問題
Aさん(78 歳,女性,要介護1 )は,軽度の認知症(dementia)があり,通所介護(デイサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。一人娘が近くに住んでいる。最近,近所の人から娘に,「決められた日以外にごみを出しているので,そっと片付けているの」と連絡があった。 翌日,娘がAさんの自宅に行くと,部屋の中に弁当の空の容器がそのまま残されていた。心配した娘が同居を勧めたが,Aさんは,「これからもこの家からデイサービスに通いたい」と強い口調で言った。話し合いの結果,娘が夕方に様子を見に行くことになった。 Aさんは,通所介護(デイサービス)を休むことなく利用していたが,ある日の迎えのとき,担当の介護福祉職に,「今日は行きたくない」と言って利用を拒否した。娘が理由を聞くと,「クイズの時間になると利用者のBさんに,あなたの答えはいつも間違えていると何度も注意される。情けない・・・」と話した。娘はAさんの様子を介護福祉職に伝えた。 Aさんの娘から連絡を受けた通所介護(デイサービス)では,介護過程の再アセスメントをすることになった。 次のうち,Aさんの再アセスメントで重視すべき情報として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題111
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは2「通所介護(デイサービス)での様子」です。
Aさんが「今日は行きたくない」と言った理由は、デイサービスのクイズの時間に、利用者のBさんから何度も間違いを指摘されて「情けない」と感じたことでした。この出来事はデイサービスの中で起きたことなので、再アセスメントではまず、デイサービスでの実際の様子を重視して確認する必要があります。
たとえるなら、問題が起きた「その場」での様子を、まずしっかり確認することが大切だということです。
👉 覚え方:利用拒否の理由を再アセスメントする=その出来事が起きた場(デイサービス内)の様子を重視。
ほかの選択肢:1デイサービスを利用しない日の過ごし方は、ごみ出し等の別の課題に関する情報で、今回の「行きたくない」という訴えの直接理解には別の情報がより優先される/3娘の意見も参考になる情報だが、今回のデイサービス内での出来事そのものを理解するには、まずデイサービスでの様子を確認することが優先される/4介護福祉職の印象は主観的な情報であり、まず優先すべき客観的な様子の確認とは異なる/5他サービス利用への意向も、今回の直接の課題(デイサービス内でのトラブル)とは異なる情報。
なぜこれが正解か
正解は2。Aさんが通所介護の利用を拒否した理由が、「クイズの時間に利用者のBさんから何度も間違いを指摘される」というデイサービス内での出来事にあったことから、再アセスメントにおいて重視すべき情報は、まずデイサービス内でのAさんの具体的な様子(Bさんとの関わり、クイズの時間の状況、他の活動の様子等)である。
各選択肢の解説
- 1 通所介護を利用しない日の過ごし方は、ごみ出しの問題や弁当容器の放置といった別の生活課題に関連する情報であり、今回のデイサービス内でのトラブルの理解には、まずデイサービス内での様子を優先すべきである。
- 3 娘の意見(デイサービス利用継続についての考え)も参考情報として重要だが、今回のAさんの発言の背景にある直接の出来事(クイズの時間のやり取り)を理解するためには、デイサービス内での様子がより優先される。
- 4 迎えを担当した介護福祉職の印象は、あくまで主観的な情報であり、客観的な事実(デイサービス内での具体的なやり取りの様子)の確認がまず優先される。
- 5 通所介護以外のサービス利用への意向は、今回の直接の課題(Bさんとのやり取りによる利用拒否)とは異なる、将来的な検討事項である。
覚え方・ひっかけ注意
利用拒否等のきっかけとなった出来事が明示されている事例では、その出来事が起きた「場」(今回はデイサービス内)での客観的な様子を、まず優先して確認するという読解の型を、第37回 問112(からかいの当事者である他の利用者との関係)とも共通する視点として押さえておく。
理論的背景
再アセスメントは、支援の実施中に新たな課題や状況の変化が明らかになった際に、改めて情報収集・分析を行い、支援計画の見直しにつなげる重要なプロセスである。本事例では、Aさんの「今日は行きたくない」という発言の背景に、通所介護での特定の利用者(Bさん)との人間関係上のストレスがあったことが娘を通じて明らかになった。再アセスメントにおいては、この訴えの真の原因を正確に把握するため、まずデイサービス内での実際の様子(クイズの時間の進行方法、Bさんの発言の頻度・内容、周囲の職員の対応、Aさんの表情や反応等)を具体的に観察・確認することが、適切な支援策(例えば、クイズの進行方法の見直し、Bさんへの配慮の依頼、Aさんへの個別的な声かけ等)を検討する土台となる。
試験での位置づけ
再アセスメントで重視すべき情報の選定は、介護過程領域の重要テーマ。第38回 問110(利用者のニーズの理解)とセットで、①まず本人のニーズを正確に理解し、②その上で、課題(利用拒否等)が生じた直接の状況(今回はデイサービス内での様子)を優先的に把握する、という一連の思考プロセスを身につけておくことが重要。
選択肢の発展補足
再アセスメントの結果を踏まえ、通所介護事業所では、レクリエーション(クイズ等)の実施方法の工夫(正解・不正解を強調しない進行、個々のペースに配慮した運営)や、利用者間の関係性への配慮(Bさんへの働きかけを含む)といった、環境調整による対応が検討されることになる。
上位資格・発展
集団活動における利用者間のトラブル対応は、レクリエーション介護・グループワークの専門領域で、活動の設計段階からの配慮(勝敗を強調しない進行方法等)としてより体系的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題111です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

