問題
パーキンソン病(Parkinson disease)の人の住まいに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題37
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは2「廊下の床には,歩幅に合わせて目印をつける」です。
パーキンソン病の人は、歩き始めの一歩が出にくくなる「すくみ足」という症状が出やすくなります。床に一定間隔で目印をつけておくと、その目印をめがけて足を出しやすくなり、歩き出しがスムーズになります。
たとえるなら、地面に足跡マークを描いておくと、そこに合わせて自然と足を出しやすくなるイメージです。
👉 覚え方:パーキンソン病のすくみ足対策=床に歩幅の目印をつける。
ほかの選択肢:1玄関の段差へのスロープ設置は一般的な配慮だが、パーキンソン病特有のすくみ足への対策としては床の目印の方がより直接的な工夫/3大きさの違うカーペットを重ねて敷くと段差やしわがつまずきの原因になり危険/4移動空間が狭くなる家具配置は、方向転換やすくみ足の悪化を招くため避けるべき/5リビングと浴室を別の階に分けて階段で行き来する配置は、転倒リスクが高く不適切。
なぜこれが正解か
正解は2。パーキンソン病の症状の一つである「すくみ足」(歩き出しの最初の一歩が踏み出しにくくなる症状、第36回 問42のレビー小体型認知症の歩行障害とも共通する症状)に対しては、床に一定間隔で視覚的な目印(テープや模様等)をつけることで、目印をめがけて足を踏み出しやすくなり、歩行の開始をスムーズにする効果が期待できる。
各選択肢の解説
- 1 玄関の段差解消のためのスロープ設置は、一般的なバリアフリー化の工夫としては有効だが、パーキンソン病特有の症状(すくみ足)に対する直接的な対策としては、床の目印の方がより特化した工夫である。
- 3 大きさの異なるカーペットを重ねて敷くことは、段差やめくれによるつまずきの原因となり、パーキンソン病の人(姿勢反射障害を伴うことが多い)にとって転倒リスクを高める危険な環境である。
- 4 家具の配置を工夫して移動空間を狭くすることは、方向転換の困難やすくみ足を悪化させる要因となるため、むしろ十分な移動空間を確保することが望ましい。
- 5 リビングと浴室を別の階に分け、日常的に階段を使って行き来する住環境は、姿勢反射障害や運動症状のあるパーキンソン病の人にとって転倒の危険性が高く、生活動線としては不適切である。
覚え方・ひっかけ注意
パーキンソン病の人への住環境整備では、「すくみ足への対応(床の目印)」「転倒リスクの排除(段差・重ねたカーペットの回避)」「十分な移動空間の確保」という3つの視点を軸に選択肢を判断する。
理論的背景
パーキンソン病の運動症状(安静時振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢反射障害)のうち、すくみ足は、歩行開始時や方向転換時、狭い場所を通過する際等に特に生じやすく、転倒の大きな要因となる。すくみ足への非薬物的な対応として、視覚的キュー(床の目印、階段状の模様等)や聴覚的キュー(メトロノーム音に合わせて歩く等)を用いて、大脳基底核の機能低下により障害された自動的な歩行のリズム形成を、外部からの刺激で補うという「キューイング」の考え方が、リハビリテーション医学の分野で広く実践されている。この理論を住環境整備に応用したものが、床への目印の設置である。
試験での位置づけ
パーキンソン病の症状(第37回 問54の嚥下・構音障害、37-91の振戦への対応)と、それぞれの症状に応じた生活支援の工夫は、生活支援技術領域・障害の理解領域を横断する頻出テーマ。すくみ足への対応(床の目印)は、パーキンソン病特有の住環境整備の工夫として、確実に覚えておくべきポイントである。
選択肢の発展補足
すくみ足への対応としては、床の目印に加え、「1、2」と号令をかける、一度後ろに下がってから歩き出す(逆説的な動きが有効な場合がある)等、様々な工夫が実践されている。
上位資格・発展
神経内科学・リハビリテーション医学の分野では、パーキンソン病の重症度評価(ホーン・ヤール重症度分類)や、すくみ足に対するキューイング療法の科学的根拠(大脳基底核の機能を補完する神経回路の活用)がより専門的に扱われる。作業療法・理学療法の実務では、視覚的キューだけでなく、居室から浴室・トイレへの一連の生活動線全体を評価し、方向転換や狭い箇所での症状悪化を防ぐ住環境設計の提案がより実践的に行われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題37です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

