問題
Aさん(85 歳,女性,要介護1 )は,B住居型有料老人ホームで暮らしている。子どもはなく,親族もいない。Aさんは現在,外部の事業所から訪問介護サービスを週2 回利用している。Aさんは駐車場を経営していて,毎月その収入がある。 最近,C訪問介護員(ホームヘルパー)は,Aさんの居室内の冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん入っていることが多く,気になっていた。ある日,C訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに尋ねると,「近所のスーパーに買い物に行くのが楽しみだが,冷蔵庫の中に何があるのか忘れてしまい,同じものばかり買ってしまう」と答えた。また,「今は,毎月振り込まれる駐車場収入の管理ができているが,今後管理できなくなることが不安だ」と話した。その後,Aさんは,初期のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の診断を受けた。 その後,Aさんは認知症(dementia)が進行することを心配し,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談して,同じ市内のD介護付き有料老人ホームに転居することになった。 転居してから2 年後,Aさんの認知症(dementia)の症状は進行してきた。Aさんの担当となったE介護福祉職はサービス担当者会議で,「現在,Aさんの,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は,ランクⅢaと考えられる。そこで,このランクに合った介護計画を立案したい」と提案し,他職種の承諾を得た。 次のうち,Aさんの介護計画立案時にE介護福祉職が意識する,認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅲaに該当する状態として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題118
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「日中を中心に意思疎通の困難さがみられ,介護を必要とする状態」です。
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、症状の程度に応じてランクⅠ〜Mで分けられます。ランクⅢは「日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さがみられ、介護を必要とする状態」で、その中でもⅢaは「主に日中」にこうした状態がみられるランクです。
たとえるなら、認知症の症状が進んで、昼間の時間帯を中心に、意思疎通が難しくなり介護が必要になってきた段階です。
👉 覚え方:ランクⅢa=日中中心に意思疎通が困難・介護が必要。ⅢbはⅢの症状が主に夜間。
ほかの選択肢:1日常生活が自立している状態はランクⅠやそれ以前の段階の説明/2見守りがあれば自立できる状態はランクⅡの説明/4意思疎通の困難さが頻繁で常に介護が必要な状態はランクⅣの説明/5専門医療の導入が必要な状態はランクMの説明。
なぜこれが正解か
正解は3。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクⅢは、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが「たびたびみられ」、介護を必要とする状態を指し、その中でもⅢaは、こうした状態が「主に日中を中心に」みられる場合に該当する区分であり、E介護福祉職がAさんの状態として想定しているランクⅢaに合致する。
各選択肢の解説
- 1 日常生活が自立している状態は、認知症の症状がみられないか、あってもごく軽微でランクの対象外となる段階の説明であり、症状が進行しているAさんの現状とは異なる。
- 2 見守りがあれば自立できる状態は、ランクⅡ(家庭外や家庭内でランクⅡa・Ⅱbに分かれる、何らかの支障はあるが見守りにより自立できる程度)の説明であり、Aさんの現状(意思疎通の困難さ、介護が必要)よりも軽い段階である。
- 4 意思疎通の困難さが頻繁にみられ、常に介護を必要とする状態は、ランクⅣ(Ⅲよりさらに症状・行動が頻繁にみられ常に介護を必要とする状態)の説明であり、E介護福祉職が想定しているランクⅢaよりも重い段階である。
- 5 専門医療の導入が必要な状態は、著しい精神症状や周辺症状、身体疾患がみられ専門医療を要するランクMの説明であり、Aさんの現状とは異なる。
覚え方・ひっかけ注意
認知症高齢者の日常生活自立度は、Ⅰ(自立)→Ⅱ(見守りで自立、a=家庭外中心/b=家庭内にも)→Ⅲ(介護が必要、a=日中中心/b=夜間にも)→Ⅳ(常に介護が必要)→M(専門医療が必要)という段階的な構造を持つ点を体系的に整理しておく。
理論的背景
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、厚生労働省が定める評価尺度であり、認知症の症状の程度と日常生活における介護の必要度を、ランクⅠ(何らかの認知症を有するが日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している)、ランクⅡ(日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少みられても、誰かが注意していれば自立できる、a=家庭外で主にみられる/b=家庭内でもみられる)、ランクⅢ(日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さがみられ、介護を必要とする、a=主に日中を中心として/b=夜間を中心として)、ランクⅣ(日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられ、常に介護を必要とする)、ランクM(著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患がみられ、専門医療を必要とする)の5段階(一部さらに細分)で判定する。介護保険の要介護認定調査や、介護計画(ケアプラン)の立案において、このランクを踏まえた具体的な支援内容の検討が行われる。E介護福祉職がAさんをランクⅢaと判断し、それに応じた介護計画を立案しようとする場面は、アセスメントの結果を具体的な支援計画に反映させる実践の一例である。
試験での位置づけ
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、認知症の理解領域・介護過程領域・総合問題で頻出する評価尺度。ホーエン・ヤール重症度分類(パーキンソン病、第37回 問114)と同様、段階ごとの状態像を正確に区別し、事例の記述と対応づけられるようにしておくことが重要。
選択肢の発展補足
ランクの判定は、単に「症状の重さ」を測るだけでなく、多職種でのサービス担当者会議(本問の場面)における共通言語として、介護計画の方向性を関係者間で共有する役割も果たしている。
上位資格・発展
介護支援専門員の実務では、認知症高齢者の日常生活自立度に加え、障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準も組み合わせて、要介護認定調査や介護報酬の加算要件(認知症加算等)の判断に活用される。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題118です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

