問題
Aさん(42 歳,男性)は,知的障害がある。父親(72 歳)と二人暮らしをしている。 半年前,Aさんに血便がみられたため病院を受診したところ,大腸がん(colorectal cancer)と診断され,S状結腸ストーマを造設した。パウチの交換に支援が必要となり,退院後は父親が自宅で介護をしていた。父親の介護負担が大きくなったため,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。 ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんから,「今度,父親と温泉に行くことになったが,便のにおいが気になる」と相談があった。 次のうち,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんに勧める食品として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題121
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「ヨーグルト」です。
Aさんは、父親との温泉旅行を前に、便のにおいが気になると相談しました。ヨーグルトは腸内環境を整える発酵食品で、便のにおいを抑える効果が期待できる食品として知られています。
たとえるなら、腸の中の環境を整えることで、においのもとを減らしてくれる食品を選ぶイメージです。
👉 覚え方:便のにおいが気になる時=ヨーグルト等、腸内環境を整える食品を勧める。
ほかの選択肢:1チーズ・2たまねぎ・4にら・5アスパラガスは、いずれも便やガスのにおいを強めやすい食品(においの強い食品や、ガスを発生させやすい食品)として知られており、今回の相談内容(においを抑えたい)には合わない選択。
なぜこれが正解か
正解は3。「便のにおいが気になる」というAさんの相談に対し、ヨーグルトのような発酵食品(乳酸菌等の善玉菌を含む食品)を勧めることは、腸内環境を整え、腸内での便やガスの分解に伴う不快なにおいの発生を抑える効果が期待できるため、最も適切な助言である。
各選択肢の解説
- 1 チーズは、発酵食品ではあるが、熟成の過程で生じる独特の匂い成分を含むものが多く、便のにおいを抑える食品としては積極的に推奨されにくい。
- 2 たまねぎは、硫黄化合物を多く含み、腸内で分解される過程でにおいの強いガスを発生させやすい食品として知られており、においを抑えたいという今回の相談内容には合わない。
- 4 にらは、たまねぎと同様に硫黄化合物(アリシン等)を多く含み、腸内でのガス発生・においの原因になりやすい食品である。
- 5 アスパラガスは、消化の過程で特有のにおい成分(メチルメルカプタン等)を生じやすい食品として知られ、便やガスのにおいを強める可能性がある。
覚え方・ひっかけ注意
ストーマを造設した利用者への食事に関する助言では、①便のにおいを強めやすい食品(ねぎ類、にんにく、豆類等)を控える、②においを抑える効果が期待できる発酵食品(ヨーグルト等)や消臭効果のある食品を積極的に取り入れる、という2つの視点をセットで理解しておく。
理論的背景
消化管内で分解された食物残渣(便)のにおいは、主に腸内細菌による発酵・腐敗の過程で発生する硫化水素、メタンチオール、インドール、スカトール等の物質によって生じる。たまねぎ、にら、にんにく等のネギ属野菜や、アスパラガス等の一部の野菜には、硫黄化合物が多く含まれており、腸内細菌による分解の過程で、これらのにおいの強いガスが発生しやすくなる。一方、ヨーグルトのような発酵食品には乳酸菌等の善玉菌が含まれており、これらが腸内で優勢になることで、悪玉菌による腐敗・発酵で生じる有害なガス・においの発生を抑制する効果が期待される。ストーマを造設したAさんにとって、便やガスのにおいは、パウチ(便を受け止める装具)からの漏れやにおいへの不安として、外出や社会参加(今回は父親との温泉旅行)を躊躇させる要因になりうるため、食事の工夫を通じてこうした不安を軽減する支援は、Aさんの生活の質(QOL)を支える上で重要な意味を持つ。
試験での位置づけ
ストーマケアにおける食事の配慮は、こころとからだのしくみ領域・生活支援技術領域・総合問題を横断する応用的なテーマ。第38回 問120(ストーマの造設部位による便の性状の違い)とあわせて、ストーマを持つ利用者への総合的な生活支援の視点を身につけておくことが重要。
選択肢の発展補足
においへの対策として、食事の工夫に加え、消臭効果のあるパウチや脱臭フィルターの活用、こまめなパウチ交換といった用具面での対応も、あわせて助言できるとより実践的な支援となる。
上位資格・発展
管理栄養士の専門領域では、ストーマを持つ人への食事指導について、においの管理だけでなく、ガスの発生を抑える食品、便秘・下痢を予防する食物繊維の摂取バランス等、より体系的な栄養管理の視点が扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題121です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

