介護福祉士

介護福祉士 第38回 問題88認知症の理解

問題

介護福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年1月25日(日)実施・認知症の理解

次の記述のうち,認知症(dementia)の人の遂行機能障害の症状として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題88

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは4「調理の手順を順序だてて行うことができない」です。

遂行機能障害とは、物事を計画立てて順序よく進める力が低下する症状です。料理のように「まず何をして、次に何をする」という段取りが必要な作業がうまくできなくなるのが典型例です。

たとえるなら、レシピの手順が頭の中でバラバラになってしまい、次に何をすればいいかわからなくなるイメージです。

👉 覚え方:段取り・手順が組み立てられない=遂行機能障害。

ほかの選択肢:1ご飯を食べたことを忘れて欲しがるのは記憶障害の症状/2包丁の使い方を忘れてうまく使えないのは失行(動作の障害)の症状/3配膳された食事の左側を残すのは半側空間無視の症状/5皿の模様をおかずと間違えるのは視覚認知の障害(錯視・失認)による症状。

なぜこれが正解か

正解は4。遂行機能障害は、目標を設定し、計画を立て、手順を順序立てて実行し、必要に応じて修正するという一連のプロセス(実行機能)が障害される症状であり、調理のように複数の工程を順序立てて行う必要がある作業に支障をきたすことが典型的な現れ方である。

各選択肢の解説

  • 1 食事をしたこと自体を忘れて再び食事を要求する症状は、近時記憶障害の典型的な現れである。
  • 2 使い慣れていたはずの道具(包丁)の使い方がわからなくなる症状は、失行(道具の使用に関する動作の障害)の一種である。
  • 3 配膳された食事のうち片側(左側)だけを認識できず残してしまう症状は、半側空間無視(脳の損傷部位と反対側の空間を認識できなくなる症状)の典型例である。
  • 5 皿の模様を実際のおかずと見間違えてすくおうとする症状は、視覚認知の障害(錯視や視覚失認)による現れである。

覚え方・ひっかけ注意

認知機能障害の各症状(記憶障害、失行、半側空間無視、視覚認知障害、遂行機能障害)はそれぞれ独立した症状であり、生活場面での具体的な現れ方(何ができなくなるか)を正しく対応づけて覚える必要がある。「手順・段取り」というキーワードが出たら遂行機能障害を想起する。

理論的背景

遂行機能(実行機能)は、主に前頭葉が担う高次な認知機能で、①目標の設定、②計画の立案、③計画に沿った実行、④結果の評価とフィードバックによる修正、という一連のプロセスから構成される。この機能が障害されると、単純な動作(包丁を使う等の個々の技能)は保たれていても、複数の工程を適切な順序で組み立てて実行すること(調理、買い物の計画、公共料金の支払い等のIADL)が困難になる。遂行機能障害はアルツハイマー型認知症の比較的初期から現れることがあり、IADLの低下(第38回 問86)の背景要因としても重要である。

試験での位置づけ

認知機能障害の種類ごとの生活場面での現れ方(第36回 問45とも関連)は認知症の理解領域の最頻出テーマ。記憶障害・見当識障害・遂行機能障害・失行・失認・半側空間無視それぞれについて、「何ができなくなるか」を具体的な生活場面の例とセットで覚えておくことが、事例問題への対応力を高める。

選択肢の発展補足

遂行機能障害のある人への調理支援としては、手順を1つずつ絵や文字で示す、材料をあらかじめ小分けにしておく、一緒に手順を確認しながら行う等、外部からの手がかり(キューイング)を活用した支援が有効とされる。これは、失われた機能を無理に元に戻そうとするのではなく、環境や周囲の関わりで補う支援の考え方(残存能力の活用)に基づく。

上位資格・発展

神経心理学・作業療法学の分野では、遂行機能障害の評価法(BADS:遂行機能障害症候群の行動評価等)や、認知リハビリテーションの技法(手順を単純化する、視覚的な手がかりを活用する等)がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、遂行機能障害のある利用者の生活支援において、手順を細かく分解し、一つずつ声かけしながら支援する視点が実践的に重要である。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題88。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題88です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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