介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題90認知症の理解

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・認知症の理解

Aさん(88 歳,女性)は,4 年前に,認知症(dementia)と診断された。在宅で長男が介護している。Aさんは,3 か月前から,何度もトイレ以外で排泄しようとする様子がみられた。長男が繰り返しトイレの場所を教えているが,状態は変わらない。長男はAさんに対して,「何回,同じことを言ったら,わかるんだ」と大声でどなってしまい,その後で落ち込むようになった。また,長男は,「認知症(dementia)がいつまで続くのか」「自分に何か問題があったのではないか」と言って,自分を強く責めている。 次のうち,Aさんの認知症(dementia)を長男が受け入れる過程と考えた場合,このときの長男の心理的特徴に該当する段階として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題90

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは3「混乱期」です。

長男は、Aさんに何度も同じことを言っても状態が変わらないことに大声を出してしまい、その後で落ち込み、「自分に問題があったのでは」と自分を責めています。この、感情が揺れ動き、自分を責めたり戸惑ったりする状態は「混乱期」に特徴的な心理です。

たとえるなら、どうしていいかわからず、感情のコントロールが難しくなっている状態です。

👉 覚え方:怒ってしまい、その後落ち込んで自分を責める=混乱期。

ほかの選択肢:1ショック期は診断直後の強い衝撃を受ける段階/2否認期は病気であることを認めたくない段階/4解決への努力期は前向きに対処法を模索し始める段階/5受容期は状況を受け入れ落ち着いて向き合えるようになった段階。

なぜこれが正解か

正解は3。家族が認知症の家族を受け入れていく心理的プロセスにおいて、長男が「何回同じことを言ったらわかるんだ」と怒りをぶつけてしまい、その後に自責の念や先の見えない不安(「いつまで続くのか」「自分に問題があったのでは」)を抱く様子は、感情が大きく揺れ動き、戸惑いと自責を繰り返す「混乱期」の特徴的な心理状態を示している。

各選択肢の解説

  • 1 ショック期は、認知症の診断を受けた直後等、強い衝撃を受ける最初の段階であり、本事例の長男の状態(診断から4年経過し、日々の対応の中で苦悩している状態)とは異なる。
  • 2 否認期は、認知症であるという事実を受け入れられず、否定しようとする段階であり、本事例の長男は既に認知症であることを前提に対応に苦慮している状況であり、この段階とは異なる。
  • 4 解決への努力期は、混乱を乗り越え、対処方法を前向きに模索し始める段階であり、本事例の長男はまだ怒り・自責の感情の中で混乱している段階であり、ここまでは至っていない。
  • 5 受容期は、状況を受け入れ、認知症とともにある生活を落ち着いて受け止められるようになった段階であり、本事例の長男の心理状態とは異なる。

覚え方・ひっかけ注意

家族の受容過程の5段階(ショック期→否認期→混乱期→解決への努力期→受容期)を、それぞれの心理的特徴(衝撃、否定、怒り・自責・混乱、前向きな模索、落ち着いた受容)とセットで順序立てて覚える。本問のように「怒ってしまい、その後自分を責める」という感情の起伏の激しさが描写されたら混乱期を想起する。

理論的背景

家族が認知症の家族員を受け入れていく心理的プロセスは、複数の段階論が提唱されているが、代表的なものとして、①ショック期(診断による衝撃)、②否認期(現実を受け入れられず否定する)、③混乱・怒り・拒絶期(怒り、抑うつ、自責の念など感情が大きく揺れ動く)、④解決への努力期(介護方法を学び、対処を模索し始める)、⑤受容期(認知症とともにある生活を受け入れ、落ち着いて対応できるようになる)という5段階が整理される。この過程は一直線には進まず、行きつ戻りつすることも多く、混乱期は特に介護者の心理的負担が大きく、燃え尽き(バーンアウト)や虐待のリスクが高まりやすい時期として、専門職による家族支援(レスパイトケア、家族会の紹介、心理的サポート)が重要とされる。

試験での位置づけ

家族の受容過程の段階論は認知症の理解領域・介護の基本領域を横断する重要テーマ。第37回 問33(ライチャードの引退後の適応タイプ)とは異なる「家族側の心理的プロセス」を扱う理論であり、混同しないよう区別して覚える。

選択肢の発展補足

混乱期にある家族介護者への支援としては、まず介護者自身の感情(怒り、自責、疲労)を否定せず受け止め、一人で抱え込まないよう相談窓口(地域包括支援センター、認知症の人と家族の会等)につなげることが重要となる。介護福祉職は、本人への直接的なケアだけでなく、家族への心理的サポートも重要な役割として担う。

上位資格・発展

家族支援・レスパイトケアの理論は、社会福祉士・精神保健福祉士の実務でも家族システム論の視点からより体系的に扱われる。介護支援専門員(ケアマネジャー)のケアプラン作成においても、家族介護者の心理的状態のアセスメントと支援は重要な要素として位置づけられる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題90。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題90です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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