介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題115総合問題

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・総合問題

Aさん(66 歳,女性)は,一人息子と二人で暮らしている。会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。半年前に,長年勤めた仕事を定年退職して,継続雇用で週2 日の勤務になった。その頃から不眠を訴え,疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。しばらくすると,睡眠中に大声をあげたり,息子の部屋までふらふらと歩いてきたり,自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。 近隣の大学病院を受診した結果,手足の震え,小刻みな歩行,顔のこわばりなどがみられ,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。 Aさんは,趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し,これからの生活を楽しみたいと考えて,仕事を辞めた。そして,安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。Aさんは要支援2 の認定を受けて,介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。 ある日,送迎のときに,介護予防通所リハビリテーション事業所のB介護福祉職は,息子から,日々の症状に変動がある母を自宅で介護をするときにどのようなことに注意すべきか,と聞かれた。B介護福祉職は事業所で多職種ミーティングを行ってから返答することにした。 次の記述のうち,B介護福祉職の息子への助言として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題115

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは1「視覚的環境からの影響を防ぐために,自室のカーテンを無地のものに変更する」です。

Aさんは「カーテンの花柄が動いて怖い」と話しており、これはレビー小体型認知症の特徴である「幻視」です。柄や模様が幻視のきっかけになりやすいため、カーテンを無地のものに変えるなど、視覚的な刺激を減らす環境調整が有効な対応です。

たとえるなら、幻視のきっかけになりそうな「模様」を取り除いて、見間違いが起こりにくい部屋にしてあげるイメージです。

👉 覚え方:レビー小体型認知症の幻視対策=柄物を減らし、シンプルな視覚環境にする。

ほかの選択肢:2毎日決まった時間に同じ運動をすることは、症状に日内変動があるAさんには無理のない範囲での配慮が必要で画一的な指示は適切でない/3外出の機会を減らすことは、Aさんが「趣味活動を楽しみたい」と望んでいることに反する/4夜間に部屋を明るく照らす直接照明はかえって影や光の反射で幻視を誘発しやすい/5ボタン止めの衣服は手先の細かい動作が必要でパーキンソン症状のあるAさんには着脱がかえって難しくなる可能性がある。

なぜこれが正解か

正解は1。Aさんが「自室のカーテンの花柄が動いて怖い」と訴えていることは、レビー小体型認知症に特徴的な幻視の症状であり、柄や模様、陰影が幻視の引き金になりやすいことを踏まえ、カーテンを無地のものに変更するなど、視覚的な誤認を招きやすい環境要因を取り除く対応が、息子への助言として最も適切である。

各選択肢の解説

  • 2 毎日決まった時間に同じ運動をすることは、レビー小体型認知症の症状に日内変動(調子の良い時と悪い時の差)があることを踏まえると、その日の体調に応じた柔軟な対応が必要であり、画一的に同じ運動を強いることは適切でない。
  • 3 転倒防止のために外出の機会を減らすことは、Aさんが趣味活動や外出を大切にしたいと望んでいる意向に反する対応であり、QOLを損なう不適切な助言である。
  • 4 夜間に直接照明で部屋を明るく照らすことは、かえって物の影が強調されたり光の反射が生じたりして、幻視を誘発しやすくなる可能性があるため、間接照明等での穏やかな明るさの確保の方が望ましい。
  • 5 ボタン止めの衣服は、指先の細かい動作を必要とし、パーキンソン症状(手足の震え、こわばり)のあるAさんにとっては着脱がかえって困難になる可能性があり、着脱しやすい衣服(伸縮性のある素材、大きめのファスナー等)の方が適切である。

覚え方・ひっかけ注意

レビー小体型認知症のケアの原則(①幻視を誘発しやすい視覚的環境の調整、②症状の日内変動を踏まえた柔軟な対応、③パーキンソン症状に配慮した動作の支援)を、Aさんの具体的な訴えと結びつけて理解しておく。

理論的背景

レビー小体型認知症でみられる幻視は、視覚情報処理に関わる後頭葉の機能低下や、視空間認知の障害が関与すると考えられており、薄暗い環境、影、柄物の模様等の視覚的な曖昧さが、実際にはないものを「見えた」と誤認する引き金になりやすいことが知られている。そのため、ケアの基本原則として、①部屋の照明を適度な明るさで均一に保つ(極端に暗い、または強い陰影ができる照明は避ける)、②柄物のカーテン・壁紙・敷物等、模様が幻視の対象になりやすいものを無地やシンプルなものに変更する、③本人が幻視を訴えたときは頭から否定せず、安心できるよう寄り添う対応をする、といった環境調整と関わり方の工夫が重要となる。また、レビー小体型認知症では症状の日内変動が大きいため、リハビリテーションや日常生活動作の支援においても、その日の体調に応じて柔軟に対応することが求められる。

試験での位置づけ

レビー小体型認知症の幻視への具体的なケア(環境調整)は、認知症の理解領域・介護の基本領域・総合問題を横断する応用的なテーマ。第38回 問114(パーキンソン症状とドーパミン)とセットで、疾患の病態理解から具体的な生活支援の方法まで一貫して問う出題形式に慣れておくことが重要。

選択肢の発展補足

Aさんの事例では、家族(息子)への助言という形で環境調整の提案が行われており、専門職が本人だけでなく家族に対しても、症状の特性を踏まえた具体的で実践可能な助言を行うことの重要性が示されている。

上位資格・発展

老年精神医学の分野では、レビー小体型認知症の幻視に対する非薬物的アプローチ(環境調整、生活リズムの調整)に加え、薬物療法(抗精神病薬への感受性が高いため慎重な選択が必要)の使い分けがより専門的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題115。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題115です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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