精神保健福祉士国家試験の合格点は「総得点の60%程度を基準に難易度で補正」し、9科目群すべてで得点が必要です。第26〜28回の基準点(95/163・70/132・62/132)と共通科目免除者の基準、0点の科目群の扱いを公表資料で整理します。
目次
結論:精神保健福祉士国家試験の合格基準は2つの条件です。①総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数(合格基準点)以上であること、②9科目群のすべてで得点があること。全科目を受験した方の合格基準点は、第26回が95点(163点満点)、第27回が70点、第28回が62点(ともに132点満点)で、毎回変わります。試験前に決まる数字ではないため、当サイトは合格点の「予想」を載せません。
132問の内訳は、専門科目が48問、共通科目が84問です。9つの科目群には、1群あたり9〜24問が割り当てられています(第27回・第28回の正答表で数えた問題数。同じ構成でした)。合格点の話は総得点だけでなく、この科目群ごとの得点にも関わります。
合格基準は「2つの条件」で決まる
センターの合格基準ページによると、次の2つの条件を満たした人が合格者です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 総得点 | 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上 |
| ② 科目群 | ①を満たした人のうち、9科目群すべてで得点があった人 |
| 配点 | 1問1点の132点満点 |
「60%程度」は132点の60%(79.2点)に決まるという意味ではありません。センターが各回の「合格基準及び正答について」で示している基準点は、次の章のとおり、第26〜28回の3回とも満点の60%を下回っています。
合格基準:総得点の60%程度を基準に問題の難易度で補正した点数以上、かつ9科目群すべてで得点があること。配点は1問1点の132点満点。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験合格基準。
第26〜28回の合格基準点を並べると
各回の基準点は、センターが合格発表のときに公表する「合格基準及び正答について」に載っています。満点が回によって違うので、割合も並べます。
| 回 | 実施 | 満点 | 合格基準点 | 満点に対する割合 | 得点が必要な科目群 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第26回 | 令和6年2月3日・4日 | 163点 | 95点 | 58.3% | 16科目群 |
| 第27回 | 令和7年2月1日・2日 | 132点 | 70点 | 53.0% | 9科目群 |
| 第28回 | 令和8年1月31日・2月1日 | 132点 | 62点 | 47.0% | 9科目群 |
出典(いずれも全科目を受験した方の基準点):第26回・第27回・第28回(センター「合格基準及び正答について」)。割合は当記事の計算(小数第2位を四捨五入)です。
読み取れるのは次の3点です。
- 3回とも、センターは総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正したと説明しています。割合は58.3%、53.0%、47.0%と、回ごとに違います
- 第26回は163問で、科目群は16に分かれていました。第27回以降は132問・9科目群で、科目名も変わっています。第26回の95点と第27回以降の点数は、同じ物差しではありません
- 各回の基準点は、その回の合格発表と同時に公表されています
直近の合格基準点:第28回は132点満点中62点以上(全科目受験の場合)。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 第28回 合格基準及び正答について。
合格点の「予想」を載せない理由
「第29回の合格点の予想」「予想ボーダー」といった検索があります。当サイトは予想を載せません。理由は、公表資料から次のことが言えるからです。
- 基準点は問題の難易度で補正して決まります。補正は試験問題が出そろったあとの作業なので、試験前に数字は確定しません
- 直近3回の割合が58.3%→53.0%→47.0%と動いており、前の回の数字が次の回の目安になるとは、公表資料からは言えません
- 基準点が公表されるのは合格発表のときです。各回の合格発表資料には、合格者の受験番号の掲載とあわせて合格基準点と正答を公表すると書かれています
次回の第29回について、センターが公表している日程は次のとおりです。
第29回 試験日・合格発表:試験日は令和9年2月6日(土曜日)・7日(日曜日)、合格発表は令和9年3月9日(火曜日・センターのホームページに合格者の受験番号を掲載)、結果通知の発送は令和9年3月12日(金曜日)。出題数は132問(専門科目48問、共通科目84問)。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験 令和8年度 第29回試験。
基準点が分からない以上、準備の目標は「基準点を何点と置くか」より「9科目群のどれも落とさず、総得点を上げる」に置くのが、基準の作りに合っています。試験の全体像は精神保健福祉士国家試験の合格ガイド、勉強量の見積もりは精神保健福祉士の勉強法で整理しています。
9科目群の内訳と問題数
2つ目の条件の「9科目群」は、センターが次のとおり定めています。①〜⑤が専門科目、⑥〜⑨が共通科目です。問題数は、第27回・第28回の「合格基準及び正答について」の正答表で科目ごとの問題番号を数えたもので、2回とも同じ数でした。
| 科目群 | 含まれる科目(問題数) | 問題数 |
|---|---|---|
| ① | 精神医学と精神医療(9問) | 9問 |
| ② | 現代の精神保健の課題と支援(9問) | 9問 |
| ③ | 精神保健福祉の原理(9問) | 9問 |
| ④ | ソーシャルワークの理論と方法(専門)(9問) | 9問 |
| ⑤ | 精神障害リハビリテーション論(6問)、精神保健福祉制度論(6問) | 12問 |
| ⑥ | 医学概論(6問)、心理学と心理的支援(6問)、社会学と社会システム(6問) | 18問 |
| ⑦ | 社会福祉の原理と政策(9問)、社会保障(9問)、権利擁護を支える法制度(6問) | 24問 |
| ⑧ | 地域福祉と包括的支援体制(9問)、障害者福祉(6問)、刑事司法と福祉(6問) | 21問 |
| ⑨ | ソーシャルワークの基盤と専門職(6問)、ソーシャルワークの理論と方法(9問)、社会福祉調査の基礎(6問) | 21問 |
出典(科目群の区分):社会福祉振興・試験センター 合格基準。問題数:第27回・第28回の正答表を当記事で集計。
①〜⑤の合計は48問で、専門科目の出題数と一致します。⑥〜⑨の合計は84問で、共通科目の出題数と一致します。48問は、あとで述べる共通科目免除者の48点満点とも同じです。
当サイトでは、センターが公表した第26〜28回の過去問のうち専門科目の176問(第26回80問・第27回48問・第28回48問)を掲載しています。共通科目の問題は、社会福祉士と同じ問題として社会福祉士の過去問に集約しています。
- 専門科目:第28回・第27回・第26回
- 共通科目:社会福祉士の過去問(共通科目)
- 出題範囲の確認:精神保健福祉士の科目と出題範囲
0点の科目群があると、総得点が足りていても不合格
2つ目の条件は、1つ目を満たした人のうち9科目群すべてで得点があった人、というものです。合格は2つの条件を満たした人なので、総得点が基準点以上でも、ある科目群で1問も得点できなければ合格になりません。センターは合格発表の資料で、結果の通知とあわせて、総得点・各科目群の得点・無得点科目群などを通知するとしています。
これがどのくらい厳しい条件かは、問題数で見るとつかめます。
- 1つの群の問題数は最少で9問(①〜④群)、最多で24問(⑦群)です。その9〜24問のすべてを落とした場合にだけ、この条件に当たります
- 科目群は複数の科目をまとめた区分です。⑤〜⑨群では、1科目が全問不正解でも、同じ群の別の科目で得点があれば、その群は無得点ではありません
- ①〜④群は1群が1科目なので、その科目で1問も取れないと無得点科目群になります
専門科目の①〜④群は、1科目9問ずつです。この4科目は、苦手でも0点にしないことが、2つ目の条件への備えになります。専門科目は第28回の問題で科目ごとに確かめられます。
共通科目免除を受けるときの合格基準
社会福祉士である方が精神保健福祉士試験を受けるときは、申請により共通科目の12科目が免除されます(精神保健福祉士法施行規則第6条)。この場合は専門科目の48問だけを受け、基準も別に決まります。免除の対象科目、申請の方法は社会福祉士の方の共通科目免除で扱っているため、ここでは合格基準の部分だけを整理します。
| 回 | 満点 | 免除者の基準点 | 満点に対する割合 | 得点が必要な科目群 |
|---|---|---|---|---|
| 第26回 | 80点 | 44点 | 55.0% | ①〜⑤の5科目群 |
| 第27回 | 48点 | 32点 | 66.7% | ①〜⑤の5科目群 |
| 第28回 | 48点 | 27点 | 56.3% | ①〜⑤の5科目群 |
出典:各回の合格基準及び正答について(第26回・第27回・第28回)。割合は当記事の計算(小数第2位を四捨五入)です。条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-10 時点の現行条文):精神保健福祉士法施行規則。
免除を受けると、2つ目の条件は専門科目の①〜⑤の5群になります。免除者の基準も、各回の資料で総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正したと説明されています。満点が違うため、第28回の免除者の基準点(27点)と全科目受験者の基準点(62点)を、そのまま比べることはできません。
免除者の直近の合格基準点:第28回は48点満点中27点以上、かつ①〜⑤の5科目群すべてで得点があること。最終確認日:2026-10-10。出典:社会福祉振興・試験センター 第28回 合格基準及び正答について。
まとめ:合格基準を踏まえた次にやること
- 合格基準は「総得点が基準点以上」と「9科目群すべてで得点」の2つ。どちらか1つでは合格になりません
- 基準点は第26回95点(163点満点)、第27回70点、第28回62点(ともに132点満点)。満点に対する割合は58.3%、53.0%、47.0%で、毎回変わります
- 基準点は合格発表のときに公表されるため、試験前に数字を決めて目標にすることはできません。当サイトは予想を載せません
- 専門科目の①〜④群は1科目9問。まず、どの科目も0点にしないことを確かめます
次のステップは、センターが公表した過去問で、科目ごとの得点を数えることです。
- 専門科目の過去問を解く:第28回・第27回・第26回
- 共通科目は社会福祉士の過去問で解く
- 回の合格率の推移を確認する:精神保健福祉士の合格率の推移
- 受験資格と試験の仕組みを確認する:精神保健福祉士の受験資格
- よくある質問:精神保健福祉士のよくある質問
この記事の出典と確認日
- 社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験 合格基準(確認日 2026-10-10)
- 第26〜28回の「合格基準及び正答について」(本文の各リンク、確認日 2026-10-10)
- 社会福祉振興・試験センター 精神保健福祉士国家試験 令和8年度 第29回試験(確認日 2026-10-10)
- 条文:精神保健福祉士法施行規則(e-Gov 法令検索、2026-10-10 時点の現行条文)
試験の内容と日程は、変わることがあります。出願の前に、センターの最新の案内を確認してください。
よくある質問
Q総得点が合格基準点以上でも、不合格になることはありますか。
あります。合格基準は2つの条件を両方満たすことで、1つ目が基準点以上の得点、2つ目が9科目群のすべてで得点があることです。基準点以上でも、どれか1つの科目群が無得点なら合格になりません。センターは合格発表の資料で、結果の通知とあわせて総得点・各科目群の得点・無得点科目群などを通知するとしています。
Q第26回の95点と第28回の62点は、そのまま比べてよいですか。
比べられません。第26回は163問・163点満点、第27回以降は132問・132点満点で、満点が違います。満点に対する割合にすると、第26回は58.3%、第27回は53.0%、第28回は47.0%です(当記事での計算。いずれも全科目を受験した方の基準点)。第26回と第27回では、センターの資料にある科目名と科目群の区分も変わっています。
Q合格基準点はいつ分かりますか。
試験後の合格発表のときです。センターは各回の合格発表で、合格者の受験番号の掲載とあわせて合格基準点と正答も公表するとしています。基準点は「問題の難易度で補正」して決まるため、試験の前に確定した数字はありません。
Q共通科目の免除を受けた場合、合格基準点はいくつですか。
免除を受けた方は専門科目の48問だけを受け、配点は48点満点です。基準点は全科目の受験者とは別に決まり、第26回は80点満点中44点、第27回は48点満点中32点、第28回は48点満点中27点でした。得点が必要な科目群は、専門科目の①〜⑤の5群です。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月10日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

