精神保健福祉士の勉強時間は、センターの試験概要・出題基準・合格基準のページに記載がありません。132問(専門科目48問・共通科目84問)・9科目群の数字から学習量を見積もる計算式、試験日から週数を逆算する表、専門科目と共通科目の配分、0点の科目群を作らない進め方、過去問の使い方、独学で進めるときの注意をまとめました。
目次
結論:精神保健福祉士の勉強時間について、センターの試験概要・出題基準・合格基準のページに、必要な勉強時間の記載はありません(2026-10-10 時点)。そこでこの記事では、時間を先に決めず、試験の形(132問・専門科目6科目・共通科目12科目・9科目群)から「学習量」を数えて、自分の1問あたりの時間で計算する方法を示します。合格には9つの科目群すべてで得点があることが条件のため、時間は科目群ごとに偏りなく配ります。
勉強時間は「量」で見積もる(当サイトの考え方)
「何時間勉強すれば受かるか」は、学習歴・仕事・得意不得意で変わるため、一つの数字では答えられません。センターの試験概要・出題基準・合格基準のページにも勉強時間の記載がないので(2026-10-10 時点)、当サイトは時間数を目安として断定しません。代わりに、試験の形から決まる次の3つで量を見積もります。
- ① 試験までに使える総時間 = 1週間の勉強時間 × 試験日までの週数
- ② 過去問の1周にかかる時間 = 問題数 × 1問あたりの時間(解説を読む時間を含む)
- ③ 科目群ごとの配分 = 総時間 × その群の問題数 ÷ 132
配点は1問1点の132点満点です(センター 合格基準)。問題数の割合がそのまま点数の割合になるので、配分の出発点を問題数にします。ここから先は、得意不得意に合わせて動かしてください。
試験の形を数字で押さえる(専門科目48問・共通科目84問)
第29回の案内では、出題は132問(専門科目48問、共通科目84問)、五肢択一を基本とする多肢選択形式です。専門科目は令和9年2月6日(土)の午後14時00分から15時30分、共通科目は2月7日(日)の午前10時00分から12時20分です。合格基準では、試験科目が次の9つの科目群にまとめられています。下の表の問題数は、センターが公表した第27回・第28回の正答一覧で数えたもの(2回とも同数)です。
| 科目群 | 含まれる科目(問題数) | 問題数 | 割合 | 区分 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 精神医学と精神医療(9) | 9問 | 6.8% | 専門 |
| ② | 現代の精神保健の課題と支援(9) | 9問 | 6.8% | 専門 |
| ③ | 精神保健福祉の原理(9) | 9問 | 6.8% | 専門 |
| ④ | ソーシャルワークの理論と方法(専門)(9) | 9問 | 6.8% | 専門 |
| ⑤ | 精神障害リハビリテーション論(6)・精神保健福祉制度論(6) | 12問 | 9.1% | 専門 |
| ⑥ | 医学概論(6)・心理学と心理的支援(6)・社会学と社会システム(6) | 18問 | 13.6% | 共通 |
| ⑦ | 社会福祉の原理と政策(9)・社会保障(9)・権利擁護を支える法制度(6) | 24問 | 18.2% | 共通 |
| ⑧ | 地域福祉と包括的支援体制(9)・障害者福祉(6)・刑事司法と福祉(6) | 21問 | 15.9% | 共通 |
| ⑨ | ソーシャルワークの基盤と専門職(6)・ソーシャルワークの理論と方法(9)・社会福祉調査の基礎(6) | 21問 | 15.9% | 共通 |
出典:科目群の組み分けはセンター 合格基準、専門科目と共通科目の問題数はセンター 第29回の案内、科目ごとの問題数は第27回・第28回の合格基準・正答。割合は四捨五入のため、合計が100%にならない場合があります。
第29回の試験日・時間・出題数:令和9年2月6日(土)午後14時00分〜15時30分が専門科目、令和9年2月7日(日)午前10時00分〜12時20分が共通科目。出題数は132問(専門科目48問・共通科目84問)。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 令和8年度 第29回精神保健福祉士国家試験。
試験時間から1問あたりの時間を割ると、専門科目は90分で48問なので112.5秒、共通科目は140分で84問なので100秒です(全体では230分で132問、約104.5秒)。検算すると、112.5秒×48問=5,400秒=90分です。
問題の形にも特徴があります。センターの正答一覧で、正答が2つの問題(「2つ選びなさい」の形)を数えると、専門科目は第26回が80問中16問、第27回が48問中6問、第28回が48問中4問でした。共通科目は第27回が84問中15問、第28回が84問中27問です。回ごとの集計であり、今後の出題を予想するものではありません。なお第26回は現在と編成が違い、総得点は163点(専門科目80問)でした。
日程の詳細は精神保健福祉士国家試験 第29回の日程・時間割・申込、合格基準点の決まり方は精神保健福祉士の合格基準、出題内訳の一覧は精神保健福祉士の出題内訳にまとめています。
勉強時間を自分で計算する方法(計算例つき)
前の章の①〜③を、数字を入れて計算します。数字はすべて計算のための仮の値で、必要な時間を示すものではありません。
例1:総時間と科目群への配分
- 1週間に10時間、17週間続けるなら、総時間は 10 × 17 = 170時間(10,200分)です。
- 専門科目(48問)は 170 × 48 ÷ 132 = 約61.8時間、共通科目(84問)は 170 × 84 ÷ 132 = 約108.2時間です。合計は170時間で一致します。
- 科目群ごとでは、群①〜④(各9問)が 170 × 9 ÷ 132 = 約11.6時間ずつ、群⑤(12問)が約15.5時間、群⑥(18問)が約23.2時間、群⑦(24問)が約30.9時間、群⑧・⑨(各21問)が約27.1時間ずつです。合計は 11.6×4 + 15.5 + 23.2 + 30.9 + 27.1×2 = 170.2時間で、四捨五入の誤差を除いて170時間に一致します。
例2:過去問の1周にかかる時間
- 1問に解説まで含めて6分かかると仮定すると(6分は仮の数字です。最初の10問で自分の時間を測ってください)、第26〜28回の専門科目176問は 176 × 6 = 1,056分 = 17.6時間です。
- 3周すれば 17.6 × 3 = 52.8時間です。逆算すると、52.8時間 × 60 ÷ 3周 ÷ 176問 = 6分で、仮定と一致します。
- 共通科目84問を1回分解くと 84 × 6 = 504分 = 8.4時間です。
この計算の使い方は、「過去問の演習にかかる時間」を総時間から引き、残りをテキストでの理解・復習に充てる、という分け方です。引いた結果が足りなければ、開始時期を前倒しするか、周回数を減らすかを選びます。「何時間やれば合格」という保証ではない点に注意してください。
専門科目と共通科目の配分
総時間の約36%が専門科目、約64%が共通科目というのが、問題数に比例した配分の出発点です。そこから、次の点を見て動かします。
- 共通科目は社会福祉士の試験と共通の12科目です。社会福祉士の勉強を済ませている人は、共通科目の比重を下げ、専門科目に回す方法があります。
- 専門科目は精神保健福祉に固有の6科目で、9問の科目が4つ、6問の科目が2つあります。1科目あたりの問題数は共通科目と変わらないため、「専門だから配点が高い」ことはありません(配点は全問1点)。
- 試験は専門科目が先(2月6日)、共通科目が翌日(2月7日)です。専門科目の通し演習は90分、共通科目は140分で、必要な集中の長さが違います。通し演習はそれぞれの時間で行うと、本番に近づきます。
共通科目の免除を受ける人(社会福祉士の登録を受けている人)は、専門科目の48問だけを受けます。この場合の勉強は専門科目に絞れます。免除の手続きは社会福祉士と精神保健福祉士の共通科目免除にまとめています。
0点の科目群を作らない配分
合格基準は2つの条件を満たすことです。1つ目は、問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上であること。2つ目は、1つ目を満たした人のうち、9つの科目群のすべてで得点があったことです(科目の一部免除を受けた人は、5科目群で48点満点。センター 合格基準)。
合格基準の科目群ルール:総得点の60%程度を基準に問題の難易度で補正した点数以上で、かつ9科目群すべてで得点があること。配点は1問1点の132点満点(一部免除者は48点満点で5科目群)。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験合格基準。
つまり、合計点を上げる勉強と、どの群でも0点にならない勉強は別の課題です。時間の配分では次の3点を意識します。
- 週の予定に、9つの群をまんべんなく入れる。1週間に1群しか触れないと、後半の群が試験直前まで手つかずになりやすいためです。
- 周回の終わりごとに、群ごとの正答数を記録する。合計点より先に「どの群が最も低いか」を見ます。
- 最も低い群には、問題数の割合より多めの時間を回す。例1の配分は出発点で、記録をもとに動かします。
問題数が少ない群(9問の群①〜④)も、1点も取れなければ合格基準を満たしません。割合が小さい群も、最初の周回から全群に触れておく方法があります。この記事では回ごとの合格基準点の数字は扱わず、進め方に絞っています。
過去問(センターが公表した問題)の使い方
センターは過去の試験問題を公表しており(センター 過去の試験問題)、合格ナビは専門科目の第26〜28回(計176問)を出典つきで掲載しています。専門科目は精神保健福祉士の過去問(専門科目)(第28回・第27回・第26回)、共通科目は社会福祉士の過去問と同じ問題を社会福祉士の過去問で解けます。解説は合格ナビが作った3段階のもので、センターとは関係がありません。科目ごとに演習したいときは精神保健福祉士の演習ページが使えます。
使い方は3周です。
- 1周目:1回分を解いて、群ごとの得点で現在地を確かめる
- 2周目:間違えた問題と自信がなかった問題を、解説とテキストで確認する
- 3周目:専門科目は90分、共通科目は140分を測って通しで解く
第26回は現在と編成が違い(163問、専門科目80問)、科目名も第27回以降と異なります。科目群の配分は第27回以降(132問・9科目群)を基準にしてください。また、各回の問題は出題当時の法令・制度に基づいているため、その後の法改正で現在の内容と異なる場合があります。論点を過去問でつかんだら、現行の条文はe-Gov 法令検索 精神保健福祉士法などで別に確認する、と分けて使います。
テキストの選び方(名前を挙げずに確認する点)
当サイトは特定のテキストや講座をすすめません。選ぶときに自分で確かめる点だけを挙げます。基準にするのは、センターの出題基準です。
出題基準は、試験委員が問題を作るための基準で、「あくまでも標準的な出題範囲の例示であって、出題範囲を厳密に限定するものではなく」と書かれています。出題基準公表後の法改正による制度の重大な変更等についても、「出題基準にない事項であっても、精神保健福祉士として習得すべき事項については、出題することができる」とされ、「法律、政省令等に規定されている事項、厚生労働白書などの公刊物に記載されている事項などからも出題される」とも書かれています(センター 出題基準)。
| 確認する点 | 理由 |
|---|---|
| 出題基準の科目・中項目と対応しているか | 中項目は、試験問題の出題範囲とされているため |
| 試験回の制度に合わせて改訂されているか | 出題基準の公表後に法改正があっても、習得すべき事項は出題できるとされているため |
| 出題基準にない事項にどう対応しているか | 法令・白書などからも出題されるため、テキストだけでは範囲が閉じないため |
| 解説を自分で読み通せるか | 読み通せないものは、2周目以降の作業が止まるため |
テキストが範囲を網羅していても、1冊で完結するとは限りません。過去問で間違えた論点を、テキストと出題基準の両方で確認する流れが現実的です。
独学・働きながら・いつから始めるか
独学で進められるか
試験勉強の部分は、出題基準・過去問・テキストを使って自分で進める方法があります。ただし、受験資格は別の話です。第29回の案内では、4年制大学で指定科目を修めて卒業した方、短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設で相談援助の業務に従事した方、精神保健福祉士短期養成施設または一般養成施設を卒業(修了)した方が受験資格として示されています(センター 第29回の案内)。受験資格を満たす課程そのものは、独学では代わりになりません。受験資格の詳細は精神保健福祉士の受験資格で扱っています。
働きながら進める:週あたりの時間を逆算する
総時間を150時間と仮に置いて、専門科目の試験日(令和9年2月6日)までの週数ごとに「1週間に必要な時間」を出します。第29回の場合の開始日も合わせて示します。次回以降は、その回の試験日から同じ週数を引いてください。
| 試験日までの週数 | 開始日(第29回の場合) | 150時間のための1週間あたり |
|---|---|---|
| 17週 | 2026年10月10日 | 約8.8時間 |
| 12週 | 2026年11月14日 | 12.5時間 |
| 8週 | 2026年12月12日 | 18.75時間 |
150 ÷ 17 = 約8.8、150 ÷ 12 = 12.5、150 ÷ 8 = 18.75で、開始が遅いほど1週間の負担が急に大きくなります。150時間は計算のための仮の数字であり、必要な時間の目安ではありません。2026年10月10日から第29回の専門科目の日(2027年2月6日)までは119日、ちょうど17週です。自分の総量は、例2の方法で過去問1周の時間を測ってから決めてください。
ノート・スケジュールの作り方
- ノート:間違えた問題について、「なぜその選択肢が誤りか」を1行で書き、群の番号をつけておくと、周回の終わりに群ごとの弱点を数えやすくなります。
- スケジュール:①で出した総時間と、②で測った1周の時間から、「理解の期間」と「演習の期間」に分けます。最後の2〜3週間は、時間を測った通し演習に充てる方法があります。
社会福祉士との併願
社会福祉士と同時に受験する場合、共通科目の12科目は両方の試験で共通です。同時受験の日程と手数料は精神保健福祉士国家試験 第29回の日程・時間割・申込、2つの資格の違いは社会福祉士と精神保健福祉士の違いで整理しています。
次にやること
- ① 専門科目1回分(48問)を解いて、群ごとの正答数を記録する
- ② 1問あたりの所要時間を測り、例2の式で1周の時間を出す
- ③ 試験日までの週数から、1週間に確保する時間を決める
試験日・手数料・申込期間などは回ごとに変わります。受験する回の内容は、センターのページで確認してください。よくある質問は精神保健福祉士のよくある質問にもあります。
よくある質問
Q精神保健福祉士の勉強時間は何時間必要ですか?
社会福祉振興・試験センターの試験概要・出題基準・合格基準のページには、必要な勉強時間の記載がありません(2026-10-10 時点)。この記事では時間数を断定せず、132問の出題数と自分の1問あたりの所要時間から、学習量を計算する方法を示しています。
Q精神保健福祉士は独学で合格できますか?
試験勉強そのものは、出題基準と過去問を使って自分で進める方法があります。ただし受験資格は、保健福祉系大学等で指定科目を修める、養成施設を修了するなど、課程を修めることが前提です(センターの第29回の案内)。独学で進められるのは、受験資格を満たしたあとの試験対策の部分です。
Q専門科目と共通科目は、どちらから勉強すればよいですか?
センターの資料に、学習の順番の記載はありません。試験は、専門科目が2月6日(土)の午後、共通科目が翌7日(日)の午前です。問題数の割合は専門科目が48問(約36%)、共通科目が84問(約64%)なので、時間は問題数に比例した配分を出発点にして、自分の得点記録で動かす方法があります。
Q社会福祉士の資格を持っていますが、勉強はどこまで省けますか?
社会福祉士の登録を受けている人は、申請により共通科目12科目が免除され、専門科目6科目(48問)だけを受けます。免除の手続きは、社会福祉士と精神保健福祉士の共通科目免除の記事にまとめています。出典:センター 第29回の案内。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月10日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

