問題
次の記述のうち,認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題83
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「通所介護(デイサービス)を利用中に,出口を探して歩き回る」です。
出口を探して歩き回る行動(徘徊)は、認知症の中核症状そのものではなく、不安や環境になじめない気持ちなどから生じる行動・心理症状(BPSD)に分類されます。
たとえるなら、頭の記憶や判断の問題(中核症状)とは別に、その結果として表れる「行動」の部分がBPSDです。
👉 覚え方:徘徊のような「行動」に表れる症状=BPSD。
ほかの選択肢:1直前の出来事を覚えていないのは記憶障害という中核症状そのもの/2場所がわからなくなるのは見当識障害という中核症状そのもの/4服薬管理ができないのは遂行機能障害・記憶障害という中核症状によるもの/5入浴を促すと湯につかるだけで出てくるのは動作の目的理解の障害(遂行機能障害等)という中核症状によるもの。
なぜこれが正解か
正解は3。認知症の症状は、脳の障害により直接的に生じる「中核症状」(記憶障害、見当識障害、遂行機能障害等)と、中核症状に本人の性格・心理状態・環境要因等が加わって二次的に生じる「行動・心理症状(BPSD)」に分類される。通所介護利用中に出口を探して歩き回る行動は、環境になじめない不安等から生じる行動面の症状であり、BPSDに該当する。
各選択肢の解説
- 1 直前の出来事(挨拶されたこと)を覚えていないのは、記憶障害という中核症状そのものの表れである。
- 2 病院にいるのに自宅にいると思っているのは、場所の見当識障害という中核症状そのものの表れである。
- 4 薬の服薬管理ができないのは、記憶障害・遂行機能障害という中核症状の結果として生じる生活上の支障である。
- 5 入浴を促すと湯につかるだけで出てくる(体を洗う等の一連の動作ができない)のは、遂行機能障害や失行という中核症状によるものと考えられる。
覚え方・ひっかけ注意
「記憶障害・見当識障害・遂行機能障害・失行・失認」といった認知機能そのものの障害は中核症状、「徘徊・興奮・妄想・不安・拒否・抑うつ」等、心理・行動面に現れる症状はBPSDという2分類を明確に区別する。中核症状の直接的な現れ(本問の1・2・4・5)とBPSD(本問の3)を混同しないことが本問の核心。
理論的背景
中核症状は、脳の器質的な障害によって必然的に生じる認知機能の障害(記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害、遂行機能障害、失語・失行・失認)であり、進行性で不可逆的とされる。一方、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)は、中核症状を背景に、本人の性格・生活歴、身体的な不快感、環境要因(慣れない場所、人間関係のストレス等)、介護者の関わり方等が複合的に影響して現れる二次的な症状であり、陽性症状(徘徊、興奮、暴言・暴力、妄想等)と陰性症状(アパシー、抑うつ等)に分けられる。BPSDは中核症状と異なり、環境調整やケアの工夫により軽減・予防できる可能性がある点が重要な特徴である。
試験での位置づけ
中核症状とBPSDの区別は認知症の理解領域の最重要テーマ。第36回 問40(アパシー)とあわせて、両者の違い(中核症状=不可逆的な脳の障害の直接的な現れ、BPSD=環境・心理要因が絡む二次的な症状で軽減可能)を理解しておくことが、認知症ケアの基本方針(BPSDへの対応は原因・背景の理解が鍵)の理解にもつながる。
選択肢の発展補足
通所介護利用中の「出口を探して歩き回る」行動は、慣れない環境への不安や、家に帰りたいという気持ち(帰宅願望)の表れであることが多く、無理に制止するのではなく、不安の軽減(本人の役割を作る、安心できる声かけをする等)を通じてBPSDの軽減を図る対応が重視される。
上位資格・発展
認知症ケア専門士等の専門資格では、BPSDの評価尺度(NPI:Neuropsychiatric Inventory等)を用いた症状の客観的評価や、ケア介入前後の変化の記録・評価がより体系的に扱われる。介護福祉士としては、BPSDの背景にある本人のニーズ・不快感を丁寧にアセスメントする視点を持つことが実践的に重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題83です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

