考え方、高齢者の心理や性、発達に関わる障害の特徴など、人の一生を通した理解が問われます。問題数は8問と少なめですが、人名のつく理論は選択肢と対応づけて覚える必要があります。人名と、その人が示した内容を1行ずつ書き出しておくと効率的です。
⑦認知症の理解(1回10問)
認知症の原因となる疾患(アルツハイマー型、レビー小体型など)の症状と、行動・心理症状(BPSD)への理解が問われます。「疾患ごとの症状の違い」を一覧表にし、妄想などの症状が出たときの関わり方を、事例に当てはめて考える練習をします。⑪の総合問題にも、認知症の人の事例が使われています。
⑧障害の理解(1回10問)
障害福祉の理念(ソーシャルインクルージョンなど)と、障害や疾患ごとの特徴・症状が問われます。理念の用語は意味を自分の言葉で言い換え、疾患は「どんな症状が出やすいか」を中心に整理します。
⑨医療的ケア(1回5問)
喀痰吸引や経管栄養の手順、実施するときの注意点、トラブルへの対応が問われます。問題数は少ないものの、0点を避けたい科目群です。手順の順序と、「してはいけないこと」を、実際の場面を思い浮かべながら確認します(詳しくは次の見出しで説明します)。
⑩介護過程(1回8問)
生活課題、目標、介護計画の実施など、介護過程の考え方を事例に当てはめて答える問題が多くなっています。当サイトのデータでは、介護過程の24問のうち12問(1回4問)に、複数の設問が共通して読む事例文がついています。事例文を読み取る練習が、そのまま対策になります。
⑪総合問題(1回12問)
全領域の知識と技術を、事例形式で横断的に問う問題です(受験の手引き)。当サイトのデータでは、総合問題の36問すべてに共通の事例文がついています。事例の症状や状況を、認知症の理解やこころとからだのしくみなど、ほかの科目群の知識に結びつける設問があります。②〜⑩の対策が進んでから取り組むと、自分の理解のつながりを確かめられます。
0点の科目群を作らない配分
合格基準は、総得点が基準点以上であること、そのうえで11の科目群すべてで得点があることです(第38回の合格基準及び正答)。つまり、どれか1つの科目群が0点だと、総得点が基準点を超えていても合格になりません。当サイトでは、「得点がある」を「その科目群で1問でも正解している」という意味で読んでいます。
合格基準点:第38回は125点満点中64点以上(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正)。基準点は回ごとに変わります。最終確認日:2026-10-05。出典:社会福祉振興・試験センター 第38回 合格基準及び正答。
0点のリスクを問題数で見ると、問題数が少ない科目群ほど、1問の失点が科目群全体に響きます。表のとおり、⑨医療的ケアは1回5問(全体の4.0%)です。「問題数が少ないから後回し」にすると、5問すべてを落として科目群が0点になるおそれを自分で招くことになります。
配分の考え方の例を挙げます。これは当サイトの考えで、公的な基準ではありません。
- 勉強時間は、問題数にほぼ比例して配分します(表の「1周の演習時間」が参考になります)。生活支援技術が最大です。
- そのうえで、問題数が少ない科目群(⑨医療的ケア5問、③の10問、⑥の8問、⑩の8問)にも、「最低でも1週ごとに1回は触れる」ルールを設けます。
- 模擬的に1回分を解いたとき、どの科目群の正答数が0〜1問に近いかを毎回確認し、その科目群を次の週の最初に回します。
センターが公表した過去問を、当サイトで使う方法
当サイトの介護福祉士は、登録なしで1問目から、第36回・第37回・第38回の各125問を回ごとに解けます(第36回・第37回・第38回)。各問題ページで初級・標準・上級の3段階の解説を読め、自信の記録はこの端末に保存されます。各問題は出題当時の法令・制度に基づくため、最新の制度はセンターの出題基準・合格基準のページなどで確認してください。センターが公表している過去の試験問題の入手先(科目別PDF・音声・ふりがな付き・正答一覧)と利用の決まりは、介護福祉士の過去問はどこで見られる?にまとめています。
科目の範囲は、当サイトのシラバスのページでも確認できます。
無料の過去問アプリ・「アプリだけで合格」はできる?
当サイトは、ストアからインストールするアプリではなく、ブラウザで開いて使う無料のWebアプリです(登録不要、センターが公表した第36〜38回の375問、答えの記録は「この端末」に保存)。「アプリだけで合格できるか」は断定しません。問題演習は出題の形に慣れることと弱い科目群を見つけることに向いていて、見つかった知識の抜けは解説や別の教材で埋める必要があります。実務経験ルートは「実務経験3年以上」だけでは受験できないため(受験資格(資格取得ルート図))、受験資格を満たす学びは別に必要です。
直前期の勉強:本番のペースに慣れる
本番の時間配分は、午前のAパート(60問)が105分、午後のB・Cパート(65問)が115分です。1問あたりにすると、午前は約1.75分、午後は約1.77分、全体では220分÷125問=約1.76分です。勉強のときの1問5分(解説を読む時間を含む)とは別に、直前期には「1問2分以内で選択肢を絞る」感覚も試しておきます。
直前期の例です。
- 試験日の2〜3週前から、第38回・第37回・第36回を、それぞれ本番の時間配分で1回ずつ通して解きます。
- 通したあとは、科目群ごとの正答数を数え、0〜1問に近い科目群があれば、その日のうちに解説を読み直します。
- 「まちがえた」と「たまたま」の問題だけを、試験前日までに1周します。
- 試験日と時間は、センターの案内で最新のものを確認します(上の「試験の形」の表の下にまとめています)。
よくある疑問
独学でも合格できますか
試験は筆記のみで、勉強の形(独学、講座など)に決まりはありません。ただし、受験するには受験資格が必要です。実務経験ルートは「実務経験3年以上」だけでは受験できないため、先に自分がどのルートに当てはまるかをセンターの案内で確認してください。
最短で取る方法はありますか
試験日は回ごとに決まっています(第39回は令和9年1月31日)。受験できるかどうかは受験資格のルートで決まるため、ルートに合わせた準備が最短への第一歩です。試験対策の部分は、いきなり全範囲を読むのではなく、直近1回分を解いて科目群ごとの正答数を数え、弱い科目群から勉強する方法が、遠回りを減らせます。
介護福祉士はどれくらい難しいですか
当サイトは「難しい」「簡単」と断定しません。センターが公表している数字は、次のとおりです。合格率は、受験者の層や合格基準点が回ごとに変わるため、そのまま難しさの指標にはなりません。第1回からの合格率の推移は、同じ資格の記事介護福祉士 合格率の推移で扱っています。
第38回の結果:受験者78,469人、合格者54,987人、合格率70.1%。最終確認日:2026-10-05。出典:社会福祉振興・試験センター 第38回 合格発表について。
ケアマネジャーとどちらが難しいですか
別の試験で、制度も出題内容も異なるため、この記事では比較しません。介護福祉士の試験については、上の表と各回のセンターの公表資料をご覧ください。
よくある質問
Q介護福祉士の勉強は、何から始めればよいですか。
まず第38回など直近1回分の125問を、本番と同じ時間配分(午前105分・午後115分)で解き、11の科目群ごとに正答数を数えます。0点に近い科目群と、問題数の多い生活支援技術を先に確認すると、勉強の順番を決めやすくなります。
Q過去問は何年分、何周すればよいですか。
何周で合格できるという公的な基準はありません。当サイトの375問(第36〜38回)を1周すると、1問5分と仮定して約31時間です。2周なら約63時間、3周なら約94時間で、試験日までの週数で割ると週あたりの時間が決まります。
Q無料アプリだけで合格できますか。
問題演習だけで足りるかどうかは、受験者のもともとの知識や学び方で変わるため、断定できません。演習で間違えた科目群は解説を読み込み、必要なら別の教材で知識を補う、という使い分けが現実的です。
Q介護福祉士とケアマネジャーでは、どちらが難しいですか。
別の試験で、制度や出題の内容が異なります。合格率だけを並べても比べられないため、この記事では優劣をつけません。介護福祉士の試験については、この記事の表と試験センターの案内をご覧ください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

