問題
次の記述のうち,右片麻痺のある利用者に対する,仰臥位(背臥位)から車いすへの移乗の介護として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題39
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは5「移乗するときは,利用者に前傾姿勢をとるように促す」です。
車いすなどに移乗するときは、上体を前に傾ける(前傾姿勢をとる)ことで、体の重心が足元に近づき、立ち上がりやすく、また移乗もスムーズに行えるようになります。
たとえるなら、お辞儀をするように少し前かがみになることで、体が動かしやすくなるイメージです。
👉 覚え方:移乗時は前傾姿勢で重心を足元に近づける。
ほかの選択肢:1起き上がるときは患側(右)ではなく健側(左)を下にして起き上がるのが基本/2端座位になった利用者の左側(健側)ではなく右側(患側)に立ち、患側を支える/3車いすは端座位の利用者の患側(右)ではなく健側(左)に置き、健側に向かって移乗するのが基本/4車いすのフットサポートは移乗の妨げにならないよう、下げたままではなく上げておく(または外しておく)。
なぜこれが正解か
正解は5。仰臥位から車いすへの移乗の際、利用者に前傾姿勢(お辞儀をするように上体を前に倒す姿勢)をとってもらうことで、重心が足元に近づき、立ち上がり・移乗動作がよりスムーズかつ安全に行える。
各選択肢の解説
- 1 仰臥位から起き上がる際は、力の入りやすい健側(左側)を下にして側臥位になり、健側の腕を使って起き上がることが基本であり、患側(右)を下にすることは適切でない。
- 2 端座位になった利用者を支える介護福祉職は、健側(左側)ではなく患側(右側)に立ち、バランスを崩しやすい患側を支える必要がある。
- 3 車いすは、端座位になった利用者の患側(右側)ではなく、健側(左側)に置き、利用者が健側の力を使って移乗できるようにするのが基本である。
- 4 車いすのフットサポート(足を乗せる部分)は、移乗時に足が引っかかったりぶつかったりするのを防ぐため、下げたままにせず、上げておく(またはあらかじめ外しておく)必要がある。
覚え方・ひっかけ注意
片麻痺のある利用者の移乗介助は、「起き上がりは健側を下に」「介護者は患側に立つ」「車いすは健側に置く」「フットサポートは上げておく」「移乗時は前傾姿勢」という一連の原則をセットで覚える。第36回 問84(立ち上がり)、37-86(起き上がり)と一貫した「健側を活用し、患側を保護する」原則の実践例として理解する。
理論的背景
片麻痺のある利用者の移乗介助は、健側の残存機能を最大限に活用しながら、支持性の低い患側を介護者が保護・支援するという一貫した原則に基づいて行われる。前傾姿勢を促す介助は、人間の自然な立ち上がり動作(重心を足元の上に移動させてから立ち上がる)を踏まえたものであり、この動作を促すことで、少ない介助力で安全に移乗を実現できる(ボディメカニクスの活用)。車いすを健側に配置することで、利用者は健側の手でアームレストや車輪をつかみ、健側の脚で体重を支えながら回転・着座する動作を、自身の力を使って主体的に行うことができる。これらの一連の技術は、全介助ではなく、利用者の残存能力を最大限活かす「自立支援型の移乗介助」の考え方に基づいている。
試験での位置づけ
片麻痺のある利用者の移乗介助は、生活支援技術領域の最頻出テーマの一つ。第36回 問84(立ち上がり)、37-86(起き上がり)とセットで、身体の各動作場面(起き上がり、立ち上がり、移乗、歩行、着脱、入浴)における「患側・健側」の役割分担の原則を、統一的に理解しておくことが極めて重要である。
選択肢の発展補足
移乗介助においては、利用者と介護者の距離を近づける(重心を近づける)ことも、少ない力で安全に移乗を行うための重要なボディメカニクスの原則であり、前傾姿勢の活用とあわせて実践される。
上位資格・発展
リハビリテーション医学の分野では、移乗動作の運動学的分析(重心移動、支持基底面の変化)に基づく、より専門的な移乗技術の指導が行われる。介護福祉士としては、こうした基本原則を確実に体で覚え、利用者ごとの身体状況に応じて安全な移乗介助を実践することが求められる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題39です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

