介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題122総合問題

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・総合問題

Aさん(42 歳,男性)は,知的障害がある。父親(72 歳)と二人暮らしをしている。 半年前,Aさんに血便がみられたため病院を受診したところ,大腸がん(colorectal cancer)と診断され,S状結腸ストーマを造設した。パウチの交換に支援が必要となり,退院後は父親が自宅で介護をしていた。父親の介護負担が大きくなったため,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。 ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪問したところ,Aさんの父親から,「地震のニュースを見たら,知的障害があり,ストーマの管理が必要な息子に対する災害時の対応が心配になった」と相談があった。訪問介護員(ホームヘルパー)は,相談支援専門員に状況を報告し,相談支援専門員とともにほかの利用者家族に確認したところ,同様に災害時の不安を感じている親が多く,この地域では個別避難計画の作成が遅れていることがわかった。そこで,訪問介護員(ホームヘルパー)はこの課題を地域の課題としてとらえ,サービス提供責任者や相談支援専門員とともに対応することを確認した。 次のうち,この地域課題の検討を働きかける場として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 (注) 「協議会」とは,障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第89 条の3 第1 項に規定するものである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題122

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは1「協議会」です。

訪問介護員が把握した「災害時の個別避難計画の作成が地域で遅れている」という課題は、Aさんだけの問題ではなく、地域全体の障害福祉に関わる課題です。こうした地域課題を関係機関が話し合う場として、障害者総合支援法に基づいて市町村等に置かれる「協議会」があります。

たとえるなら、一人の困りごとから見えてきた地域全体の課題を、関係する人たちみんなで話し合う会議の場です。

👉 覚え方:地域の障害福祉に関する課題の検討の場=(自立支援)協議会。

ほかの選択肢:2運営適正化委員会は福祉サービス利用者からの苦情解決等を扱う機関で地域課題の検討とは異なる目的/3介護保険審査会は介護保険の要介護認定等への不服申立てを審査する機関で今回の相談内容とは異なる/4障害者政策委員会は国レベルで障害者基本計画の実施状況等を監視する機関で市町村レベルの地域課題の検討の場ではない/5地方更生保護委員会は仮釈放等の審査を行う機関で福祉的な地域課題の検討とは無関係。

なぜこれが正解か

正解は1。訪問介護員が把握した「知的障害があり医療的な管理(ストーマ管理)が必要な人の災害時の個別避難計画の作成が地域で遅れている」という課題は、一利用者にとどまらない地域全体の障害福祉に関わる課題であり、こうした地域課題を関係機関が共有し、対応を検討する場として、障害者総合支援法第89条の3第1項に規定される「(自立支援)協議会」が最も適切である。

各選択肢の解説

  • 2 運営適正化委員会は、社会福祉法に基づき、福祉サービス利用者からの苦情の適切な解決を支援する機関であり、地域全体の課題(災害時対応の遅れ)を検討する場ではない。
  • 3 介護保険審査会は、介護保険法に基づき、要介護認定等の処分に対する不服申立てを審査する機関であり、障害福祉サービスの地域課題を検討する場ではない。
  • 4 障害者政策委員会は、障害者基本法に基づき、国レベルで障害者基本計画の実施状況を監視する機関であり、市町村レベルの地域課題を検討する場としては規模・性格が異なる。
  • 5 地方更生保護委員会は、更生保護法に基づき、仮釈放の許可等を審査する法務省所管の機関であり、福祉的な地域課題の検討とは全く異なる分野の機関である。

覚え方・ひっかけ注意

「個別のケースから見えてきた地域課題を、関係機関で共有し検討する場」というキーワードから、障害者総合支援法に基づく(自立支援)協議会を想起できるようにしておく。地域包括支援センターの地域ケア会議(高齢者領域)と、協議会(障害福祉領域)の役割の類似性・対比も押さえておくと理解が深まる。

理論的背景

(自立支援)協議会は、障害者総合支援法第89条の3第1項に基づき、地方公共団体が、地域における障害者等への支援体制の整備を図るため、関係機関、関係団体、障害者等及びその家族、障害福祉・医療・教育・雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者により組織するものとされている。個々の相談支援専門員や訪問介護員が現場で把握する個別のケース(今回のAさん家族の災害時対応への不安)を、単なる個人の問題として処理するのではなく、同様の課題を抱える他の利用者・家族の存在(本事例で相談支援専門員が確認した「同様に不安を感じている親が多い」という状況)とあわせて地域全体の構造的な課題として捉え直し、協議会という関係機関が集う場に上げていくプロセスは、ソーシャルワークにおける「ミクロ(個人)からメゾ(地域)・マクロ(政策)への展開」の実践例として理解できる。個別避難計画の作成促進など、災害時における要配慮者支援の体制整備は、近年、地域の障害福祉・高齢福祉において重要性が高まっている政策課題である。

試験での位置づけ

協議会の役割・地域課題の検討プロセスは、社会の理解領域・介護過程領域・総合問題を横断する応用的なテーマ。第36回 問125(計画相談支援)とあわせて、個別支援と地域づくり(ソーシャルアクション)を結びつける視点を養っておくことが、総合問題での的確な判断につながる。

選択肢の発展補足

訪問介護員が個別のケースから地域課題に気づき、サービス提供責任者や相談支援専門員と連携して協議会へとつなげていくプロセスは、現場の最前線にいる介護職が地域づくりの一翼を担うことを示す重要な事例であり、介護福祉士の役割の広がりを示している。

上位資格・発展

社会福祉士の実務では、こうした地域課題の発見から、協議会等の場での政策提言、地域資源の開発(社会資源の創出)に至るコミュニティワーク・ソーシャルアクションの手法が、より体系的な理論と技術として扱われる。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題122です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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