問題
次のうち,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)によくみられる症状として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題95
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「嚥下障害」です。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、飲み込みに関わる筋肉も徐々に弱っていくため、食べ物や飲み物を飲み込む「嚥下障害」がよくみられる症状の一つです。
たとえるなら、飲み込むために必要な筋肉の力が弱ってきて、うまく食べ物を喉から先に送れなくなっていくイメージです。
👉 覚え方:ALS=運動神経の障害で嚥下障害がよくみられる。
ほかの選択肢:1感覚障害はALSでは基本的に保たれる(運動神経のみが障害される)/2失禁は排尿・排便に関わる括約筋の機能が末期まで比較的保たれやすいためALSでは典型的でない/4視力障害はALSでは伴わない(眼球運動を支配する神経は末期まで保たれやすい)/5便秘は自律神経症状として生じることもあるが、ALSの代表的・特徴的な症状としては嚥下障害の方がより重要。
なぜこれが正解か
正解は3。ALS(筋萎縮性側索硬化症、第36回 問54)は運動ニューロンが選択的に障害される疾患で、嚥下に関わる筋肉(舌、咽頭、喉頭の筋群)を支配する運動神経も障害を受けるため、進行に伴い嚥下障害がよくみられる特徴的な症状となる。
各選択肢の解説
- 1 ALSは運動神経が選択的に障害される疾患であり、感覚神経は比較的末期まで保たれるため、「感覚障害」はALSの典型的な症状ではない(第36回 問54の「痛みがわかる」という設問とも一貫する)。
- 2 排尿・排便を支配する括約筋の機能(膀胱直腸機能)は、ALSでは比較的末期まで保たれることが多いとされ、「失禁」は典型的な症状ではない。
- 4 眼球運動を支配する神経(外眼筋を支配する神経)は比較的末期まで保たれることが多く、「視力障害」はALSの典型的な症状ではない。
- 5 便秘は活動性の低下等に伴う二次的な症状として生じうるが、ALSの中核的・特徴的な症状としては、運動神経の障害に直結する嚥下障害の方がより代表的である。
覚え方・ひっかけ注意
ALSは「運動ニューロンが障害され、感覚神経・眼球運動・膀胱直腸機能・知的機能は比較的保たれる」という特徴を一貫して理解しておくと、本問及び第36回 問54の両方に対応できる。「何が障害され、何が保たれるか」という対比が繰り返し問われる重要ポイント。
理論的背景
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、脳から脊髄へ指令を送る上位運動ニューロンと、脊髄から筋へ指令を伝える下位運動ニューロンが、徐々に障害される進行性の疾患である。手足の筋力低下や筋萎縮から始まる型が多く、舌・咽頭・喉頭の筋を支配する運動神経が障害されると、構音障害(ろれつが回らない)や嚥下障害が出る。これは球麻痺と呼ばれる症状である。進行すると呼吸筋が麻痺して、呼吸不全に至る。ALSは指定難病で、介護保険では特定疾病に含まれる。
選択肢の掘り下げ
ALSでは、感覚神経、眼球を動かす神経、膀胱や直腸の働き、そして褥瘡が比較的起こりにくいことが、「陰性徴候」として知られる。したがって、感覚障害、失禁、視力障害は典型的な症状ではない。便秘は、活動量の低下や食事・水分の摂取の減少による二次的な症状としてみられることがあるが、疾患そのものの中核的な症状ではない。嚥下障害は、運動神経の障害により、ALSの経過の中で多くの人にみられる症状である。「何が障害され、何が保たれるか」を対にして覚える。
試験での位置づけと関連論点
知的機能は多くの場合保たれ、本人は意識がはっきりしたまま、体が動かなくなる苦しさと向き合う。そのため、心理的な支援が欠かせない。コミュニケーションは、透明文字盤、視線や微細な動きで操作する重度障害者用意思伝達装置(補装具として費用の支給を受けられる)などを利用する。眼球運動が保たれるため、視線入力が活用しやすい。
現場での判断の根拠
嚥下障害には、姿勢の調整、とろみ、食事の形態の工夫を行い、むせや食事時間の延長、体重の減少などの変化を看護職員や言語聴覚士に報告する。栄養の摂り方(胃ろうなど)や、人工呼吸器の使用の有無は、本人の意思を中心に、家族と専門職が繰り返し話し合って決める。喀痰吸引は、研修を修了した介護福祉士が、医師の指示のもとで行える医療的ケアの一つである。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題95です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

