問題
Aさん(85 歳,男性)は,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で,介護老人福祉施設に入所している。ある日,Aさんから,「痰がからんでいて,咳をしても出せない」という訴えがあった。介護福祉士が呼吸回数を確認すると,1 分間に22 回で,ゴロゴロという音がしていた。看護職からは,右肺に痰が貯留しやすいという情報提供があった。口腔内吸引をすると,粘性の強い透明な痰が吸引できた。 このとき,介護福祉士が喀痰排出を促すためにAさんに行う対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題103
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「左側を下にした体位を勧める」です。
Aさんは右の肺に痰がたまりやすいとわかっています。重力を利用して、痰がたまっている方(右)を上に、たまっていない方(左)を下にする体位をとると、痰が動きやすくなり出しやすくなります。
たとえるなら、コップの中の砂を片方に寄せたいとき、コップを傾けるとサラサラっと動くのと似たイメージです。
👉 覚え方:「痰がたまっている側を上に」=反対側を下にする。
ほかの選択肢:1 湿度が低すぎると痰が乾いて硬くなり出しにくくなる/2 水分を控えると痰がネバネバして逆効果/4 チューブを太くするかどうかは介護福祉士が自分で決めることではない/5 じっと安静にするより、体を動かす・体位を工夫する方が痰は出やすい。
なぜこれが正解か
正解は3。右肺に痰が貯留しやすいAさんに対しては、右側(患側)を上に、左側(健側)を下にする体位をとることで、重力を利用して痰の移動・排出を促す(体位排痰法の考え方)ことが適切な対応となる。
各選択肢の解説
- 1 湿度30%は低すぎる環境であり、気道粘膜の乾燥や痰の粘稠化を招くため、喀痰排出の促進には逆効果である。
- 2 水分摂取を控えると痰がより粘稠になり排出しにくくなるため、通常は十分な水分摂取を促す方が適切とされる。
- 4 吸引チューブの選定・変更は医師の指示・計画の範囲で判断される事項であり、介護福祉士が自己判断で行うものではない。
- 5 安静を勧めると体位や活動性が制限され、かえって痰の移動・喀出が妨げられる可能性がある。
覚え方・ひっかけ注意
「痰がたまっている側を下にする」と誤って覚えるひっかけが多いが、正しくは「たまっている側(患側)を上に、健側を下に」=重力で痰を気道の中枢側へ移動させる考え方。
事例の読み取り
Aさんは慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、痰がからんで出せない。呼吸回数は1分間に22回でゴロゴロという音があり、看護職からは右肺に痰が貯留しやすいと情報提供があった。口腔内吸引では粘性の強い痰が出ている。問われているのは、介護福祉士が喀痰排出を促す対応である。
3が正しい理由
痰がたまりやすい右肺を上にして、左側を下にした体位をとると、重力の働きで痰が太い気管支のほうへ移りやすくなり、咳や吸引で出しやすくなる。この考え方を体位排痰法(体位ドレナージ)と呼ぶ。選択肢の「左側を下にする」は、右を上にする体位をさしている点を読み取る。
誤りの選択肢の論点
- 1 湿度が低すぎると、気道の粘膜が乾き、痰が粘って出にくくなる。30%は低い。
- 2 水分を控えると痰がさらに固くなる。制限の指示がなければ、水分摂取を促すのが適切である。
- 4 吸引チューブの太さを変えるのは、利用者の状態や計画に沿って決める。太ければ粘膜を傷つけやすく、介護福祉士が自分の判断で変えるものではない。
- 5 安静を続けると、痰の移動や排出が妨げられ、肺炎のリスクも上がる。できる範囲で体位を変え、体を動かす。
COPDの特徴
COPDは、主に喫煙などによる長年の気道・肺の障害で、息を吐き出しにくくなる病気である。痰、咳、息切れが続く。口をすぼめてゆっくり息を吐く口すぼめ呼吸が、息切れの軽減に役立つ。酸素療法を行っている場合の流量は、医師の指示で決まり、介護福祉士が変えてはならない。
観察のポイント
呼吸回数や呼吸音の変化、痰の色や粘り、顔色、唇の色などを観察して報告する。いつもと違う変化があれば、早めに看護職員へ伝える。
※体位の角度や保持時間は、看護職員の指導とケア計画で確認すること。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題103です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

