介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題81認知症の理解

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・認知症の理解

次の記述のうち,認知症(dementia)のある人にみられる妄想の説明として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題81

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは5「身体的疾患がないにもかかわらず,自分が病気だと思い込むのは,心気妄想である」です。

「心気妄想」とは、実際には病気ではないのに「自分は重い病気にかかっている」と強く思い込んでしまう症状です。

たとえるなら、健康診断で異常がないと言われても、「絶対どこか悪いはずだ」と信じ込んでしまう状態です。

👉 覚え方:病気でもないのに病気だと思い込む=心気妄想。

ほかの選択肢:1しまい忘れて誰かが盗んだと思い込むのは嫉妬妄想ではなく「物盗られ妄想」/2孫に会ったのに会わせてもらえないと主張するのはカプグラ症候群ではなく記憶障害に基づく思い込み/3ケアマネと妻の様子から浮気相手だと疑うのは幻の同居人ではなく「嫉妬妄想」/4家族が偽物と入れ替わっていると主張するのは被害妄想ではなく「カプグラ症候群」。

なぜこれが正解か

正解は5。心気妄想は、実際には身体的な疾患がないにもかかわらず、自分が重い病気にかかっていると強く思い込む妄想であり、選択肢の説明はこの定義に正しく合致している。

各選択肢の解説

  • 1 自分でしまい忘れた物が見つからず誰かに盗まれたと思い込む症状は「物盗られ妄想」であり、「嫉妬妄想」(配偶者の浮気を疑う妄想)とは異なる。
  • 2 孫と実際に会って話をしたにもかかわらず、会わせてもらえていないと主張するのは記憶障害(面会したこと自体を忘れる)に基づく思い込みであり、「カプグラ症候群」(身近な人が偽物に入れ替わったと確信する症状)とは異なる。
  • 3 妻が他の人(ケアマネジャー)と話しているのを見て浮気相手だと疑うのは「嫉妬妄想」に該当し、「幻の同居人」(家に別の人が住んでいると確信する症状)とは異なる。
  • 4 家族など身近な人がよく似た偽物と入れ替わっていると主張するのは「カプグラ症候群」(替え玉妄想)であり、「被害妄想」(危害を加えられるという思い込み)とは異なる。

覚え方・ひっかけ注意

認知症の妄想の種類(物盗られ妄想=物を盗まれた、嫉妬妄想=配偶者の浮気、被害妄想=危害を加えられる、心気妄想=自分が病気、カプグラ症候群=身近な人が偽物に入れ替わり、幻の同居人=家に見知らぬ人がいる)は、それぞれ独自の名称と内容が一対一で対応しており、本問のように名称と内容を入れ替えるひっかけが頻出する。表にまとめて正確に覚える必要がある。

理論的背景

認知症にみられる妄想は、記憶障害や見当識障害といった認知機能の低下を背景に、不安・喪失感・自己の存在価値の低下といった心理的要因が絡み合って形成されるとされる。物盗られ妄想は、記憶障害により自分がしまった場所を忘れ、その不安を「誰かに盗まれた」という形で解消しようとする心理的機制(身近な介護者が疑われやすい)が指摘される。カプグラ症候群は、顔の認識(視覚情報処理)と、その人物に対する情動的な親密さの感覚(扁桃体等を介する情動処理)が脳内で乖離することにより、「顔は同じだが別人だ」という確信に至るという神経心理学的な説明がなされている。

試験での位置づけ

認知症の妄想の分類は認知症の理解領域の最頻出テーマの一つ。第36回 問44(嫉妬妄想の事例)とあわせて、各妄想の名称・定義・具体例を正確に一対一対応させて覚えることが、本問のような複数の妄想が並列で示される出題形式への対策として不可欠。

選択肢の発展補足

物盗られ妄想は主たる介護者(多くは同居の家族)が疑われやすいという特徴があり、介護者にとって精神的な負担が大きい症状の一つとされる。対応としては、妄想の内容を否定・説得しようとせず、本人と一緒に探す、日頃から物の置き場所を決めておく等の工夫が実践される。

上位資格・発展

老年精神医学の分野では、これらの妄想症状に対する薬物療法(抗精神病薬の使用基準とリスク)と非薬物療法(環境調整、パーソン・センタード・ケア)の使い分けがより専門的に扱われる。介護福祉士としては、妄想の種類を正確に理解し、その背景にある心理的要因を踏まえた関わり方を工夫することが実践的に重要である。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題81。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題81です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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