精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)の目的・定義・精神保健福祉センター・精神医療審査会・精神保健指定医を、e-Gov 法令検索の条文で整理します。任意入院・措置入院・医療保護入院・応急入院の一覧表、虐待防止(令和6年4月施行)、精神障害者保健福祉手帳、令和4年法律第104号の施行日と第26〜28回の対応も紹介します。
目次
- 精神保健福祉法とは:目的(第1条)と9章の構成
- 定義(第5条):「精神障害者」と「家族等」
- 精神保健福祉センター・地方精神保健福祉審議会・精神医療審査会
- 精神保健指定医:指定・研修・職務
- 入院形態の一覧表:任意入院・措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院
- 措置入院:申請・通報から診察、入院措置、解除、費用まで
- 医療保護入院:同意者・期間・更新の条文(2024年4月の見直し)
- 入院中の人権擁護:処遇・審査・退院請求・入院者訪問支援
- 虐待の防止(第6節・第40条の2〜第40条の8):2024年4月施行
- 精神障害者保健福祉手帳と相談支援(第6章)
- 令和4年法律第104号による改正:施行日ごとの整理と第26〜28回
- 専門科目の問題を解くときに確認すること
- まとめ
結論:精神保健福祉法の正式名称は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(昭和25年法律第123号)です。障害者基本法の基本的な理念にのっとり、精神障害者の権利の擁護を図りつつ、その医療及び保護を行い、社会復帰の促進と自立・社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、精神的健康の保持及び増進に努めることで、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図る法律です(第1条)。専門科目では、入院形態(任意入院・措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院)、精神保健指定医、精神医療審査会、退院請求、退院後生活環境相談員が条文の中心です。令和4年法律第104号による改正は、2022年12月16日、2023年4月1日、2024年4月1日、2025年10月1日に分かれて施行されました。第26回の試験日は2024年4月1日の前、第27回と第28回は後です。
条文は、e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月10日時点)によります。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(e-Gov法令検索)
現行の版と最近の改正:現行の版は2026年10月1日施行のもので、令和7年法律第87号による改正です。この版で本則が変わったのは第29条の9で、診療報酬の審査・支払の事務の委託先の名称が、社会保険診療報酬支払基金から医療情報基盤・診療報酬審査支払機構に改まりました。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律。
精神保健福祉法とは:目的(第1条)と9章の構成
第1条の目的を整理すると、法律が書いている柱は次の4つです。
- 障害者基本法の基本的な理念にのっとること、精神障害者の権利の擁護を図りつつ医療及び保護を行うこと
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)と相まって、社会復帰の促進と、自立及び社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと
- 発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めること
- これらによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ること
第1条に障害者基本法の基本的な理念にのっとり「精神障害者の権利の擁護を図りつつ」が入ったのは、令和4年法律第104号の改正で、公布の日(2022年12月16日)に施行されました。厚生労働省は、この改正を、精神保健福祉法が障害者基本法の基本的な理念にのっとり精神障害者の権利擁護を図るものであることを明確にするとともに、地域生活の支援の強化等により精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制を整備するためのもの、と説明しています。
| 章 | 条文の範囲 | 決めていること |
|---|---|---|
| 第1章 総則 | 第1条〜第5条 | 目的、国・地方公共団体の義務、国民の義務、社会復帰等への配慮、定義 |
| 第2章 精神保健福祉センター | 第6条〜第8条 | 都道府県が置くセンターの業務 |
| 第3章 地方精神保健福祉審議会及び精神医療審査会 | 第9条〜第17条 | 審議会、審査会(委員・合議体) |
| 第4章 精神保健指定医、登録研修機関、精神科病院及び精神科救急医療体制 | 第18条〜第19条の11 | 指定医、研修機関、都道府県立精神科病院・指定病院、救急医療体制 |
| 第5章 医療及び保護 | 第20条〜第44条 | 入院形態、処遇、審査・退院請求、虐待の防止 |
| 第6章 保健及び福祉 | 第45条〜第51条 | 精神障害者保健福祉手帳、相談及び援助 |
| 第7章 精神障害者社会復帰促進センター | 第51条の2〜第51条の11 | 指定法人(センター)の業務 |
| 第8章 雑則 | 第51条の11の2〜第51条の15 | 市町村長による後見等の審判の請求、大都市の特例、事務の区分など |
| 第9章 罰則 | 第52条〜第57条 | 罰則 |
センターの科目別出題基準(精神保健福祉制度論)が挙げる入院形態・移送・人権擁護・精神保健指定医制度は、主に第4章と第5章の条文です。この記事は、第4章〜第6章を条文の順に整理します。精神保健福祉士が出てくる条文の位置は、このあとの各節と、よくある質問の末尾にまとめています。
法律上の社会福祉士と精神保健福祉士の違いは社会福祉士と精神保健福祉士の違い、精神保健福祉士法の中身は精神保健福祉士とはの記事で扱っています。
定義(第5条):「精神障害者」と「家族等」
第5条第1項は、精神障害者を「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害その他の精神疾患を有する者」と定めています。2022年12月16日施行の版で、この項から「精神病質」の語が削られました。
第2項は、「家族等」を、配偶者、親権を行う者、扶養義務者及び後見人又は保佐人と定めています。次のいずれかに当たる者は除かれます。
1. 行方の知れない者
2. 当該精神障害者に対して訴訟をしている者又はした者並びにその配偶者及び直系血族
3. 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
4. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の身体に対する暴力等を行った配偶者その他、当該精神障害者の入院及び処遇についての意思表示を求めることが適切でない者として厚生労働省令で定めるもの
5. 心身の故障により当該精神障害者の入院及び処遇についての意思表示を適切に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
6. 未成年者
「家族等」の定義は、医療保護入院の同意(第33条)や退院等の請求(第38条の4)に関わります。厚生労働省は、2023年4月からの変更として、医療保護入院の同意や退院請求を行うことができる「家族等」から、DVや虐待の加害者を除くこと、市町村長は同意の事務に関して関係機関等に必要な事項を照会できること、当該家族が唯一の家族である場合には医療機関が市町村長同意の申請をできるようになることを示しています。
精神保健福祉センター・地方精神保健福祉審議会・精神医療審査会
3つの機関は名前が似ているので、置く主体と役割で区別します。
| 機関 | 根拠 | 置く主体 | 役割の要点 |
|---|---|---|---|
| 精神保健福祉センター | 第6条 | 都道府県(「置くものとする」) | 知識の普及・調査研究、複雑又は困難な相談及び援助、精神医療審査会の事務、手帳の申請に対する決定等に関する専門的な事務、市町村への意見・技術的協力 |
| 地方精神保健福祉審議会 | 第9条 | 都道府県(条例で「置くことができる」) | 精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項を調査審議する。知事の諮問に答え、意見を具申することができる |
| 精神医療審査会 | 第12条〜第14条 | 都道府県(「置く」) | 入院の必要性等の審査(第38条の3第2項・第38条の5第2項) |
精神保健福祉センターの業務は、第6条第2項の6つの号に書かれています。第3号が「精神医療審査会の事務を行うこと」で、審査会の事務局機能がセンターに置かれていることを表します。
精神医療審査会の委員は、精神障害者の医療に関し学識経験を有する者(精神保健指定医である者に限る)、精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者、法律に関し学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命します(第13条第1項)。審査は、委員5人の合議体で行い、医療の学識経験者2人以上、保健又は福祉の学識経験者1人以上、法律の学識経験者1人以上で構成します(第14条)。
精神医療審査会の委員の任期と合議体の人数:委員の任期は2年(条例で2年を超え3年以下の期間を定める場合はその期間)、合議体は委員5人。医療2人以上、保健又は福祉1人以上、法律1人以上(第13条第2項、第14条)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律。
精神保健福祉センターの設置・運営経費の国庫補助:国は、都道府県が設置したときは、政令の定めるところにより、設置に要する経費の二分の一、運営に要する経費の三分の一を補助する(第7条)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律。
精神保健指定医:指定・研修・職務
精神保健指定医(指定医)は、厚生労働大臣が、申請に基づいて指定する医師です(第18条第1項)。指定の要件は4つで、診断又は治療の経験年数、精神障害の診断又は治療の経験年数、大臣が定める精神障害・程度の診断又は治療の経験、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う研修の課程の修了です。
精神保健指定医の指定の要件:5年以上診断又は治療に従事した経験、3年以上精神障害の診断又は治療に従事した経験(第18条第1項第1号・第2号)。研修は、申請前3年以内に行われたものに限る(同項第4号)。令和4年法律第104号により、2023年4月1日施行の版で、この研修の期間が申請前1年以内から3年以内に改まった。指定後は、5の年度ごとに厚生労働大臣が定める年度に研修を受けなければならない(第19条第1項)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律。
指定医の職務は、第19条の4に、2つに分けて書かれています。
- 第1項:任意入院者を退院させない場合の判定(第21条第3項)、措置入院者の入院継続の必要性の判定、医療保護入院・応急入院の判定、行動制限(隔離など)を必要とするかどうかの判定、仮退院の判定など
- 第2項(公務員として行う職務):措置入院・緊急措置入院を必要とするかどうかの判定、移送を必要とするかどうかの判定、精神医療審査会の委員としての診察、立入検査・質問・診察、精神障害者保健福祉手帳の返還を命ずる前の診察など
指定医は、第19条の4の2により、第1項の職務を行ったときは、遅滞なく、氏名その他厚生労働省令で定める事項を診療録に記載しなければなりません。また、第19条の5により、医療保護入院などで精神障害者を入院させている精神科病院の管理者は、常時勤務する指定医を置かなければなりません。
入院形態の一覧表:任意入院・措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院
入院形態は、「同意するのはだれか」「診察するのはだれか」「何時間・何か月か」「どこへ届け出るか」の4つの軸で並べると、違いが見えます。
| 入院形態(条文) | 要件の要点 | 同意・決定する人 | 指定医の診察 | 期間・時間 |
|---|---|---|---|---|
| 任意入院(第20条・第21条) | 精神障害者が自ら入院する。管理者は、本人の同意に基づいて入院が行われるように努める | 本人(入院に際し、自ら入院する旨を記載した書面を受ける) | 退院の申出があっても、指定医の診察で入院継続が必要と認めたときは退院させないことができる | 退院させないことができるのは72時間。特定医師が診察する場合は12時間(第21条第3項・第4項) |
| 措置入院(第29条) | 診察の結果、精神障害者であり、入院させなければ精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたとき | 都道府県知事(本人・家族等の同意は要件に書かれていない)。国等の設置した精神科病院又は指定病院に入院させる | 2人以上の指定医の診察の結果が一致した場合に限る(第2項) | 入院期間の記載はない。要件がなくなれば知事が直ちに退院させる(第29条の4) |
| 緊急措置入院(第29条の2) | 急速を要し、第27条〜第29条の手続を採れない場合。直ちに入院させなければ自身を傷つけ又は他人を害するおそれが著しいと認めたとき | 都道府県知事 | 知事が指定する指定医の診察(第1項) | 72時間を超えられない(第3項)。その間に措置入院とするかどうかを決める(第2項) |
| 医療保護入院(第33条) | 指定医の診察の結果、精神障害者であり、医療及び保護のため入院の必要があり、任意入院が行われる状態にないと判定された者(移送された者を含む) | 家族等のうちいずれかの者の同意(第1項)。家族等がない、全員が意思を表示できない、又は同意・不同意の意思表示を行わない場合は、居住地を管轄する市町村長の同意(第2項) | 指定医(緊急その他やむを得ない理由があるときは、要件を満たす病院で特定医師が12時間を限り、第3項) | 6月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内。更新できる(第6項)。省令では、6月を経過するまでは3月、その後は6月 |
| 応急入院(第33条の6) | 急速を要し、家族等の同意を得ることができない場合。直ちに入院させなければ医療及び保護を図る上で著しく支障があり、任意入院が行われる状態にない者(移送された者を含む) | 本人の同意はなく、家族等の同意も要らない。都道府県知事が指定した精神科病院(応急入院指定病院)の管理者が入院させる | 指定医(緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定医師が12時間を限り、第2項) | 72時間を限る(第1項) |
入院形態ごとの時間と期間:任意入院の退院制限72時間(指定医)・12時間(特定医師)、緊急措置入院72時間以内、応急入院72時間(特定医師の場合は12時間)、医療保護入院は6月以内で厚生労働省令で定める期間(施行規則第15条の6で、6月を経過するまでは3月、6月を経過した後は6月)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、e-Gov法令検索 同法施行規則。
医療保護入院の移送(第34条)は、直ちに入院させなければ医療及び保護を図る上で著しく支障がある者を、知事が指定する指定医の診察の結果と、家族等のうちいずれかの者の同意(家族等がない場合などは市町村長の同意)を要件に、応急入院指定病院へ移送する制度です。家族等の同意を得ることができない急速を要する場合は、第3項で、応急入院のための移送もできます。
「特定医師」は、指定医に代わって診察を行える医師で、緊急その他やむを得ない理由があり、厚生労働省令で定める基準に適合すると都道府県知事が認めた精神科病院の場合に限り、任意入院者の退院制限(12時間)、医療保護入院(12時間)、応急入院(12時間)で診察を行うことができます。
以下は、当サイトが条文をもとに作った例(作例)です。
1. 精神科病院の管理者が、任意入院者から退院の申出を受けた場合、原則として退院させなければなりません(第21条第2項)。指定医の診察の結果、入院を継続する必要があると認めたときは、72時間に限り退院させないことができます(同条第3項)。
2. 家族等の全員が、同意・不同意の意思表示を行わない場合、医療保護入院の同意は、居住地を管轄する市町村長が行うことができます(第33条第2項)。この「意思表示を行わない」場合の規定は、2024年4月1日施行の版から置かれています。
3. 警察官が、精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したときは、最寄りの保健所長を経て、都道府県知事に通報します(第23条)。通報の先は、精神科病院ではなく都道府県知事です。
措置入院:申請・通報から診察、入院措置、解除、費用まで
措置入院は、診察と入院の決定を、都道府県知事が行う制度です。流れは、申請・通報→知事の指定する指定医の診察→入院措置の決定→「解除」の順です。
入口:申請と通報(第22条〜第26条の3)
| 条 | 通報・申請する人 | 宛先 |
|---|---|---|
| 第22条 | 精神障害者又はその疑いのある者を知った者は、だれでも(診察及び必要な保護の申請) | 最寄りの保健所長を経て都道府県知事 |
| 第23条 | 警察官(自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したとき) | 最寄りの保健所長を経て都道府県知事 |
| 第24条 | 検察官(不起訴処分、一定の裁判の確定など) | 都道府県知事 |
| 第25条 | 保護観察所の長(保護観察に付されている者が精神障害者又はその疑いのある者と知ったとき) | 都道府県知事 |
| 第26条 | 矯正施設の長(精神障害者又はその疑いのある収容者を釈放・退院・退所させようとするとき、あらかじめ) | 本人の帰住地の都道府県知事 |
| 第26条の2 | 精神科病院の管理者(入院中の精神障害者で、第29条第1項の要件に該当すると認められる者から退院の申出があったとき) | 最寄りの保健所長を経て都道府県知事 |
| 第26条の3 | 指定通院医療機関の管理者及び保護観察所の長(指定入院医療機関に入院していない医療観察法の対象者に、自傷他害のおそれがあると認めたとき) | 最寄りの保健所長を経て都道府県知事 |
診察と入院措置(第27条〜第29条の2)
- 都道府県知事は、申請・通報・届出のあった者について、調査の上必要があると認めるときは、指定する指定医に診察をさせなければなりません(第27条第1項)。入院させなければ精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあることが明らかな者は、申請等がなくても診察させることができます(第2項)。診察には、当該職員を立ち会わせます(第3項)。
- 診察した指定医は、厚生労働大臣の定める基準に従って、入院させなければ自傷他害のおそれがあるかどうかの判定を行います(第28条の2)。
- 措置入院は、知事が指定する2人以上の指定医の診察の結果が一致した場合に限ります(第29条第2項)。入院先は、国等の設置した精神科病院又は指定病院です。知事は、入院措置を採る場合、本人と、診察の通知を受けた又は立会いを行った家族等に、入院措置を採る旨及びその理由、退院等の請求に関することなどを書面で知らせます(第29条第3項。2023年4月1日施行の版から、家族等への告知と「理由」が加わった)。
- 急速を要し通常の手続を採れない場合の緊急措置入院は、72時間を超えられません(第29条の2第3項)。
解除と退院後(第29条の4〜第29条の7)
- 措置入院者に入院を継続しなくても自傷他害のおそれがないと認められるに至ったときは、知事は直ちに退院させなければなりません。知事が退院させるには、指定する指定医の診察の結果、又は管理者の届出(第29条の5)に係る診察の結果に基づく場合でなければなりません(第29条の4第2項)。
- 措置入院者を入院させている病院の管理者は、精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、退院後生活環境相談員を選任しなければなりません(第29条の6)。これは2024年4月1日施行の版から置かれた義務で、それ以前は医療保護入院者についてだけ定められていました(第33条の4)。
- 管理者は、措置入院者又はその家族等から求めがあった場合などに、地域援助事業者(一般相談支援事業・特定相談支援事業を行う者など)を紹介しなければなりません(第29条の7)。2024年4月1日施行の版で、努力義務から義務になり、措置入院者にも適用されました。
費用(第30条):措置入院・緊急措置入院に要する費用は都道府県が負担し、国は、その費用の一部を政令の定めるところにより負担します。
措置入院の費用負担と仮退院:入院に要する費用は都道府県が負担し、国はその四分の三を負担する(第30条第1項・第2項)。措置入院者の仮退院は、指定医の診察の結果、都道府県知事の許可を得て、6月を超えない期間を限って行える(第40条)。退院後生活環境相談員の選任は、入院措置が採られた日から7日以内(施行規則第15条の3)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、e-Gov法令検索 同法施行規則。
医療保護入院:同意者・期間・更新の条文(2024年4月の見直し)
医療保護入院(第33条)は、本人の同意がなくても、同意者の同意で行う入院です。第1項第1号の要件は、指定医の診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のため入院の必要がある者であって、当該精神障害のために「第二十条の規定による入院が行われる状態にない」と判定されたもの、です。任意入院ができる状態なら、医療保護入院にはなりません。
2024年4月1日施行の版で、医療保護入院は次のように変わりました。変更前の欄は、2023年4月1日施行の版(第26回の試験日に施行されていた版)の条文です。
| 項目 | 変更前(2023年4月1日施行の版) | 現行(2024年4月1日施行の版から) |
|---|---|---|
| 入院期間 | 第33条に期間の記載がない | 6月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内の期間を定める(第1項・第2項) |
| 更新 | 更新の規定がない | 指定医の診察の結果、なお第1項第1号に該当すること、退院支援委員会で退院による地域生活への移行を促進する措置が審議されたこと、同意(家族等又は市町村長)があるときに、期間を更新できる(第6項) |
| 市町村長の同意 | 家族等がない、又は家族等の全員が意思を表示することができない場合 | これに加えて、家族等の全員が、同意・不同意の意思表示を行わない場合(第2項) |
| 退院後生活環境相談員 | 医療保護入院者のみ(第33条の4) | 措置入院者にも選任を義務づけ(第29条の6)。医療保護入院者には準用(第33条の4) |
| 地域援助事業者の紹介 | 紹介するよう努めなければならない(第33条の5) | 紹介しなければならない(第29条の7・第33条の4)。体制整備などの措置は第33条の5 |
| 精神医療審査会の審査 | 医療保護入院の届出と、措置入院者・医療保護入院者の定期の報告の審査(第38条の2第1項・第2項、第38条の3第1項) | 医療保護入院者の定期の報告はなくなり、入院・更新の届出を審査する。措置入院を採ったときも、入院の必要性の審査を求める(第38条の3第1項) |
更新の際の同意について、第33条第8項は、管理者が家族等に、同意に関し必要な事項を通知し、厚生労働省令で定める日までにいずれの家族等からも不同意の意思表示を受けなかったときは、同意を得たものとみなすことができる、と書いています(ただし、同意の趣旨に照らし適当でない場合として厚生労働省令で定める場合を除く)。
管理者は、入院措置を採った、又は期間の更新をしたときは、十日以内に、症状などを、同意書を添えて、最寄りの保健所長を経て都道府県知事に届け出ます(第33条第9項)。退院させたときも、十日以内に届け出ます(第33条の2)。
更新の要件にある委員会(第33条第6項第2号)は、施行規則第15条の11で「医療保護入院者退院支援委員会」と呼ばれ、入院期間が経過する前に、入院を継続する必要があるかどうかを審議するために開かれます。構成員は、主治医、看護師又は准看護師、退院後生活環境相談員、そのほか管理者から出席を求められた職員です(第15条の12第1項)。本人が希望するときは本人も構成員に加わり、本人が家族等や地域援助事業者などを構成員とすることを希望し、通知を受けたその人も希望するときは、その人も加わります(同条第2項・第3項)。
医療保護入院の届出と告知の期限:入院措置・更新の届出は10日以内(第33条第9項)、退院の届出は10日以内(第33条の2)。本人への書面による告知は、入院措置を採った日又は更新した日から4週間を経過する日までの間で、症状に照らし医療及び保護を図る上で支障があると認められる間は、しないことができる(第33条の3第1項ただし書)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律。
入院中の人権擁護:処遇・審査・退院請求・入院者訪問支援
処遇(第36条〜第37条の2):管理者は、入院中の者の行動について、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、必要な制限を行えます(第36条第1項)。信書の発受の制限、行政機関の職員との面会の制限など、厚生労働大臣が定める行動の制限は、行えません(第2項)。患者の隔離その他、大臣が定める行動の制限は、指定医が必要と認める場合でなければ行えません(第3項)。
審査(第38条の2・第38条の3):措置入院者の定期の報告(第38条の2)と、措置入院を採ったとき、医療保護入院の届出があったときに、知事は、症状などを精神医療審査会に通知し、入院の必要があるかどうかの審査を求めます(第38条の3第1項)。審査会は、必要があるときは、本人に意見を求め、本人の同意を得て委員(指定医に限る)に診察させ、管理者その他関係者に報告を求め、診療録などの提出や出頭を命じて審問できます(第3項)。結果に基づき、入院が必要でないと認められた者は、知事が退院させ、又は管理者に退院を命じます(第4項)。
退院等の請求(第38条の4・第38条の5):入院中の者又はその家族等は、都道府県知事に対し、その者を退院させること、又は管理者に対し、退院させること若しくは処遇の改善のために必要な措置を採ることを命ずることを求められます(第38条の4)。請求を受けた知事は、審査会に審査を求め(第38条の5第1項)、審査会は、請求した者と管理者の意見を聴かなければなりません(第3項)。結果は、請求した者に通知されます(第6項)。
入院者訪問支援事業(第35条の2・第35条の3):都道府県は、第33条第2項の規定により入院した者(市町村長の同意による医療保護入院者)その他、外部との交流を促進するための支援を要するものとして厚生労働省令で定める者に対し、入院者訪問支援員が、本人の求めに応じ、訪問して、話を聞き、入院中の生活に関する相談、情報提供などの支援を行う事業を行うことができます。2024年4月1日施行の版で新設されました。入院者訪問支援員は、研修を修了した者のうちから、知事が選任します。
退院後生活環境相談員(第29条の6・第33条の4):精神保健福祉士その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから選任され、退院後の生活環境に関し、入院者及びその家族等からの相談に応じ、情報提供、助言その他の援助を行います。厚生労働省令(施行規則第15条の2)には、精神保健福祉士以外に、保健師、看護師、准看護師、作業療法士、社会福祉士、公認心理師が、精神障害者に関する業務の経験を有する場合などが挙げられています。
試験センターの科目別出題基準(精神保健福祉制度論)には、入院形態、入院の方法(移送制度等)、人権擁護(退院請求、精神医療審査会、入院者訪問支援事業、精神保健指定医制度)、精神保健福祉法における精神保健福祉士の役割(退院促進に関する措置、退院後生活環境相談員)が、挙げられています。この節の内容は、そのまま出題基準の項目に重なります。
虐待の防止(第6節・第40条の2〜第40条の8):2024年4月施行
精神科病院における虐待の防止は、第5章第6節として新設されました。令和4年法律第104号により、2024年4月1日に施行されています(附則第1条本文)。
| 条 | 内容 |
|---|---|
| 第40条の2 | 管理者は、虐待防止に関する意識向上の措置、業務従事者への研修の実施と普及啓発、虐待に関する相談体制の整備と対処する措置などを講ずる。指定医は、その措置の実施に協力しなければならない |
| 第40条の3 | 業務従事者による障害者虐待を受けたと思われる精神障害者を発見した者は、速やかに都道府県に通報しなければならない。虐待を受けた精神障害者は、都道府県に届け出ることができる。守秘義務の規定は通報を妨げない。業務従事者は、通報を理由に、解雇その他不利益な取扱いを受けない |
| 第40条の4 | 通報・届出を受けた都道府県の職員は、通報・届出をした者を特定させるものを漏らしてはならない |
| 第40条の5 | 大臣・知事は、報告の徴収、立入検査、質問、診察ができる |
| 第40条の6 | 大臣・知事は、改善計画の提出の求め、必要な措置の命令ができる。命令に従わない場合の公表、入院に係る医療の提供の制限命令もできる |
| 第40条の7 | 知事は、毎年度、業務従事者による障害者虐待の状況などを公表する |
| 第40条の8 | 国は、事例の分析、予防及び早期発見の方策などについて調査及び研究を行う |
厚生労働省の施行事項別概要は、この改正を、「医療機関における虐待防止の措置の義務化」と「虐待を発見した者から都道府県等への通報の義務化」として示しています。第40条の3第1項が「通報しなければならない」と書いている点が、この制度の中心です。
精神障害者保健福祉手帳と相談支援(第6章)
手帳(第45条・第45条の2):精神障害者(知的障害者を除く)は、厚生労働省令で定める書類を添えて、居住地の都道府県知事に、精神障害者保健福祉手帳の交付を申請できます(第45条第1項)。知事は、申請に基づいて審査し、政令で定める精神障害の状態にあると認めたときは交付しなければなりません(第2項)。手帳の交付を受けた者は、二年ごとに、その状態にあることについて知事の認定を受けなければなりません(第4項)。状態がなくなったときは、速やかに手帳を返還しなければならず(第45条の2第1項)、知事は返還を命ずることができますが、命ずるときは、あらかじめ指定する指定医に診察させなければなりません(同条第3項・第4項)。
施行令(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令)の第6条は、手帳に記載する障害等級を、重度のものから一級、二級及び三級と定めています。第5条は、手帳の交付の申請を、居住地を管轄する市町村長を経由して行うと定めています。
手帳の更新に当たる認定の間隔と障害等級:2年ごとに知事の認定を受ける(法第45条第4項)。障害等級は一級・二級・三級(施行令第6条第3項)。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、e-Gov法令検索 同法施行令。
相談及び援助(第46条〜第51条)
- 第46条は、この節の相談及び援助が、精神障害の有無及びその程度にかかわらず、地域の実情に応じて、精神障害者等の心身の状態に応じた「保健、医療、福祉、住まい、就労その他の適切な支援が包括的に確保される」ことを旨として行われなければならないと定めています。2024年4月1日施行の版で、この見出しは「精神障害者等に対する包括的支援の確保」になりました。
- 第47条は、都道府県等が、必要に応じて、精神保健福祉相談員その他の職員などに、精神障害者及びその家族等からの相談に応じさせ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行わせなければならない、と定めています。市町村については、精神障害者の福祉に関する相談は「行わなければならない」(第3項)、精神保健に関する相談は「行うように努めなければならない」(第4項)、精神保健に関する課題を抱える者(第46条の厚生労働省令で定める者)の相談は都道府県とともに「行うことができる」(第5項)という書き分けがあります。
- 第48条は、精神保健福祉相談員を、都道府県及び市町村が、精神保健福祉センター及び保健所その他これらに準ずる施設に置くことができると定め、精神保健福祉士その他政令で定める資格を有する者のうちから任命するとしています。
令和4年法律第104号による改正:施行日ごとの整理と第26〜28回
令和4年法律第104号(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律)は、令和4年12月16日に公布されました。附則第1条は、原則を令和6年4月1日とし、号ごとに別の施行日を定めています。精神保健福祉法の改正は、次のように施行されました。
| 施行日 | 精神保健福祉法の主な変更 | 主な条文 | 試験日との関係 |
|---|---|---|---|
| 2022年12月16日(公布の日) | 目的規定に障害者基本法の理念・権利の擁護を追加。定義から「精神病質」を削除 | 第1条・第5条第1項 | 第26〜28回とも施行後 |
| 2023年4月1日 | 「家族等」の定義を第5条第2項に置き、DV等の加害者などを除く。市町村長の関係機関への照会。入院措置を採る理由の告知(家族等にも)。指定医の申請に必要な研修の期間を3年以内に | 第5条第2項、第18条第1項第4号、第21条第7項、第29条第3項、第33条(市町村長の照会)、第33条の3 | 第26〜28回とも施行後 |
| 2024年4月1日 | 医療保護入院の期間と更新、家族等が意思表示を行わない場合の市町村長同意、措置入院者の退院後生活環境相談員、地域援助事業者の紹介の義務化、措置入院時の審査、入院者訪問支援事業、虐待の防止、市町村の相談支援 | 第29条の6・第29条の7、第33条、第33条の4、第35条の2、第38条の3、第40条の2〜第40条の8、第46条・第47条 | 第26回(2024年2月3日・4日)は施行前。第27回(2025年2月1日・2日)と第28回(2026年1月31日・2月1日)は施行後 |
| 2025年10月1日(附則第1条第4号の政令で定める日) | 障害者総合支援法第5条の引用する項番号の整理(一般相談支援事業の定義を引く第4条第1項の「同条第十八項」が「同条第十九項」に。第29条の7第1号も、附則第14条第2項による第十八項への読替えがこの日に終わる) | 第4条第1項 | 第26回・第27回は施行前。第28回は施行後 |
令和4年法律第104号の施行日:公布2022年12月16日。附則第1条本文により原則は令和6年4月1日(精神保健福祉法を改める第8条はここに入る)。ただし書により、第1号(第7条中の精神保健福祉法第1条の改正規定と、第5条の改正規定のうち「精神病質」を削る部分)は公布の日、第2号(第7条のその他の改正規定など)は令和5年4月1日、第3号は公布時の条文で令和5年10月1日(児童福祉法・難病法の改正で、精神保健福祉法の改正を含まない)、第4号(第8条中の精神保健福祉法第4条第1項の改正規定など)は公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日。e-Gov 法令検索の改正履歴では、第4号の規定の施行日は2025年10月1日。最終確認日:2026-10-10。出典:e-Gov法令検索 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(附則)、衆議院 制定法律 令和4年法律第104号、厚生労働省 令和4年精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正について。
試験日:第26回は2024年2月3日・4日、第27回は2025年2月1日・2日、第28回は2026年1月31日・2月1日。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 第26回の合格発表について、第27回、第28回。
精神保健福祉法には、このほかに、令和4年法律第68号による罰則などの「拘禁刑」への語の改正(2025年6月1日施行。第24条、第52条〜第54条)があります。第26回・第27回は施行前、第28回は施行後です。
専門科目の問題を解くときに確認すること
精神保健福祉制度論(第27回・第28回の科目名。第26回は「精神保健福祉に関する制度とサービス」)の精神保健福祉法の問題を解くときは、次の順に確認します。
1. 入院形態は4つの軸で整理する:上の一覧表の「同意・決定する人」「指定医の診察」「期間・時間」に加え、届出・審査の流れ(医療保護入院は管理者から保健所長を経て知事へ届出、措置入院は知事が精神医療審査会に審査を求める)を確認します。「措置」は知事、「医療保護」は管理者と同意者、「応急」は指定病院の管理者、と主体が違います。
2. 2024年4月1日の境目を意識する:入院期間(6月以内)、更新、市町村長同意の範囲、措置入院者への退院後生活環境相談員、入院者訪問支援事業、虐待防止は、2024年4月1日施行の版から置かれました。第26回の試験日(2024年2月3日・4日)には、これらの規定はまだ施行されていません。
3. 条番号は版で変わる:2023年4月1日施行の版で、「家族等」の定義は第33条から第5条第2項へ移りました。古い教材で第33条の定義が書かれていたら、版が古いサインです。
4. 法改正の出題:センターの出題基準(精神保健福祉士)は、「出題基準公表後の法改正による制度の重大な変更等、出題基準にない事項であっても、精神保健福祉士として習得すべき事項については、出題することができる。」と書いています。
5. 医療観察法との境目:精神保健福祉法の第26条の3(医療観察法の対象者についての通報)と、医療観察法の第115条(通院の決定を受けた者について、精神保健福祉法による入院が行われることを妨げない)が、2つの法律の接点です。審判や社会復帰調整官は、医療観察法の記事で整理しています。
回別の問題一覧は、第26回、第27回、第28回からたどれます。出題範囲は出題範囲の一覧、全体の使い方は精神保健福祉士の問題集トップで確認できます。
まとめ
- 精神保健福祉法は、精神障害者の権利の擁護を図りつつ医療及び保護を行い、社会復帰・自立・社会経済活動への参加の促進のための援助と、国民の精神的健康の保持及び増進を定める法律(第1条)。出題基準の入院形態・人権擁護は、主に第4章(指定医)と第5章(医療及び保護)の条文
- 入院形態は、任意入院(本人の同意)、措置入院(知事。指定医2人以上の一致)、緊急措置入院(72時間以内)、医療保護入院(同意者の同意。6月以内で省令の期間、更新あり)、応急入院(指定病院。72時間)。同意する人・診察する人・期間・届出先の4軸で整理する
- 精神医療審査会(第12条〜第14条)は、入院の必要性などを審査し、退院等の請求(第38条の4・第38条の5)の審査も行う。委員5人の合議体で、医療2人以上、保健又は福祉1人以上、法律1人以上
- 令和4年法律第104号の施行は、2022年12月16日、2023年4月1日、2024年4月1日、2025年10月1日。第26回は2024年4月1日の施行前、第27回・第28回は施行後
- 精神保健福祉士が条文に出てくるのは、第29条の6、第41条第2項第3号、第48条第2項の3か所
- 次の一歩は、医療観察法の記事で隣の法律を確認することと、専門科目の問題を解いてみることです
本サイトは社会福祉振興・試験センター・厚生労働省とは関係のない民間のサイトです。条文の引用・要約は e-Gov 法令検索の現行条文(2026年10月10日確認)と、厚生労働省・センターの公表資料にもとづきます。
よくある質問
Q精神保健福祉法の「家族等」には、だれが含まれ、だれが除かれますか。
第5条第2項は、「家族等」を、精神障害者の配偶者、親権を行う者、扶養義務者及び後見人又は保佐人と定めています。ただし、行方の知れない者、当該精神障害者に対して訴訟をしている者又はした者並びにその配偶者及び直系血族、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人・補助人、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の身体に対する暴力等を行った配偶者その他入院及び処遇についての意思表示を求めることが適切でない者として厚生労働省令で定めるもの、心身の故障により意思表示を適切に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの、未成年者は除かれます。この定義が第5条第2項に置かれたのは2023年4月1日施行の版からで、それ以前は第33条第2項にありました。
Q精神保健福祉法の「精神障害者」の定義に、精神病質は含まれますか。
現行の第5条第1項は、精神障害者を「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害その他の精神疾患を有する者」と定めており、精神病質の語の記載はありません(2026-10-10 時点)。「精神病質」を削る改正は、令和4年法律第104号の附則第1条第1号により、公布の日(2022年12月16日)に施行されました。2022年6月17日施行の版の第5条第1項には、この語が書かれていました。
Q医療保護入院の入院期間は、何か月ですか。
第33条第1項は、「六月以内で厚生労働省令で定める期間の範囲内の期間」を定めて入院させることができると書いています。厚生労働省令(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則)の第15条の6は、その期間を、医療保護入院から6月を経過するまでの間は3月、6月を経過した後は6月と定めています。この期間の定めと更新の手続は、2024年4月1日施行の版から置かれました。それ以前の第33条には、期間の記載がありません。
Q精神保健福祉士の国家試験の第26〜28回は、改正前の条文で出題されたのですか。
試験日と施行日を並べると、第26回(2024年2月3日・4日)は、令和6年4月1日施行の部分より前、第27回(2025年2月1日・2日)と第28回(2026年1月31日・2月1日)は後です。センターの出題基準のページには、出題の基準となる法令の基準日の記載がありません(2026-10-10 時点)。出題基準には、法律、政省令等に規定されている事項からも出題されると書かれています。過去問の解説を読むときは、その問題の試験日に施行されていた版かどうかを確かめてください。
Q精神保健福祉士は、精神保健福祉法のどの条文に出てきますか。
精神保健福祉法の現行の本則で「精神保健福祉士」の語が出てくるのは、3か所です。第29条の6(措置入院者の退院後生活環境相談員の選任。第33条の4で医療保護入院者に準用)、第41条第2項第3号(良質かつ適切な医療の提供を確保するための指針に定める、医師、看護師その他の医療従事者と精神保健福祉士その他の専門的知識を有する者との連携に関する事項)、第48条第2項(精神保健福祉相談員の任命資格)です。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月10日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

