精神保健福祉士

精神保健福祉士 第28回 問題39|精神障害リハビリテーション論

問題

精神保健福祉士 | 第28回(令和7年度) | 令和8年1月31日(土)・2月1日(日)実施・精神障害リハビリテーション論

2 週間前に3 度目の入院をしてきたアルコール依存症のAさん(35 歳,男性)が,依存症病棟に勤務するB精神保健福祉士に「昨日の依存症プログラムに参加して,今度こそは断酒を頑張ってみようと思っている。今まで仕事のストレスを紛らわすために飲酒を繰り返し,仕事にも支障が出て,何度も会社から注意を受けたがやめられなくて,結局解雇されてしまった。本当に情けない。これまで何度も断酒しようとしては失敗しているから,自分には断酒できないのではないかと不安になる。こんな自分を妻はいつも心配し見守ってくれているが,これ以上妻に心配や迷惑をかけたくない。だから,今度こそは」と話した。そこで後日,B精神保健福祉士は,Aさんの断酒に向けた動機を強化するための面接を行うことにした。 次の記述のうち,面接での対応として,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題39(精神障害リハビリテーション論)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1

Aさんは、断酒したい気持ちと、「また失敗するのでは」という不安の両方を話しています。断酒の動機を強める面接(動機づけ面接)では、援助者が助言や説得で押すのではなく、本人が自分の言葉で「変わりたい理由」を語れるように支えます。妻との生活を大切に思っていることを手がかりに、断酒できた後の配偶者との生活を想像してもらうことは、望む将来と今の飲酒との間のずれに気づかせ、変わりたい気持ちを引き出すのに適切です。

ほかの選択肢は、脅しや助言、失敗の振り返り、具体的な行動の提案が中心で、動機を強める面接としては合いません。

なぜ正解か

正解は 1。動機づけ面接は、変化に対する両価的な気持ちを扱い、本人自身の言葉による「変わる理由」(チェンジトーク)を引き出す面接である。Aさんは、妻に心配や迷惑をかけたくないという思いから断酒を決意しつつ、失敗を重ねてきた経験で自信を失っている。断酒した後の配偶者との生活を想像してもらうことは、本人が大切にする価値と将来像を明確にし、変化への動機を高める関わりとなる。

ほかの選択肢

  • 2:「見放されるかもしれない」と告げて断酒の必要性を助言するのは、脅しと説得で、抵抗を引き起こしやすい。動機づけ面接は、説得を避ける。
  • 3:失敗経験を可視化することは、自己効力感がすでに低いAさんには、自信をさらに失わせるおそれがある。過去の成功や強み、大切にしたい価値に目を向けるほうが動機づけにつながる。
  • 4:退院後の就職活動の提案は、本人が話している関心事(断酒への不安と妻への思い)から外れ、時期も早い。
  • 5:飲酒したくなったときの対処法の提案は、行動計画の段階。動機を強める面接の段階にはまだ早い。

正解の根拠と位置づけ

正解は 1。設問は「断酒に向けた動機を強化するための面接」であり、動機づけ面接(Motivational Interviewing;ミラーとロルニックによる)の考え方で解く。動機づけ面接は、問題行動を変えることへの両価性(変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちの共存)を、援助者が共感的に扱い、本人自身の変わる理由を引き出して強めていく、本人中心でありながら方向性のある面接である。Aさんの語りには、①今度こそ断酒したいという決意、②仕事や解雇といった飲酒による損失、③何度も失敗した経験による自信の低下、④妻に迷惑をかけたくないという価値、が含まれている。この④を手がかりに、断酒した後の配偶者との生活を想像してもらうことで、本人が望む将来と現在の行動の間にあるずれ(不協和)が明確になり、変化への動機が高まる。

動機づけ面接の基本的なスキル

  • 開かれた質問:「どんな生活を送っていたいですか」
  • 是認:努力や強みを認める。
  • 聞き返し(反映):語りを返して整理する。
  • 要約:本人の語った変わる理由をまとめて返す。
  • 情報提供と助言は、許可を得てから行う。

誤りの肢の掘り下げ

  • 選択肢2:断酒の必要性を助言し、見放されるかもしれないと伝える対応は、「正しさの反射」(相手を正そうとする衝動)の典型で、本人が反論したり、防衛的になったりする抵抗を招く。
  • 選択肢3:過去の失敗経験を整理する作業は、自己効力感を下げる方向に働きやすい。経験は、失敗の中にある対処の工夫や、続けられた期間など、強みの側面から語り直せるなら意味があるが、設問の記述は「失敗経験の可視化」である。
  • 選択肢4・5:目標が決まり、実行しようとする準備が整ってから、行動計画(就職活動や、飲酒衝動への対処法)を一緒に検討する。動機を強める時期に先に具体的な行動を提案すると、本人の準備と食い違い、押し付けと受け取られやすい。

関連して出る論点

  • 変化のステージモデル(前熟考期・熟考期・準備期・行動期・維持期):どの時期の人にどの関わりが合うかを問う問題。
  • 依存症支援:断酒継続のための自助グループ、再発予防、家族への支援。
  • 本人の語る価値(家族や仕事)を手がかりにして、変わる理由を本人の言葉で引き出す点が、設問の軸である。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題39(精神障害リハビリテーション論)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第28回精神保健福祉士国家試験(令和7年度)」専門科目 問題39(精神障害リハビリテーション論)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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