介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題114総合問題

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・総合問題

Aさん(66 歳,女性)は,一人息子と二人で暮らしている。会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。半年前に,長年勤めた仕事を定年退職して,継続雇用で週2 日の勤務になった。その頃から不眠を訴え,疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。しばらくすると,睡眠中に大声をあげたり,息子の部屋までふらふらと歩いてきたり,自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。 近隣の大学病院を受診した結果,手足の震え,小刻みな歩行,顔のこわばりなどがみられ,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。 Aさんは,趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し,これからの生活を楽しみたいと考えて,仕事を辞めた。そして,安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。Aさんは要支援2 の認定を受けて,介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。 Aさんの手足の震えは,ある体内物質の影響によって生じている。 次のうち,その体内物質に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題114

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは2「ドーパミン(dopamine)」です。

Aさんはレビー小体型認知症と診断され、手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばりといった症状がみられます。これらはパーキンソン病と同じような症状(パーキンソン症状)で、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」が不足することで起こります。

たとえるなら、体の動きをスムーズにする「潤滑油」であるドーパミンが不足して、動きがぎこちなくなってしまっている状態です。

👉 覚え方:手足の震え・小刻み歩行・顔のこわばり(パーキンソン症状)=ドーパミン不足。

ほかの選択肢:1メラトニンは睡眠リズムに関わるホルモンで震えの直接的な原因ではない/3アドレナリンは緊張・興奮時に分泌されるホルモンで今回の症状とは異なる/4コルチゾールはストレス時に分泌されるホルモンで今回の症状とは異なる/5グルカゴンは血糖値を上げるホルモンで今回の症状とは異なる。

なぜこれが正解か

正解は2。Aさんにみられる手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばりといった症状(パーキンソン症状)は、レビー小体型認知症においてしばしば合併する症状であり、脳内の神経伝達物質であるドーパミンの産生・伝達が障害されることによって生じる。

各選択肢の解説

  • 1 メラトニンは、松果体から分泌され、睡眠と覚醒のリズムを調整するホルモンであり、Aさんの不眠の訴えとは関連しうるが、手足の震え等の運動症状の直接的な原因物質ではない。
  • 3 アドレナリンは、副腎髄質から分泌され、緊張・興奮時に心拍数や血圧を上昇させるホルモンであり、パーキンソン症状の原因物質ではない。
  • 4 コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるストレスホルモンであり、パーキンソン症状の原因物質ではない。
  • 5 グルカゴンは、膵臓から分泌され、血糖値を上昇させるホルモンであり、パーキンソン症状とは関連しない。

覚え方・ひっかけ注意

レビー小体型認知症は、認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状(振戦、寡動、筋固縮、小刻み歩行等)を三大特徴とし、このパーキンソン症状はドーパミンの機能低下によって生じるという点を、パーキンソン病(第37回 問114)の知識と関連づけて押さえておく。

理論的背景

レビー小体型認知症は、脳内の神経細胞(特に大脳皮質や脳幹の黒質)にレビー小体という異常なたんぱく質の凝集体が蓄積することで発症する認知症であり、①認知機能の変動(調子の良い時と悪い時の差が大きい)、②繰り返す具体的な幻視(Aさんの「カーテンの花柄が動いて怖い」という訴えは幻視の典型例)、③パーキンソン症状、の3つを中核症状とする。パーキンソン症状は、黒質のドーパミン産生細胞が変性・脱落することで、脳内のドーパミンが不足し、大脳基底核を介した運動調節機能が障害されることで生じる。Aさんの睡眠中の異常行動(大声をあげる、歩き回る)は、レム睡眠行動障害と呼ばれる、レビー小体型認知症に特徴的な睡眠関連の症状であり、これらの症状が組み合わさって現れる点が、アルツハイマー型認知症(第38回 問117)等の他の認知症との鑑別のポイントとなる。

試験での位置づけ

レビー小体型認知症の三大特徴(認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状)とその背景にある神経伝達物質(ドーパミン)の理解は、認知症の理解領域・こころとからだのしくみ領域・総合問題を横断する頻出テーマ。パーキンソン病(第37回 問114のホーエン・ヤール分類)との症状の共通点・相違点も含めて体系的に理解しておくことが重要。

選択肢の発展補足

レビー小体型認知症では、幻視への対応として、視覚的な誤認を招きやすい環境(柄物のカーテンや壁紙等)を避ける環境調整(第38回 問115)が重要な支援となる。

上位資格・発展

神経内科学の分野では、レビー小体型認知症の診断基準(中核症状、支持的特徴、バイオマーカー等)や、パーキンソン病・パーキンソン病認知症・レビー小体型認知症の関連性(レビー小体病というスペクトラムとしての理解)がより専門的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題114。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題114です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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