退院後生活環境相談員の選任義務(精神保健福祉法第29条の6・第33条の4)、資格要件(施行規則第15条の2)、選任の期限、役割、地域援助事業者の紹介、医療保護入院者退院支援委員会を、e-Gov 法令検索の現行条文と厚生労働省の通知で整理します。措置入院者への拡大(令和6年4月施行)、精神保健福祉相談員(第48条)との違いも紹介します。
目次
結論:退院後生活環境相談員は、措置入院者と医療保護入院者を入院させている精神科病院(措置入院者は国等の設置した精神科病院又は指定病院)の管理者が選任する、退院後の生活環境の相談・情報提供・助言などを担う職員です(精神保健福祉法第29条の6、医療保護入院者には第33条の4で準用)。選任できるのは、「精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者」で、施行規則第15条の2が、保健師・看護師・准看護師・作業療法士・社会福祉士・公認心理師で精神障害者に関する業務の経験を有する者と、3年以上の実務経験と厚生労働大臣が定める研修の修了がある者を挙げています。選任は、入院措置が採られた日から7日以内です。措置入院者への選任の義務化は、2024年4月1日施行の版からです。
条文は e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月11日時点)、改正の経過は厚生労働省の施行事項別概要と通知によります。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(e-Gov法令検索)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
現行の版と施行日:精神保健福祉法の現行の版は2026年10月1日施行のもので、第29条の6・第29条の7・第33条の4・第33条の5は、2024年4月1日施行の版から本文が変わっていない。令和4年法律第104号の附則第1条本文により、措置入院者についての第29条の6・第29条の7の新設は令和6年4月1日。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、厚生労働省 令和4年精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正について。
退院後生活環境相談員とは:精神保健福祉法の選任義務
第29条の6(措置入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置)の第1項は、措置入院者を入院させている精神科病院又は指定病院の管理者に、精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、退院後生活環境相談員を選任し、その者に、措置入院者の退院後の生活環境に関し、措置入院者及びその家族等からの相談に応じさせ、及びこれらの者に対する必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせることを、義務づけています。
医療保護入院者については、第33条の4が、「第二十九条の六及び第二十九条の七の規定は、医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者について準用する」と定め、「措置入院者」を「医療保護入院者」と読み替えます。
この職員の名前の中心は「退院後の生活環境」です。入院中の治療を担う主治医や、指定医とは別に、病院の管理者が、退院に向けた調整を担う人を決めておく仕組みです。精神保健福祉士が、精神保健福祉法の条文に出てくる場所は、このほかに第41条第2項第3号と第48条第2項があります。全体は精神保健福祉法の記事で整理しています。
誰に選任するのか:措置入院者と医療保護入院者(2024年4月の変更)
選任の対象は、条文の上では、措置入院者と医療保護入院者です。2024年4月1日施行の版の前後で、次のように変わりました。
| 項目 | 2024年3月31日までの版 | 現行(2024年4月1日施行の版から) |
|---|---|---|
| 対象 | 医療保護入院者(第33条の4) | 措置入院者(第29条の6)と、医療保護入院者(第33条の4で準用) |
| 業務の書き方 | 退院後の生活環境に関し、入院者及びその家族等からの相談に応じさせ、「及びこれらの者を指導させなければならない」 | 相談に応じさせ、「及びこれらの者に対する必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせなければならない」 |
| 地域援助事業者の紹介 | 紹介するよう努めなければならない(旧第33条の5。医療保護入院者のみ) | 紹介しなければならない(第29条の7・第33条の4)。措置入院者にも適用 |
厚生労働省の施行事項別概要は、令和6年4月からの変更として、「退院後生活環境相談員について、措置入院者にも選任することを義務化」と書き、地域援助事業者の紹介については、当時の努力義務を義務化するとともに措置入院者にも適用する、と書いています。
第26〜28回の試験日と施行日の関係は、第26回(2024年2月3日・4日)が2024年4月1日の前、第27回(2025年2月1日・2日)と第28回(2026年1月31日・2月1日)が後です。センターの出題基準のページには、出題の基準となる法令の基準日の記載がありません(2026-10-11 時点)。
試験日:第26回は2024年2月3日・4日、第27回は2025年2月1日・2日、第28回は2026年1月31日・2月1日。最終確認日:2026-10-11。出典:社会福祉振興・試験センター 第26回の合格発表について、第27回、第28回。
資格要件:施行規則第15条の2
法律に書かれているのは「精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者」だけで、省令で定める資格は、精神保健福祉法施行規則第15条の2が定めています。
| 区分 | 資格・要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 精神保健福祉士 | 経験の要件は書かれていない | 法第29条の6(第33条の4で準用) |
| 第1号 | 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、社会福祉士、公認心理師であって、精神障害者に関する当該資格の業務に従事した経験を有する者 | 施行規則第15条の2第1号イ〜ヘ |
| 第2号 | 第1号に掲げる者以外の者で、3年以上、精神障害者及びその家族等からの精神障害者の退院後の生活環境に関する相談及びこれらの者に対する指導についての実務に従事した経験を有し、かつ、厚生労働大臣が定める研修を修了した者 | 施行規則第15条の2第2号 |
第1号の6資格のうち、公認心理師は、2024年4月1日施行の改正省令で追加されたものです。厚生労働省の通知(令和5年11月27日付障発1127第1号)は、「退院後生活環境相談員に公認心理師を追加」と書き、規則第15条の2第1号ヘを挙げています。また、同じ通知は、地域援助事業者に障害福祉サービスに係る事業を行う者を追加したこと(規則第15条の5第1号。これも2024年4月1日施行)も示しています。
退院後生活環境相談員の資格の範囲:精神保健福祉士(法第29条の6)のほか、施行規則第15条の2第1号の保健師、看護師、准看護師、作業療法士、社会福祉士、公認心理師(精神障害者に関する業務の経験が必要)と、第2号の、3年以上の実務経験と厚生労働大臣が定める研修を修了した者。公認心理師は、令和5年厚生労働省令第144号により、令和6年4月1日から加わった。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則、厚生労働省 改正法の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備及び経過措置に関する省令の公布等について(通知)(障発1127第1号)。
第2号の「厚生労働大臣が定める研修」の内容や時間は、施行規則にも、次の節で紹介する厚生労働省の通知(障発1127第7号)にも書かれていないため、この記事では取り上げていません。通知は、資格を、精神保健福祉士、精神障害者に関する業務の経験がある保健師・看護師・准看護師・作業療法士・社会福祉士・公認心理師、3年以上の経験と研修の修了がある者、の3つに整理しています。精神保健福祉士の資格を取るときの科目や実習は、精神保健福祉士とはの記事で整理しています。
選任の期限と役割:7日以内・相談と情報提供
選任の期限(施行規則第15条の3):措置入院者は、入院措置が採られた日から7日以内に選任します(第1項)。医療保護入院者も、第33条第1項又は第2項の規定による入院措置が採られた日から7日以内に選任します(第2項)。
選任の期限:退院後生活環境相談員の選任は、入院措置が採られた日から7日以内(施行規則第15条の3)。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則。
役割(法第29条の6):条文が書いているのは、次の3つです。
1. 措置入院者(医療保護入院者)の退院後の生活環境に関して、入院者本人からの相談に応じること
2. 同じく、入院者の家族等からの相談に応じること
3. これらの者に対して、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うこと
病院内での役割は、医療保護入院者退院支援委員会にも出てきます(次の節)。また、措置入院者の定期の報告(法第38条の2第1項)で、病院の管理者が都道府県知事に報告する事項のひとつに、選任された退院後生活環境相談員の氏名が挙げられています(施行規則第19条第1項第6号)。
具体的な運用は、厚生労働省の通知「措置入院者及び医療保護入院者の退院促進に関する措置について」(令和5年11月27日 障発1127第7号。令和8年3月26日 障発0326第2号で一部改正。令和6年4月1日から適用)が示しています。通知は、退院後生活環境相談員を、精神科病院内の多職種による支援チームの一員として、入院者が退院に向けた取組や入院に関することについて最初に相談することができる窓口の役割を担う、としたうえで、業務を次の4つに分けています。
1. 入院時の業務:選任されたことと役割、退院に向けた相談に応じること、地域援助事業者の趣旨と紹介、退院等の請求や都道府県の虐待通報窓口などを、入院者と家族等に説明する。医療保護入院者には、医療保護入院者退院支援委員会の趣旨や、本人が出席できること・書面で意見を述べられることなども説明する
2. 退院に向けた支援業務:相談に応じるほか、退院に向けた意欲の喚起や取組の工程の相談を行い、相談内容を記録する。主治医の指導を受け、地域援助事業者などとの連絡調整を入院早期から行う
3. 医療保護入院者退院支援委員会に関する業務:開催に向けた調整や運営の中心的役割を果たし、本人が希望した家族等・地域援助事業者などの出席を調整する
4. 退院調整に関する業務:本人が希望する退院後の地域生活を聴き取り、居住の場の確保や障害福祉サービス等の利用に向けた調整を行う
退院後生活環境相談員の配置の目安:退院後生活環境相談員1人につき、概ね50人以下の入院者を担当すること(常勤換算としての目安)。入院者1人につき1人の退院後生活環境相談員を入院後7日以内に選任し、選任された退院後生活環境相談員の一覧を作成する。最終確認日:2026-10-11。出典:厚生労働省 措置入院者及び医療保護入院者の退院促進に関する措置について(障発1127第7号)。
地域援助事業者の紹介と医療保護入院者退院支援委員会
地域援助事業者の紹介(法第29条の7):管理者は、措置入院者又はその家族等から求めがあった場合その他、措置入院者の退院による地域における生活への移行を促進するために必要があると認められる場合には、厚生労働省令で定めるところにより、次の者を紹介しなければなりません。医療保護入院者には、第33条の4で準用されます。
| 号 | 地域援助事業者 |
|---|---|
| 第1号 | 一般相談支援事業又は障害者総合支援法第5条第19項に規定する特定相談支援事業を行う者 |
| 第2号 | 障害者総合支援法第77条第1項第3号(市町村の地域生活支援事業のうち、障害者等からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言などを行う事業)又は同条第3項各号に掲げる事業を行う者 |
| 第3号 | 介護保険法第8条第24項に規定する居宅介護支援事業を行う者 |
| 第4号 | 地域の精神障害者の保健又は福祉に関する各般の問題につき、精神障害者又はその家族等からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う事業を行うことができると認められる者として、厚生労働省令で定めるもの |
第4号の省令は、施行規則第15条の5で、障害福祉サービスに係る事業を行う者、介護保険法の特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護(介護支援専門員を有するもの)、認知症対応型共同生活介護(同)、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス、介護医療院サービスなどを行う者を挙げています。紹介の方法は、第15条の4により、地域援助事業者の連絡先を記載した書面を交付する方法その他の適切な方法です。
厚生労働省の施行事項別概要は、地域援助事業者を、医療保護入院者が退院後に利用する障害福祉サービス及び介護サービスについて退院前から相談し、地域生活に移行できるよう、特定相談支援事業等の事業者や、事業の利用に向けた相談援助を行う者(共同生活援助、訪問介護事業者等)と説明し、市町村は、精神障害者や医療機関から紹介の問い合わせがあれば、必要に応じてあっせん・調整等を行うこと、と書いています。この地域援助事業者の第1号に、相談支援専門員の所属する特定相談支援事業所が含まれます。相談支援専門員と計画相談支援は、相談支援専門員の記事で、一般相談支援事業(地域移行支援・地域定着支援)は、地域移行支援・地域定着支援の記事で整理しています。
体制整備(法第33条の5):管理者は、第33条の4で準用する第29条の6・第29条の7の措置のほか、必要に応じて地域援助事業者と連携を図りながら、医療保護入院者の退院による地域における生活への移行を促進するために必要な体制の整備その他の措置を講じなければなりません。
医療保護入院者退院支援委員会(法第33条第6項第2号・施行規則第15条の11〜第15条の13):医療保護入院の入院期間を更新するためには、委員会で、入院者の退院による地域における生活への移行を促進するための措置について審議が行われたことが要件の1つです。委員会は、次の者で構成されます(施行規則第15条の12第1項)。
- 入院者の主治医
- 入院者が入院している精神科病院に勤務する看護師又は准看護師
- 退院後生活環境相談員(第33条の4で準用する第29条の6の規定により選任された者)
- そのほかの職員で、管理者から出席を求められたもの
入院者本人が希望するときは、本人を構成員に加え、本人が家族等や地域援助事業者などを構成員とすることを希望するときは、あらかじめ通知を受けたその人も希望すれば、構成員に加えます(同条第2項・第3項)。委員会の審議の過程は、文書で記録し、開催日から5年間保存します(第15条の13第1項)。
委員会の開催と記録の保存:医療保護入院者退院支援委員会は、入院期間(2回目以降の更新では、更新された入院期間)が経過する前に開催する(施行規則第15条の11第1項)。入院期間満了日の1月前から開催できる(厚生労働省 令和5年11月27日付障発1127第1号)。開催時期は、入院期間満了日の1か月前から当日までの間とする(同日付障発1127第7号)。審議の記録の保存は、開催日から5年間(同規則第15条の13第1項)。最終確認日:2026-10-11。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則、厚生労働省 改正法の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備及び経過措置に関する省令の公布等について(通知)(障発1127第1号)、厚生労働省 措置入院者及び医療保護入院者の退院促進に関する措置について(障発1127第7号)。
精神保健福祉相談員・相談支援専門員との違い
名前の似た職種を、根拠法・置く主体・仕事で区別します。
| 項目 | 退院後生活環境相談員 | 精神保健福祉相談員 | 相談支援専門員 |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 精神保健福祉法 第29条の6・第33条の4 | 精神保健福祉法 第48条 | 障害者総合支援法に基づく基準省令(平成24年厚生労働省令第28号)第3条 |
| 置く・選任する主体 | 精神科病院(措置入院者は国等の設置した精神科病院又は指定病院)の管理者が選任する(義務) | 都道府県及び市町村が、精神保健福祉センター・保健所その他これらに準ずる施設に置くことができ、都道府県知事又は市町村長が任命する | 指定特定相談支援事業者が、指定特定相談支援事業所ごとに、専らその職務に従事する者を置く |
| 仕事 | 措置入院者・医療保護入院者の退院後の生活環境に関する本人・家族等からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う | 精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談に応じ、精神障害者等及びその家族等その他の関係者を訪問して必要な情報の提供、助言その他の援助を行う | サービス等利用計画案の作成と、サービス等利用計画のモニタリング(計画相談支援) |
| 精神保健福祉士との関係 | 法に書かれた資格(第29条の6) | 法に書かれた資格(第48条第2項) | 資格要件は実務経験と研修。精神保健福祉士は実務経験の表で「国家資格者」の例に挙がる |
精神保健福祉相談員の任命資格は、法第48条第2項が、精神保健福祉士その他政令で定める資格を有する者と定め、政令(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令)第12条が、大学で社会福祉に関する科目又は心理学の課程を修めて卒業した者であって精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識及び経験を有するもの、医師、厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した保健師であって精神保健及び精神障害者の福祉に関する経験を有するもの、これらに準ずる者であって精神保健福祉相談員として必要な知識及び経験を有するもの、を挙げています。
相談支援専門員の要件は、実務経験と初任者研修の修了です。両者は、病院の側(退院後生活環境相談員)と地域の側(特定相談支援事業所の相談支援専門員)として、退院前後の調整でつながります。計画相談支援の基準(第15条第3項第5号)は、精神科病院等から退院しようとする利用者又はその家族から依頼があった場合の、必要な情報の提供及び助言を求めています。
専門科目での位置づけと、問題を解くときの確認
試験センターの科目別出題基準(精神保健福祉制度論)には、大項目「精神障害者の医療に関する制度」の中項目「精神保健福祉法の概要と精神保健福祉士の役割」に、小項目の例として、精神保健福祉法における精神保健福祉士の役割(退院促進に関する措置、退院後生活環境相談員)が挙げられています。
当サイトに載せている第26〜28回の専門科目176問のうち、問題文・選択肢に「退院後生活環境相談員」を含む問は2問(第27回1問、第28回1問)、「精神保健福祉相談員」を含む問は2問(第26回1問、第27回1問)、「退院支援委員会」を含む問は3問(第27回3問)、「地域援助事業者」を含む問は0問です(2026-10-11 時点。集計の対象は、問題文・事例文・選択肢)。
問題を解くときは、次の順に確認します。
1. 対象の入院形態を確認する:選任の義務があるのは、措置入院者(第29条の6)と医療保護入院者(第33条の4で準用)です。任意入院者・応急入院者を対象とする規定の記載はありません。
2. 2024年4月1日の境目を意識する:措置入院者への選任と、地域援助事業者の紹介の義務化は、2024年4月1日施行の版からです。第26回の試験日(2024年2月3日・4日)は、その前です。
3. 選任する人を区別する:退院後生活環境相談員は、病院の管理者が選任します。精神保健福祉相談員は、都道府県知事又は市町村長が任命します。
4. 資格の範囲を確認する:精神保健福祉士以外にも、省令で定める資格があります。「精神保健福祉士に限る」という選択肢は、施行規則第15条の2と照らします。
5. 役割の中心は退院後の生活環境:相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うことが、条文の書き方です。2024年3月31日までの版にあった「指導させ」の語が使われている選択肢は、版を確認します。
回別の問題一覧は、第26回、第27回、第28回からたどれます。出題範囲は出題範囲の一覧で確認できます。
まとめ
- 退院後生活環境相談員は、措置入院者(第29条の6)と医療保護入院者(第33条の4で準用)の退院後の生活環境に関して、本人と家族等からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う職員。選任するのは精神科病院(措置入院者は国等の設置した精神科病院又は指定病院)の管理者
- 資格は、精神保健福祉士と、施行規則第15条の2の、保健師・看護師・准看護師・作業療法士・社会福祉士・公認心理師(精神障害者に関する業務の経験)、3年以上の実務経験と厚生労働大臣が定める研修の修了者。公認心理師は令和6年4月1日から
- 選任は、入院措置が採られた日から7日以内(施行規則第15条の3)
- 2024年4月1日施行の版で、措置入院者への選任と、地域援助事業者の紹介が義務になった。第26回は施行前、第27回・第28回は施行後
- 地域援助事業者の紹介(第29条の7)、退院による地域生活への移行を促進する体制整備(第33条の5)、医療保護入院者退院支援委員会(施行規則第15条の11〜)が、病院内外の退院支援の仕組み
- 精神保健福祉相談員(第48条)は、都道府県・市町村が置く別の職種。相談支援専門員は、障害者総合支援法の別の職種
- 次の一歩は、精神保健福祉法の記事で入院形態の全体を確認することと、専門科目の問題を解いてみることです
本サイトは社会福祉振興・試験センター・厚生労働省とは関係のない民間のサイトです。条文の引用・要約は e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月11日確認)と、厚生労働省・試験センターの公表資料にもとづきます。
よくある質問
Q退院後生活環境相談員になれるのは、精神保健福祉士だけですか。
いいえ。精神保健福祉法第29条の6は、「精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者」のうちから選任すると定めています。精神保健福祉法施行規則第15条の2は、省令で定める資格を、保健師、看護師、准看護師、作業療法士、社会福祉士、公認心理師で、精神障害者に関する当該資格の業務に従事した経験を有する者(第1号)と、それ以外の者で、3年以上、精神障害者及びその家族等からの退院後の生活環境に関する相談及び指導についての実務に従事した経験を有し、かつ、厚生労働大臣が定める研修を修了した者(第2号)と定めています。精神保健福祉士は、法律に直接書かれている資格です。
Q退院後生活環境相談員は、入院してからいつまでに選任するのですか。
精神保健福祉法施行規則第15条の3第1項は、措置入院者について、入院措置が採られた日から7日以内に選任しなければならない、と定めています。医療保護入院者については、同条第2項が、同じ規定を準用し、起算の日を、第33条第1項又は第2項の規定による入院措置が採られた日と読み替えています。
Q措置入院者に退院後生活環境相談員が選任されるようになったのは、いつからですか。
令和4年法律第104号の附則第1条本文により、令和6年(2024年)4月1日からです。2024年3月31日までの版の第33条の4は、医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者に選任を求める規定でした。2024年4月1日施行の版で、措置入院者についての第29条の6が置かれ、医療保護入院者には、第33条の4で第29条の6が準用されています。厚生労働省の施行事項別概要も、令和6年4月からの変更として、措置入院者にも選任することの義務化を挙げています。
Q退院後生活環境相談員と精神保健福祉相談員は、同じ職種ですか。
別の職種です。退院後生活環境相談員は、措置入院者・医療保護入院者を入院させている精神科病院(又は指定病院)の管理者が選任し、入院者の退院後の生活環境に関する相談などを行います(第29条の6)。精神保健福祉相談員は、都道府県及び市町村が、精神保健福祉センター、保健所などに置くことができる職員で、精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談に応じ、訪問して援助を行います。任命するのは都道府県知事又は市町村長です(第48条)。
Q任意入院者や応急入院者にも、退院後生活環境相談員は選任されますか。
第29条の6は措置入院者を、第33条の4は医療保護入院者を対象にしており、任意入院者・応急入院者・緊急措置入院者を対象とする選任の規定の記載はありません(2026-10-11 時点)。ただし、厚生労働省の通知「措置入院者及び医療保護入院者の退院促進に関する措置について」(障発1127第7号)は、法令上の義務は措置入院者・医療保護入院者が対象としたうえで、その他の入院形態の入院患者にも同様の措置を講じて退院促進に努めるよう求め、入院者が引き続き任意入院するときは、地域生活へ移行するまで退院促進の取組を続けることが望ましい、としています。入院形態ごとの違いは、精神保健福祉法の記事の一覧表で整理しています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月11日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

